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「待てやごらぁぁぁぁ!!!」
「まだまだお前程度に捕まえられるランページさんじゃないんでねぇ!!」
「私とて、負けはしないぞぉ!!」
「マヤだってぇ!!」
ターフを駆けるランページ、そんな暴君を追いかける二代目暴君とも言えるような傍若無人ウマ娘ステイゴールド、未来の女帝エアグルーヴ、天才マヤノトップガン。そんな様子を見つめるプレアデスメンバー。歓声を上げる者、声援を上げる者、その走りを逃すことなく目に焼き付けようとする者と多種多様な中でメモを取る真面目な者もいる。プレアデスでエアグルーヴを除いた上で真面目と言えば超一流を目指すウマ娘、キングヘイローである。
「成程、此処で加速するのね……」
「Ohキング何シテるデスカー?」
「記録よ、超一流を越えた世界一の走りが目の前にあるのよ出来る事はしたいのよ」
「ほぇ~キングちゃん真面目~……あれ、でもランページさんドローンから映像撮ってるから欲しい人はあげるって言ってたような……?」
基本的にランページは使える物はガンガン使うスタンス。故に個人所有のドローンは貸出依頼がなければプレアデスでもどんどんと投入して真上、斜め、横と様々な角度から録画を行って研究資料にしていく。チームメンバーは望むならそれを何時でも閲覧可能だし、自室で見る事も可能。故に態々ノートを取るキングに疑問を浮かべるスぺだが、キングは愚問ねと言いたげに笑う。
「確かに見る事は簡単だわ、だけど実際にその様子をノートに書き起こすというのは結構大変なのよ。表現というのもあるけど何処をどうしているのかを事細かに観る必要があるのよ、そして実際に手を動かして書く、これで意外に頭に入るのよ」
「な、成程……」
「そう言エバグラスから借りた日本語リスニングデモ、書いてみるのが大事ってアリマシた!?」
「凄い大切な事なんだ!!」
フフンッと胸を張るキングだが、少ししてその顔は曇った。この事は母から教わった大切な事でもあったのだ、立派なウマ娘になるんだと母に告げてそれならいっぱい勉強して努力しなくてはいけないと言われた。それなのに……母は自分を否定するばかりで……考えれば考えるだけ辛くなっていく、頭を振ると頬に程よい冷たさが触れた。
「よっハッピーかい?」
「あっはい、見てくださいランページさんの走りをデータにしてみてるんです」
「ほ~どれどれ」
結局レースはランページの独走、次にマヤだがなんと次に来たのはステゴだった。エアグルーヴとは僅差のハナ差ではあったがエアグルーヴを上回ってみせたのだ。
「如何だよ先輩よぉっ俺の方が上だぜ!!先輩の癖になっさけねぇの~」
「たわけったった一度、しかもハナ差程度でその慢心は何だ!?もう一度立て、今度は大差でぶっちぎってやる!!」
「望む所じゃねえかこの野郎がぁ!!」
「WOW!!私も走りマース!!」
「先頭の景色は譲らないわ」
「ぬぬぬっ同期として負けて堪るか~!!」
「私も負けないわ!!」
今度はエアグルーヴ、ステゴ、タイキ、スズカ、サニー、ドーベルでレースが始まる事となった。スタートはマヤがする事になって賑やかになっているのを他所にランページはキングのノートを見続ける。
「よく出来てるじゃねえか、分析も上手いし取り方も良い。しかも絵まであるとかどんだけハイスペックなんだお前」
「こ、この位は一流として当然の事よ!!」
そう言いながらも尻尾と耳は嬉しそうに揺れている、なんだかんだ言いながらも褒められるのは嬉しいのだろう。と思っていたら尻尾は萎む風船のようにおとなしくなり耳も落ち込んでいく。
「俺はダメ出しした覚えないぞ?」
「ランページさんはね……」
「親御さんか」
その言葉にキングは静かに頷いた。矢張りというべきか、キングと母親との関係は悪いの一言に尽きる。話を聞く限り、どう考えても母親が不器用で言葉が圧倒的に足りていない感じだがキングもそれを額面通りに受け取って強く反発してしまっている。そして母親はキングが諦めが悪い性格である事も知っているので説得するというよりも心を折らせるような方向性でレースをやめさせようとしているのがこれまた酷い。悪循環の無限ループだ。
「……また言われたの。貴方はレースに向いていない、貴方の才能じゃG1どころか重賞だって怪しい、切りの良い所で帰ってきなさい、別の道を模索しなさい、何だったら私の後を継げって」
本当に酷い不器用な母親だ……と既に母が居ないランページですら思ってしまう。言葉自体は酷く棘があるし言い方もきつい、だが根本的にはキングの将来への心配と不安があって自分のようになれるかも分からないのだが別の道も考えて欲しいという所だろうか……だとしても言い方が酷い。
「私ってそんなにダメなのかしら……お母様程のウマ娘から見て、才能が……」
強気なキングとしては珍しい反応、今回は余程言い合ったのか心に来ているらしい。そんなキングの頭を撫でてやる。
「無い物強請りしてる暇があったら顔上げなキング、今ある選択肢で最強の手札を導き出していくしかねぇのが人生だ。それにお前の母さんはお前の全てを決める事由があるのか、お前の全てを知ってるのか、違うだろお前は自分で決めたんだろ―――全距離G1制覇をよ」
掲げた目標、母を見返す為に定めた極めて辛く険しい道、世界最速最強のランページを越える事を誓った目標が再度の目の前に現れる。キングは顔を上げてみるとそこには笑う暴君が居る。
「お前にはこの俺を上手く使うって最高の選択肢があるじゃねえか、才能がねぇ?ンなもん笑い飛ばせ、才能で如何にも出来ないのが人と人の出会いだ。さあ顔を上げろ、胸を張れ、お前を纏わり付くノイズなんて笑い飛ばせ、お前は俺を越えるウマ娘キングヘイローだろ」
「―――っ!!」
そう言われてキングは薄っすらと出てしまった涙を拭うと立ち上がる、そして天にも届くような高笑いをした。
「お~っほっほっほっほ!!そうよ、このキングに下を向くなんて事は有り得ないのよ!!何せこの私は、この私はっ!この私はっ!!世界に轟く超一流ウマ娘になるキングヘイローなのだから!!そして既にお母様を越えていると言っても過言ではなかったわね!!なんせあのメジロランページさんとのコネクションを自らの力で築き上げて直々のスカウトされたのだから!!!」
「Oh!!なんだかキング、元気デース!!」
「キングちゃん、エルちゃんと走るんだけど一緒に如何かな!?」
「ええ勿論御一緒するわ、このキングに打ちのめされる権利を差し上げるわ!!」
あっという間に元気を取り戻した、というか一旦凹んだ影響で更に突き抜けたようなテンションになっている気がする……まあこういう所がキングらしさが出て一番だろう。スぺとエルの後をそのまま追うかと思ったのだが―――立ち止まって自分の方を向いて行った。
「有難う御座いますランページさん、実は私同室の方が居なくて少し心細かったの。一人なのは良い事もあるけどプレアデスって賑やかだから少し静けさが怖かったのかもね、でももう大丈夫。私はもっともっと頑張るのだから!!」
「そうか、それじゃあお前さんに暴君占いだ。お前さんは来年には素敵なルームメイトが来るぜ、天真爛漫で妹みたいな同室がな」
「フフフッやけに具体的なのね、でも期待しておくわ。それじゃあ!!」
駆け出していくキングを見送るランページ、自分のトレーニングに熱中しすぎたかなと少しだけ反省しつつも携帯を取り出して電話を掛け始める。
「アサマお婆様ランページです突然すいません。実はファイナルズとレジェンドレースのパーティの事なんですが……ある人を招待してほしいんですよ。ええ、いえ違います無関係とも言えませんけど……ええ、そうです、ハイお願いします―――グッバイヘイローを」
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