貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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478話

「ランページ、今日は招待してくれてありがとう」

「アンタまでそれ言う訳、最早URAへの嫌味やん」

「君に対してだからこそ許されるのさ」

 

皇帝シンボリルドルフ。URAが日本を誇る最強のウマ娘だと推し続けてきた皇帝、そんな皇帝は本来所属しているドリームトロフィーリーグの出走を蹴ってレジェンドレースへの出走を選択した。それに続くようにメジロラモーヌ、ミスターシービーという三冠ウマ娘達も次々と出走を明かした事は大ニュースになった。

 

『な、なぜレジェンドレースに出走するのですか!!?』

『何故ですか……これは可笑しな事を仰います……我々ウマ娘が走る理由など一つに決まっています。そのレースで走りたいからに決まっています』

 

会見でルドルフはそう言い切った、両隣に居たラモーヌとシービーも同じだと言わんばかりに頷いて見せた。心の底から走りたいウマ娘がそこに居る、だからこそ出走するのだ。

 

『私っいえ私だけではありませんね。シービーもラモーヌも心の底から思い続けた物があった。あの生涯無敗を誇ったウマ娘と本気の勝負がしたい』

『メジロムサシが、スピードシンボリが成し遂げられなかったあの凱旋門を制したウマ娘と』

『アメリカの最高のレース、ブリーダーズカップクラシックを制したあのウマ娘と』

『『『メジロランページと本気の勝負がしたい!!!』』』

 

様々な言葉を尽くすが結局は全てがそこに集約されていた。日本を越えた世界の頂点に立ったウマ娘と本気で勝負をしてみたい。自分達だって凱旋門を夢見なかった事はなかったのだ、走る舞台こそ違うがBCクラシックに胸を熱くさせなかったことなどはなかった。自分達がやってのける事が出来なかった事を成し遂げたあのウマ娘と戦いたい。

 

『し、しかしっ……』

 

その男はURAお抱えの出版社の記者だった。シンボリルドルフの走りに魅了されて彼女の記事を幾つも書いてきて好評も得ている、だからこそ彼女が走りたいと望むのであれば自分は迷いなく背中を押す……だが、URAの意向は絶対……故に自分はこれに反対しなければならない―――と思った時にシービーがマイクを取った。

 

『じゃあ単純な話だよ、すっごい単純な話。此処に居る全員に聞くね、いい?私たちがランページと本気で勝負する所見たくない?日本各地だけじゃない、世界からも挑戦者が集っちゃってる今回のレジェンドレース。テイオーやターボもランページと本気勝負する所』

 

何て、何てズルい質問なんだ……それは立場などを全て超越した質問、それぞれが根っからのウマ娘のレースファンである全員への問い。見たいに決まってるじゃないか……此処に居るメンバーは世代的にルドルフの世代が中心故にその言葉は更に突き刺さっていく。

 

『私は勝負したいな~三冠ウマ娘ってのは完全に抜きにしてもさ、レジェンドレースっていうのはもう一つの夢のレースなんだよね。もう手が届かないと思っていた伝説に手が届く上に一緒に走れるんだよ。ウマ娘的にはこんな嬉しい事って中々無いよ―――だから私は絶対に走るよ、まあ私が走ったら二人も走るけどね』

『当たり前、そんな抜け駆け許せると、思って?』

『全くだ。シービー、君はそうやって以前も抜け駆けをしたのを忘れていたのか?』

『いや~あの時は本当に偶然だったんだけどね~』

 

そんな空気になってきたが、シービーが咳ばらいをしつつともかくと改めて言う。

 

『それに前々から言ってた通りに私達は今年を最後にドリームトロフィーリーグから引退するつもりだし、その舞台に相応しいレースだと思うんだよねぇ……はいっそんなレースを見たい人手上げて』

『『『はいっ!!!』』』

 

流石は最も愛された三冠ウマ娘と呼ばれているシービー、人の心を掌握するのも上手いしどうすれば動くのかもよく心得ている。それを使う気が無いのが自由人シービーなのに今回ばかりはそれを余すところなく利用している辺り本気で走りたいのがよく分かる。

 

『はいという訳で決定、私達はレジェンドレースに出走するから~URAが何言っても変更はなし。というか、この会見ランページにお願いして配信して貰ってるからもう訂正とか絶対できないんだけどねっ♪』

『『『えっ!?』』』

『待てシービー初耳だぞそれ』

『だって今初めて言ったんだもん♪』

 

茶目っ気たっぷりにウィンクするシービーにトレーナーである沖野は頭を抱えた。何時の間にそんな事を……これによって生中継にせず何とか上手い事手段を考えようとしていたURAの一部勢力の目算も水泡へと帰した。これによってルドルフ、ラモーヌ、シービーの三名はレジェンドレースの出走が確定したのであった。

 

「ったく苦労したぜ、態々俺が懇意にしてる出版社まで出向いて編集長に口が堅くて信頼出来る人をわざわざ紹介した貰った上で俺のスマホを貸して生配信したんだからな」

「いやぁ~やっぱりランページに相談して正解だったよね~」

「せめて私達ぐらいには相談しろ、妙な汗をかいたんだぞ?」

 

そんな事もあってこの三冠ウマ娘達はこのレセプションパーティーにも出席しているのである。

 

「でも、これで漸くこの子と本気で走れる機会に恵まれたわね」

「全く以てその通りだ、素直に待ち侘びたよ」

「楽しみだね」

 

和やかに笑って見せているが瞳の奥は全く笑ってない、闘争心の炎の柱が見えるようだ。全く以て物騒なことこの上ない。日本ウマ娘界において屈指の名ウマ娘と名高い三冠ウマ娘達が自分との勝負に此処まで熱を上げているのだから、全く以て、全く以て―――燃えるじゃないか。

 

「かかって来いよ、精々ジャパンカップでしか世界を知らねぇ三冠ウマ娘さん達よ。俺に勝つ事は流星に願いを届けるよりも難しいと思いな」

「流れ星に願いを届けるよりもか……良いだろう、何故私が皇帝と呼ばれたのかをその身を以て教えてあげよう。遠慮する事はない、授業料は君の敗北で結構だ」

「それは私の役目よ。初代トリプルティアラとして、いえ姉として力の差を見せてあげるわ」

「それじゃあ私は歌舞伎に連れてってあげるよ。大丈夫大丈夫歌舞伎は落ち込んだ時に見ると元気になるから」

 

と煽り合いが始まってパーティ会場の一角が完全な地獄となった。覇気と殺気が飛び交ってウォースパイトですら言葉を失って冷や汗を流す程度には空気がとんでもない事になっていた。そして

 

『伝説の夢の舞台、楽しみにさせて貰う』

 

その一言で会場に再び熱気が戻る。そう、伝説の舞台に上がりたいと思ったからこそ此処に居るのだ。寧ろこの光景を見て喜ぶべきだと声が上がる。パーティはそのまま熱気を保ったままで終わりを告げるのだが……その日から、ファイナルズとレジェンド出走ウマ娘は更に練習に熱が入るようになったという。




皆様からの募集ウマ娘はまだまだおりますのでご安心を!!誰が出るかお楽しみに!!

特別編に関するアンケート

  • ランページが未来に行く
  • 未来からランページ産駒来襲
  • そんな事よりドゥラ出す為に本編書け
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