貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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予定が詰まっててウマ娘の映画見に行けないぃぃぃぃぃぃ!!!


487話

「絶品!!」

「本当に美味しいです、ああっ、このお米も本当に……」

 

その日、ランページは客を招いていた。その客というのは秋川理事長、理事長秘書であるたづなの両名であった。何故こうなったかと言われれば立場上仕事も忙しく残業もする事も多いので、リフレッシュの意味を含めて夕食の招待した。尚、残っていた仕事はランページが片づけた。

 

「しかし、本来私がしなければいけない仕事を処理して貰ったのは矢張り忍び難い」

「何言ってんすか、あんなのは理事長がやる事じゃなくてURAの仕事です。俺は仕事配分の正当な抗議をしたまでです」

「流石にウラヌス様からお電話なんて心臓が止まるかと思いましたよ……」

 

残業する多くの要因はURAから押し付けられる見当違いな仕事、本来処理しなくてもいい筈なのに立場上URAに強く出られない理事長はこれもウマ娘の為……と職務に励んでいたのだが―――

 

『あっウーちゃん、俺だけど……うん、なんか中央トレセンの理事長に妙な仕事が回って来ててさ。そうそう、内容的にもまあ確かにやるべきかなぁ……?って首を傾げる程度には関わりがなくはない程度なんだよ。うん、それで……うん、そうそう、あっじゃあ今変わるね。理事長お電話』

『た、ただいまお電話を替わりました秋川ですっ!!』

『秋川殿、ランページから話は聞きました。URAの恥がご迷惑をかけた事をお詫び致します……矢張りURAの改革を急がなければ……』

『あっいえ、私としてはウマ娘の為と思っておりましたので特に苦労は……』

『いえケジメは付けさせていただきます、ランページ聞こえているだろう。お前の名前も使わせて貰うが構わないだろう?』

『好きに使ってくれウーちゃん、何だったらこっちからも圧力掛ける?』

 

「目の前でとんでもない世界を見た気分だ……」

「大袈裟っすね~そういうのは大統領連中が来る事を言うんです」

「本当にこういう場においてのレスバ最強ですね……」

 

という訳で秋川とたづなはしなくてもよくなった仕事のお陰で労働環境が改善された、それを祝う意味を含めてランページの招待を受けた。

 

「通常、本当に普通の一軒家なのだな。メジロ家のウマ娘ならば邸宅に住んでもよいと思うが」

「こう見えても俺は小市民だったもんでしてね、正直な話豪勢なお屋敷でお嬢様ライフなんて性に合わないんですよ。自分の事は自分でやる、それでいいんですよ。おっとほらっファインご要望の煮込みラーメン出来たぞ~」

「ヤッタ~!!」

 

キッチンで煮込んでいた大鍋がやって来た事に歓喜するファイン、そんな彼女の頭に居たハテナは飛び降りながらもランページが一緒に持って来てくれた自分のご飯に飛びついた。

 

「ファイン殿下はランページとの生活は楽しいですか?」

「とっても楽しいよ!!毎日毎日楽しい事一杯だし、しんゆ~の作ってくれるお弁当も美味しいしアニメも面白い!!日本っていい所だね~」

「最近は近場の公園にも繰り出すようにもなっているのですが、そこでご近所の方々とも交流なさっておりますが皆さん仲良くしてくださっております」

 

トレセン学園周辺の住宅に住んでいるのは全員がトレセン学園関係の仕事についている人間でファインの事はそれとなく通達されているのでSPも警護する身としては楽で助かっている。偶に遠目に此方を撮ろうとするマスコミ関係を警戒するだけで済む。

 

「今回で二回目となるファイナルズ及びレジェンドだが、今回で出走をやめるという噂が立っているが事実なのか?」

「やめるっつうかトレーナーとしての仕事の兼ね合い考えると今年が無条件で参加出来る最後のチャンスってだけですよ。上ちゃんや坂原さんと相談したうえで参加する事は有るかもしれないけどそれでも俺ってシンプルに多忙ですから」

「その話が少し誇張されて今年がラストという風になったんですね。それでルドルフさん達もレジェンドレースの方に出走すると」

「有難迷惑ですけどねぇ……そのせいでURAがうるせぇのなんの、おっファイン煮卵いるか」

「いる~!!」

 

自分達からすれば明らかな上役で逆らう事も出来ない上位組織であるURA、陰で愚痴を零す事さえあれど此処までハッキリと罵倒した上で平然と弓を引く事も辞さない存在もそうはいない。ランページ自身の力が最早URAに匹敵するものがある為に恐れる必要がないというのもあるだろうが……

 

「時にランページ、君に聞きたい」

「何すか、G1ニンジンしりしりまだありますよ」

「是非貰いたい!!ではなく……君のトレーナー業についてだ」

 

最高クラス品質に与えられるG1の称号を得たニンジンは実に美味で箸は止まらない……そのお代わりがあったのは喜ばしいが本題はそこではない。

 

「君はまだトレーナーとしては数年にも満たず新人の域を出ない、だが君は積極的にウマ娘のスカウトに動き続けている。東条トレーナーも沖野トレーナーもそこまで積極的ではない、君が指導する事は私にとっては喜ばしい事だがそれでは忙しさが増す一方だ。少しは腰を落ち着けてもよいのだぞ?君は大いに貢献をし続けた、現役引退直後にトレーナーに就任する必要もないようにも思えた、以前も注意されたと思うが……もう少し余裕を持つべきだ」

 

中々に痛い指摘をされてしまった。自分は理事長達の仕事についてツッコミを入れたのに、肝心のランページの仕事量はトレーナーの中でも抜きんでている。二つのチームを纏めているのだから当然と言えば当然なのだが……片方だけに集中してもいい筈なのに……最低でも数年はアグレッサーの統括チーフとして活動しても良いというのが理事長の考え。

 

「仰りたい事は分かりますが新しい夢を見ちまったから、もう止まらないです」

「夢、ですか」

「日本のウマ娘はどんどん強くなれる、そこに俺の全てを投入する。それを糧にして俺を越えるウマ娘を自分の手で育てる。こんな面白い夢がありますか、それにあんな逸材たちが入学してくれたらトレーナーとしては放っておく手はないでしょ」

 

例え競馬を知らなくても名前を知っている馬が居た、いずれその名を冠するウマ娘も来るかもしれないと思うとワクワクしてしまう自分がいる。共に走ってみたい、まだ見ぬ果てしない夢へと共に駆け抜けていきたい。

 

「ウムッそれは正論!!だが、体調管理などは確りする事。君ならば事前に申請してくれれば休暇も都合するので!!」

「あっそこらはきっちりとしないと不公平なので勘弁してください」

「本当、ランページさんって不思議な方ですね」

「そこがしんゆ~の良い所なのです!!」

 

ドヤ顔で胸を張るファイン、そんな彼女に笑いが込み上げたのであった。

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