貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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503話

「ウーちゃん、一つ聞いていいかい」

「答えるものならば」

「現時点でURAファイナルズの交流戦、言い換えればジャパンワールドカップの設立って何%ぐらいある?」

「あるかなしだから50%」

「真面目に聞いとるのよ~こっちは」

「そうさねぇ……」

 

間もなく行われるダートの舞台、来年以降は最低でもマイルと中距離の二部門化するという意見が2人の間でも合致している中でランページが尋ねた。

 

「世界的にファイナルズの創設はかなり推進されてる、現状日本だけだけどその注目度は正直言って異常の一言。加えてトレーナーやURAとしても新しい人材の発掘にも繋がるのは大きなメリットでレジェンドはドリームトロフィーリーグを越えた夢の舞台になり得る。今の所、設立に一番積極的なのがアイルランド、アラブ、オーストラリアね」

「ファインが熱心に初代大会の映像見返したのはそのせいか……?」

「アイルランド王室が直々にアイルランドURAを動かしたらしい」

 

矢張りランページが走ったヨーロッパではその動きが強く、日本のウマ娘があれほど強いのもこれがあるからでは!?と思われているらしいが……そしてアメリカもアメリカでイージーゴアが設立に向けて動いている、家族に妨害されると思われたが自分でセクレタリアトに頭を下げて政府とURA共同で設立に向けて動いているらしい。

 

「アメリカも随分と問題視してる、元々アメリカのトゥインクルシリーズは問題も多かった。それを伝統だからと取り繕っていたのを遂に切り込んだらしいぞ」

「変われば変わるもんだねぇ……」

 

あの無感情ウマ娘がそこまで変わるとは……驚きの一言だ。将来的にサンデーとの勝負が見れそうで安心した。

 

「数年以内は難しいだろう、逆に1~2年で全て整えたランページ、お前が異常なんだ」

「俺ちゃん頑張ったからね」

「個人だからこそ動けた強みがあった、だから……5年後辺りならば可能性はあると思う」

 

5年後辺りとなると……ファインの一つ後の世代、ネオユニヴァースやゼンノロブロイの世代が入学してくる辺りになるのだろうか……

 

「その時には流石に俺はレジェンドレースに出てないことを望むよ」

「カツラギエースやマルゼンスキーが出ている手前それは難しいと思うがな」

「俺はトレーナー業もあって大変なんです~」

 

ウラヌスにとってランページとのじゃれ合いは清涼剤のようになっていた。対等な友人として見てくれる上に頼ってくれる、こんな風に懐いてもくれる……こんな孫が欲しかったなぁとしみじみ思う。孫は居るがみんな自分の事を尊敬して厳粛な態度を取るので寂しい祖母心なのであった。

 

『さあ残すところ最後となったURAファイナルズ、ダート部門1900が始まります!!来年からはマイル中距離になるという話も聞きますので益々楽しみになっております!!そして今ッスタートです!!おっといきなり飛び出したのはダーレージャパン!!続いてヨカヨカ!!』

『前回は惜しい所まで行ったダーレージャパン、矢張り凄い走りですね!!おっとダーレージャパン少しヨレたけど直ぐに立て直しました!!』

 

「左失礼」

「いっちゃが、いっちゃが、そんなん気にせんでいっちゃが」 

 

『その後方にはマグナムレオン、ツキノイチバン、そして昨年度の覇者フジマサマーチが再びこの舞台に上がり2連覇を目指します!!』

『いやぁ連覇してる子達に続いてほしいですね!!』

『その背後に南部杯を制しているトウケイニセイが控えております!!怖い怖い優勝候補の一人です』

 

「笠松のフジマサが出たんだ。なら、岩手の私が出ないわけにはいかないだろう?」

「だとしても私は負けるつもりはない」

「別にいい、そちらが負けるのではない私が勝つんだからな」

 

カサマツのマーチと岩手のニセイ、二人はレース前から既にバチバチだったが始まってからはさらに過熱している。

 

『フセンキョイイツ、やや内に陣取ります。ミルガマネとドーンリョウマ、ファイルヘジス、タラサジャイロがやや外向きか?さあ今年はダート出走のヤマトスィーティも良い位置にいるぞ。ステルラグローリアが少し上がってきました』

 

先頭を駆け抜けるダーレージャパン、前回大会は実戦経験の無さが響いていたが今年はフリースタイルレースに積極的に参加したり重賞を取った経験のあるウマ娘と対戦できるイベントなどにも出てみたりした影響でその走りは何処か洗練されていた。

 

「(中距離だが、ほぼマイルと言っても過言でもないこの距離なら走り切るのは造作もない、このまま駆け抜ける!!)」

 

ジャパンが模しているのはランページの逃げ、しかも幻惑逃げ。ペース変化なども既にマスターしておりそれを実戦投入している。それが上手く行っている自信もある。ワザと遅くしたりして上手く相手のペースを乱せている。ペースはボロボロな筈、このままラストのコーナーを越えてこのまま自分が王座を奪取すると勢いに乗ろうとした瞬間だった、背後からの圧力が一段と強くなった。思わず顔を向ければそこには距離が全くなく引きはがせていない事実があった。

 

『最終コーナーで遂にダーレージャパンが捕まったぁ!!此処から逃げられるのか!?まだ脚は伸ばせるのか!?ヤマトスィーティが驚異的な追い上げだ、だが前回覇者のフジマサマーチも此処で一気に伸びていく!!マグナムレオンも来ている!!ドーンリョウマとミルガマネが内ウチの奪い合いぃ!!トウケイニセイがここで更に伸びるか!?ステルラグローリアも直線で一気に駆け抜けるぅ!!』

 

どういう事なんだ、幻惑は完璧だったはずだ、ペースは滅茶苦茶になっていたんじゃないのか?という疑問が頭を過る中で真横を抜けたマーチが言った。

 

「確かに巧みな幻惑だった、だが―――その程度で乱される程、伊達に走っていない!!」

「しゃあっ踊れ騒げ!!星空の下!掴み取れ栄光!オレのボルテージも最高潮だぜ!!」

「おまんみたいな奴らと戦えてるのはまっこと楽しみじゃ、ほんじゃあきに負けん!!」

 

抜かされている間に聞こえてくる声は疲労の色が隠せていなかった、息も絶え絶えで身体の疲れが声にも確りと出ていた。それなのに走りは一切衰えず洗練され続けたまま、ダーレージャパンがまだ体得出来ていない精神性、それが大きく出た結果だった。

 

『残り後僅か、先頭はフジマサマーチ、このまま2連覇か!?いやドーンリョウマが迫る、トウケイニセイが並んだぁ!!ヤマトスィーティが外から来ている!!ダートも大混戦!!さあどうなるんだ、如何なんだ誰が栄光を手に入れる!!?誰だ誰だ誰だ誰だぁ!!今ゴールイン!!一着は……ヤマトスィーティっ!!!ヤマトスィーティ一着!!フジマサマーチを半バ身差でねじ伏せたのはTEKIRO連覇のヤマトスィーティ!!二着トウケイニセイ!!クビ差でフジマサマーチを越えました!!三着にフジマサマーチ、フジマサマーチ2連覇ならず!!ですが素晴らしい走りでした!!!』

 

「ただいま、そしてこんにちわファイナルズ!!!」

 

ダートをもって終了するファイナルズ、だがその熱は次なる戦いへと引き継がれることになるのだ。頂点を決める戦いから伝説の戦いへ。それは―――正しく伝説の戦い。

 

第二回URAファイナルズ

ダート部門チャンピオン ヤマトスィーティ




雷狼輝刃様よりヨカヨカ、シェルフィ様よりフセンキョイイツ、トウケイニセイ、SHOWTIMEHOUR様よりドーンリョウマを頂きました有難う御座いました!!

レジェンドレース来たる!!
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