「という訳ですので今年も合宿に行きます」
『合宿~!!!!』
エアグルーヴのデビューも無事に済んだので夏合宿に話を繋げる事にしたランページ。合宿に行くという事へのテンションの高さが凄くて初めてのアヤベさんは吃驚しているがウララは目を輝かせている。
「ねえねえアヤベちゃん合宿だって!!海かな山かな!?」
「何方かしら……でもどっちだとしてもきっと星は綺麗に見れたらいいわね」
「お星さまか~綺麗なんだろうね~」
「そうね、きっと綺麗よ」
とはしゃいでいる二人、実際プレアデスの合宿は他のチームと比較した場合にレベルが高いと言われた事があった。と言っても招待するウマ娘が跳ね上げるのだが……合宿に使う施設費などの関係もあって豪華でいい宿を選ぶのが難しいチームが多いのが現実、その辺りをメジロ家の力で気にする事がないというのは圧倒的なアドバンテージに繋がる。
「皆テストはよく頑張った、赤点が居ないようで安心したってどったのよキングため息ついて」
「いえ……ウララさんの勉強を見てあげてたんだけど、それで赤点回避が精々だったのが……喜んでいいのかしら、それともギリギリ回避が精々だったと嘆くべきなのかしら……」
複雑そうな顔をしているキングだがウララは勉強教えてくれてありがとう~!!と純粋無垢な笑顔を向けて来るので一層何も言えなくなっている。
「ンで、今回もゲストを呼んでる。特にマヤ、エアエア、あとステゴ、お前らの為の特別ゲストも呼んであるから楽しみにしとけよ」
「マヤと」
「私と」
「俺の為だぁ?またサンデーサイレンスじゃねえだろうな」
「まああれは呼ばなくても来るから、強いて言うならば―――俺にとっての恩人だな」
ランページにとっての恩人が来る、一体誰が来るんだと皆が色めき立つ。
「その辺りは楽しみにしといてくれていいからな、それと初日はがっつり遊ぶので皆そっちの準備も怠らないように」
「Oh今回もバーベキューはありますか~!?」
「当然あります」
「YEAH~!!!」
楽しいイベントは確りと準備している、強いて言えばマスコミらの対策の為にまたメジロ家の別荘が合宿の舞台なので3年連続で同じ場所というのがあれかもしれないが、他のチームに聞いてみたら同じ場所でやるのが基本であり、寧ろこの場に来る事で合宿が本格化するという意識を植え付ける事も出来るという意見も頂けたので前向きに考えている。
「マヤ、次走は菊花賞のトライアルだ。確り勝って行こう」
「はい!」
「エアエア、デビュー戦はご苦労だった。だがお前さんはこれからだ、次走はオープンか重賞かは合宿中の仕上がりで決めていく。阪神ジュペナイルフィリーズが今年のラスト想定だ、俺のティアラを継承する気があるならしてみな」
「はい、してみせます」
やる気は十分の二人に安心感を抱きながらも次に目をやる。向けられた面々は背を正した。
「ドーベル、スズカ、サニー、タイキ、ステゴ、お前らも来年にはデビューするんだ、この合宿がデビューに直結すると思ってくれて構わねぇ。ドーベルとタイキはそこまで関係ないかもしれないが、スズカ、サニー、ステゴはバチバチなライバル関係だ。三人纏めて同じ路線に突っ込むんだからな、覚悟しとけよ」
『はいっ!!』「うい~す」
やる気があるんだかないんだか本当に分かりにくい……まあ瞳の奥に光があるのでやる気自体はある、そのやる気がどの種類で誰に向けられているのかは恐らく……まあ放っておこう。
「スぺ、エル、キング、お前らも合宿は二回目だ。今回で走りの方向性やらを見つけるにはいい機会だ。今回は少しきつめに行くから覚悟しとけよ」
「頑張ります!!けっぱります!!」
「やってやりマース!!その位しないとランページさんより強くはなれまセーン!!」
「当然よ、一流として一流にしか出来ない走りを見出すつもりよ!!」
流石黄金世代、元気がいい。この元気が何処まで長続きするのか見物だ、そして何処まで伸ばせるだろうか……特にキングの走りにはキレが出始めている、このキレをどこまで伸ばしてどこへ導くのも大切な事だ。
「ンでアヤベさんにウララ、二人は合宿初めてだから戸惑う事もあるだろう。プレアデスに入ってまだ2~3か月、この合宿で身体ならしてチームに馴染めるように努力してくれ」
「分かりました、いろいろ頑張ってみます」
「ハ~イ!!!」
誰よりも元気がいい返事をしたウララの頭を撫でる、約二名ほどから羨まし気な視線が飛んでくるが勘弁してほしい、ウララちゃんは別なのだ。
「それで今回は一体誰を招待するのさ」
「おっ気になる?」
「そりゃね、せめて心の準備はしておきたい」
「僕も知りたいな」
一旦解散、トレーナーだけの話し合いの場を設けた。合宿はトレーナーにも様々な準備が必要なのだがその大部分が合宿地の選定と合宿におけるセキュリティ問題やらの面倒な手続き、がランページが自前でやってしまったのでトレーナーとして楽だが暇だった。
「まずはサンデーだろ、ンでラモーヌパイセンにエースさん」
「それはまた、凄い面子だ……粗相のないようにしないと」
「うぇぇぇ……俺ラモーヌさん苦手だぁ……」
「ンでラストに―――」
最後に告げた名前には思わず二人は言葉を失った。あの人を呼ぶのかと。
「えっいや呼べるの?というか呼んでいい人なのあの人って」
「普通に友達だし今でも偶に一緒に飯食うぞ」
「マジでなんなんのランページって」
「久しぶりに扱きに行ってやるとするかねぇ……後輩の教え子か、年甲斐もなくワクワクするたぁまだまだ私も小娘って所かな」
「あらあら、そんな事をいう事じゃないわよ。私だってランちゃんと会うの楽しみだもの♪」