貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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535話

「来年デビューだぁ~?やめとけやめとけテメェなんぞデビューしても勝てずじまいで鳴かず飛ばずになるに決まってらぁ」

「ンだとテメェ⁉テメェだって人の事言えんのか、テメェの事なら散々調べたんだからな、人の事は言えねぇのは分かってんだぞゴラァ!?」

「テメェと俺とじゃ状況が違うだろうが舐めてんのか!?」

「だったら俺の状況も一緒くたにして全否定してんじゃねえぞアメリカのオグリキャップも大した事ねぇな!!」

「「ンだとテメェやるかゴラァ!?上等だ叩き潰してやらぁ!!」」

「ひぃっ!!?」

 

まあこうなるだろうなとは思っていたが矢張りサンデーはステゴに絡んでいった。そしてスペも育てると確保されていたのだが矢張りこの雰囲気に圧されて怯えている。慣れてないと怖いだろうから致し方ない、そんな二人を止めるかと思っていたらシンザンが咳払いをした。

 

「だったらまずは走って力の差って奴を見せるのが簡単だろうね、こっちとしてもランページの教え子の走りって奴を見てみたい。それでいいかいサンデー」

「ハン良い案だぜ、オラどの程度成長したか見てやろうじゃねえか」

「ケッ見てろぶっちぎってやる」

「ほれ、お前さんはそうだな……マルゼンスキーの所に行ってきな」

「あ、有難う御座います~!!」

 

そういって逃げ出していくスペ、彼女からしたら命辛々地雷原から逃げ出せたような気分だろうから致し方あるまい。

 

「んじゃ菊前のマヤノトップガン、デビュー明けのエアグルーヴもこっちに来な。面倒見てやる、それと改めて名乗っとくよ、あたしはシンザン。昔は三冠ウマ娘って言われたロートルだ、つってもお前さんらにとってのトレーナーの師匠枠って奴らしくて、頭下げられちまった。さて弟子の弟子は我が弟子も同じって理論で扱いてやる、特にマヤだったかい。アンタはこの合宿でついてこられたならば菊どころかブライアンと戦ったって負けはしないさ、如何だやるかい?」

「やる!!マヤは決めたんだもん、今度こそトレーナーちゃん達にセンターウイニングライブを見せるって!!」

「マヤ先輩だけじゃありません、私もです」

「上等じゃねえか、そこのサンデー同様にアンタも蹴散らしてやらぁ」

「良い度胸だ、んじゃ行くよ」

 

駆け出していく一行、シンザンと会うのは久しぶりだが元気そうで何より……だが気のせいだろうか、脚の筋肉の張りが充実しているような……それに妙に元気に溢れているような……。

 

「フフフッシンちゃんったらね、ランちゃんが設立したURAファイナルズとレジェンドレースを見て血が騒いじゃってたんですって、それで近所のトレセン学園にお忍びでお邪魔して指導とかしてたんですって」

「いや何やってんだよあの人」

「ね、驚いちゃうわよね~でも、嬉しそうでよかったと思うわ。ランちゃんと会ってから貴方の話ばっかりするようになっちゃったのよ」

 

やれ可愛くない後輩だの、ロンシャンの走りはこうすればもっと行けたかもしれない、ダメだしもあればべた褒めもあったりとシンザンの様子を語るスーちゃんだが、彼女を呼んだのは別の理由もある。

 

「という訳でスーちゃん、ご指導ご鞭撻宜しくお願いします」

「は~い任せれました~ん♪」

 

何故スーちゃんを呼んだのか、今回の合宿はランページの合宿でもあるのだ。レジェンドレースらに出走する予定はないが、鍛えるのはトレーナーとしての部分。そこでスーちゃんに思い切って相談した。本当は知りあいに元トレーナーがいないかと尋ねてみて指導を受けようと思っていた……

 

『それ私じゃダメなの?寂しくて悲しいわ……ランちゃんにとって私は頼りにならない存在だったのね……ヨヨヨ……』

 

と泣かれたので素直にスーちゃんにお願いする事にしたのであった。

 

「と言ってもそこまで教える事はなさそうな気もするけどね、ランちゃんに足りないのは経験云々だろうし、人を教えるのって大変な事だから現役みたいに勝ち続けるなんて不可能よ」

「分かっちゃいるけど動かずにはいられねぇんだよな……もうマヤの涙を見る気にはならない」

 

勝負は時の運、どんな準備をしようとどんな戦術を構えていようが、それらが全て通用したとしても意味もなく崩壊する時はあるのだ。自分はそれをしてきた側の存在だ、される覚悟はしている。自分はこんな思いを与えてきた、サンデーサイレンスは言っていた。勝者は敗者の全てをその身に背負うのだと。正しくその通りだった。

 

「かと言って今のスタイルを変えるつもりもない、だからスーちゃんに頼みたいのはそういう俺になる為の手伝いさ」

「フフフッいいわね~そういうの大好きよ~」

 

有難い言葉を受けながらもそれぞれのグループに分けれて指導が早くも始まろうとしている。

サンデー&シンザンを指導者に置いた対強者対応技術及び基礎体力増強を目的としたチーム。

 

「さてと、私も折角来たのだから務めを果たすとしよう。さあ私に続く気のある者は居るか?」

「ドーベル、貴方は私が見てあげるわ」

 

何処かワザと気取ったような態度を取りながらも持ち前のカリスマ性を存分に利用するルドルフとラモーヌのタッグ。取り合えずドーベルは決定らしく固まっている。

 

「スズカとサニー、お前らはこっちだ。さあ存分に見てやるぞ、つうかこっちで良いんじゃないんですか?」

「ううん、エースちゃんは前も来てて二人の事も分かってるでしょ?私は突然来ちゃったんだから坂原さんと上水流さんのサポートに回るわね」

 

逃げを鍛えるが目的のエース、スズカとサニーは取り合えず此処で決まりらしい。残りはマルゼンスキーが坂原と上水流をサポートする形で入っていく方針で決定。思いの他スムーズに決まった事に驚きつつも素直に助かると安心した。

 

「アヤベさんとウララは俺とやろうか。俺も二人の事をまだ完璧に把握してる訳じゃねえからな」

「ランページさんと一緒!?わ~い!!」

「よ、宜しくお願いします」

「応」

 

この合宿を皮切りにプレアデスを一気に伸ばすつもりでいる、それに相応しいトレーナーにも自分はならなければ……フローラのように自分に負けないように努力を―――

 

―――ン"ン"ッ!!?

 

「んっ!!?」

「如何したのランちゃん」

「い、いやなんかいきなり寒気が……」

「お風邪?あっ待って私のど飴持ってるの~」

「夏風邪ですか?」

「いやそういう物じゃなくてだな……もしかして……」

 

ランページは徐に声色を整えてから言った。

 

「フローラちゃ~ん♪」

「はぁぁぁああぁぁいっぃぃぃぃぃ!!!!?」

 

突如として現れたそれへとアイアンクローが炸裂した。

 

「何でテメェがいるんだ、あぁぁん!!?」

「ギャアアアアアアッ!!?ちょ連絡行ってないんですか!?私おハナさんからルドルフさん云々の事で連絡役として派遣されたんですけどぉぉぉぉ!!?」

「―――おハナさん、押し付けやがったな……!?」

 

まさかのフローラ、プレアデスの合宿に参加!?




「ごめんなさいランページ、少しだけでいいからお願い……」

脳内フローラが出せ出せってなんか夢にまで出てきて……ガチ悪夢で妻に凄い心配される位には出てきた……。
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