貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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ウマ娘、ハフバおめでとう!!私も早速ガチャを引きました。ジェンティルドンナは引きたかったし、とことんやって天井で確保しました。でも悔いはありません、何故なら―――

ドゥラメンテ、シンボリクリスエス、メジロマックイーン、餓狼ブライアン、サマータイキ、ジェンティルドンナ、バレンタインライアン。と言った感じで豊作だったのです。
個人的にずっとほしかったクリスエスが来てくれてマジで嬉しかった。いいよね長身褐色美女。


547話

「改めておめでとう、なんて言葉は聞き飽きたかしら?」

「有象無象の言葉ならともかく、貴方からの言葉に飽きるなんて事はねぇよ。有難く受け取らせて貰いますよおハナさん」

 

菊花賞後、出勤して仕事をしているランページに東条は祝いの言葉を送った。これまでクラシックでは惜しい思いばかりしてきた彼女が遂にクラシックの一角を制した、しかも実質的に去年から本格的なトレーナー活動を始めている新人の域を出ないトレーナーが。これは世間だけではなくトレーナーの業界にも激震を走らせる事にもなっている。

 

「3000で大逃げなんてね……流石にしてこないだろうと思ってたから虚を突かれたわ、普通はしないだろうと思った事をしてきたという意味では貴方に倣ったのかしらね?」

「それ嫌味かい、リギルにも大逃げしようとするアホたれいたらちゃんと叱ってくださいよ?」

「既に叱ってるわよ」

「あれま」

 

マヤの勝利は世間的には大騒ぎの的、何せ逃げでの菊の勝利その物が久しかった為に歴史的な勝利として取りざたされているのにランページの十八番である大逃げ勝ち。ランページの指導力などにも懐疑的な視線が向けられた事への真っ向から殴りつけるかのような事象でマスコミは挙ってこの勝利を取り上げるので当人的には辟易している。

 

「と言っても私は菊の敗北に浸かってる暇はないわ、次は天皇賞だからね」

「タンホイザとかもいるし楽じゃねぇっすよ?」

「分かってるわよ、その為に努力を続けるつもりでいるの。今のブライアンはそう簡単に止められないわ」

 

ブライアンは益々整ってきている、調子も天井知らずに成長し続けているので今度の天皇賞も取るのではないかという話が根強い。と言ってもローレルやタンホイザもいる訳なので簡単に勝つ事は出来ないだろう。

 

「なんだったら面貸しますから」

「ありがと、だけどこっちにも一応手札はあるからそっちを使おうと思ってるわ。貴方ばっかりに頼るのは悪いし……一応実力だけは、貴方に拮抗出来てる訳だし」

「あ~……その、マジなんですかあいつがトレーナーになるって」

「……」

 

ランページがそう尋ねると東条は酷く答え難そうな顔になった、苦虫を噛み潰しながらもなんとか上手い事言葉を作ろうとしているのがよく分かる。以前の合宿でトレーナーとしての勉強を兼ねてプレアデスに来たことは覚えてはいるのだが……本気であれが同僚になるかと思うと……。

 

「貴方には本当に申し訳ないんだけど、あの子本当に優秀なのよ……この前の合宿後からなんだか急速に指導力も上がってて私も安心して出張とかに行けるし任せられるから有り難いのよ……サブトレーナーとしてはこれ以上ない逸材になってるの……」

「しかも、走れるからおハナさん的にはマジで申し分ないと」

「本当にそうなのよ……正直、あそこまで凄いなんて思いもしなかったの……」

 

東条的にもフローラの能力を過小評価していたところがあった、だがそれ以上の力をフローラは持っていたのだ。それは合宿で他のチームを巡った事で更に研磨とカットが行われた宝石の如き輝きを放ち始めていったのだ。

 

「南ちゃんも随分と評価してたみてぇだしな……ホント優秀な奴だよ全く」

「本当よ……あの性格さえなければ、あれさえなければ……!!」

 

フローラ最大にして唯一の問題点が全てを台無しにしている、それこそなければ東条は大手を振ってフローラをサブトレーナーに据えてリギルのメイントレーナーとして集中出来る筈なのに……これも自分が狂わせたせいかなぁ……とランページは責任を僅かに感じるのであった。

 

「でも、でもトレーナーにすると確実に貴方に迷惑をかけるのが目に見えてるのよ……しかも同僚がそんな事をするなんて精神衛生的に辛いでしょ?」

「メガッサ辛いね、ぶっちゃけ貞操の危機すら感じる位」

「やっぱり……」

 

東条的には本気でフローラをサブトレーナーに据えたいのは変わらないのだが、それ以上に問題なのがフローラの性格。絶対にランページに問題を起こす、どうにか対応策を考えなくてはならないのだが……全く良い案が思いつかない。

 

「つっても俺がおハナさんのそういう希望に首を突っ込むのは野暮、つうかあいつの人生設計を俺が変える訳にはいかないしこっちが変化を付けるしかねぇかなぁ……」

「本当にそういう所確りしてるわよね貴方、被害者みたいなものなのに……」

「いや寧ろフローラがああなった元凶みたいなもんだし、どっちかと言ったら俺加害者っす」

 

そもそもが自分がどうにかしようという考えすらない、もしも絡んで来るならば何時も通りの対応をするまでだが、同僚になるならば距離が近くなるので今までのそれがエスカレートするのは目に見えている。かと言ってどうすればいいかなんて簡単に思いつく訳でもないからこそ困って―――

 

「大丈夫かランページにおハナさん、コーヒー淹れる?」

「砂糖とミルク多めで頼むわ」

「私もそれで」

「おハナさんなら珍しいオーダーですね、ランページはそこまで珍しくないですけど」

「良いんだよ俺は、頭と身体使えば太らねぇから」

「それなら私だって太らないわよ」

 

そんな事を笑いながらも珈琲を貰う事にした、上水流はランページがブレンドした珈琲を淹れながらもこの二人が頭を悩ませるんだから凄い難題なんだろうなぁ……などとのんきに思いながらも鼻歌交じりに珈琲を準備する。

 

「ああそうだ、皆が今度パーティやろうって言ってたよ。なんかこの前のマヤちゃんのパーティで集まって騒ぐ事の楽しさを植え付けちゃったっぽい」

「んじゃまた俺の家か、今度買い出し付き合ってくれよ。この前のパーティで散々食い漁られたからな……作り置きもお陰様で全滅だ」

「んじゃ今度の休みに手伝いいくわ、ンでそのまま晩酌ってのは如何だい?」

「いいね~」

 

そんな軽口を叩きながらも上水流は珈琲を淹れ終えて二人へと差し出した。うむ、珈琲はうまい。

 

「それにしても二人とも仲良いわね、最初のころの面影なんてないわね」

「そりゃこんなウマ娘に振り回されたら角も丸くなりますって」

「おっ言いますね、今度峠で振り切ってやろうか」

「ハッ抜かれるの間違いじゃないかい?」

 

などとしている時にランページに電流走る。

 

「……そうか、なあ上ちゃんちょっとお願い聞いてくれね?」

「お願い?俺でよければ聞くよ、何でも言ってくれ」

「んじゃ上ちゃん、俺と結婚しようか」

「―――えっ?」

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