貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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565話 特別編パート2 その2

「ハァッ……つうか未来の俺どうなっちゃってんの、そんな色ボケでもしてんの?」

 

子宝に恵まれている事自体は喜ばしい事だ、うん確かに素晴らしい事だ。だが明らかに多過ぎないか、サラッと大家族を作っているじゃないか。特番に出れるレベルの人数産んでるじゃないか、自分ってそんなにあれなのか……と若干凹みそうになる。

 

「パパとママはLOVELOVEデース!!でも普段は素っ気無いというかぱっと見だと仲悪い?って思う位には渇いてマース」

「そうだな、電車の中でやられると殺意が湧くアホなカップルみたいにベタベタしないし家の中でもくっついているわけでもないよ」

 

それを聞いて少しだけ安心した、如何やらTPOを弁える程度の理性は確りとあったらしい……。

 

「おしどり夫婦、とトレーナーは言ってたぞ。やり取りの素早さは熟年夫婦だとも」

「まあ俺が現役時代からの付き合いでもあるからな、南ちゃんには劣るけど」

「フローラおばさまも~お母様には勝てないと、仰ってました~」

「アイツをおば様呼びせんでも良いと思うが……」

「そうはいきませんよ、フローラさんは東条トレーナーの後を継いだ二代目リギルのチーフトレーナーなんですから」

「アイツリギル継いだの!?」

 

なんと、未来ではフローラはトレーナーを続けておりそのままおハナさんの後を継いでいる。しかも中々にやり手でその中には三冠ウマ娘もいるとか居ないとか……

 

「信じられねぇ……というかおハナさん引退したのか」

「寿退社だったか?」

「いや結婚して少しして引退した感じだった筈だよキャップ」

「えっあの人も結婚したの?相手誰よ」

「一応秘密にしておくよ、楽しみがなくなるだろうから」

 

そうなると大本命はアニメでも絡みがあった沖野だろうか……それか別のトレーナーか……まあ誰も可笑しくはないと言えば可笑しくないのだが。

 

「にしても今もトレーナーやってるけどあいつがリギルをねぇ……いまいち信じられねぇな」

「ホント今も昔も変わらずに仲悪いんだね」

「別に険悪って訳じゃねぇぞ?あいつがキモいのが悪い」

「ホント私達のお母様ですね~」

 

未来でも自分とフローラの関係は変わっていないらしい、まあ変わりようがないような気もするのだが……

 

「ンでお前らはこれからどうする?トレセン学園でも見物に行くか?」

「といってもなぁ……私達の時代のそれとは違うだけで行っても逆に迷惑になるだけでは?」

 

タイクーンの言葉に全員が頷いた。自分達の時代ではないのだから好き勝手な事はしないという判断には頭が下がりそうになる、自分の子供達が良い子に育っている事が分かって本気で泣きそうになって来た……これは自分なのかそれとも上ちゃんの教育が良かったのか、当然両方だ。

 

「折角デース、ママの現役時代の話をして欲しいデース!!」

「えっ俺?なんで」

「母さんは余り昔の事を話さないんだ、昔に小学校の宿題で家族の事について書きなさいと言われた時に私は母さんがトレーナーをしている事を書いたんだが……如何して競争ウマ娘の事じゃないの!?って驚かれた事があったぞ」

 

曰く、未来の自分は聞かれでもしない限りは自分の活躍を語る事をしないらしい。キャップの場合は余りテレビも見なかったので母のレースの再放送なども見る機会がなかった為だが、言われないと喋らずに大変な目にあったらしい。

 

「あ~……だって自分から話すのってなんか自慢みたいだし自慢って聞くのしんどいだろ?それだったら興味持たれたらでいいかなぁ……って思ったんじゃねぇかな、そこは納得だわ」

「トレセン学園の教材でもお母さんのレースは使われたりするぞ」

「それだったら余計に話したりはしねぇだろうな……自然に知ってくれてからの方が俺としては話しやすい」

 

知ってからはそれはそれは母にレースの事を聞こうとしたのだが、どんなレースを走っただとかは教えてくれたが実際のレースの事については余りで自分で見て色々考えてくれたら話しても良い、というスタンスだったとの事。タイクーン自身も詳しく聞けたのは中等部2年からだったらしい。

 

「俺のこと知りたきゃ映画あるだろ、ドキュメンタリーの奴」

「あああれプレミアついててなかなか手に入らないってトレセン学園の先生も嘆いてたよ」

「プレミアついてんの!?」

「だからフローラおばさまが持っているのを借りたりしてるってお聞きしましたわ~」

 

何だか未来の事が良く分からなくなってきた……一体どういう世界になっているのだろうか、なんか怖くなってきた。そんな思いをしているとインターホンが鳴らされた、一先ずインターホンの受話器を取ってみるとランページが硬直した。

 

「あれ、お母さん宅配便?」

「……悪い客来た」

「えっそれじゃあ私達隠れる?それとも口裏合わせる?」

「むっ?かくれんぼか?」

「いや、多分無駄だ……」

「Why?」

「もしかしてお父さん来たとか?」

「……それよりやばい、スーちゃん来た」

『え"っスーお婆ちゃん来たの?』

 

 

「ふんふんふ~んきっとランちゃん喜ぶわよ~♪」

「お婆様、落ち着いてくださいランページは逃げたりしませんよ。大逃げはするでしょうが」

「あらっいいわねそれ」

「全く、突然来てるのだから自重なさい」

 

子供たちのその言葉を聞いて益々確信した、これは確実に隠し通せない……素直に話すしかないだろう……絶対に喜ぶだろうなぁ……という予感が頭から離れないランページは玄関へと足取り重く歩むのであった。

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