貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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567話 特別編パート2 その4

未来から娘達が来た事で色々とカオスな事になっているランページの家、曾孫の来訪に笑顔が絶えないお婆様たちを他所にランページは何処か遠い目をしていた。

 

「そう言えばフローラおば様がお母さんの本出してたよね」

「えっ」

「YES、記者さんとの合同の後に自分の本を出してマシータ。ベストセラーになってました」

「何それ怖い、どんな本?」

「私が追いかけた背中、生涯を掛けて挑む頂きというタイトルでしたね。トレセンの図書館にもありますよ」

「確実にランちゃん関係の本よね、あの子の事だし」

 

スーちゃんの言う通り、乙名史記者と合同で出したそれとは違った視点の物で自分のデビューから海外遠征、凱旋門挑戦とラストランに至るまで細かく描いたエッセイ。それは純粋に海外遠征を目指すウマ娘が持つべき心構えや海外での生活リズムの整え方などなど……シリウス並に日本のウマ娘に貢献する著書としてトレセン学園でも教材として扱われる事もあるという。

 

「あいつは真面目にならその位は出来るんだよなぁ……やらないから問題なんだけどさ……」

「私達の知ってる母さんもそんな事を何時も言ってたぞ、フローラおばさんが来る度会う度に」

「だろうなぁ……」

 

そんなフローラだが誰よりも自分を倒す可能性が高かったライバルなのは変わりないしこれからもそれは変わらないのだろう。

 

「アイツはトレーナーなんだろ、どんな感じだ?」

「どんな感じと言いましても……リギルのトレーナーに相応しい人材としか言いようがないです」

「ほう、彼女が……」

 

元リギルのウマ娘としてはあのフローラが立派に東条の後任を確りと務められていると思うと感慨深いものがある。娘達の時代ではトレーナーとして火花を散らしているのだからあいつとの縁は腐れ縁なんだなと思う。

 

「因みにおばさん結婚してるよ」

「うっそだろお前!!?あいつ結婚したの!!?というか誰だよアイツに告るというとち狂ったやつ!!?」

「其処までいうかランページ、君は……」

「ルーちゃん、これまでを振り返ってみなさい。ランちゃんの言い分も真っ当な物になるから」

 

ルドルフが思わず苦言を呈する程度には仰天するランページ、だがそれはアサマとスーちゃんも同意見。あのランページ狂いのド変態がまさか結婚出来るなんて……その生涯全てをランページに捧げていると言って過言ではないあのウマ娘が……。

 

「しかも子供いるから」

「それなのに俺に執着するとか何なん?母親としての自覚ないの?妻として夫に申し訳ないとか思わないの?夫婦間に亀裂でも自主的に作りたいの?」

 

全く以てその通りだとその場の全員が頷いた、だがそのフローラの旦那というのがかなり理解がある人物、というかその人も相当なランページオタクらしくそれが切っ掛けで知り合ったらしい。なので妻がランページに執着しようがなんとも思わないらしい。

 

「寧ろそうでなければ私が好きになった妻じゃないって感謝祭の時に私達の前で惚気てたよ」

「何その人、聖人?」

「よくそんな人と出会えたわね」

「そうでもなければあの子の相手は務まらないって事かしら」

 

タイクーンの言葉にランページ、スーちゃん、アサマがそれぞれの反応をすると娘達は思わず吹き出していた。自分達が知る母も同じ事を言っていた、だけどそんなフローラの結婚を真っ先に、そして一番に祝福し喜んでいたのはランページだったのも事実だった。結婚式のスピーチでランページは思わず涙を浮かべつつも二人の今後の幸せを祈っていた。

 

「にしてもあいつ結婚出来るんだ……する気はあるとは言ってたけど開き直って独身貴族やってるから未来の俺とか娘に絡んでると思ったのに……」

「ごめんなさいねランちゃん、私もそう思ってたわ」

「私も」

 

半分ぐらい笑っている三人に誘そわれそうになりながらも4人は此処がやっぱり自分達の家なのは変わらないなぁと思ったのであった。それから―――

 

 

「ランページ、今日は随分と機嫌よくないかい?」

「んっ~そうかい?」

 

トレセン学園の職員室、トレーナーとして仕事をしているランページは妙に上機嫌。滅多に鼻歌などを歌ったりしないのに陽気な歌を口ずさんでいるのが良い証拠だった。

 

「何、未来は明るくて素晴らしいって事が分かっただけさ」

「なんじゃそりゃ」

「まあいいからいいから」

 

娘達と会えてなんだかんだで嬉しかったし楽しかった、望む所があるとすれば一緒に走りたかったが適性バ場と距離がそれぞれ異なり過ぎているのでお流れになってしまった。だが写真撮影だけはした。首から掛けているロケットペンダントにはその時の写真が収められている。

 

「―――上ちゃん」

「何だい?」

「娘は期待していいぜ」

「ちょっ!?」

 

いきなりの爆弾発言に周囲を見回し、顔を真っ赤にしながらもランページに抗議する姿も愛おしく感じてしまう。初々しく騒ぐ旦那様にクスクスと笑うランページ。

 

「まあまあいいじゃねぇか、どっちみち作るんだからよ。そもそも此処にいる全員俺達の事は承知の上なんだぜ?」

「T・P・O!!!」

「フフフ」

「フフフじゃない!!」

「フフフのフ♪」

「バカにしてるよな!!?」

 

そんなやり取りをしている二人を遠めに見るフローラ、彼女はそんな姿を見て二人のやり取りに羨ましさを感じてしまう。しかしそれはランページと絡んでいる訳ではなく、二人の姿にである。

 

「……私もあんな風に旦那様見つけられるかなぁ」

 

 

 

「ちょちょちょちょっ!?マジでここ何処よ!!?ラン姉ちゃんこれどう言う事!!?」

「お前は三女神の許可なしに俺の娘を勝手に過去に送り込んだよな?だからそのお仕置き♪」

「うん、結構のあの後の処理大変だったんだよ?」

「少しお灸をすえてやろう」

「フフフッ覚悟はいいですね?」

「ゲェッ三女神ぃ!!?ラン姉ちゃん如何やって呼び出したんだよシャーマンかよ!!?」

「シップちゃん、少し頭、冷やそうか……?」

「ちょっと待ってくれラン姉ちゃんそのセリフだけはマズい―――ギャアアアアアアアアア!!!!?」




という訳で特別その2は此処まで、またその内に第三弾をやります。今度は別な切り口でやろうかなぁ~……?

そして、間もなく第三回URAファイナルズとレジェンドレースが開催となりますのでオリジナルウマ娘の募集の締め切りも近いのでご注意ください!!応募は下記のURLからお願いします!!

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=317456&uid=11127
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