貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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578話

この日ある場所に集められたのはアメリカの重鎮ばかり、ウマ娘の聖戦とも言えるトゥインクルシリーズ、超大国とも言われるアメリカから日本へと殴りこんで来たウマ娘達がそこにいる。日本とアメリカでは環境面が色々と異なるのに殴り込みをかけてきたそれに誰もが驚いた事だろう、だがそれを言えば日本が現役にそれをやらせているじゃないかと言われてしまう言葉が続かないのだ。

 

「極東の島国へようこそ、アメリカで是非とも走って頂きたかったですね」

 

その言葉は紛れもなく本音だった事だろう、何で日本に来やがったんだふざけんなクソがというのを必死に抑えて作られた白々しい作り笑顔から繰り出されるそれにサンデーは馬鹿笑いをし、やっぱりそう言うと思ったよ~とアンブライドルドは素敵な笑みを浮かべている。

 

「本日はこのような場を設けて頂き有難う御座います、そしてメジロランページさん……貴方とはもう一度こうしてお会いしてお話をしたかった、サンデー貴方とも」

「けっついでみたく言うんじゃねぇ気分わるぃ」

「やめなさい、折角こうして集まっているのに険悪な空気にする事はないでしょう」

「誰のせいでこうなってると思ってんだよ誰のせいで、テメェこそ人の事言えた身分じゃねぇだろうがよポンコツ」

「だ、誰がポンコツよ!!?」

 

現在アメリカでファイナルズとレジェンドレース設立のために奔走しているイージーゴア、そしてサンデーが呼んだグッバイヘイロー……これだけでも凄い空間なのに此処にもう一人のアメリカからのウマ娘が加わる。

 

「Mejiro Rampage!!おっと、失礼したワ。貴方には是非とも会いたかったの!!私にとっては偉大な先輩の一人だモノ、貴方の現役だった頃に是非とも会って走ってみたかったってずっと思ってたケド、こういう機会に巡り合えて本当に光栄だワ!!あっいけない、ごめんなさいつい興奮しちゃって……ミスウラヌスの前なのについ……」

「よいよい、下手に硬くなられるよりもずっと気分が良い」

 

そんな中で優雅な振舞いで日本酒を飲みながらも若いウマ娘達のあれこれを肴にしているウ~ちゃんことウラヌス。ランページは思わずなんでこの人はのんびりしているだ的な視線をやろうとするがそれよりも自分に自己紹介をするウマ娘に集中する。

 

「改めテ、私はSky Beauty(スカイビューティ)。アメリカのトリプルティアラよ、凱旋門制覇にBCクラシック制覇……偉大なウマ娘にお会い出来て光栄よ!!あっ配信も毎回欠かさず見てるノ、それでサイン貰っちゃダメ!?」

「おうおう、俺のファンだったのか。勿論ファンサービスは俺のモットーですから」

 

スカイビューティ、ランページと同じトリプルティアラの称号を持つウマ娘。それだけではなく、彼女が制覇したG1の数は九つ、九冠バとも言われている。しかしそんな称号からは想像出来ぬ程に彼女はフレンドリー且つ明るく元気な性格、タイキを少し大人しめにしたような感じだろうか……素直に好感を感じるウマ娘だ。

 

「さてと、おもてなしといきますか……まあ取り合えず一言、ジャパンワールドダートカップやる羽目になったじゃねぇかなんだよこの面子ホント日本でやるレースの面子か」

 

兎も角食事をしながら話をする事になったのだが……言いたい事を集約した事をランページが放った。それも当然だ、このレジェンドレースは海外からも挑戦者が来る、それは良いのだが……今回のダート中距離の大半が海外からの刺客、本当に日本での主催されるレースか?と困惑する程度には出走表がカオスすぎて笑う。

 

「レジェンドレースと日本が注目されているという事だ、寧ろ胸を張るべきだぞランちゃんよ」

「これ以上胸張った所で肩こりが酷くなるだけだよウ~ちゃん、来年から海外の受け入れについてはもうちょっと厳格にするべきなんじゃねえの?幾らなんでも来過ぎだ」

「心配しなくても来年あたりには落ち着くだろうよ、なぁイージーゴア」

「ええ、来年からアメリカのURAファイナルズとレジェンドレースが開催されるので」

 

ウラヌスの問いに明るい表情でイージーゴアは答えた。その言葉にスカイやアンブライドルドが食いついた。

 

「それ本当デスカ!!?reallry!?アメリカでファイナルズとレジェンドレースをやるんですか!!?」

「はい、ランページさんのそれに比べたらかなり時間が掛ってしまいましたが……なんとか開催に漕ぎつける事が出来そうです」

「やったじゃん、パパも喜ぶよ。ねえランページ初開催に当たってゲストに来られない?」

「ブライ、無茶を言わないでください。ランページさんとてお忙しいのですから」

 

そんな風に窘めるイージーゴアとえっ~……と残念がるアンブライドルド、その光景に最も驚いていたのはサンデーだった。思わず

 

「お前誰だ、本当にゴアか。俺にとってはこの光景はゴア表現だぞ」

「何ちゅうことを……」

 

そんなことを口走る程度には強烈な光景だった、口の中で転がすはずのキャンディを噛み砕き、新しいのを口に入れても即座に噛み砕いてしまって同じことを繰り返す程度には狼狽えている。

 

「私はイージーゴアですよ」

「変わりすぎだろ、影武者か」

「其処まで、言われるのも当然ですね……ファイナルズとレジェンドレースを開催するに当たってトレーナーさんとアメリカ各地を巡ったのです、各地のトレセンだけではなくフリースタイルレースや子供達が走る所も見て様々な事を学んできました……そして改めて思いました、私はレースを愛しています。だから―――色んな人にもっと愛して貰えるようにする為に頑張ろうと決めた、唯それだけの事です、ねっ当たり前な動機でしょ?」

 

過去の自分を自虐するような笑みを浮かべながらも、何処か楽し気な笑いを浮かべているイージーゴア。彼女は少しだけ変わったとトレーナーは評する、これが本当の彼女で元々それだけの素養はあった、ただちょっと表に出せなかっただけなんだと言っている。

 

「しかし改めて、貴方の人望というかカリスマ性には脱帽するわねランページ」

「おっなんだ娘を誑し込まれた恨み言か?」

「違うわよ!!変な事言わないでくれるかしら!?」

 

まあ何というか、如何して自分もこんな事になってしまったんだろうかと思う時はある。一体何処で歯車が狂ったんだろうか。

 

「まあ……色々思う事はあるけど、楽しいレースにはなるだろうな……なぁ?」

 

暴君の問いかけにその場の全員が笑みを浮かべた、特に実際にレースを走る面々の目の輝き方は一層煌びやかであった。




次々回を目途にファイナルズとレジェンドレースの募集を終了しようと思います。
ご興味がある方は下のURLから覗いてみてください。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=317456&uid=11127
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