「アッハハハハハッ!!!こりゃ参ったわオラ足ガクガクすっぞ!!」
「笑い事じゃないってば!!?」
「アハハハハハハッ!!!!」
あの後、ランページは医務室に担ぎ込まれなかったが控室に運び込まれた。表彰とか色々あったのだが……それはスーちゃんやハーちゃん、センちゃんことセントライトが代行してくれた。まあそれはそれで大騒ぎになってどえらい事になったわけだが……肝心のランページはライアンから説教を受けていた。
「今どういう状態か分かってる!?」
「そうだな、最高潮にまでブン回してたエンジンをさらに回した結果の反動が全身に来てガクガクしてるって感じかな。こりゃ主治医からまた怒られるな、後お婆様からも」
「分かっててやってるんだから本当にランってば性質が悪いよね……全くッ!!」
「そう目くじら立てなさんな……ああでもしないと勝てなかったんだからよ」
ライアンはこれは自分からの説教は効果薄いな……と溜息を付くのだが、彼女が思っている以上にランページには効果的なのは気付いていない。
「そんなに強かったのナインボール」
最後の最後に大きく迫っていたナインボール、ドリームトロフィーリーグのトップランカーに恥じない実力があったとライアンは……
「ナインボール?ああいたなそんなの」
「うぉい何言ってんの!?」
「いや強かったとは思うけどさ、走るのに必死過ぎてレディとダイナ以外は誰が後ろにいて近くにいたとか全然認識出来なかったからよ、正直よぅわからん、そっかあの存在感あれだったんだ……」
本当にこの親友は……ライアンが頭を抱えている傍でランページはあれがナインボールの威圧感だったのかと納得した。だがまあそれはそれで利用させてもらったが……トップランカーに勝った訳だし勝負服の背中にキルマークでも乗せるかな、歴代イレギュラーとドミナントのフルセットマークでも作るか、リンクス辺りが喜びそうだし。
「さてと……ライブだけは出ねぇとカッコ付かねぇからなぁ……はぁぁぁ……頑張るか」
「ちょっと無理だけは厳禁だよ?」
「大丈夫大丈夫、まだ余力はあるから」
「あれだけ走って余力あるの……?」
「というか回復すれば多分何とかなる、あれとさラン」
ライアンは振り向きながら言うランページの顔を見た。酷く清々しい顔をしていた。
「きっと俺を超える奴らは出て来る、俺の子供なのかはどうでもいいけどよ……この先の時代は面白いレースが起きまくる、それも楽しむ為に……俺は生きる、だから安心しろよいい加減」
「……いまいち信用ならないんだよなぁ……まあ半分程度は信じて上げるよ」
「おっ意外に高いな、俺は30%ぐらいだと思ってたわ」
「一撃必殺外されるぐらいしか信頼されてると思ってないの?」
「ノリと勢いで世界規模の野良レース開催するバカぞあたしゃ」
「自分で言ってたら本当に世話ないよ」
尚ライブには確りと参加し、伝説のライブとして語り継がれる事が確定してしまった。
「あ~あ……疲れた」
メジロの療養所で身体を休めていると徐にそんな言葉が出て来た。覚悟はしていたが、今回ばかりは説教がドエライ長さと内容だった。お婆様からの説教に加え、それにスーちゃんやらウーちゃんまで参加して本当に怒られた……勝ってほしいとは思っていたが倒れるまで身体を酷使する位なら負けてくれたほうが嬉しかったと言われた時は中々に堪えた。価値ある敗北なら受け入れると公言している癖に負けない自分がいけないとは思っている。
「はぁぁぁ……」
「いい加減に負けてくださいよとは言いません、だけど勝つにしても勝ち方って奴があるじゃないですか。せめて勝って退場した後に倒れるならまだ何とかしようもあったのに……」
「無茶言うな、そんな余力を残して勝てるような連中じゃなかったのは分かってんだろ?あっちだって全力なのに手を抜けるかよ」
そう、力を抜く余裕なんてなかった。正直な所、自分も今回はマジで負ける覚悟をしていた。というか普通に負けてると思った、その位―――
「アイエエエエエエエエエエエエエッ!!!?フローラ!?フローラナンデ!!?」
「見張り役として呼ばれました、スーちゃんさんとアサマさんからお願いされて」
「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!寄りにもよってこいつかよォォォォォォォッ!!!!??いやだ、毎日毎日貞操の危機に悩まされるなんて嫌だぁぁぁぁぁぁあぁ!!!!」
「ちょっどんだけ私の信頼無いんですか!!?」
「ないどころかマイナス天元突破だぁぁぁぁぁ!!!」
「それは酷いでしょうがぁぁぁぁぁ!!!?」
今回の事で相当にお婆様コンビがキているのか、監視役としてフローラが招かれてしまった。本気で大人しくしているつもりのランページとしてはもう最悪の極みとしか言いようがない。
「風呂と寝る時はぜってぇ近づくなよ!!」
「そんなぁ……いやそういう意味じゃないですって!!信頼が皆無な事が悲しいんですって!!」
「自販機の裏から出て来たり何かと付けて抱き着いてこようとしたりシャワーでイクノがいなければ何かする事を公言する奴に信頼があると思ってるのか」
「いや本当そう言われると私どうしようもない変態ですねマジすんません」
土下座して謝罪するフローラ、まあこれだけ言っておけば理性さえ残っていれば何かする事はないだろう……問題はその理性があっさり吹き飛ぶ程度にフローラにはブレーキとグリップの効きが弱いという事だが……。
「俺の身体は上ちゃんにしか許さねぇからな」
「ぬぅっなんて羨ましい……」
なんという療養生活だ……まあ適度なストレスも回復の一助にはなるか……。
「お嬢様、施術のお時間です」
「あいよ……ついでにこいつにもやってやってくれ、足つぼマッサージ」
「畏まりました」
「えっいいんですか!?やった~少し期待してたんですよ~!!足つぼマッサージってどんな効能あるんですか!?」
「血行促進やらリンパが流れるとか内蔵機能が良くなるとかじゃなかったか?あとストレスも減るとか」
「お~良い事尽くめですね、ランページさんはやらないんですか?」
「おりゃ昨日受けた」
尚
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!ンンノオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!???」
「ざまあみやがれこれで俺の溜飲も下がるってもんだ」