貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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RPG-7様より新しいAIイラストを頂きました!!幾つか頂いたので順々に出していきたいと思います!!


【挿絵表示】


トレーナーしてるランページと……恐らくフローラと思われます。


605話

「くぅぅぅっ……!!!」

「可愛いわね、だけどお生憎様―――ね」

 

駆け抜けるエアグルーヴを悠々と差し切って、そのまま再度のそれを全く許しはしないと言わんばかりの走りであっという間にゴールを越えていった。エアグルーヴがゴールを過ぎるまでの差は8バ身もあった。全力を出してもこれほどの間での差がある、今の自分ではこれが限界なのか……と思う一方で彼女の口角が上がる。何故ならば、1年前にも同じ事をさせて貰った事があったがその時には大差、しいて言うならば15バ身は離れていたのが……此処まで縮んだのだから。

 

「成長、している、私は、紛れもなく……!!」

「ええっ本当に凄かったわエアグルーヴ……!!」

「本当に凄いデース!!」

 

エアグルーヴに駆け寄るスズカとタイキ、負けたとはいえ流石の走り。流石は現プレアデスでは筆頭のウマ娘だ、此処で何故マヤを上げないかと言われたら……

 

「マヤはトレーナーちゃんのウマ娘だも~ん♪」

「誰に言ってるんだいマヤ?」

 

との事です。なのでランページ直轄のプレアデスメンバーという意味合いでも途中加入のマヤは弾かれてしまうのでエアグルーヴが最古参という事になる。

 

「本当に凄いですよだってお姉様にあんなに!!」

「だが、負けた事は事実だ。だがそうだな、これは心が躍るな」

 

ドーベルの言葉に悔しさがにじんでいるがそれ以上に高揚感が隠し切れないエアグルーヴ、何故ならばエアグルーヴが走っていた相手は……ランページからドリンクを差し出されて飲む姿が酷く絵になっていて何処か扇情的にも見えてしまう程の魔性を持ったウマ娘。

 

「ンで如何だいラモーヌちゃん様、俺のエアグルーヴは」

「そうね、まだ完璧には遠いと言わざるを得ない―――だけどそれがまたいい色を出しているわ、あの子大切にしなさい。化けるわよ」

「モチ、俺の大事な女帝だぜ?」

 

現在はアサマの補佐をしつつ、先日元トレーナーと正式に婚約を発表したばかりのラモーヌがそこにいた。桜花賞前の最終確認を誰にお願いするかを考えた結果、最終的に残っていたのがフローラとラモーヌであった。そこから真っ先にフローラが除外されてラモーヌにお願いした。

 

「ちゃん様はどう、トレーナーさんとは上手くいってる」

「あら、此処でそんな事を聞きたいの?」

「OKいい感じなのは伝わったよ」

「フフッ遊びにいらっしゃい、紹介するわ」

 

エアグルーヴとの併走は中々に楽しめたのかラモーヌは上機嫌だ、漸く愛しのトレーナーを落とす事に成功したのもあってかテンションが高い。

 

「なんか思う所とかある?」

「それを今更聞くのも妙な話よ、今の段階で言った所で修正しきれないわ。寧ろ別の弱点を曝け出す、修正は時間をかけて全体のバランスを補正しつつするものよ」

「よく言うよ、絵の修正とかチャチャっとやっちゃうくせに」

「慣れてるだけよ」

 

実際問題としてそうなのが事実。何せ今年の桜花賞まで後3日しかないのでここで問題があったとしても準備するのはオークスという事になる。

 

「エアエア、体調管理には気をつけろよ。G1前に体調崩すとかあるあるだからな」

「はい、承知しているつもりです……!!」

「ならよし。一応今日と明日はメジロの療養所で体調を万全にしとくぞ」

「えっよ、宜しいんですか!?」

「良いのよ、遠慮する事はないわ。この子が良いと言えばメジロは従うわ」

「ほれちゃん様のお墨付き」

 

普通ならばメジロ家のそれを使う事は許さない、だがランページのチームメンバーならば平然と許される。他者はそれをズルいと言うかもしれないが使える物を使って万全に整える事の何が悪いのかと暴君さながらに答えるだろう。

 

「お前らも覚えとけ、俺達はない物強請りをする余裕はないからこそ使える物は存分に使う。つまり、お前達が気にする事は何にもねぇって事だ。という訳でこれからもちゃん様にはプレアデスの練習に顔出してもらう方針なので覚悟しとけよ主にドーベル」

「良くってよ、程々に、扱いてあげるわ」

「は、はひっ……!?」

 

基本、自然としても溢れ出るオーラのせいで高嶺の花や敬遠されてしまう為にこうして誘って貰える事が素直に嬉しいのかラモーヌはその気満々。帰ったら婚約者もとい、トレーナーにメニューを考えて貰う事を考えるラモーヌに戦々恐々とするドーベル、同じメジロ家なので目を付けられるのは避けられないと分かっていたが矢張り怖いものは怖い。

 

「私もラモーヌさんと走りたい~!!」

「マヤも~!!」

「私もデース!!」

「い、一流の私も勿論お願いしたいわ……!!」

「やっぱり、楽しめそうねこのチームは」

 

ウララとマヤを筆頭に是非ともお願いしたいと言い出す面々に来て良かったと笑うラモーヌ、その一方で視線を送られている上水流は冷や汗を流していた。メジロ家の中でアサマの次に苦手としているのが何を隠そうラモーヌである。ラモーヌ的にはランページの事もあって見定めるつもりは満々だがそれとなく気に入っている模様。これまでのエアグルーヴの練習メニューをパラパラと見ながらも上水流を見つめる。

 

「この練習メニュー貴方が考案したのかしら」

「そ、そうです。一部はランページの物ですけど、それ自体は俺、いえ私が考案したものです」

「そう……私のトレーナーなら坂路をあと2本は追加するわ、検討しておきなさい。ランページ、シャワー借りるわよ」

「お好きにどうぞ~」

 

そう言ってメニューを返すとプレアデスのシャワーを使う為に去っていくラモーヌ、その背中が遠ざかる度に緊張が消え、漸く姿が見えなくなった所でドーベルと上水流は思いっきり深い溜息を付いた。

 

「き、緊張したぁ……」

「やっやっぱり心臓に悪い……慣れそうにないなぁ……」

「そこまで気張ってやるなよちゃん様に悪いぞ。あの人普通に接してくれた方が喜ぶぞ、この呼び方だってもうちゃん先輩って呼んでくれないのかしら?って態々イジらしく言うからやってんだぜ俺ちゃん」

「な、なんだか私が思ってた以上にラモーヌ先輩って愉快な人なんです、か?」

「お前が思っている以上にちゃん様は面白れぇ女だぞエアエア」

 

 

「フフッ良い土産話が出来たわね―――ええ、私よ、今から帰るわね……あら、あの時みたいにはもう呼んで下さらないのかしら?冗談よ、それじゃあ後でね―――。本当に、可愛い人」

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