貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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633話

「ねぇねぇスペちゃん聞いタデスカー?」

「どうしたのエルちゃん?」

 

今日も今日とて勉学に励むスペシャルウィーク、本当にレースにも励みたい所ではあるのだが学生である以上に勉強にも取り組まなければいけない立場なのでこの辺りは致し方ない。お昼前の最後の授業を控える彼女にとっては迫りくる空腹による集中力の妨害やらとの戦いでもあるのだが、そんな自分にチームメイトであるエルが話しかけてきた。

 

「4時限目からは違ウ先生ガ担当すルらしいデース」

「違う先生?あれいつもの先生は?」

「なんでも体調不良らしいわよ?」

 

そんな話に入って来たのはキングだった、キングはキングでどんな先生でも優等生で何時も当てられているのに平然と答えられるので偶に勉強も教えて貰っている。そんなキング曰く、如何やら元々今日は調子が悪かったのだが、やれるだけやろうと思っていたのだが限界を迎えてしまったらしい。それだったら最初から休んでたらいいじゃないのよ……とぼやくキングの言葉にも確かに、とスペは思いながらも、机に向かって眠りこけるように突っ伏しているセイウンスカイが声を出す。

 

「優しい先生だといいよね~……主にアタシが寝る予習をしてても文句言わないタイプの人~」

「スカイさんったらそればっかりですね」

「セイちゃんもやれば出来るんだから授業態度ぐらいちゃんとしたらいいのに」

「ニャハハハ~セイちゃんはその場の勢いに任せる系ウマ娘だからね~」

 

グラスとツヨシからも嗜めるような声が飛んで来るが、悪いがそこまでの効果はないのだ。セイちゃんはそういうタイプなのだ。と思っているともう直ぐ予鈴が鳴る時間だ、と皆が席に着き直した5秒後ぐらいに扉が開けられて先生が入って来たのだが―――……普段は静かになる筈なのに、思わず教室内がざわついていた。それは何故かと言われたら……

 

「おはこんハロチャオ~!!貴方の記憶にワールドレコード、独裁暴君、生涯無敗!!南ちゃんよ~伝えてよ~溢れる熱意~あの人達まで~!!なランページだぜい!!皆の者善行積んでたか~?」

「「「「「ええええええええっ!!?」」」」」

「「「「「ラ、ランページさん!!?」」」」」

「おうおういいレスポンスしてんな少女どもよ」

 

ケラケラと教室内のどよめきと喧騒が溢れかえるさまをケラケラと笑い飛ばしているランページに思わずプレアデス所属のメンバーが声を出してツッコミを入れてしまう。

 

「ちょっとランページさん何やってんのよ!!?いや本当にいろんな意味で何やってんのよ!?此処は、貴方の庭じゃないし貴方の領域でもないのよ!?」

「相変わらずツッコミ適性高ぇなお前さんは、まあとりま説明するからちょい待って」

 

すると伊達眼鏡を掛けて雰囲気を変えながらも話し始めるランページ、それはいいんだけどサラッと眼鏡を掛ける動作が滑らか過ぎんか?一部メガネスキーが悲鳴上げてっぞと思うキングであった。

 

「まあ聞いてると思うが、次からの授業担当の先生さんが体調不良になってしまいまして代役を立てなくては行けなくなりました。なので代わりを探した結果、暇そうにしてた俺が担当する事になりました」

「いや暇そうって……」

「まあ実際暇してて職員室で寝てたからな、トレーナーの仕事はプレアデス以外の終わらせたし。別に自習でもいいって言われたけどちゃんと勉強しといた方が色んな意味で楽だぞ~就職とかあれこれの時に」

「っていうかランページさんって教職免許ってあるんですか……?」

「そこらへんは問題ない、トレーナーは一応そういう系の職の最高峰ではあるから免許取るだけで教職に着けるんだよ、まあ普通は教職に就く為にトレーナーやるバカはいないから活用されないけどな。まあいいや、取り敢えず授業始めんぞ~不真面目だと……これな」

 

そう言いながら胸の前で手で空気を押し固めるような動作をする。一体何をされるのか……と一部の生徒が何をされるんですか……?と聞いてみると

 

「俺の胸で窒息させるだけだから安心しろ」

「「「「「安心できねぇ!!?」」」」」「「「「「寧ろご褒美では!!?」」」」」

「どっちかと言ったらフローラにこれされたって事を知られたら知ったら血の涙を流してこっちを見て来る事が罰かな」

『『『『『な、なんて恐ろしい罰なんだ……!?』』』』』

 

やられる事はご褒美の領域だが、実際はフローラ込みでとんでもない罰ゲームであることが判明した。尚、生徒の一人が授業に集中しきれずにこの罰を受ける事になったが、授業後の昼休みには感想を聞かれまくっていた。

 

「……あれヤバイ、世界が変わりそうだよ」

 

柔らかでありながらも重厚でふわふわとしたものが顔全体を包み込む中で呼吸が出来ずに窒息による苦しさと幸福感が同時に押し寄せて来るのだが、それが余りにも怖くて、何処か自分が知らない世界へと引きずり込まれるような感覚に囚われたとの事、そして最後に顔を上げさせられて……

 

「授業、ちゃんとやろうな」

 

と耳元でイケボで囁かれてもう頭の中が一瞬で真っ白になった。その直後に世界の何処かに存在する厄災の化身のようなモノからの憤怒と嫉妬の念が叩き込まれて血の気が引いた……幸福感から一転した地獄のような恐怖に身体が竦んだ……と供述され、ワザとやられたいと思っていた一部生徒はそれによって真面目に授業を受ける気になった。

 

「お前さ、殺気向けてんじゃねぇよ大人げないにもほどがあんぞ」

「私でも、私でも経験した事がない事を何故……!!!!??」

「今の録音したからお前のカレピに送っとくな」

「それだけはご勘弁を!!?と言うかなんで連絡先知ってるんですか!?」

「ギャグよ~ギャグだってば~」

「貴方の場合はギャグで済まねぇ!?」

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