貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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645話

「……そう言えば俺全然メジロ家の面々と顔合わせとかしてねぇんだっけ?そりゃ嫌味の一つも言われるわ、顔出さねぇくせに家の名前は遠慮なく使うとか義理もくそもねぇボケじゃん」

「当主である私が許可を出しているのにも拘らずそれなのは問題ではあるのだけどね」

「それにトレーナーとしての仕事を考慮したら全然問題ないと思うわ、アサマさんに顔を出していると思えばメジロ家への顔合わせは十分しているとも言えるし」

 

そんな言葉を交わしながらも改めて自分がメジロ家とのかかわりをそこまで持っていない事を自覚して、これからは気を付けようと心に決める……と言ってもトレーナーの仕事の手を抜かずにメジロ家を訪れるのは中々に難しい気がする、これから子供が生まれて来る事を思うと更に……。

 

「あのライアンの親友ちゃんが暴君たるメジロランページになるなんてね……あの時の私が聞いたら絶対信じないでしょうねぇ」

「普通に考えたらどん底からの這い上がりなんてレベルの話じゃねぇですからね、何処の創作だって言われたとしても文句は言えねぇっすよ。野球でいったらリアルで二刀流やりつつメジャー挑戦して投打でメジャーのトップ層に食い込んでるようなもんですよ、どこのリアル茂野吾郎ってレベルじゃねぇっすよ」

 

ド底辺の成り上がり、此処までの典型的な物を出版社に持って行ったとしても弾かれるんだろうなぁ……リアリティのかけらもないとか言われて。と思っているとチェイサーは自分をいつの間にか抱きしめながら涙を流し始めた。

 

「大丈夫……貴方にとっての現実はメジロ家という家族よ、もうあんなクズ夫婦の事なんて忘れなさい。叔父の方が確りと反省してるけど、叔母の方が未だに矯正できずにいるのが申し訳ないけど……」

「いやできるもん何すか?」

「今叔父夫婦が務めている工場、監視をするばんえいウマ娘が所属するセキュリティ会社、そこも全てメジロ家の直轄管理且つその統制を行っているのもチェイサーなのよ、そして貴方の病院の入院手続きや転校、メジロ家入りする為のあれこれに顧問弁護士の斡旋などの全てを取り仕切ったのが彼女よ」

「えっマジっすか」

「ライアンの友達を迎える、母として当然の事をしたまでよ……今思い出しても腸が煮えくり返りそうよ……あのクズ夫婦……」

 

メラメラと怒りの炎を滾らせるチェイサー、ウマ娘の不遇に憂い、悪が蔓延る事・正義が脅かされる事に怒り、可愛いもの愛らしいものを護る事に至上の喜びを感じているウマ娘。それ故か現在はランページの故郷が勝手に町興しにランページを起用した事にも激しい怒りを抱いているとの事。

 

「あの街の事も徹底的に調べ上げたけど、貴方を大人として守ろうとしてくれたのなんて極々一部だけじゃない!!教師が思った以上にまともだった事にも吃驚したけど、他にはお豆腐屋さんに八百屋さん、魚屋さんに新聞配達所位だったじゃない!?街としては中規模ぐらいなのになんであんなにもまともな奴がいないのよ可笑しいじゃない!!!」

「あ~……なんかすいませんっす」

「貴方が謝る事なんてないのよ、ええ絶対に違うわ……」

「チェイサー、訴訟関係は進んでいるのか」

 

ハッとしながらもお婆様の方を見れば、そこにはウマーンモード発動中のアサマが……というか同時にチェイサーの雰囲気が変わっている。なんだろう、このガンブレでNT-DとEXAMとリミッター解除阿頼耶識を一つの絵に集約させたような威圧感は……。

 

「ええ、和解の申し出などが来ておりますが全て拒否する予定です。個人の威を許可なく使おうとした愚か者として未来永劫に指し示す良い処刑台となる事でしょう」

「あれ、メジロ家の弁護団ってそんなに強いんすか……?」

「自称ではあるけれど、分かり易く言えば任天堂法務部にも負けない自信があるわ」

「それ端的に最強に片足ツッコんでますよね?」

 

メジロ家って自分が思っている以上にやばい家なんだなぁ……という事が改めて分かった。マックイーンが面白お嬢様な影響でメジロ家も面白いなぁみたいな認識があったが、外から見たら世界最速最強まで有している化物家系みたいな事になってるんだろうなぁ……。

 

「さてとランちゃん、子供が生まれた時は私に任せて頂戴。おしめの交換からご飯、寝かしつけまで全部面倒みるわよ」

「えっでも法務部門の役員じゃないですか?」

「この位軽い軽い、それに最近はウチの家系にもかわいい子が生まれてきちゃってもうその子達の為に働いてるって思って仕事してると普段3倍は仕事がはかどっちゃってね。定時帰宅も楽勝処か他の仕事まで取られるから自重してくださいなんて言われるぐらいでね」

「はぁ……んじゃまあ、いざって時はお世話になります」

「任せて頂戴、貴方の子供を確りと守れるようなメンバーを選出するわ。というか何だったら私が乳母をやってもいいわというかやりたいぐらいよ」

「自重なさいチェイサー」

「なんかフローラみたいっすよ」

「それだけは嫌ね」

 

ああ、メジロ家から見てもフローラってそういう認識なんだ、そして自分の認識って正解なんだなぁ……と理解した瞬間だった。

 

「それと今更になるけどオークス制覇おめでとう、メジロ家はすっかりティアラ路線の名家となったわね」

「本当は天皇賞で示すところなんすけど、俺個人としては天春がきついどころの話じゃねぇっすからね……長距離走り切れる奴は本当に尊敬しますよ」

「そう言えばそろそろメイクデビューが近いんじゃなかったの?」

「ええ、1週間のうちに日本各地を飛び回る予定っす。まあその代償にメジロ家の供回り出されて体調管理の徹底が条件として出ましたけど」

「この程度は当然と思いなさい、幾ら貴方が頑丈だと言っても此方としても安心したいんだから」

 

やっぱり三女神の事を喋りたいなぁ……色々と面倒だ、と言ってもこればっかりは話したとしても供回りは出されることに変わりないだろうけど……。

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