貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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654話

「はいという訳で毎度恒例のプレアデス定例会議という名の駄弁りを開始します」

 

プレアデスの定例会議、此処まで定期的な集まりを行うチームは無いだろう。まあその実は会議という名の体裁を作っているだけのお茶会なのだが……全員欠かさずに参加しているのも美味しいお茶菓子とお茶があるからというのも大半の理由だろう。

 

「さて、今の所メイクデビューに関しては……残りはステゴだね」

「だなぁ~まあ気楽にやらせて貰うよ」

「お前は本当にマイペースやな、入部したてでサンデーとやり合ってた頃は何だったのか」

「それはそれ、これはこれって奴だよ暴君様」

「おっなんかムカつくな?」

 

ドーベルとパールも無事にメイクデビューに成功して勝利を収める事が出来た。一番不安視されていたパール、他のチームを巡って見聞を広げてからプレアデスに来るという宣言をしていた為に、

良くも悪くも指導期間が一番短かったのだが……

 

『シーキングザパール、前方を完全に塞がれっいやシーキングザパールが消えっ並び立っている!!?何が起きているんだシーキングザパール!!!?シーキングザパールが先頭集団に並び立っています!!?そのまま先頭に並び立ったぁ!!!シーキングザパール、壁を超えたぁぁ!!壁越えのウマ娘、来年も嵐の中心はプレアデスなのかぁぁぁ!!?』

 

「まさかデビューの段階であんなことされるとは思わんかったわ……」

「流石にあれには私も吃驚だったわ」

 

なんと、オペラオーシフト的な壁を形成されるとは思わなかった。途中から明確に他のウマ娘が連携するような動きからか、入着後にそれを行ったウマ娘たちは失格と担当トレーナーへの聴取が行われていた。結果的に壁の形成自体は完全なウマ娘たちの独断と強い危機感と恐怖から来る同調圧力的な事だと判明したので、処分はなく厳重注意だけで済んだとの事。

 

「だけど、パールさんあそこから巻き返すなんて本当に凄いです!!」

「有難うねスペちゃん、リスみたいなホッペじゃなければもっとはっきり聞こえるんだけどね♪」

「スペちゃん、少しは自重、して欲しいデース……」

 

実際あそこでのパールの機転の利かせ方というか、肝の据わり加減は凄まじかった。ワザとらしくスピードを緩めて、他のウマ娘の注目を集めて疑念を抱かせつつも外への横っ飛びで進路を確保、当然進路妨害にならないようにしつつ、そこで一気に全開の走りで駆け抜けて差し切って見せた走りは見事という他無い。

 

「でもこれがランページさんのチームにいるって意味なのね……」

「皆凄かったね~!!お目目キラキラでビシビシ熱入ってた!!」

「あれはギラついてたっていうのよウララさん」

 

実際問題として、あのウマ娘たちが壁の構築をしてしまったのは独裁暴君のチームのウマ娘が来る、という恐怖があったからだろう。だからと言ってデビュー戦からオペラオーシフトを見る事になるとは思わなかったが……改めて逃げって他から見ると結構キツい戦法なんだなと再認識した瞬間だった。

 

「ドーベルはドーベルで別な意味で問題発生するしな」

「それはお姉様がラモーヌお姉様とアルダンお姉様、しかもお婆様まで連れて来るからじゃないですか!!?」

 

そう、ドーベルのデビューにはメジロで時間の都合がついた面々が応援に駆け付けていた。生憎、ライアンとマックイーンは都合がつかず、パーマーはトレーナーと予定があったらしいので、ラモーヌやアルダン、アサマが駆けつけてくれたのであった。

 

「いや、俺じゃねぇぞ」

「えっ?」

「お婆様達は自主的に来たんやぞ?何だったら俺ドーベルのデビュー日程連絡するの忘れてたわあちゃーって思ってたくらいだし」

「……あの、じゃあもしも、もしもですけど連絡してたら……」

「メジロ本家が総出で応援に来てました」

「すいません私が間違ってました」

 

そんなドーベルのデビューだが……ラモーヌにアルダン、アサマが応援に来た影響でガチガチに緊張しまくってしまったのか、超掛かってしまったのか差しがメインの筈なのにスズカばりの大逃げを披露してしまった。本来ならばそこで潰れてしまうのが掛かりという物なのだが……何せ指導者が希代の大逃げウマ娘だった影響か、ドーベルも無事にそのミームを受け継いでいる為にそのまま駆け抜けてゴールしてしまったのである。

 

「まあこれは次のレースでは大逃げと思わせて差し戦法って言う本来の勝負が出来る訳だから、情報戦的な意味合いだと有利になってると開き直るべきだな。んで残るはステゴになる訳ですが……肝心のお前の準備は?」

「さあ、どっかのアメリカウマ娘が良い調子じゃねぇか、って言われる程度だね」

「んじゃ万全って事だね」

 

口こそ悪いがサンデーの目利きは確かなものがある。だから問題はないだろう。

 

「さて、メイクデビューの事もあるが間もなく合宿もあります。ウチは赤点出したら出しません的な物はありませんが、合宿のメニューを幾分か削って勉強もさせます。具体的に言うと皆が生姜焼き食べてるのを見ながら自分だけ牛乳と食パンだけみたいな事になりますのでそこだけは注意してください」

「赤点回避するぞぉぉぉっ!!!」

『おおおおっ!!!』

「スペちゃん……」

「お~!!よくわからないけど~!!」

「ウララさん……」

 

今日もプレアデスは平和である。

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