貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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658話 特別編パート3 その3

「ぶっちゃけた話、お前らフローラのことどう思ってる?」

「変態」「不条理の塊」「この世全ての悪癖」

「おい、ちょっと待てバカ共」

 

トランザムの物以外全部ツッコミどころがあり過ぎる、そう思われても可笑しくない所はあるにはあるが、だからといってなんだそりゃとツッコミを入れたくなる。

 

「いやだって、どう分析してもなんで凱旋門賞を勝ったかを分析出来ねぇんすよ?知ってます、当時のデータを俺らの時代のスパコンで解析してもサクラローレルさんの勝ちって結果だったんすよ?スパコンっすよスパコン、それが解析した結果がこれなんすよ」

「成程、不条理だ」「でしょ」

 

スパコンに解析させておいてそれなのか……あいつはマジでどんだけイレギュラーなんだ、偶にリンクスと配信して、強い相手がいたらイレギュラー……って言って負けるのを愉しんだりもしているが、それ以上にあれじゃないか。

 

「だって、娘が頑張って走ってそのお祝いの出先でランページさんグッズを見つけたらすぐそっちに駆け出して行くんですよ、お父さんもお父さんですよ何であれが変だと思わないんですか夜に泣かせてるからそれでいいと思ってるんですかあのドSは」

「おい、サラッとあいつの性事情を俺に聞かせんのはやめろ、耳が腐る」

「ランページさん、抑える位置間違えてるっす、そこはヒトミミ部位っす」

「おっと失敬」

 

桃真さんはそういう所に惚れたといっていたが、未来でもそこは全く変わっていない事か……だがそれは流石に子供がグレるのではなかろうか……。

 

「ンで、お前なんでこっちに来たんだ?三女神はなんか悩みがあるって聞いてるが」

「えっいや、確かにちょっと悩み事ありますけど……」

「つうか三女神ってなんすか、ランページさんって昔からそういうギャグいうんすか?」

「いやマジだけど、知ってるか?俺って死んだら神格化されて三女神のお仲間になるらしいぜ、あっこれオフレコな」

「はははっランページさんってば面白い事言うんですね」

 

尚、マジである。伊達に三女神とよく晩酌していない訳ではない、冷静に考えたら神と一緒に食卓を囲むって世界中の宗教家が泡拭いてぶっ倒れるレベルの所業なのではないだろうか?

 

「まあなんというか、アマテラス達は別段そんな事はないんですけど……私達はお母さんの娘に相応しいのか、そういう走りが出来ているのかって思っちゃいまして……」

「確り走れてるとは思うんすけど……なんか、日に日に走りがお袋のそれにしかならなくなっていってる感じがしてならねぇんすよねぇ……」

「ハハッ私なんてもう二人目のフローラなんて言われる位ですからね……ははっ……」

 

矢張りというべきか、偉大な母親への比較で苦しんでいる感じか……言っちゃ悪いけどそんなのウマ娘界では平然と蔓延っている問題なのではないか?態々自分に振ってくるような問題か?いや問題ではあるけど、態々時間軸無視して送り込んでくるような物か?とも思ってしまう訳で……。

 

「つうかアマテラス達は思ってないんだ」

「ええ、マスコミの前でんん"っ―――私とお母さんが違うなんて当たり前の事過ぎてツッコミたくないんだけど、何これツッコミ待ちなの?それならもうちょっと上手なパスお願いしたいんだけど、母娘だからその位出来るって言いたいの?それってつまりあなた達は私の事どうでもいいって事でしょ?それならさっさとお母さんの所に取材行ってきたら?みたいなこと言ってマスコミから避けられてるっす」

「流石我が娘、だけどもうちょっとエッジを利かせつつも押し込んでぐりぐりする位しないと駄目だぞ」

「未来でもそう言ってたっすよランページさん」

 

何と言うか、確りと自分の遺伝子は受け継がれているらしい。未来でも自分のマスコミ嫌いは変わっていないらしく、これまで受け入れ続けていたマスコミや出版社も1年を過ぎたら評価をまっさらにして0から強制スタートさせるというスタンスを取っているので、報道関係者は冷や冷やしているという事。自分もやるか……。

 

「ンで、フローラとの事で悩んでるって事でいいのか」

「そうですね……お母さんに相談できればいいんですけど、なんか傷つけちゃいそうで……」

「普段から俺達のこと気にかけてくれてるし、なんかあったらすっ飛んできますからね……小学校の時にイジメがあった時なんて、授業中に教室へ蹴り込みに来たもんな……見事なダイナミック・エントリーだった……その後のドヤ顔とサムズアップを含めて」

「何やってんだあいつ」

「その後、追いかけてきたランページさんが鳩尾に容赦なく廻し蹴り叩き込んで回収していったよね……結局イジメ解決したのもランページさんだったし」

「役に立ってねぇ……」

 

曰く、母は基本的に親バカで自分達の事を溺愛しているので、いじめとかがあったら即座に学校に殴り込んで来れる程。と言ってもそれで解決した事はなく、大体はそれがきっかけとなって問題の解決が行われる事が大半だという。ダイナミック・エントリーした時もランページが解決したみたいに……。

 

「う~んどうするかな……」

「まあ未来のランページさんにもよく相談とかするんすけどね……こればっかりは俺らが何とかしねぇといけない事ではあるんすけど」

「いやそうじゃなくて、もうあいつ呼んじゃった」

「「「えっ?」」」

「だから、もうちょっとそれ言ってくれたらよかったんだけどさ、あいつ呼んじゃったわ」

「キャアアアランページさんからのお声、お待ち申しておりました~☆国境線も紙同然、御呼びとあれば即参上!!遠からんものは音にも聞いて近ばよってもっともそっと寄って寄ってズームアッププリーズ!!貴方のアグネスフローラ、今此処に、天孫降臨!!」

 

……………いや

 

「……………それは、この場面で如何なんだろう」

「あれなんか、これ、滑ってる……?」

「お前、マジギャグセンス無いのな……」

 

なんでこういう登場の仕方をしたんだ、仮にもこれがリギルのトレーナー代理の姿か、これが……と思っていたらアグネス三人娘が固まっていた。流石にこんな母親の姿はきつかったか……。

 

「あ、ぁぁぁっぁぁぁぁっ」

「フ、フローラ?」

 

その時、アグネスフローラの脳内に溢れ出した、まだ存在しない筈の記憶。自らが孕み、産み、愛し育てたという未来の記憶と感情、そして経験が一気に雪崩れ込んで来たのである。そしてその結果行ったのが―――

 

「トランザム、ポジトロン、ローラ……!!!私の、私の可愛くていとおしい娘……!!」

「えっなんで分かるの……」「いや、お袋なら有り得なくもないけど……」

 

トランザム、ポジトロンは母なら有り得ると思いながらもドン引いているのだが、ローラは思わず母へと駆け寄りながらも抱き着いた。

 

「お母さあああああああああん!!!」「ローラアアアアアアアアアアアッ!!!」

 

 

「なぁ、俺何を見せられてんだ?帰っていいか」

「いやこの原因ランページさんみたいなもんでしょ!?」「帰るのは無しっすよ!!?」

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