貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

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680話

「Hey ウララ Come on~!!」

「わ~い待て待て~!!」

「……才能ねぇな」

 

そう思わず呟いてしまうアルメコア、現在プレアデスでダートを走る事が出来るのはタイキやウララ、ついでエルとキングという限られている為に彼女はマヤやエアグルーヴの療育関連の指導をメインをしようと思いながらもダートを走る予定のメンバーのあれこれを見ているのだが……素直にウララには走りの才能がそこまでない事を即座に見抜いた。

 

「おいランページ、なんであんなの入れてんだ?」

「可愛いじゃん」

「それだけで入れてんじゃねぇぞ……可愛さだけで実力もカバーできると思ってんのかよ、実力が物いう世界だぞ」

 

基本的にアルメコアの言うとおりである、良くも悪くもトゥインクルシリーズは実力一本の世界、それで劣っていれば必死になって戦術を構築してそれに徹するのが定石。それか愚直に実力を見上げていくしか勝ち事は出来ない。なのでランページの基礎能力を最も重視して鍛えるというのは、勝利を目指すという意味合いでは最適解の一つでもある。

 

「だけどまぁ……その場にいるだけで周囲を明るくして笑顔にする才能だけはピカイチ……天性の才覚だな……」

「だろ」

「だけどそれだけじゃねぇか」

「良いじゃねぇかそれだけで」

 

とても走りの才能なんてないと言いたいアルメコアだが、ランページはその才能だけがあれば十分だと語り、何が言いたいのか分からないと本気で首を傾げる。

 

「あんだけ明るく振舞えるって事は周囲を明るく照らせるって事だ、ムードメイカーとしてこれ以上ない存在さ」

「つまり、お前はあいつを勝たせる気はねぇって事か」

「愚問だな―――あいつはG1を取る器だぜ」

 

ウララの最大の長所はあの明るさではなく身体の丈夫さ、そこに精神的な強さが加わって基本的に調子がブレる事がなく安定したパフォーマンスを繰り出す事が出来る。それを使わない手はないし練習でも活きる才覚でもある。

 

「という訳でG1を7勝した腕前を存分に振るってくれリンクス」

「畏ま!!!ウララ~ン、走るよ~」

「は~い!!いこっタイキちゃん!!」

「YES~!!!」

 

そう言って今度はリンクスのペースで駆け出して行くタイキと併走していき始める、そしてアルメコアはんじゃ俺は……と別の場所へと行こうとするのだがランページに止められて少しだけ見るようにと言われる。もう見たと返そうとしつつも見てみる、ほら何も変わらな―――……変わらない?タイキと併走したまま、あのフィジカルエリートのペースについていけている。

 

「あり得ねぇ……リンクスも大したペースじゃねぇのもあるが、それでもあいつが走れるペースじゃねぇだろ……?」

「なんて言えばいいんだろうな、ウララは根本的に肉体と精神が強固なんだよ。仮に100を超えた120のペースで走り続けろと言われたら普通は中々出来んだろ?だけどウララの場合はそれを平気で超化出来る、その上で身体が壊れない。精神的なタフさと肉体的なそれが掛け算として発揮されるって訳よ。後はフォームやら基礎的な体力、スピード上限さえ上げていければ……下手したら芝すら克服する可能性すらある」

「……マジかよ、その才能は全ウマ娘が望むもんだぞ」

 

自身の才能と実力の限界を超える事が出来る、それを行う為には高い闘争心と極度の興奮状態によってリミッターを無理矢理に超えていく事が現実的な方法で、それを行えるのはライバルが出ているレースでなければ行えないウマ娘が大半。しかし、ウララはそれを簡単に行える。それを聞いてアルメコアは理解した、基礎的なあれこれがズタボロなだけで鍛えれば鍛える程に伸びる逸材、という事を。

 

「それがプレアデスが誇る大天使ウララエルだ」

「何が大天使だって言ってやりたいが、それを知ったらもう言い返せねぇな……わぁったよ俺の技術やらを押し込めばいいんだろ」

「いやそれはリンクスにやらせるからお前はエアエアとマヤの事を頼むわ」

「なんでだよあいつダートだろ!?じゃあ俺だろ!!!?」

「いやだって……領域担当だし、デビューしてないウララに今から仕込んでもなァ……だったらクラシックとシニアクラスの方に回すのが合理的だろ」

「ぐっ……分かったよ……」

 

チームの運営をしている身としてはそういう事だからと納得してくれるのは助かる、ウララにはまだまだ基礎的なあれこれを仕込むのが優先なのである。そんな事をしているとシルバーストーンがやって来て声を掛けて来る。

 

「うちのチームにもああいうムードメーカー欲しいなぁ……真面目な子は多いんだけどさ、一度落ち込むと皆がフォロー入れてくれるのは良いだけど、早めに立て直させないと全体的に停滞するっていうかさ……ムービーメーカーってマジで重要ね」

「それは思うがね、ンでそっちはどんな感じ?」

「今すぐにでもこっちで走らせたいわよ、連れてっちゃダメ?」

「ダメ、因みにどっちを」

「サニー」

 

それを聞いて驚いた、自分肝入りのスズカだと思っていたがサニーの方を連れて行きたいと言われるのは意外だったのだが、理由を聞いてみると分かり易い物だった。

 

「スズカでもいいんだけど、その場合は洋芝に馴らすだけでいいと思うの。だけどサニーの場合はもっと上よ、逃げなのに走りの深さが差し並に深いのよね。だからか逃げなのに足が溜まってるから後半で伸びるのよね、幻惑逃げがメインって聞いてるけどあれはいいわ、是非ともウチに来てくれないかなぁ……マジでダメ?」

「ダメだっつの、しかしサニーが此処まで高評価とは……」

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