貴方の強さは私が知っている。   作:魔女っ子アルト姫

683 / 683
683話

「だから、此処では力は抜きつつも姿勢の維持に注力した方が……」

「違うわよ維持したままで荷重移動だけで此処はスイッチしていく方が効率的なのよ!!」

「それは足に負担が掛かり過ぎるのよ!!」

「何のためのシンザン鉄だと思ってるのよお母様は頭が固すぎるのよ!!」

「なんですって!!?」

「文句あるなら自分の身体で試してみればいいじゃないそっちの方が早いわよ!!」

「良いじゃないやってやろうじゃない!!!」

 

「筋肉痛だったのでは……?」

 

キングの指導を任せたのは良いのだが、結局のところ自分の理論とのぶつかり合いになっているキングとグッバイヘイロー、その果てにはキングの理論を自分の身体で試してどちらが正しいのかを決めるという事になっているという珍事が起きている。いやキングがそれをやるべきなのではないだろうか……。

 

「良いのかキング」

「良いのよこれで、それに既に筋肉痛のお母様がベストの走りが既にできないわ。これなら筋肉痛やらはさらに悪化するでしょうし明日には静かになってるわ、これ以上の他のメンバーに迷惑を掛けられないわ」

「アンタ仮にも自分の母親相手に……」

「自分の母親相手だから黙らせたいと思っただけよ」

「よ、容赦ねぇ……」

 

下手に娘との関係が悪いとこんな事になりかねないのか……未来の自分は基本娘たちの関係が良好らしいことは分かっているが、親馬鹿にならない程度には本当に仲良くしておかなければと改めて思うのであった。

 

「さてと、エアエアとマヤはっと……」

 

手帳にトレーニングの進行状況を書き込んでいきながら各所を巡っていくのだが、お次はクラシック以上組でもあるマヤやエアグルーヴのチーム、今担当しているのがリンクスなのだが……

 

「ふ~ん……うん、いい感じだね」

「あ、有難う………御座い、ます……」

「ゼェゼェゼェゼェゼェッ……」

「流石にキッツいなぁ」

「の割に一番元気そうなんですがそれは」

 

息も絶え絶えながらも感謝の言葉を口にするエアグルーヴ、もう完全に息が上がってしまっているマヤ、そして一番元気そうなステゴという取り合わせ、というかお前はなんでここに混ざってんだと言いたくなってきた。

 

「どうだリンクス」

「いい教え方してるよ、マヤちゃんは欧州の芝にもすぐに適応して100%で走れちゃうと思う。エアちゃんだっけ、流石ダブルティアラだって言えるよ、これなら秋華賞は問題ない」

「だとさ」

 

ランページの現役時代のライバルの一人から高評価を貰えて嬉しい事は嬉しいのだが……言葉を返す事が出来ない。何故ならばリンクスは一切の容赦する事もなく、トップスピードを維持し続けて砂浜を爆走してみせた、しかもシンザン鉄の10倍を装備して。マヤは負けられないとそのスピードに挑みかかったが……スピードの質が違うのか、重さなどを感じていないと言わんばかりの無重力染みた走りでマヤをぶっちぎってしまった。それでも2バ身程度に収めたのはマヤの意地だったのだろう。

 

そんな相手にエアグルーヴも食い下がったが、流石にクラシッククラスでは辛いのか6バ身差。だが、ステゴは5バ身差を維持した上でまだまだ元気だと言わんばかり。流石身体の丈夫さだとプレアデスでも有数と言っても差し支えない。

 

「ステイゴールドだっけ、クラシックだとこっちで走らない?」

「話だけにしとく、そっちの旅はシニアにしとくつもりだから」

「そっか~たぶん君は欧州の芝向きだと思ったから」

「そんなにか」

「うん、一番踏み抜く力が強かったからね。というか、ランページと同じ事やってる。芝だったらその気になれば芝を踏み抜いて地面を捉えて走る的な事が出来る」

 

ステイゴールドの走りは軽快で体力を温存するマヤとも違う、極めて力強くスタミナに溢れている走りである為に海外適性が高いとリンクスが太鼓判を押す。

 

「やっぱりお前タフなんだな」

「何っ」

「偶にそれネットに見るけどなんなん?」

「ぶっちゃけ知らん」

「知らんのかい」

「日本ってミームに溢れてるね~」

「流石アームストロングがキレる国だよな」

 

そんな事を宣いながらもステゴは準備体操で身体を解していると再びリンクスと共に駆け出して行く。そんな背中を見送りながらもエアエアとマヤにはちゃんと休むように伝えながらも一旦砂浜から上へと上がって全体を見渡す。

 

「さてと、次は……」

「私の相手をして頂けると嬉しいのだがね」

 

振り向くとそこには不敵な笑みを称えているウマ娘がいた、唯のウマ娘なら放置するのだが……その顔は知っている、グッバイヘイローが寄こしてきた資料の中にあった。彼女が呼ぶことが出来た海外ウマ娘……間違いない、その人だ。

 

「かの名高い暴君とこうして相まみえる事が出来た、グッバイヘイローの誘いというのも存外馬鹿にならない。矢張り美女の誘いには乗ってみる物だな」

「何カッコつけてんの?全然付けられてないけど」

「……そういう言葉を平然というの酷くない?」

 

呆れたような酷いと言いたげな顔をして来る姿に妙な可愛さと愛嬌を感じる。妙な親しみやすさに包まれている。

 

「まあよく来てくれたな、メジロランページだ。独裁暴君でもご自由にどうぞ」

「歓迎はしてくれるようで少しは安心したよ……キングマンボだ、まさか来て早々に出鼻をくじかれるとは予想しなかったけどね」

「慣れてくれこれが俺だ」

「噂に違わぬ自由っぷりだ……」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

さよならはまだ言えない(作者:芦毛スキー)(原作:ウマ娘プリティーダービー)

─世界が、お前を待っていた。▼1990 ジャパンカップ▼その日、僕たちはひとつの夢の結実を見た。▼どこまでも、どこまでも駆け抜けてゆくその姿は誰よりも傷だらけで。▼そうして走り続けた苦難の日々が大きな喝采へと変わった。▼栄光は運命に抗う者にこそ輝く。▼その馬の名は-▼ミスターシービー世代に生まれたとある馬の話。▼運命に呪われたような彼は、結局のところ俗にいう…


総合評価:2719/評価:7.11/連載:1512話/更新日時:2026年09月01日(火) 03:00 小説情報

G1目指して頑張ります(作者:あかし/さんさい)(原作:ウマ娘プリティーダービー)

シンボリルドルフ。▼無敗の三冠ウマ娘。唯一絶対の皇帝。▼そんな彼女と同じ世代になってしまった事を、人は不運と言うだろう。起こるのは圧倒的な敗北か、屈辱的な惨敗か。▼それでも、逃げるなんてしたくない。この世界へ来たからには、知ったからには、負けたくない。乗り越えたい。▼待っていろ、世代最強。挑み、そして、勝って見せる。▼この身を賭して、必ず。▼オリジナルの強い…


総合評価:2779/評価:8.14/連載:93話/更新日時:2026年08月11日(火) 12:00 小説情報

転生孤児ウマ娘の奮闘記(作者:しょうわ56)(原作:ウマ娘プリティーダービー)

順風満帆とまではいかないが、普通の人生▼死んだ覚えも死に瀕した覚えもないが、何の因果かウマ娘世界に転生し、▼ウマ娘になってしまった▼ 「ウマ娘を育てる自信がない」▼しかし生まれて間もなく、そんな理不尽な理由で捨てられて孤児院育ち▼ご多分の例に漏れず貧乏な暮らし▼幼いながらもウマ娘としてのパワーは健在で、▼慢性人手不足の施設には重宝がられる▼小学校卒業に当たり…


総合評価:20760/評価:8.53/完結:122話/更新日時:2024年06月22日(土) 00:00 小説情報

「ウマソウルってうるさいよね」「えっ」「えっ」(作者:バクシサクランオー)(原作:ウマ娘プリティーダービー)

みんなのウマソウルは喋らないらしい


総合評価:58120/評価:8.99/連載:134話/更新日時:2026年06月01日(月) 15:00 小説情報

漆黒の鋼鉄(作者:うづうづ)(原作:ウマ娘プリティーダービー)

ブラックプロテウス。▼外見的には普通の黒鹿毛ウマ娘だが、彼女には秘密があった。▼それは、『絶対に故障をしない身体』を得て転生してきた、ということだ。▼ウマ娘の例に漏れず走ることが大好きな彼女は何をしても故障をしないその身体を活かし、周囲がドン引きするようなほどのハードトレーニングを重ねて身に着けた身体能力でレースを駆け抜けていく。▼どんな無茶な、無謀な走り方…


総合評価:26874/評価:8.69/連載:68話/更新日時:2026年06月19日(金) 21:01 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>