「ランページさん、あのウマッターは一体何なんですの!!?」
「そうだよラン!!何でお婆様と一緒だったの!!?」
「しかもお婆様もニコニコだったし、何が如何なったらああなってたの!?」
「いきなりかお前らぁ!?」
それはジャパンカップの記事チェックでヒト時代に新聞をチェックしていた習慣が復活してしまったせいなのか、学園内の購買で売っていた新聞を買ってシガー片手にそれを読みこんでいた時だった。競馬の記事がない事に寂しく思いながらも、デカデカと掲載されていたオグリのレース記事に目を通しているとマックイーン、ライアン、パーマーが凄い勢いで迫って来たのである。
「ったく何なんだよ……俺がウマッターやってるのがそんなに可笑しいのか」
「そこではありませんわ!!どうしてお婆様とお写真を撮ってそれを上げるなんて状況になっていたのかをお聞きしているんです!!」
「如何してって言われてもな……」
アサマが自分の上げた色証のイダイナキバとトドロクツキを捕まえましたを見たから、としか言いようがない。そこでアサマもポケモンをやっていると聞き、丁度自分がスカーレットでアサマがバイオレット、なので通信交換したり対戦してみたりしていた。
「今回の伝説枠、なんか凄い……駄犬感あって凄い可愛いですよね」
「ええ、でも凄い愛着がわいてしまいました。特にサンドイッチ欲しさにボールから出て来た時なんて……この子、何て良い子なのかしらって声に出ちゃいましたよ」
「分かります分かります!!なんか、もう一匹のコライドンが出て来た時に凄いシュン……としてる時も可愛く思えちゃって……」
「ミライドンも凛々しいと思ったら愛らしい所があって……」
「へぇ~コライドンなんてもう大型犬にしか見えませんでしたよ、ヘルガーの所は凄い風格あったのにアギャスで駄目でした」
「フフフッ私もです」
「みたいな話をお婆様としてたぜ」
「お婆様がポケモン……」
「ぜ、全然イメージない……」
「やってるんだ……」
そんな感じでポケモン談義をしながら療養所では楽しく過ごす事が出来た。その流れで、アサマ曰く俗物への牽制も含めて写真を撮ってあげてみた。結果的にメジロのポケモントレーナーがトレンド入りする事になった。
「でも、如何してお婆様はランの所に行ったんだろうね。ライアンの応援に行ってもよかったのに」
「それは思いましたわ」
「いや、アタシは来られたら緊張で走れなくなるから助かったよ……」
パーマーの言葉に同意するマックイーン、そしてライアンはライアンでこの結果に安心している。菊花賞の時以上に緊張したに違いない……しかし、それならば如何して休養中のランページの所に行ったのかが解せなかった。それを聞きに来たとも言える。
「単純な話だよ、ガソリンぶっ掛けに来てくれたんだよ」
「何それどういう事!?」
「起爆剤ブッ込んでくれたって事」
アサマが懸念していたのはランページがバーンアウトシンドローム、俗にいう燃え尽き症候群にならないようにする為。ライアンとの約束である三冠を達成し、更にはジャパンカップにも勝利した。これだけの活躍をしたのであれば意欲を失っても可笑しくは無いし、引退を決め込んでも文句は言えない。故に見定めに来た。
「次の目標を、お婆様はくれたんだよ」
「次って……無敗の五冠の次の目標って一体なにする気なの?」
強いて言うならば、ルドルフ越えの八冠を目指すとかそういう事になるのだろうか……と3人が考えているとランページは新聞を畳んで脇へと挟み、シガーを仕舞い込むと立ち上がった。
「決まってるだろ―――より強く、より先へ、より上へ、走り続けるだけだろ俺達ウマ娘は」
そう言い残して歩みを進めて行く。それを聞いた三人は当たり前の事を口にした彼女に驚いていた、ランページは途中にあったゴミ箱へと新聞を投げ入れ、生徒会室へと向かって行く。
「失礼する」
「ランページ?君を呼んだ覚えはないのだが……」
「悪いな、人に向けた挑戦状を隠し持ってるっていう悪い子が此処に居るって聞いてな。通報する前に釈明を聞いてやろうと思ってな」
「っ!!」
息を呑んだ。如何してその事を知っているのか、ラモーヌは首を横に振る、彼女ではない。ではどこから……
「済まない、だが君は海外への興味が無いように見えてね……それを強制する事になりかねないと思ってそれとなく興味を促してからの方が良いと思っていたんだ」
「そりゃどうも、だけど俺宛ての手紙だったら見せるのが道理だぜ会長」
「至極当然……だな、済まない。これらだ」
机にしまっていたモノをランページへと渡す、英語、フランス語などで綴られた手紙がある。要約すると、ジャパンカップでは負けた、だが此方はホームでは負けない!!だから戦いに来い!!というモノばかり。中にはそれすらなくレースパンフレットだけというのもあるが……ダート形式の物も結構あるな、と思っていると最後のものに辿り着く。
「……へぇっ随分と面白いもんを隠してたもんだな、ええっ会長」
「済まない……だが、凱旋門賞だ。世界最高峰のレース、それを海外に興味がないとハッキリと断言していた君に伝えていいのかと思ってしまった。それで如何やって興味を持たせればいいとラモーヌとも話して―――」
「ンなもんこれ見せられたら一発で行く気になってたわ」
『えっ』
二人合わせて十冠が間抜けな声を出した。
「前以て南ちゃん辺りに見せてれば、多分南ちゃんの事だから上手く俺の事煽るだろうから俺がやってやろうじゃねえか南ちゃんこの野郎!!で海外挑戦決定だよ」
「そ、そんな簡単に……」
「決断なんてそんな物でいいんだよ、人生はノリと勢いだ。ちゃん先輩」
「えっ?何かしらランページちゃん」
急に振られたのでびっくりしつつ返事をすると、そこには笑顔があった。
「凱旋門ってフランスですよね」
「そうよ」
「なら本場のフレンチを喰いに行って来るよ」
なんて大胆不敵な発言なのだろうか、名家であるが故に此処までの事を言う相手には会った事がない。故に、そんなランページが魅力的に見える。それはルドルフも同じだった、そして本気で応援したくなった。
「なら、私もサポートしよう。シンボリも全力でサポートさせて貰うよ」
「そりゃ有難いね、それじゃあ早速一ついい?」
「なんでも言うと言い」
10分後……
「何で会長とラモーヌさんとスリーショットでハートマーク作ってるの~!!?ズルいよ~ラン!!!」
「いやほら、三冠ウマ娘の集いだから」
「ワケワカンナイヨ~!!」
ウマッターに上げられた物を見て、テイオーが大慌てでランページに詰め寄っていた。何を見たのかと言えば……
メジロランページ @dictatorship
三人揃って十五冠!!先輩に激励貰いました。
三人でハートポーズを作った写真が一緒になったランページの投稿を見たからである。
尚、滅茶苦茶バズった。