91話
忘年会もそこそこに、新年会へと移行した。今年はメジロの新年会とかに参加するつもりだったのだが、俗物の排除が終わってからでいいと言われたので今年は参加せずだった。尚、自分の代わりにシンボリ家と合同で行ったらしい。そして新年になると理事長からの呼び出しを受けたのであった。何かやったかな……と思いながらも理事長室へと向かい、新年のあいさつをした。そしていよいよ本題へと入った。
「提案!!トレセン学園の宣伝部長になるつもりはないかね!?」
「突然何すか、ハテナ、やっておしまい」
「ニャッ!!」
「み゜っ!?如何してランページの言う事を一瞬で聞いたのだハテナ!?」
余りにも突然すぎる事だったので、無茶振りのつもりでハテナにやってしまえと言ったら、理事長の頭の上という定位置にいたハテナがその頭頂部に向けてネコパンチを放った。あれは痛い、理事長が甲高い変な声を上げるのも分かる。逃げるように自分の頭の上にジャンプしてきた功労者を労いながらも、話を進めて欲しいと促した。
「ううっ~……説明、君を指名したのは純粋に知名度と話題性故に。無敗でのトリプルティアラ、そしてワールドレコードを樹立したウマ娘界のニューホープ、そんな君がトレセン学園に関する事を発信したりすれば効果的だと思った次第」
「まあ分からなくもないですけど……それなら会長とかシービーさんにやらせればいいと思いますけど」
「正論、実は既に相談はしたのだが……」
『すいません理事長、お力になりたいとは思うのですが……私は其方には疎い方なので……』
『アタシもパスで。なんかややこしそうだし』
シービーはシービーで彼女らしい理由、ルドルフは純粋にSNS方面に強くないからという理由から辞退している。ラモーヌもルドルフ同様に強くないので辞退した。次にオグリキャップなども考えたが、基本のんびりほんわかしている性格の彼女には出来そうにない。そんな時に白羽の矢が立ったのがランページだった。
「君は連日ウマッターにてトレンド入りを果たす程、SNSにも相当に強いと見た!!」
「いやあれはどっちかと言えば俺というか周囲の力が強すぎるだけ」
「7人でのハートポーズでまたトレンド入りしてましたもんね」
あれはあれで、ライアンが居ないからやり直しと書き込んだコメント主が、おいお前どうすんだよ、みたいな目にあっているらしい。それは置いておくとして……自分の呟きが拡散しているのは良くも悪くもやる時に偶々影響力の強い人物がいる時だけで……と思ったが此処で考え直す。
「あれ、俺って十分過ぎる位に影響力ある?」
「無論」
「間違いなく」
という事もあって、ランページは時折SNSでトレセン学園の事に情報発信を行っていく事になったのであった。実際問題、トレセン学園の事を分かりやすく発信したりする事で希望者を増やしたり、ウマ娘達の未来への懸け橋になれると理事長は言っていた。因みにこの件はURAから理事長に来ていた話だったらしい。
「率直、実を言うとURAが君を推しているんだ」
「なぁんか私怨を感じるなぁ……勝負服の事まだ根に持ってるのかよ、そっちがその気ならこっちだって色々やってやるぞ。理事長ならばいっその事、俺、動画配信とかやろうか?」
「おおっ熱意があって実に結構!!歓迎!!好きにやりたまえ!!」
「賑やかになりそうですね♪あっ私も偶にお邪魔しても良いですか?」
「勿論勿論」
「よし言質取りましたからね」<カンゲイ!!
「不穏!?」
半ば無理矢理に許可を取ったランページ、早速準備に掛かった。
メジロランページ @dictatorship
午後2時から重大発表があるぞ~!
皆の者、心して待つのだ~!!
ウマッターでそんな呟きを投稿、そして直ぐに南坂に車を出して貰ってカメラやパソコンを調達、セッティング作業を行っていく。
「ランページさん、一体なにをするんですか?」
「いやさ、理事長にトレセン学園の宣伝活動やってほしいっていうから配信やるんだよ。大丈夫許可は取ってるから」<カンゲイ!!スキニヤリタマエ!!
「ハァッ……理事長にも困ったものですね、それなら反対する理由もありませんね」
「流石話が早くて助かるね~♪」
学園のトップからの許可があるのならば、一トレーナーである南坂としては反論どころか反対意見を出す事も出来ない。加えてこれらの機器は全てランページの獲得賞金から出ているので何も言えない。そんなこんなでセットが終了すると丁度いい時間になって来た。
「よっしゃあ間に合った~!!んじゃ南ちゃん、カメラスイッチオン!!」
「分かりました、それでは……ポチっとな」
いよいよ午後2時、開始の時刻だ。回されたカメラ、その真正面で静かに仁王立ちをする。
| ・えっ嘘でしょ、これマジで? ・無敗三冠じゃねえか!!? ・ウマッターから飛んできたんだけど何これ!? ・えっ何これ、独裁者の政権放送? |
|---|
コメント欄は既にパニックの嵐だ。それに気付きながらもゆっくりと顔を上げながらも高らかに声を上げた。
「ご唱和ください我の名を~……!!」
| ・えっこれガチやん!!? ・無敗三冠が何やってんだお前ぇ!!? ・無敗五冠だぞ ・ジュニアのG1含めたら六冠だぞ ・というかこれ絶対あれじゃねえか!! ・お前そっちも行けるのかよ!? ・ウマッターでポケモンの対戦募集してるぐらいだぞ、面構えが違う |
|---|
「という訳でおはこんハロチャオ~!!貴方の記憶にワールドレコード、独裁暴君、ランページ!!なんつってな♪」
| ・ウルト ・ウルト ・ゼェ…… ・ナンジャモじゃねえか!!!?? |
|---|
「プレートじゃねえか!!のノリゴチで~す。という訳でウマッターで言ってた通りの重大発表、それはなんとこの俺、メジロランページがトレセン学園の宣伝部長に就任しちゃいました~イエーイ……ハァ、何で俺なんだろな」
| ・テンションの落差がひっでぇwwww ・ならなんであんなテンションでスタートしたんだよwww ・一気に転落してブラック企業で10連勤した社畜みたいになってて芝3200 ・最初のご唱和下さい何だったんだよwww |
|---|
「いきなり呼び出し食らったと思ったらさ、URAから宣伝部長に推されたからやってくんね?だぜ、まあ面白そうだから引き受けちゃったんだけどさ。人生なんてノリと勢いがあればどうにかなるんだよ!!ソースはスピカのシービーさん」
| ・URAェ…… ・引き受けるお前もお前やぞ ・というかソースが強すぎる ・スピカの天衣無縫の自由人出すのは強すぎるのNG |
|---|
流石にシービーを出すのは卑怯だったらしいが、兎も角一気に納得された。流石スピカ、格が違った。本当はゴルシを出すべきだろうが、まだ居ないからしょうがない……偶にそれらしき葦毛を見るのだが直ぐに見失うのだ。
「という訳で、この配信だとトレセン学園のそこんところやこんな所、トレーナーを目指しているそこの貴方やそこの君の為に、現役トレーナーにインタビューしたりしちゃうぞ~!!」
| ・これ、普通に凄くね? ・マジでえええ!!? ・うおおおおお!!トレセン学園にTVとかあんま入らねぇのに!! ・マスコミの仕事がまた一つ、奪われた瞬間である。 ・ワイトレーナー志望、是非リギルの東条トレーナーに話を聞きたい |
|---|
「おおっ早速リクエストも来ちゃってるなぁ~順番に処理していくぜな。後はまあ……俺のウマッター見てる人なら分かるだろうけど、偶に会長とかシービーさんとかラモーヌちゃん先輩とかが出没したりする程度の配信だな。流石にお婆様は難しいかな、だからあんまり期待するなよ~」
| ・レジェンドじゃねえか!! ・もれなく全員伝説級の面子なんですがそれは…… ・コンスタントにトレンド生み出すウマ娘なんだよなぁ…… ・ホントなんなんこのウマ娘…… |
|---|
「後はそうだな……俺の練習風景とか……えっ何よ南ちゃん、練習時間が近い?ああそうか、分かったまきかマギカな。という訳でこれからこのチャンネルの方針はトレセン学園について、トレーナーについて、ウマ娘向けのトレーニング、自由!!みたいな感じになるからこれから宜しくな~という訳で、初回は此処まで!!貴方の記憶にワールドレコード、独裁暴君、メジロランページでした!!次の放送までに皆善行を積むのだぞ~♪」
「はい、カメラ止めました。お見事な放送ですね」
「いやぁライブに慣れてるとこういうのも楽で良いな」
早速理事長に確認してみると、この調子で頑張ってくれ!!と言われたので上々だったようだ。そしてランページは南坂と共に練習を開始するのだが……
「ラン、なんか凄いになってるぞ!!」
「何が?」
「ネットニュース見てみなって」
「どれどれ……うわ、バズりを越えてニュースになっとる……」
掲示板みたいなのが欲しいと言われたので。