迷子の魔物使い   作:火取閃光

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第12話

 グレーターデーモン達の討伐をモンスターバトルで解決して冒険者ギルドを辞めたとしてもたんまり出た報酬で家を建築した。

 

 牛飼いさん家の隣人で彼等の邪魔にならない程度の大きさの家を立てて国に住民手続きを済ませてから何でも屋みたいな事をやっている。

 

 最初は冒険者ギルドから受け付けられなかったゴブリン退治から始まり荷運びや護衛などなんでもやっていた。

 

 しかし、ある時を境に何でも屋から違う仕事へと変化したのだ。それは獣医的な仕事だ。

 

 その仕事もなんの偶然か牛飼さんの牛の様子がおかしいと思い話し掛けたら食当たりをしてしまったらしい。

 

 その事を牛飼さん親子に話したら動物と話が出来ると言う特技に気が付き話題が話題を産んで今では獣医の真似事をやっている。

 

 オイラがやっているのは普通の獣医が手の施しようがない案件とか獣と飼い主のコミュニケーションの通訳とか、獣側のメンタル治療とかを主に行っている。

 

 元々、獣とは生まれ付き人よりも通じ合えるくらいには話し合えるから大して特技とか思っても見なかったが反響は上々だ。

 

 また、主に手の施しようがない案件は病気や老衰よりもモンスターに襲われてしまっての傷関係だから、その辺りは回復魔法を使って治療を行った。

 

 こっちの人は回復の奇跡を家畜に使ってくれる事に感謝をしていたが別に奇跡ではなく魔法なので感謝される謂れはない。

 

 だから、偶にこう言う輩も現れる。

 

「家畜に回復の奇跡を使うなだってぇ? なんで?」

 

「回復の奇跡は神々が我等人を癒す為にお与え下さったのだ。家畜と我等は違う。だから、貴様の様な異端は許しておけん!!」

 

 回復の奇跡ガチ勢に絡まれる事もしばしばあり、相手も本気で武器を使って襲い掛かるので野盗か何かだと思いステゴロで相手する。

 

 相手の奇跡を闘気力を纏った拳で叩き落とすと相手は絶望した様な声をあげて発狂しながら帰っていく。

 

 余程、自身の信仰の強さに自信があったのだろう。異端になんか負けるはずが無い。こんなのあり得ないなどと良く言う。

 

 だから、信仰ないと判断されたオイラがそれを叩き折ると次第にどっかへ走り去って行くのだ。まるで悪魔でも見たかの様に。

 

 だから、毎度襲われる毎にこれは暴漢にあったと街に報告して処罰を与えて貰えるのだろうか? と疑問に思い一応報告はしている。

 

 街の出入りは王都から手紙が届いて色々な事情を鑑みて魔物使いを特別に許して街の出入りの許可証を貰ったから大丈夫だとは思っている。

 

 大体、襲ってくる神官は女神官と大差ない年齢の若い人だ。つまりはオイラと同年代な筈だ。

 

 街の衛兵に事情を話すと数日後にはその神を信仰するお偉いさんが謝罪に来て迷惑料を払ってすぐ帰る感じが続いている。

 

 何か悪い事をしている流れで信者からお金を巻き上げる様な風評被害が出かねないので、女神官ちゃんと共に地母神の神殿にお布施として渡している。

 

 地母神はゴブリンの被害にあった女性とかを引き入れてくれる為に他の教会に比べてお布施不足が起きている。

 

 だから、女神官ちゃんも冒険者として稼いでその人達の為に少しでも役に立つ様なお布施をしているらしい。

 

「まぁ、オイラの近況は大体こんな感じだよ」

 

「う、うぅ……。私達神官がシュードさんになんて事を……」

 

「まぁ、その分迷惑料をこうしてお布施出来るんだしなんだって良いよ。別に大した迷惑は被って無いからね」

 

 オイラは今、女神官ちゃんと2人で買い物に出掛けていた。

 

 許可証があるからと言って街の人の目はまるで罪人を見る目だから買い物1つも苦労ってほどでもないが面倒はよく起きる。

 

 その面倒を回避する為に牛飼いさんや女神官ちゃんと一緒に買い物へ行く事にしている。

 

 今回は違うが普段は良く何でも屋へ来ては依頼をする依頼主だ。

 

 彼女が信仰する地母神である様に殺生の忌避を解決するべく杖術の訓練相手をやっている。

 

 オイラも賢者としての端くれであるから杖術は一通り出来る。

 

 まぁ、拳で殴った方が早いと言うのは師匠譲りだが女神官ちゃんはそうは行かない。

 

 杖術を習い自身の持つ錫杖を武器として活躍出来る様にする為に、ゴブリンスレイヤーの足手纏いにならない為に自衛出来る様にしたいらしい。

 

 今は型の反復練習で時折この型ではどう言う時に使われるとかの解説をして意識的にやらせている。

 

 これが無意識に反応出来る様になれば一人前の杖使いとして戦力になるだろうと思っている。

 

「そう言えば、この街以外にも興味があってさ。何処か良い所は無い? 今、知名度を上げる名目で探索領域を増やそうって思っていてさ」

 

「うーん……。それなら、水の街なんてどうでしょうか? その昔魔神王を倒した金等級の剣の乙女と呼ばれた方がいらっしゃる場所です。

 

 水がとにかく綺麗で魚料理が絶品との噂です。私もいつか行ってみたいと思うのでよろしければ行ってみて下さい」

 

「なるほど、なるほどね……。分かった、そうしてみるよ。良い情報と買い物に付き合って貰ってありがとう」

 

「いえいえ。私達神官がご迷惑をお掛けしたなら尚更お返しをしなくては人としても神に使える者としても良い事とは思えませんよ」

 

「みんながみんな、女神官ちゃんみたいな感じだったら争いは起きなかったとオイラは思うよ。改めてありがとね」

 

 しばらくの間は何でも屋は休日にすることになるのかなと思いながら門番ならぬ番犬代わりに誰かモンスターでも置こうかなと言う呟きに女神官ちゃんは即座に辞めさせた。

 

 デーモンロードを運動代わりにする様な化け物揃いだ。勘違いした人が討伐依頼でも出したら世も末だ。

 

 結局は何でも屋兼任自宅の警備は牛飼さんがやってくれるみたいだからその間に水の街へ行こうと思った。一度でも行けばルーラ範囲だし。

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