久しぶりに話した王侯貴族の話しに酒に酔ったオイラはどうやらペラペラと喋ったらしく後日大剣使いからお礼を言われた。
王侯貴族のあり方はその時代によってだが違う事が多い。戦乱が多い時代なら戦王が良くて平和な時代なら知王が良い。
オイラのワカバの国にあるゲイルリータ伯爵領は平和な土地だ。牧場にはオイラのモンスター達がいて部下の牧場主に管理させている。
その他の領地経営だってそれが可能な友人貴族の次男坊や三男坊がオイラの代わりに納税などの管理してくれている。
オイラの役割は主にモンスターバトルの戦力。つまり戦王に近い役割がある言わば名ばかり伯爵だ。
だけど、それでも領地は特に農耕一揆などは過去には起きていないくらいには平和だから納税のシステムを構築出来れば大体は配下に任せれば良い。
その様な話をどうやら酒の席で話したらしい。そのお陰で全てを自分でやらなくてはいけないと言う固定観念から抜け出せたそうだ。
それでもオイラも領地では何が盛んで、どう言うことが起きていて、どんなモノで納税されているかなどは把握している様に勉強していた。
領民は今、どんな不安にかられているのか? 何が困って不自由なのか? 他の領地では何が起きているのか? など学ぶべき事は多く常に勉強の日々だった事は伝えた。
全てが足りていたわけでは無い。何も足りていない状態で伯爵になったから勉強したが、最終的には知恵者の部下に任せる事にして自分に出来る事をやっていた日々だったと思う。
大剣使いも酒の席で何回も耳がタコになるくらいに話していたらしく、賢王になる為に努力する姿勢が大切なんだと学んだそうだ。
「恥ずかしい限りです。オイラは結局は逃げちまった名ばかり伯爵なので領民や部下達にはいつも迷惑ばかりを掛けていたし、今も掛けている感じです」
今日の訓練が終わって夕方のある日に昨日泥酔で帰れず迷惑をかけてしまったゴブリンスレイヤーに謝罪と感謝をした。
もうこの世界に滞在して1年以上が経つ。モンスターマスターとして世界を旅すると領地をかなり空けるがそれでも大体1年以内には帰る様にしていた。
ゲイルリータ伯爵領はどうなっているのだろう? 民や部下達は大丈夫だろうか? と知らず知らずに不安が溜まっていた様だ。それが酒の席で爆発したらしい。
「だが、平和だったのだろう? ならそれでも良いじゃ無いか」
「そうですかね……。そうありたいと思います……。んん? 何やら騒がしいですね?」
「そうだなっ……! 何かあったのかもしれんっ……!!」
そして、騒ぎにあった場所へ辿り着くとそこにはゴブリンの死体とゴブリンによって殺された農夫の死体があり、近くにはゴブリンの掘ったと思われる穴があった。
「またゴブリンかっ……!? 少しはオイラにも感傷に浸らせてくれよっ……!! 全くっ……!!」
事情を知っている大剣使いや槍使いは笑っていたが、直ぐに気を引き締め直してゴブリン専門化であるゴブリンスレイヤーに指示を仰いだ。
ゴブリンスレイヤーが担当していた新人への伝達をハイエルフが、事件現場に集まった新人は大剣高いが引き受けた。
ゴブリンスレイヤー達が穴に入るその時に女神官からある意見があった。それは夕方に返した新人達が襲われる危険性だ。
「確かに、それは盲点だったっ……!」
「私が新人達の救出へ向かいます!!」
「ならオイラが女神官ちゃんを担いで向かおう。その方が早い」
よっこらせっと俵抱きをして新人達が帰りに向かう場所へと急いで駆けたが女神官ちゃんには不服の様だ。
「か、担ぐってっ……!? せめてお嬢様抱っこにして下さいっ……!! 俵抱きは女として、その、あれですっ……!!」
「もう〜〜我儘なんだから……。良いじゃん。オイラは意中の異性じゃ無いんだから……」
「それでも、救出に出たのにそれは、格好が付かないじゃありませんかっ……!?」
それは確かに。女神官ちゃんのその姿を想像して納得したが彼女の本音を揶揄い気味に聞いた。
「それとも〜〜ゴブスレさんにやって貰えた方が良かったかな〜?」
「っ!? もう! 知りません!!」
顔を赤らめたあんな神官ちゃんはもう諦めモードで新人達の救援へ向かった。
新人達も被害が出たモノのその場に剣士くん達もいた様で女魔法使いちゃんの指示に従って今度はゴブリン討伐に成功して汚名を返上した。
また、ゴブリンスレイヤー達も同様に巣穴を調べてゴブリン討伐をしたらしくこの事件は穏便に終わった。