迷子の魔物使い   作:火取閃光

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第6話

 ゴブリンスレイヤーと依頼をこなしたり、自身の等級をコツコツやっていたりして何度か等級を昇級して数週間。

 

 こっちにきて2ヶ月も経たないのにベテランクラスの翠玉等級にいつの間になっていて丁度さっき紅玉の昇級を受けた。

 

 あんまり経験点を溜めているわけではないのにシュードの生真面目な報告書の際なのかアドベンチャーシートに詳細に冒険内容が書かれている。

 

 冒険者とは言えど元は孤児院出身者だったり、農家の子供だったり捨て子だったりなど様々だ。

 

 偶に貴族の出身者もいたりはするが全体の5%未満でほとんどが冒険の内容が詳細に書かれていない場合が多い。

 

 そう言う点も冒険者ギルドが直接調査したりするので経験点から引かれる事が多く順調に昇級しない理由でもある。

 

 シュードの場合、10歳時点で星振りの大会に出場して初参加と言うハンデを負いながら3位と言う結果を残した。

 

 それを若葉の国の王は大層喜んでおり、シュードに伯爵位と同等の地位を与えていたこともあって割と教養がある。

 

 こっちの世界とは文字や文法が違う事に若干苦戦したが持ち前の地頭と向こうで習った教養によりそれなりに報告書をまとめていた。

 

 冒険者ギルドとしても綺麗で読みやすい文字にモンスターが何体いてどう言う方法で倒したなど調査に出向く必要がないほどの書類に、シュードの生まれが高貴な者だと勘違いが起きていた。

 

 冒険者ギルドではそう言う評価を受けている反面、同じ冒険者からは何故新米が自分よりも上に逆の意味で勘違いが起こっている。

 

 ギルドに賄賂をしたとか、経験点を誤魔化しているだとか色々と面倒な嫉妬の視線に嫌気がさしている。

 

 そんな感じの日々を過ごして冒険者ギルドに向かうとゴブリンスレイヤーといつの間にかパーティを組んでいたあの時の女神官ちゃんが何やら修羅場っていた。

 

 ゴブリンスレイヤーは他の銀等級のハイエルフやドワーフ、蜥蜴人と共にギルドの奥の部屋へ話し合いへ向かった。

 

 それをきっかけに女神官と同じ黒曜等級達が心配そうに声を掛けていたかどうやら意見の相違らしい。よくある話だ。

 

「女神官ちゃん? ゴブスレさんと痴話喧嘩?」

 

「っ!? 違いますよぉ!!」

 

「じゃどうしたのよ? オイラに言うのも1つの解決策だよ?」

 

「実は……」

 

 と聞かされる内容ななんて事はない。いつものゴブリンスレイヤーの言葉足らずと言うかぶっきら棒が発端らしい。

 

 ゴブリンスレイヤーは人付き合いが上手い方ではない。どっちかと言えば下手な部類だ。

 

 他人の気持ちよりも自分の気持ちを優先するタイプだから出る言葉足らずなぶっきら棒な優しい言葉は周囲を誤解させる。

 

 彼自身もそれを言って相手が傷付いている事はあまり分かっていない様で相手が怒って初めて理解する程度の認識だ。

 

 彼女はゴブリンスレイヤーに救われて以来、彼を神聖視に近い感情を抱いているみたいな事を告げて慰める。

 

「君はアレだね。何だかんだで男の悪い所を許しちゃってダメ男に捕まるタイプの女の子なんだからそう言うの気にした方が良いよ」

 

「よ、余計なお世話ですよ!? で、でも、話したらスッキリしました。ありがとうございます」

 

「どういたしまして。どうやら話し合いは終わった様だよ。やぁ、ゴブスレさん、数日振り」

 

「あぁ、お前か……」

 

「ん? 何から考え事かい? 珍しいね」

 

「お前、数日暇か……?」

 

「暇と言えば暇だけど何か困った依頼でも受けたの?」

 

「お前の力が必要だ。一緒に来てくれ」

 

「はぁ!? アンタねぇ! そいつは何等級なのよ!」

 

「一応、紅玉等級になりました」

 

「そこの小娘と同意見なのも癪だが使えるのかのう?」

 

「この場にいる誰よりも実力はある。少なくとも今回の依頼に関して言えばこいつ1人の方が成功率は高い」

 

 ゴブリンスレイヤーからのベタ褒めにハイエルフやドワーフ、蜥蜴人は驚いた様に仰け反った。

 

 まぁ、ゴブリンスレイヤーもシュードの魔剣士としての力ではなくて魔物使いとしての力を言っているのだと思っている。

 

 だから、魔剣士としての力を貸して欲しいと言っているのだと思っている。そうじゃなきゃ"この依頼を単独で受けて欲しい"と直接言う筈だ。

 

「そんな、事実とは言え参っちゃうな……! ゴブスレさん、そう言うのは依頼の中で自然と分かるものですよ。あまり口にすると災いの共になりますって」

 

「ぬぁんですってぇ!?」

 

「あらら……怒っちゃいましたか。時既に遅しってやつですね。切り替えていきましょうか。ねぇ? 女神官さん」

 

「えっ!? わ、私も行く前提ですか!?」

 

「行きたくないの?」

 

「行きます!!」

 

「なら、準備しなくちゃね」

 

 そう言って魔剣士のペースで女神官も参加する流れになったがどんな内容の依頼までは聞いていない。

 

 まぁ、十中八九ゴブリン討伐だろうが大規模ゴブリン討伐でもするのだろうか? こんなに大勢でと思いながら準備を進めた。

 

 この人数的や季節的に保存食的な食糧難になる様な自体はないとして医療品や普段持ち歩かない衣料品を持ち歩く事にしたのだった。

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