【完結】走れないTS転生ウマ娘は養護教諭としてほんのり関わりたい 作:藤沢大典
[[[注意]]] 鼻血回。流血描写あり。
「けっほ、けほっ」
どもっ、メルテッドスノウちゃんどすえ。
先程食堂で本日も美味でありました昼食を摂り終え、のんびりとマイテリトリー保健室に戻ってる最中でございます。
いやぁ開幕一発目から咳なんかしちゃって申し訳ないです。なんか昨日あたりからちょっと喉の調子が宜しくないんですよね。
ヴィッ〇ス舐めてりゃ治るだろ、と一晩様子見てみたのですが……調子が戻るどころか、ほんのり微熱も出てきてしまった次第でありまして。こりゃ一足早い夏風邪でも引いちゃったかなと朝から風邪薬キメておりまする。効いてよね、早めのパブ◯ン。
葛◯湯も飲んでますし、まぁ夜辺りには治ってるでしょう。あー鼻の奥が痛い。
今日はあんまり動かん方がいいかなーとか思ったんですが、そもそもわたくし普段からそんなに動いて無いんですよねHAHAHA!
……これ、もしかして逆に動かなすぎて体調崩しちゃいましたかね? あんまり運動は好きではありませんが、体調戻ったら健康維持程度にもう少し身体、動かしましょうか。
というわけで学園の廊下を車椅子で進んでいると、何かが廊下に落ちてるのを発見。おや、何でしょう? 遠目で見える限りはノートっぽい?
取り敢えず近寄って落とし物を拾い上げてみます。
あ、今『足動かないのに地面に手が伸ばせるのか?』ってツッコみましたね? ちっちっち心配ご無用、普段から車椅子には100均で買ったマジックハンドを用意してあります。これが無いと周りに誰もいなくて何か落としたりした時、地味に詰むんで。
落ちてたそれをよくよく見ると、厚さはノートくらいですが表紙が特徴的。ツルツルの光沢がある表紙に、背中合わせで描かれたウマ娘が二人。あれ、これって……まさかまさかのウ=ス異本!? もとい同人誌です。前世では良く購入させて頂いておりました。えっちぃのもえっちくないのも。
つーかコレ
念の為内容も軽く拝見。ふむ、漫画形式のウマ娘×ウマ娘でオリ本ですか。ふむ、ふむ? ……ほう。ほぉ〜……。
思わず丁寧に描かれている内容にちょっとじっくり目を通し始めてしまった時、遠くからダダダダダッと激しい足音が近づいて来ました。
「た、確かこの辺りで! 落としたとしたらこの辺りで! 誰かに見つかる前に! 誰かに拾われてしまう前に! 回ぃっ! 収ぅっ! しないとぉぉぁぁあああばばばばばばっばばあばばばあああぁぁぁっぁ!?」
ズザザザザーーーッと滑り込んでわたくしの目の前に現れたのは、ピンクのツーサイドアップを赤い大きなリボンで彩ったウマ娘、アグネスデジタルです。
彼女の目線はわたくしを見て固まってしまっております。厳密にはわたくしの手の中にある同人誌に注がれてしまっているようですが。
今さっき叫んでた内容的に、誰かに見られる前に落としてしまったこの本を回収したかったのでしょう。が、わたくしに拾われていて、時既におすしであったと。
ん? てことはこれ彼女の本か。……これ彼女が描いた本かっ!
「けほっ、アグネス、デジタルさん」
「は、はひぃっ! ももももも申し訳ありません先生! 学業に関係ないモノを持ち込んでしまい言い訳のしようもございません以後十分に注意いたしますのでどうかそちらの本は返して頂けませんでしょうか何卒伏してお願い申し上げますっ!」
早口で一息に謝罪を述べて90°の綺麗なお辞儀をするデジたん。放っておくと言葉通り土下座しかねない勢いです。
ま、そりゃそうだ。もし他の学生に見つかったとしても素早く回収してしまえば無かった事に出来たかも知れなかったでしょうに。よりにもよって職員側のわたくしに発見されてしまったのですからもう揉み消しは不可能と判断するでしょう。
誠心誠意謝罪して返却してもらう。本来ならば最善の手段だったと思います。いかがわしい物でもありませんし、口頭注意で済むレベルです。
だがこのスノウちゃん、そんな戯言は聞かぬ!
わたくしは容赦なく彼女に告げます。
「在庫は、ありますか?」
「はいすみませんっ! ……はい?」
是非買わせろください。
保健室に戻って来たわたくしは、デジたんの同人誌をじっくり読み耽ります。
――ペラッ
見た目優等生のお転婆娘『ガイアトリアドール』と、外見不良中身純情娘『スリヴォヴィッツ』。
このウマ娘二人がことあるごとに衝突しあい、競争しながら相手の力を認め、唯一無二のライバルとして切磋琢磨しあう中、徐々に相手のことを常に意識するようになり、その想いは友情からやがて違うものに……と、まぁベタっちゃあベタなお話なのですが。
これ、フィクションだよね? ちょっと某チームスピカの二人に似過ぎてない? トリアドールって確か赤系色の一種だし、スリヴォヴィッツは蒸留酒だったような……。
――ペラッ
にしてもこの絵のタッチ、及び表現技法。ベースは少女漫画風ですが、時折少年漫画で良く使われる手法なども取り入れられて読み手を全く飽きさせません。レースシーンなど臨場感溢れまくりで、まるで隣を走っているような錯覚を覚えるレベルです。
――ペラッ
読めば読むほど先が気になり、ページをめくる手が止まりません。ギャグあり、シリアスあり、間延びし過ぎず、詰め過ぎず。それが40ページという普通に読み切り漫画並のボリュームで描かれています。いや同人でこのページ数はかなり多い部類だぞすげぇな。
――ペラッ
……ふぅ、最後まで一気読みしてしまいました。
実にてぇてぇ。非常に良い成分を補給させて頂きました。
流石はアグネスのやべーやつでございます(褒め言葉)。
「こほん。アグネス、デジタル、先生」
わたくしは同人誌を閉じながら、わたくしの対面に座って下を向きながら終始プルプル震えっぱなしのデジたんに声を掛けます。
はい、彼女はわたくしが本読んでる間、ずーっと対面におりました。
廊下で拾ったこの同人誌を、買わせろ返しての問答をしていた結果、とりあえず他人の目につかないところで、という話になりここ保健室で読んでいたのですが、ちょっと冷静に考えると酷なことをしてしまったかも知れません。
……うん、自分の欲望の塊を眼前でマジマジと見られるってちょっと、いやかなり恥ずかしいかも。羞恥のあまり死にたくなるかも。
「ひょっ! いいいいいやいやいや先生とか勘弁してくださいあたしの作品程度なんてどこにでも転がってる道端の石ころみたいに取るに足らないものですからして」
あっはっは、ご冗談を。これだけしっかりした作りの本、そうそうお目にかかれません。少なくとも前世でそれなりにお台場夏冬の祭典に行ってましたが、大手クラスの上等品ですよこれ。
勿論小さいサークルの品が悪いと言っている訳ではありませんが、単純に一個人でここまで綺麗に装丁するのって準備も資金も大変なんです。
そして何より、デジたんが作ったってところ、最重要です!! ご本人の手ずから作られたキャラグッズとか、もはや聖遺物ですよ。
わたくし以上にウマ娘愛に溢れて零れまくってる彼女が、どういった目線、どういった想いでウマ娘ちゃん様達を見ているかが間接的に記されたこちらの本は、ある意味バイブルと言っても過言ではありません。
むしろこれはもうほぼデジたん自身と言っても過言では無いかも知れないッ!
……いや流石にそれは過言か。
「そんなこと、無い。続きは、ありますか? まとめて、買わせて、ください」
「ご、ごめんなさいそれ最新刊なので続きはまだ描いてる途中なんですというかちょっと情緒が持たなそうなので敬語止めてもらえませんか」
「そう? なら、そうするね。じゃあこれ、買わせて。他には、ある?」
作家先生には敬意を払って丁寧口調にしたいところですが、本人からのご所望とあらばそうしましょう。
それはそれとしてこの本は是非手元に置いておきたい。本棚に入れて薄いながらも確実にそこにあるという存在感を感じてニヤニヤしたい。時々寝る前とかに読んでニヤニヤしたい。
ちょっと車椅子をデジたんに近づけて詰め寄ります。続刊はまだでしたか。では他の既刊は? あるなら速やかに出したまえ。さぁハリーハリーハリー。
「アッ、距離近っ、何この美人すぎる先生しゅきぃ……じゃなくて、いえ、あたしそれ結構確認の為に開きまくっちゃって跡ついてますし、ちょっと汚れてますし、とてもお金を頂けるような代物では無いので、どうしてもと言うならせめて新品を差し上げますので」
「そういう、わけには、いかない。けほっ、これは、対価を、払うべき、作品。あなたが、表現して、わたしが、共感した、情熱の、塊。ただで、貰うなんて、わたしの、矜恃が、許さない」
こういった同人活動にはわたくし、投資を惜しみません。大手壁サークル規模なら兎も角、個人の中小サークルなんかは売上回収なんて夢のまた夢です。せいぜいその日のご飯代や他のとこの作品を購入する資金の足しになる程度。
次も書いてもらいたいからこそお金を出すのです。
「そんな、そこまで評価して頂けるようなものではありませんですので……あたし以上に素晴らしい作品を出す方は沢山いらっしゃいますし……」
うーん、おデジさんよ、自己評価低めなのは前世から存じてましたが、やり過ぎると相手にも自分にも失礼になっちゃいますよ?
「んー……謙虚が、美徳とは、言うけど、過ぎたる、謙遜は、止めといた、ほうが、いいよ?」
「ですが、本当に大したものでは無いので……」
「そうなると、この、作品に、価値を、見出だした、わたしの、見る目は、節穴だって、ことに、なるよ? こほっ」
「……っ! そんなつもりは……」
まぁ謙虚が美徳なんてモノ自体が前時代的な古い考えらしいですしね。
相手の褒め言葉を否定する、それ即ち相手の想いを否定するのと同義です。素直に受け取っときましょう。
「それに、あなたが、心血を、注いで、作り上げた、本を、あなたが、卑下しては、いけない。あなたの、想いを、あなたが、否定しては、いけない」
「!!!」
自作品のファン第一号は他でもない自分なんですから、そこは最後までちゃんと生み出した作品を愛してあげましょう。数年後に黒歴史と化して悶絶する可能性も微レ存ですけど、そこも含めて。
「自分に、自信が、持てないと、作品にも、自信が、持てなく、なるのは、分からなくも、無いけど、程々に、ね?」
「は、はい。ありがとうごじゃいます……」
ちょっと噛んだぞ可愛いなぁデジたんは。
自信を持てなんて言うつもりはありません。そういった自信の無さも含めて彼女の個性ですので。自ら変わっていく分には良いですが無理に変える必要などありませぬ。極端にならなければおっけーなのです。
「けほっ。で、先生。ここの描写、なんだけど」
「あの、すみませんが先生呼びも止めてもらえると……」
だめかぁー。わたくし絵心はさっぱりさっぱりなので描ける人はそれだけで尊敬の対象なんですけど。
いつだったか保健だよりに動物のイラスト描こうとしたら名状しがたい何かが出来上がったんですけど。多分、某うたのおねえさんよりヤバいんですけど。
ま、そんな壊滅的なわたくしのデッサン力なんてどうでも良いのです。
折角目の前に作者様がいらっしゃいますので、この本の好きポイントを存分に伝えておかねばなりません。感想って大事。
ざっくりと『この本が好きです』と言うよりも『ここの描写がツボです』みたいに話した方が相手も嬉しくなります。
作り手のモチベーションアップに繋がりますし、そうなれば次回作が出る可能性も上がるという、正に一石二鳥! 下心満載ですね!
「……つまり、そういった過去の想い出から思わずこの動きが出てしまうからこの描写を入れたというわけなのですよ。気付いて欲しい、けど気付かれたくない。そんな気持ちがこの指先の動きに表れてしまったという」
興が乗っていただければこのように作者が作品に込めた想いも教えてくれたりする事もあったりします。
今はわたくしとデジたんが1対1なので周りへの配慮は一切ありませんが、イベント会場などでは隣のサークルさんや他のお客さんなどに十分気を配りましょう。客側のマナーが悪いとサークルの悪評に繋がってしまいますので。
「ほほぅ、なるほど。すごく、納得、した。つまり、この動きが、最後の、けほっ、シーンの、伏線に、なってると、いうことか」
構成力も高いとかすげぇなこの娘。天は彼女に二物を与え給うたか。いや二物じゃ足らんな。どんだけだ。
おや、何かデジたんが驚いたようにこちらを見ておりますぞ?
「メルテッドスノウ先生も良く気付きましたね、そこ。あたし自身、こんなの誰も分からないだろうなって思いながら描いたんですけど」
「そう? かなり、あなたの、想いが、込もった、コマだと、思ったけど」
商業誌と違って同人誌は作者の気持ちが強く込もってることが多いので、『私はコレが面白いと思うんだけどどうよ!?』ってポイントをちょいちょい見受けることが出来ます。個人の感想ですけども。
前世はそういうとこ探すの好きでした。
「……何だか、先生の視点って一般人の気がしないのですが。もしかして
「え、今更?」
買い専でしたが前世では完全にそちら側でしたし、今世でもそうしましょうかね。サークル参加は……ちょっと絶望的ですが。技術的な意味で。
「いやぁ、意外というか何というか……メルテッドスノウ先生って保健室にひっそり佇んでいる妖精みたいなイメージだったんで。結構アグレッシブなんですね」
「妖精て。けほっこほ。あ、スノウで、いいよ」
それどこ情報よー? わたくし自ら言うのも何ですけどガセネタ過ぎませんかね。もしくは妖怪の間違いかと。
というか、デジたんといると素の自分がちらほら表に出ちゃうのを感じますね。何でしょう、すごく気安くて楽。同好の士だからですかね?
「……スノウ先生、大丈夫です? ちょいちょい咳してる気がするんですけど」
「ん、多分、風邪気味」
気になるよねー、わかりみ。
っかしーなー、朝だけじゃなくてさっき昼食後にも薬飲んでるんですけどね……全然治まる気配が無いです。
「えっ!? いやいやいやそれは早退して下さいよホント。早く帰ってゆっくり休んで下さいよ。ウマ娘ちゃんが体調崩してるなんてあたしの精神衛生的に宜しくないんで」
「でも、この本……」
早上がりしたいのは山々なんだけど、部屋戻って布団で横になってる間の時間潰し用としてもこの同人誌、是非とも入手しておきたいなう。
うん、大人しく寝てろと言うのは分かってますよ? けどずっと寝てるの暇じゃん! どうせウマホで動画見たりするでしょうし、見たいの手元に置いときたいじゃないですかぁ!
「わかりました、今から新品をお持ちしますからそれ受け取ったら帰って下さいよ? お金は……後で。後で頂きますから」
「えー、これが、いいのに」
デジたんの血と汗と涙と手垢が染み付いたデュフフフ……は冗談として。完成品にも予断を許さない努力の証でしょうこの読み込み跡。つくづくすごいな超尊いじゃんか永久保存モノですわ。
「いやそれはほんとマジで勘弁してください。じゃちょっとすぐ取って来るんで」
「あ、その前に、バイタル、測らせて。一応、ここに来た、人には、全員、やってるの」
立ち上がって、保健室から出て行こうとするデジたんを一旦引き留めます。
というわけでいつものいっときましょー。
「はぁ。何をするんです?」
「脈と熱、測るだけ」
「まぁそれくらいな、ら……ぇ……?」
「失礼」
デジたんの手を取ってくいっと引き寄せます。
バランスを崩してこちらに倒れ込んでくるデジたんが、車椅子の手摺り部分を掴んでわたくしに覆い被さるような体勢に。
「ひゅき゜ぃ」
何か面白い声が聞こえたような気がしましたが、お陰で身を乗り出さなくてもバイタル測れます。
まずはおでこに手ぇ当ててーそれからお手々で脈を……ちょっと近すぎて手は取りづらいな。首触って測るか。
「……熱は、多分、無し。脈は……やや早い?」
「くぁwせdrftgyふじこlp;@:」
デジたんのお目々とお耳がぐるぐると忙しなく動いて、謎言語が口から漏れてます。はーいもうすぐ終わりますから耐えてて下さいねー。
結果、夢遊病のような状態のデジたんを送り出すこととなってしまいました。やっちゃったZE☆
「けほっ」
にしてもホントどうしたわたくし。
マジで咳が止まらんな……本格的に風邪ひいちゃったかしら。少し体調の見積もりが甘かったかも知れませんね。朝の時点で見切りつけて仕事休んどいた方が良かったかも知れません。
まぁおかげでデジたんとのグリーティングイベントが発生しましたのでプラマイゼロどころかプラスな気はしていますけど。
さて、デジたんが戻ってくる前に今の体調をセルフチェックしときましょうか。
熱は微熱のまま、咳止まらん、鼻の奥が痛い、寒気無し、だるさ無し、思考力低下無し。
高熱にならないあたりインフルエンザでは無さそうなので、やはり消去法で風邪でしょう。身に覚えはありませんが、昨日寝てる時にお腹でも出してたんでしょうか。
「けほ、ケホゲホッ、ゴッホッ」
んー、咳がヤバいな。マジヤバい。
というかあんまり何度も咳したくないんですよね、肺も痛くなってくるし。
「ぜー……ぜー……ゲホッ。……ゲプァッ!」
――ビチャアッ
やーだ、豪快につば吐き出しちゃった。一応この身は乙女ですので恥じらい恥じらい。
……ん? あれこれつばじゃないな、赤い。
え、え? 血かこれ?
――パタタッ、バタタタタバタバタバタッ
ん!? なんかすごい垂れてくる! 口からじゃない、鼻血だ。
え、ちょ、勢いやばい! 何じゃこりゃあ!?
あああああ服が血みどろスプラッタ! 怖ぇ!!
と、とりあえず止めなきゃ。えっとえっと、鼻血は、鼻をつまんでそのまま押さえ続けて、
「がぼっ!? ごぺぁっ! げほっ!」
出血量多くて逆流した! ダメだこれ血で溺れる!
あっ、あかん、待って、なんか気が遠く……いかん……
「あ、これ、やば……」
ウマホで……救急、を……からだ、うご、かな……
「スノウ先生ー、早速新品をお持ちいた、し……先生! スノウ先生っ!? どうしたんですかっ! 先生ッ!!」
……でじ、た……ごめ、きゅうきゅ、よん……
■雑記(2023/01/21)
待望のヘリオス実装来ましたね。
私はお迎え出来ませんでした。
やはりパーマーいないのがいけなかったのか。
果たしてどうなるスノウちゃん。
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