【完結】走れないTS転生ウマ娘は養護教諭としてほんのり関わりたい   作:藤沢大典

13 / 34
主人公視点

キタサトはロリと学園生の両方あってお得


Case11:養護教諭とキタサンブラックたち

今朝はなんか随分昔の出来事の夢見たなぁ……懐かしい。

もしかして夢の内容とかも見知らぬ第三者様方に筒抜けだったりします? いやんはずかちい。

おはようからおやすみまで、暮らしを見つめられるメルテッドスノウです。

 

いやーこの間は焦った焦った。マジ死ぬかと思いましたわ。

気が付いたら病室のベッドの上でしたし。

見た目は派手にヤバい出血量でしたが、発見が早かったお陰で処置も輸血も間に合いまして。あれから約一ヶ月半、本日無事退院と相成りました。

うん、もうほんとデジたんには足を向けて寝られませんね。凄惨な現場を見せちゃったお詫びと助けて頂いたお礼を兼ねて、今度菓子折りの一つや二つ、三つや四つや五つや十は持っていかないとです。

 

ってかあの鼻血ブー、投薬と内視鏡手術で治るんですね医学の進歩は目覚ましい。

何て病名でしたっけ……? とにかく風邪ではなかったですね。というかあんな目に遭うなら、まだ風邪のほうがましじゃないですかやだー。

……誰から貰ったのが発症しちゃったんだろーなー。脚以外のやつが起爆するとちと不味いですね。今後のためにも何かしら緊急連絡手段は確立しとこう。まだ死ぬ気は無いので。

 

取り敢えず、搬送直後に緊急手術だったようですがたったの数時間で終わったとのことですし、目覚めた後の入院生活も基本的に投薬と経過観察だけだったので割と平和なものでした。

目覚めた時の日付が倒れた時から1週間くらい経過してましたが誤差です。1年のたかだか2%です。

 

持ち物もポケットに入れてた財布と手に持ってたウマホだけでしたし、既にバッテリーも切れてたので入院中は暇を持て余すんだろうなーと思っていたのですが、意外と色んな人がお見舞いに来てくれてありがたかったです。

 

まず覚醒直後に休職手続きの書類を持って来てくれたたづなさん。お手数をお掛けしてしまって申し訳ないです。いや助かりますしありがたいんですけど、わたくしなんぞにかかずらってないで、もう少し秘書仕事に集中してくれて良いんですよ? そんな心配そうな顔しなくてもこの通り無事(?)ですし。

 

それに続いてわたくしの第一発見者であるデジたん。めっちゃ泣かれました。めっちゃ謝りました。マジ見苦しいもの見せちゃってごめん。ひとしきり彼女の頭を胸に抱きかかえて撫でてたら泣き声が徐々に笑い声に変わっていったのでひとまず大丈夫であると思いたい。トラウマったりしないよう誠意を尽くす所存。あ、その後二度目のお見舞いに持ってきてくれた数冊の既刊(バイブル)、とても捗りましたありがとうございます。

 

そしてその次に来てくれたのがまさかのアヤベさん。なんと学園に許可を取った上で私の部屋に入って着替えを見繕ってきてくれたり、コンビニで歯ブラシやスリッパ、ウマホ充電器を買ってきてくれたりしてました。オイなんだこの有能すぎるお姉ちゃんは。推すぞ? 推しちゃうぞ? 既に推してるけど。

 

それからも色々な人が入れ替わり立ち替わり来てくれたのですが、特に嬉しかったのがルドりんが来てくれたことでしたね。あ、シンボリルドルフのことです。

お互いなんやかんやで採用面接から会ってませんでしたし、昔初めて会った時に皇帝とバレたくなかったみたいでしたので当時出会っていたことを隠す為に知り合い感を出さずに面接受けましたけど、むしろその態度のせいで自分は覚えられていないんじゃないかって不安になっちゃってたみたいですね。

何言ってんだこの娘は。わたくしが関わったウマ娘を忘れるわけが無いじゃない。というかむしろ君に出会えたからわたくしは養護教諭目指すのも良いんじゃないかって考えたんですから。

そう言った時のルドりんの嬉しそうな顔ったら無かったですね。何よ、そんな可愛い笑顔出来るんじゃない素敵眩しい萌え越えて蕩れ。あー好き。大好き。

 

という感じであっという間の入院生活が終わりましたので、久々の職員寮へ向かって帰路についている真っ最中です。入院中の着替えや何やらは前日のうちにほぼ配送済みなのでほぼ手ぶらです。

明日は予備日ってことでお休みを頂いてしまいましたが、明後日からはまたバリバリ働きますよー! 保健室からグラウンドを眺めるお仕事を。

 

流石にあんなことがあったばかりなので一人で帰るのは控えて、介護タクシー使ってます。

車椅子ごと乗れるのって楽ですね。折りたたみ可能タイプの電動車椅子を使っていますので普通のタクシーにも乗れるっちゃ乗れるんですが、乗り降りが地味にめんどいんですよ。基本的に乗降介助とかしてくれないですし。

いつも通りゆっくりと風景を楽しみながら帰るのも好きですが、自動車でさっと動いちゃうのも良いですね、あっという間に学園が見えてきました。

 

寮門近くで降ろしてもらい、さー部屋に帰ろうと思ったその時。門柱の陰に誰かが突っ立ってるのに気付きました。

背丈的に学園生では無さそう。というか、子供?

尻尾あるみたいだし、ウマ娘ちゃん様か。すごいぺたこしてるけどお耳もある。

……なんか泣いてるっぽいな? まさか迷子か?

うーんこれは放っておけませぬ。

とはいえ気を付けて対応しなければ。一歩間違えれば即ブザー鳴らされてしまう事案に発展しかねませんので、慎重に声を掛けましょう。頑張れわたくし。せーの。

 

「お嬢、ちゃん、どうしたの?」

 

わーお我ながらメッチャあっやすぃーい!

シンプルゆえに不審感ムンムンですね!

も少しまともな台詞は無かったのかわたくしよ!

前世ならブザー発動率150%もんですよ。

確実に鳴らされた後に隠し持ってた2つ目に手がかかる状態ですよ。

 

「ぅあ……ごめん、なさ、ひぐっ。私……わた、ううぅっ……」

 

黒いウェービーショートヘアーに、赤い紐で括られた小さなポニーテール。

黒い長袖ジャージに短パンと快活そうな出で立ち。

紛うこと無くキタサンブラックちゃんですわこの娘。

 

何とか話そうとしながらも泣き止む気配は無い彼女。

あらあら、ジャージの袖が涙でびっちょりです。

 

……うん、ちょっとこれはマジなやつですわ。

イエスロリータノータッチとか言って紳士ぶってる場合じゃないです。真の紳士たる局面です。

スノウちゃんズ総勢256名によるロリっ娘バンザイだんじり祭りは延期です。中止にはしません。

 

ポケットからハンカチを取り出し、彼女の目元を拭います。そのままハンカチを彼女に渡し、今度は職員証を取り出して彼女に見せます。

 

「私の、名前は、メルテッド、スノウ。この学園の、保健の、先生だよ」

 

「ひぐっ……せん、せい……?」

 

「良ければ、お話、聞かせて、くれる?」

 


 

……てなことがありまして。

寮へ戻るのを一旦止めて、保健室にキタちゃんを連れてやってまいりました。

 

ココアでも出そうかと思いましたが、流石に夏にあったかい飲み物は無いなーと、冷蔵庫ストックしてあったパックのにんじんジュースを進呈。賞味期限は……切れてませんねセーフです。

この世界って凄いんですわにんじんのポテンシャル。コンビニとかで売ってる100%ジュースが、りんご、オレンジ、そしてにんじんが並んでるのがデフォなんですもの。

ウマ娘用に品種改良されまくったとは聞いたことありますがマジ甘くてジューシーで美味ぇのよ、にんじん。

 

「落ち着いた?」

 

ジュースを飲んでちょっと冷静になったのでしょう、取り敢えずもう彼女から涙は流れてません。

お腹が減ってるとそれだけで悲しさ増し増しになっちゃいますからね。ついでに適当なお菓子も出しましょう。たんとお食べ。

 

「まずは、改めて、自己紹介、しておくね。私は、メルテッド、スノウ。見ての、通り、歩けないし、話すの、上手じゃ、無いけど、一応、この学園の、養護教諭。スノウちゃんって、呼んでも、いいよ」

 

「わ、私は、キタサンブラック、って言います……◯◯小学校の、生徒です……」

 

わたくしの対面に座ってもらった彼女は、パックジュースを両手で包むように持って俯いちゃってます。泣き止みはしましたが落ち込み継続中ですね。

お茶の間が鼻で笑う小粋な冗句もスルーです。スノウちゃんって呼んでもいいのよ?

 

「ん、いい名前。それで、キタサン、ブラックさん。どうして、あんなとこで、泣いてたの?」

 

キタちゃん、より深く俯いて黙り込んでしまいました。が、しばらくしてゆっくりと話し始めます。

 

「……私、トウカイテイオーさんに会いに来たんです……テイオーさんは、私の憧れで、私も将来はテイオーさんみたいになりたくて……。テレビでテイオーさんが骨折したって聞いて、元気になって欲しくて、お守り渡したくて……でも……」

 

「会えなかった、の?」

 

「いえ、会えました。けど……お守り、受け取ってもらえ、なくて……他の人を、目指した方がいい、って、……うぇ……」

 

あ、キタちゃん思い出し泣きしてしまった。ごめんそんなつもりじゃ無かった。

うん、彼女が突っ立ってる姿を見た時に何となく予感はしてましたが、これは間違いなくアレです。アニメ2期のテイテイが心ポッキリしちゃうアレ。

 

無敗の夢破れ、三冠も破れ、それでも……と思った矢先の3度目の骨折で、医師から復帰は難しいと告げられ、ファンもテイテイの復活を諦め、あろうことか担当トレーナーの不安がる姿を見てしまった後に、極めつけはパクパクさん(メジロマックイーン)の自主練で、もう自分は追い付けないと感じてしまったあのお話。

あ、思い出したらわたくしも泣きそう。あの流れは誰でも心折れますって。

 

「そっか……辛い、ね」

 

辛いよねー、それはマジつらたん。

キタちゃんの行動に問題があったりするわけでも無いので、いつものように舌先三寸で解決とはいきませぬ。

ですが泣いてる子供に何もしないなど大人としてあるまじき行い。せめて精一杯慰めさせて頂きましょう。

車椅子を操作し、彼女の隣に並びます。それからそっと彼女の頭を撫でながら、優しく問い掛けます。

 

「悲しい? トウカイ、テイオーさんが、もう走ることを、諦めて、しまって」

 

「わかり、ません。テイオーさん、なんで……」

 

「じゃあ、失望した? 憧れた、トウカイ、テイオーさんの、そんな、卑屈な、姿を、見せられて」

 

ぶんぶんと勢いよく首を横に振るキタちゃん。

ふむ、悲しみ△、失望✕、と。となれば……

 

「なら、悔しい? トウカイ、テイオーさんが、苦しんでる、その姿に、自分が、力に、なれなくて」

 

やや間を置いて、こくりと首肯するキタちゃん。

 

「……そう。あなたは、本当に、トウカイ、テイオーさんの、ことが、大好き、なんだね」

 

ピュアっピュアで萌える。推せる。たまりませぬ。

トウカイテイオーにされた仕打ちに泣いたのではなく、それに対して覚えた無力感に悔しくて泣いたとかどんだけテイテイLOVEなのよ。

わたくし自身が覚えてる悔し泣きの経験なんてアレですよ、昔お父さんにオセロで何度もコテンパンに負かされた時くらいですよ。うちのパパンも勝負事には容赦無かったからなぁ……。まぁその後に腕相撲で凹ませてやりましたけども。

 

ま、そんなことはさておき。

悔しさを覚えて泣いたり落ち込んだりするのは何も悪いことではありません。むしろこれをバネとして更に前に進むための推進剤となります。

ただし『何故悔しいのか』『こんな思いをしない為にどうしたらいいのか』という方向性を見失ってしまうと、ものに当たったり、いつまでも落ち込んでしまったりと逆効果になりかねないのですが、彼女の場合はその心配は無さそうです。

恐らく彼女の中でどうしたらいいのかの答えはもう出かかっているでしょう。なのでわたくしはそれをそっと後押ししてあげるだけでございます。

 

「彼女も、きっと、すごく、ものすごく、苦しんで、落ち込んで、悩んで、出した、結論、なんだと、思う。彼女の、気持ちを、尊重して、受け止める、ことも、ファンとしての、在り方の、一つでは、あるんじゃ、ないかな」

 

キタちゃんの肩と尻尾がビクッと揺れます。

あー待って待って大丈夫。そうしろって言ってるんじゃないですよ?

 

「けど、あなたは、それでは、納得、出来ないん、だよね? トウカイ、テイオーさんが、こんな、終わり方を、するはずが、無いって。また、走る姿を、見せてくれるって、思ってるん、だよね?」

 

そっと肩を抱いてぽんぽんします。本当はハグとかしてあげたいんですけどね、座った体勢だと難しいので。こういう時は脚が動かないのがちょっと悔しみ。

 

「なら、信じて、あげて。あなたが、憧れた、誰よりも、強くて、誰よりも、かっこいい、ウマ娘の、ことを。どんなに、辛く、苦しい、逆境にも、負けないで、必ず、復活を、果たすのだと、いうことを。あなたが、その気持ちを、持ち続けて、いれば、その想いが、届いた時、奇跡は、起こるんだって、わたしは、思うよ」

 

相変わらず顔は俯いたままですが、徐々に萎びていたお耳に力が戻り、ぴんと立ち上がってきました。よしよし。

 

「以上を、踏まえて。お守り、わたしから、代わりに、渡すことは、出来るけど、どうする?」

 

そう訪ねてみれば、キタちゃんは顔を上げて答えてくれます。

 

「いえ……これはいつか私がテイオーさんに渡します。私がそうしたいんです」

 

ィヨシ! よく言った!

ちょっと強めに頭をわしわしと撫でくりまわしちゃいます。偉いぞキタちゃん、お前がナンバーワンだ。

 

「あなたは、強いね、キタサン、ブラックさん。さすが、トウカイ、テイオーさんを、目指すだけ、あるね」

 

最大限に褒めたった時のキタちゃんの誇らしそうな溢れんばかりの笑顔ったら無かったですね。本日のSSRスチル頂きましたありがとうございまぁす!

 


 

空も薄暗くなってきましたので流石にぼちぼち……と、学園門までキタちゃんを送っていると、向かいの寮入り口にまたしても小さな人影が。

なんか超キョロキョロしております。ぉ、こっちに気付いた。

キタちゃんと同じくらいの背丈のロングヘアの娘が走り寄ってきました。おっとこれは……

 

「キタちゃん!」

 

「あ、ダイヤちゃん」

 

やはりキタちゃんの永遠の相方、サトノダイヤモンドちゃんでしたか。

うむ、元気いっぱいなキタちゃんの感じも好きですが、ダイヤちゃんのようにふわっと清楚な感じのも大好物です。良いですね可愛いですねたまりませんね。

 

「お友達?」

 

「はい! 大親友です!」

 

「キタちゃん、この人は?」

 

こちらを向くダイヤちゃん。あら、背筋とウマ耳がピンと真っ直ぐ伸びてますね、警戒されております。まぁ是非もないヨネ! 見知らぬ大人が友人を連れ回してたら警戒して当たり前です。開幕ブザーされなかっただけ有情です。

ぷるぷる、わたくし、わるいウマ娘じゃないよ?

 

「メルテッドスノウ先生。学園の保健の先生なんだって。先生、友達のサトノダイヤモンドちゃんです」

 

キタちゃんがお互いを紹介してくれ、ダイヤちゃんは警戒を解いてくれたみたいです。良かった。

多分さっきのキョロキョロ具合から、帰りが遅いキタちゃんのことを心配して探しに来たんでしょうね。

 

「初めまして、サトノ、ダイヤモンド、さん。養護教諭の、メルテッド、スノウです。ごめんね。キタサン、ブラックさんと、少し、おしゃべり、してたら、こんな、時間に、なっちゃって」

 

「初めまして、サトノダイヤモンドです。そうだったんですね。キタちゃんがお世話になりました」

 

「いえいえ、こちらこそ」

 

ぺこりと音が聞こえてきそうな綺麗なお辞儀です。スマートにこういった挨拶が出来るところ、やはり良い教育を受けてらっしゃいますね。あらやだわたくしの言葉遣いまで丁寧に。おほほ。

 

「駅まで、送ろうかと、思ったけど、大丈夫、そうかな?」

 

「大丈夫です。近くまで迎えが来てますから。ありがとうございます」

 

いくら陽が伸びてきたとはいえ、あまり遅い時間に小学生だけで出歩かせるのもいかんと思ってたのですが、そこは流石サトノ家のご令嬢。

見当たらないので分かりませんが、多分どっかのロイヤルな殿下みたいに護衛なり何なりが近くで見守ってたりするのかも知れません。

最後に二人の頭をぽんぽんしながら別れを告げます。

 

「ん。じゃあ、二人共、気を付けて、帰ってね」

 

「ありがとうございました! えと、スノウちゃん先生! さようなら!」

 

キタちゃんが元気良く返事をしてくれました。もう大丈夫そうですね。このタイミングで最初の冗句を拾うとか中々高度なテクニックです。

やはりウマ娘ちゃん様達には笑顔がよく似合いますね。あらら、二人で仲良く手を繋いで帰っておりますよてぇてぇ。

 

……さぁて、お待たせしてしまってごめんなさいね脳内スノウちゃんズたちよ。

ロリっ娘バンザイだんじり祭り、開催と参りましょうかぁ!!!

あっはっは、スノウちゃんズたちがハイスピードで山車を曳いておりまs……おいおい何ですかそのビッグサイズなキタちゃんとダイヤちゃんの形をしてる山車は。ねぶた祭と混じってませんかうわははははははー、わーっしょい、わーっしょい。

 

それからしばらく公道を爆走するスノウちゃんズたちを眺める妄想に耽っていましたが、交差点を曲がった時に山車から何人かのスノウちゃんズが転げ落ちたあたりで我に返りました。

あー楽しかった。

 

さて……キタちゃんは良いとして、気になるのはテイテイの方ですねぇ。

いや普通にあんだけ周りから言われたら疑心暗鬼の自信喪失に裏ドラ乗って跳満確定ですって。全く、最初のトリガーはあの医者の台詞か? テイテイをあんなに曇らせやがってヤブ医者め。

 

……はぁ。

 

勿論、分かってるんですよ。

3回どころか1回の骨折すらウマ娘ちゃん様達には致命的です。それを繰り返している以上、医師としては『また骨折する確率は低くない』と判断するのが当然で、それなのにまた走れますよなんて無責任なことは決して言えません。

 

だから勿論、分かってるんですよ。

今わたくしが感じている怒りは完全にただの八つ当たりであることを。

 

あーどうしましょう。めっちゃモヤります。

前世知識が余計だったと感じるのは初めてです。

テイテイの脚を治すのは簡単です。チョチョイのパです。

けどメンタルの方は正直、『アニメの流れ』という最適解を知っている以上、あれを超えられる自信がありません。

一時的に持ち直してもらうことは可能でしょうが、根本の解決には至れない、そんな気がします。

ちくせう、己の不甲斐なさにイライラしますね。

チート持ってようとも所詮ただのいちウマ娘に過ぎないって分からせられちゃいます。

 

あー……あーーーもう!

やるせなーーーい!

叫びたぁい! 叫べなぁい!!

お酒飲んで寝たぁい! でもあんまりお酒強くなぁい!

こんな話、相談出来る人がいなぁい! そもそも友達少なぁい!

ちっくしょーーーーーーう!!!

 

……ふぅ。

 

はい、落ち込み終了です!

出来ないことをいつまでもグチグチ言ってたって仕方ありません。キタちゃんに悔しさを糧に前を向くように話した手前、わたくしがそれを行えないなどあってはいけません。さっさと切り替えて今出来ることをしませんと。

 

致し方ありません、テイテイのメンタル救助はアニメの流れ通りターボ師匠を頼りましょう。もしアニメ準拠の流れにならなかったらまたその時考えましょう。

その代わり、いつもはキリが無くなっちゃうから『こちらから会いに行って能力を使用する』ことはしないようにしていたのですが、ちょっとわたくしの精神安定の為、どこまでもわたくしのエゴの為に、例外としてテイテイの脚、治しに行きましょう。

それこそ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

テイテイ今はギプスしてるし、バレへんやろ多分。

ギプス外した時も経過良好で済まされるやろ多分。

 

ですので、その後の事はお任せましたターボ師匠。

師匠の決死の走りとキタちゃんの叫びが、彼女のメンタル復活のキーなんですから。




■雑記(2023/01/28)
もともとARIAっぽいゆるふわ目指して書き始めたのに、出来上がったのはけもフレ1期のような話の展開……何故だ。鬱展開挟むからですねすいません。

■結局入院の原因は?
誰かから貰った何かが突如起爆した感じです。完治したため今後触れることはありません。詳細は知らなくても問題ありませんが知りたい方は以下文字色反転で↓
オグリキャップ号(競走馬):引退から翌年7月末、喉嚢炎による咽頭麻痺を発症。炎症の進行が原因で喉嚢に接する頸動脈が破れて馬房が血まみれになるほどの大量の出血を起こし、生命が危ぶまれる重篤な状態に至った。合計18リットルの輸血を行うなどの治療が施された結果、10月上旬には放牧が可能な程度に病状が改善した。[Wikipediaより]
ウマ娘に喉嚢があるのか分からないので病名を曖昧にしています。喀血も鼻腔から流れてきた血が気管に入ってむせたため。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。