【完結】走れないTS転生ウマ娘は養護教諭としてほんのり関わりたい 作:藤沢大典
■Case15-1:ゴールドシチー
いつもは保健室で外を眺めながらコーヒーを飲んでいる先生が、今日はいなかった。机の上には
『外出中 急患は0X0-XXXX-XXXXへ 養護教諭』
と書かれた札が置いてある。
特に戻る時間も記されておらず、それならばと珍しく時間の空いたアタシは先生を探してみることにした。
学園内をうろうろ探していたら、あっさりと中庭でスノウ先生を見つけた。
何人かの生徒が嬉しそうに、手に小さな袋を持ったまま先生の元を離れていく所だった。
「スノウ先生、どこに行ったかと思ったらここにいた」
「ん、ゴールド、シチーさん。なにか、用事?」
スノウ先生はいつもの車椅子の後ろに大きな荷台をけん引していた。荷物が満載されているが中身は白い袋で覆われていて隠されている。
更に先生の手には抽選会とかでくじを入れてるような箱が。
「まぁ、用事って言えばそうなんだけど……先生、その荷物なに?」
「バレンタイン、くじ。ハズレなし。完全、無料」
……この先生、物静かそうな見た目の割に時々アグレッシブになるから行動が読み切れない。
今だって、普段はずっと保健室に居るのにこうして探し回る羽目になってしまっているし。すぐ見つけたけど。
そしてバレンタインくじって何。
何でそんな商店街のイベントみたいなことやってるのこの先生。
「……相変わらず変なことしてるね、先生」
「えへん」
「褒めてないよ」
何故か得意気に胸を張る先生。
そして手に持っていた箱を私の方に差し出してくる。
「それは、ともかく、シチーさんも、1回、引いてって」
正直、現状を理解しきっているとは言えないけど、こういう時はとりあえず乗っかって満足してもらうのが早い。
「まぁ、いいけど。ちなみに1等は?」
「某有名、遊園地、ペアチケット」
それ、ちゃんとイベントとして成立する内容になってない?
個人で用意する内容じゃなくない?
「割としっかりとくじ引きしてるね先生」
「えへん」
「だから褒めてない……4等だって」
あまり深く考えても仕方ないので、箱に手を突っ込んで適当にくじを一枚引く。
三角に折りたたまれたくじを開くと、『4等』の文字がそこにあった。
「ん。じゃこれ、進呈。ショコラ、アソート」
そう言って先生は荷台の袋から小箱を取り出してアタシにくれた。
手の平サイズの濃いピンクの箱に白いリボンが掛かっており、箱には『Happy Valentine's Day』と金文字でプリントされている。あれ、これって……。
「駅前の美味しいお店のじゃん。本当にいいのこれ?」
どっかの有名なショコラティエが独立して作ったお店のやつだ。
たまたまCATV番組の地元紹介でゲストに呼ばれて行ったから覚えている。
その時に試食して相当美味しかった気がする。
「バレンタイン、だからね」
「理由になってない気がするけど……ありがとう先生」
意外と私にチョコを贈ってくれた相手は少ない。トレーナーとマネージャー、それとバンブー先輩とユキノくらいだ。
だからこれは、素直に嬉しい。
「で、用事って、なに?」
「あ、そだ。はいこれ。ハッピーバレンタイン」
そう言ってアタシはカバンから用意してあった小袋を先生に差し出した。
先程の4人に加えて、スノウ先生に渡すものはあらかじめ用意しておいた。
この先生には時々世話になってるし。どうしてもレースとモデル業とのスケジュールが調整し切れずギッチギチだった時に、体調不良って名目で少し授業サボって保健室で仮眠させてもらったり、偏りがちな食生活を改善するアドバイスをもらったり。
「おやま」
「先生にもお世話になってるからね。日頃の感謝ってことで、あたしも良く使ってるメーカーのリップ。も少し自分磨きな先生。折角素材良いんだから」
「ん。ありがとうね、シチーさん」
全く、本当に分かってるのかな。
確かに幼めの顔立ちだけどすごく整ってるんだから。
ナチュラルと無頓着は違うんだよ先生。
「こちらこそ。それじゃね、先生」
何はともあれスノウ先生にプレゼントを渡すという目的を達成したアタシは、その場を後にした。
……けど先生、もしかしてその荷物全部無くなるまでやるつもりとかじゃないよね?
なんか荷台に山積みになるほどチョコ積んでるっぽいんだけど……
■Case15-2:ヒシアマゾン
本日の学業とトレーニングを無事終えて、アタシは早々に寮へと急ぐ。
寮長というものを任されている手前、アタシには色々とやることが多い。
とりあえず寮生数名のメシの世話。アイネスフウジンやサクラチヨノオーが時々手伝ってくれたりもするが、生憎と今日はアタシしかいない。
各々自炊くらい出来て欲しいと思わなくもないが、そう思って一度サクラバクシンオーにさせてみた結果、アタシが用意した方が被害が少ないという結論に辿り着いた。
そしてそれが終わったら寮内の見回りやら備品の補充・請求やらと目白押しだ。
そんな今夜のスケジュールを頭の中で確認しながら戻っていると、寮門のあたりに誰かがいるのが見える。
「ご協力、お願い、しまーす」
なんか手元に箱を抱えたメルテッドスノウ先生がいた。後ろには荷物満載の荷台を牽引している。何してるんだあの人は。
「……寮門前での募金活動は許可してないよスノウ先生」
「募金じゃ、ない。バレンタイン、活動?」
「何で疑問形なんだい」
「くじが、割と、減らなくて。お願い、引いてって。貰ってって」
そう言いながら、アタシの前に箱を突き出した。
よく見れば募金箱じゃなく抽選箱だ。
というかバレンタインでくじってどういう事なんだい。
「……よく分からないけど、要約するとくじ引きでチョコを配ってる、ってことかい?」
「ざっつらい。ハズレなし。完全、無料」
なるほど。
この先生、完全に遊んでいるね。
「はぁ……この時期は浮かれる学生も多いから気を付けてはいたけど、まさか先生から浮かれまくっているとは想定外だよ」
「えへん」
「褒めてないよ。まぁ協力してあげるからチャチャッと終わらせちゃいな……と、5等だって」
適当に引いたくじを開けば、中央に書かれていたのは『5等』の文字。
「はい、5等、チョコ◯部、アソート。どうせだし、2つくらい、持ってって」
個包装された一口サイズのチョコが数個、ラッピングされている。それを2袋渡された。
茶色いのとピンク色のとが入り混じっている。恐らく普通のと苺味とかかね。
「……地味に美味しそうじゃないか。ありがとよ、先生。それじゃお返しにアタシからも」
そう言い、アタシは鞄から義理用に複数作ったものを取り出してスノウ先生に渡す。
「これは、マフィン? 手作り? すごい。ちょーすごい」
「別に凄かないよ。アタシも配るのに沢山焼いたからね。貰ってくれ」
量を作るのは慣れている。先生に渡したのもそんな量産品の一つに過ぎないんだが、何だろう、そんなに目をキラキラさせて素直に褒められると少々こそばゆい。
「ん。ありがとう、ヒシアマ、姐さん」
「先生にまで姐さん呼びされるのは何か妙な気持ちだね……暗くなる前には帰りなよ」
「はーい、姐さん」
「ま、程々にね」
どれ、折角だし食後のデザートにでも頂こうかね。
■Case15-3:グラスワンダー
「ん? グラス、何か寮の前でフリーハグやってマスよ」
「何言ってるのエル。駅前じゃ無いんですからそんな訳が」
薄暗くなって来た空の中、寮門を注視してみると確かに誰かがいます。
暗くてよく見えませんが、大きな立看板に『FREE ◯◯◯』と書かれているようです。
何事かと思い近付いてみると、相手は学園では良く見知った人、メルテッドスノウ養護教諭でした。
「……何やってるんですかメルテッドスノウ先生」
「ん。バレンタイン、活動」
「まぁ、確かに今日はバレンタインですけど……」
「ささ、くじ、引いてって」
そう言って先生は私達に抽選箱を差し出します。
立看板もよくよく見たら『FREE チョコ』と書かれていました。
文体、英語か日本語かどちらかに統一しません?
「何だかよく分かりませんが楽しそうデスね! これを引けば良いんデスか?」
そう言うや否や、すかさずくじに手を伸ばすエル。
「あ、ちょっとエル」
「お、2等デス! やったー!」
エルの手には、対角線に折り目が付いた正方形の小さな紙が握られている。
中央には確かに『2等』の文字が大きく印刷されていた。
「おめでとう。2等、都内、ホテルの、ランチ、ビュッフェ、無料券、ペア」
そう言いながら先生は袋から封筒を取り出してエルに渡した。
ちょっと待って。学園主催イベントとかじゃないですよねこれ? 多分メルテッドスノウ先生が個人的にやってますよねこれ?
「ケ!? え、これホントに貰えるやつデス……?」
豪華過ぎる景品にさしものエルもやや引き気味です。
「ちょっと豪華過ぎませんか先生!?」
「そう? ささ、グラス、ワンダー、さんも、引いて」
何てことをしてるんでしょうかこの先生は……
あまり豪華過ぎるものを頂いても困惑してしまいます。
「うぅ……あまり気後れしない物でお願いしますね……えっと、3等です」
私が引いた紙には『三等』の文字が。
数字体、アラビアか漢字か統一しません?
「3等、はちみー屋の、回数券、5枚綴り」
エルに比べれば控えめな気はします。
十分豪華だと思いますが。
「えっと、あの、ありがとうございます」
「あ、じゃあ! ワタシからもいつもお世話になってる先生にバレンタインデース! ベリーホットなので気を付けて下サーイ」
「では、私からも。いつもありがとうございます、先生」
私もエルも、普段からお世話になってるのは本当です。
トレーニングで相手や内ラチに当たってしまって痣や擦り傷を作ることもしばしば。
治療を受けてバイタルを測られながら雑談し、そのままティータイムになったりもします。
「あらま。ありがとう、二人とも」
「それじゃエル達は寮に戻りマース。チャオ、先生!」
「というか、これはバレンタイン、なの……?」
親愛を示すイベントとしては間違って無い気はするけど……。
■Case15-4:アイネスフウジン
「ふぅ、今日もいっぱい働いたの。早くお風呂済ませて明日の用意をしないと……っと、なんか寮の前に怪しい小山があるの。一体何事なの」
すっかり日が落ちた空の中、バイト帰りの私は寮門脇で妙なものを見つけた。小さな箱やら袋やらが無造作に積まれている。
「あ、アイネス、フウジンさん」
「って、スノウ先生? どうしたのこれ?」
その小山の陰に隠れるように、養護教諭のメルテッドスノウ先生がいた。小山の他にもカートに大きな袋が積まれている。
「バレンタイン、チョコを、配ってたら、お返し、みんなくれて。最初より、荷物が、多くなって、動けなく、なった」
「何してるのホント……」
私が通らなかったらどうするつもりだったんだろうこの先生。
「後生だから、わたしの、全部、貰って、くれない? わたしが、貰った、分だけなら、持っていける、から」
そう言ってスノウ先生はカートの袋を指差す。
え、その大きな袋、全部先生が用意したものなの?
「私もそんなに食べ切れないの……けどまぁ、スーちゃんたちにも上げればいいか」
「スーちゃん?」
「妹たち。スーちゃんとルーちゃん、双子なの」
「ん、是非、上げて」
「この荷台の袋でいいの? ……ホント多いの」
腕が回り切らないくらいに大きい袋だ。中身がチョコだけあって重量もそこそこある。
「念の為、全生徒、全職員、分、用意した」
ふんすと胸を張るスノウ先生。
得意げになってるんじゃないの先生。そんなに用意したせいで移動出来なくなっちゃったんでしょ。ほら、空になったカートに貰い物積むの手伝ってあげるから。
「明らかに見積もり過剰なの。一日で全員に会えるわけじゃないんだから持ち歩くのは少しだけにしなさい」
「ん。次回の、教訓に、しとく」
「まったく。あ、ちょっと待って……はい、折角荷物減ったとこまた増やして悪いんだけど、ハッピーバレンタイン」
私は鞄からラッピングされたそれを取り出して先生に渡す。
明日渡そうと思ってたけど丁度良いので今渡してしまおう。
「カップケーキ? 美味しそう」
「家族やトレーナー、バイト先でも好評だったから味は保証するの」
「ありがとう、アイネス、フウジンさん」
先生には普段お世話になってるから、こういう時くらいお返ししておかないとね。
「もう暗いから気を付けて帰ってね先生」
「ん。じゃ」
小山となっていた貰い物達を回収し終わって帰っていく先生を見送り、私も先生から貰った袋を抱えて部屋へと帰っていく。
・ ・ ・ ・ ・ ・
「ただいまーなのー」
「お帰りアイネス……ってどうしたのその荷物?」
ルームメイトのメジロライアンが怪訝そうに尋ねてくる。
ま、そういう反応になるよね。
「さっき寮の前でスノウ先生に貰ったの」
「あー、あれか。あたしも貰ったよ、チョコ◯部」
「いくらなんでも用意し過ぎなのあの先生……ん? チョコに紛れて封筒が入ってるの」
袋の中身はほとんどが透明な小袋でラッピングされたクランチチョコ。たまに箱入りのちょっと高そうなものが紛れている。それと端の方に輪ゴムで纏められたいくつかの封筒が入っていた。
ライアンが中身を改める。
「何だこれ……わ、はちみー回数券と、ビュッフェ無料券……それとこれ、遊園地のチケット!?」
「ちょおぉぉぉっとスノウ先生ぇぇぇぇぇぇ! これは流石に貰い過ぎなのおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」
封筒は翌日返した。
■Case15-5 メルテッドスノウ
ふぃーーー。なにはともあれ取り敢えず用意したもの全部配布完了です。
最後はアイちゃんに押し付けた感ありますけど。
帰り道の道中、植え込みの陰で( ˘ω˘ )スヤァしていた同志を見かけたのですが、恐らく高濃度の尊みにでも触れてしまったのでしょう。彼女にもチョコを用意していたのですが驚かさないようにそっと置いてきました。
あと、たまたま袋から漏れ出ていたらしいチョコ〇部が1個だけ残っちゃってましたが、それを除いて完パケです。まぁこの残りは自分で食べちゃいましょうかね。
スタートした時より若干重くなったカートを引きつつ職員寮へ戻っていると、外灯の下に一人の娘っ子が。制服着てるし間違いなく生徒のようですが。
「こんばんは。マーちゃんです、よー」
ふいに挨拶をしてくる娘っ子。
……ふぉぉぉ、マーちゃんやないか! アストンマーチャンやないか!
前世で見た目で魅かれて貯めてた無料石を使い切って課金して倍プッシュしてもう少しで天井だーってところで妻にバレてしばらく課金封印されて結局お迎えすることが叶わなかったアストンマーチャンだ!
後日登場した新衣装タマモがどうしても引きたくてこっそり課金して更に怒られた原因となったアストンマーチャンだ!!(逆恨み)
思い返せばなんか今日ちらほら見かけたなこの娘。
「ん。こんばんは、アストン、マーチャン、さん」
「!!」
そう挨拶を返すと、目を見開いて何か驚いたような表情をするマーちゃん。
ん、どしたん? あ、そだ。丁度良いから残ってた最後のチョコ◯部はこの娘にあげてしまおう。
「ハッピー、バレンタイン」
「……」
そう言いながら袋を差し出しますが、先程の状態から微動だにしないマーちゃん。
んん? 無視ですか? ガン無視ですか?
わたくしみたいな得体の知れない相手からチョコなんか貰えるか、って感じですか?
うるせぇ! チョコに罪は無いから貰っておくれ!
わたくしのことは嫌いでも、チョコ〇部のことは嫌いにならないでください!
全然動く気配が無いので、近寄って彼女の手を取ってチョコを握らせました。
……ぅおっ、この娘結構ヤバいの持ってるな。ついでに頂いてしまえ。
「なぜ……」
マーちゃんがぼそっと呟きますが、何故ってそりゃバレンタインだからチョコ贈るでしょ。
「……なるほど、なるほど」
何かを納得したようです。わたくし特に何も言ってませんけど。
「あなたは、流れてきた人なんですね。上流から下流、海へ流れて、そしてあなたのまま雲になって、雪になって舞い戻って来たんですね。流れに逆らうのではなく、自然の流れのまま。そんな人もいるんですね」
んー、よくわかんないっピ。
詳しく性格知りませんでしたけど彼女って妖精さんとか見えるタイプでした?
よく分かんないですけど、まぁ納得したみたいですしいっか。
「ん。それじゃ、またね」
「……はい、またお会いしましょう。マーちゃんでした」
微笑みながら手を軽くふりふりしてくれるマーちゃん。可愛い。
さて、それじゃそろそろ寮に戻りましょうか。
少し遅くなってしまいましたが戻ってその後おでかけしましょう。
わたくしの将来の野望の為に、ちょいとコネをこねこねしてきましょう。
■Case15-6:アグネスデジタル
「……ハッ!」
「時間は……最後に気を失ってからそんなに経ってませんね。くひひ……今回も実に素晴らしいウマ娘ちゃんたちの仲睦まじい素晴らしくスウィート&ビター&ミルキィなチョコ交換イベントを拝むことが出来ましたありがたや」
「さて、この熱いパトスが冷めないうちに、いや冷めませんけど、後世に残すべく書き記さねば、そしてイベントで頒布してウマ娘ちゃん達の素晴らしさを布教しなければ……おや、何か手元に紙袋が……手紙が添えられていますね、なになに……」
『アグネスデジタルさんへ ハッピーバレンタイン メルテッドスノウより』
「ん゛ん゛ん゛っ!!! スノウ同志先生っ!? 私なんかにまさか、まさかチョコを……!? しかも普段の私なら紙袋を見た瞬間『おや、これは誰かから誰かへの贈り物の落とし物ですね、いけません届けてあげねば!』とか思いそうなことも考慮した上で贈り主と相手の名前まで丁寧に記して決して勘違いを許さない心遣いの細やかさとか気を失った私を無理に起こさないようにこっそりと紙袋を置いていく気遣いMAXなところとか私が気後れしないようにと考え抜かれて用意されたプレゼントのサイズ感とか随所に本当に相手のことを考えての優しい行動が散りばめられていてっていうかその相手ってのが今回は私であってでも確か先生はくじ引き形式で無造作に配っていたのは確認したしということはこれはまさかまさかまさかまさか私のために別個に用意してあったということで恐れ多くも木っ端同然な私なぞにも心を砕いてくれるその天使が如く慈愛に溢れるああああああ脳がこわれりゅううううもう尊い尊いとうといしゅっきいいいいいぃぃぃぃっエンッ!!」
ばたん
■Case15-7:??????
「……良いでしょう。もし本当に治せるというのであれば、あなたの要求を飲みましょう。ですが、もし冗談だった時は覚悟してくださいね」
目の前の相手が願った報酬は当家にとって容易いものでした。
遅い時間に私に面会依頼をしてやって来たこの女。
実に非常識な相手だとは思いましたが、何か妙な胸騒ぎがして無視することが出来ませんでした。
「無論。あ、他言、無用で、お願い、します」
「分かりました。じいや、あの子をここへ。主治医も呼んでください」
「畏まりました」
嘘であればこの女が自滅するだけ、本当であればこれ以上無い僥倖。
ゼロかプラスかで当家に損は無い。
前者だった場合はあの子には申し訳ないが、犬に噛まれたとでも思ってもらおう。
でももし、本当に後者であれば……お願い……マックイーンを……。
■雑記(2023/05/13)
鬱展開は無いとは言ったが暗躍しないとは言ってない。
スノウちゃんがこねこねしに行った相手って一体誰なんでしょうね(すっとぼけ)
答え合わせはお話の最後の最後なので忘れてもらって良いですよ。
■マーちゃん
一発ネタで数行出すだけのつもりだったのですが、取材のために動画とかで彼女のストーリー見てたら情緒壊れた。
こんなんマジでKey系ヒロインじゃないですか。ゴールしたらあかん。
ウマ娘絶対救うウーマンが黙ってるわけないじゃないか。
とはいえ彼女が持つ特殊パッシブは傷病では無いので流石に引き受けられませんが。
■スノウが走る世界線だったら多分こんな感じのステ
スピ:F スタ:G パワ:G 根性:G 賢さ:F
芝:A ダ:C
短:E マ:A 中:B 長:E
逃げ:G 先行:D 差し:A 追込:E
固有スキル:雪解かば春遠からじ
レース中に他者から他者に発動したデバフスキルを全て無効化する(自身が受けたデバフは無効化されない)
無効化したスキルの数だけ最終直線でスピードが上がる
チャンミ専用だなこれ。