【完結】走れないTS転生ウマ娘は養護教諭としてほんのり関わりたい   作:藤沢大典

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主人公視点

前後編に分けるつもりは無かったのですが、なんか次から次へと脳内でキャラたちが暴走し出して長くなってしまったので。


Case17:養護教諭のゴールデンウィーク -前編-

こんにちは、メルテッドスノウです。

春の大型連休、皆様どんなご予定でしょうか?

 

家族とご旅行? 実に良いですね。

友達や彼氏彼女と遊びに? とても良いですね。

部屋でダラダラ? それもまた良いですね。

 

あ、わたくしですか?

いつもだったら人混みはめんどいんで出掛けることも無く、保健室からトレーニングに励んでる娘達の声や姿を愛でつつコーヒーブレイク、即ち普段と全く変わらんことしてたりするんですが。

なんと今回のゴールデンウィークは一人でちょっとした大型施設にてお泊まり旅行の予定となっております。

 

まぁ、手術入院とも言い換えられるんですけども。

 

ぁー、ご心配無く。

以前のような流血からの救急搬送とかでは無いです。

 

ほら、先日に占いで妙な結果が出ましたでしょう?

病院に電話して検査を予約しろ、とかって。

半信半疑ながらも一応あれに従って病院に電話したら、マジで『ちょうど明日、キャンセル空きが出来たところです』とのことでして……内視鏡検査、受けてきました。

そしたらなんか胃壁に血流障害が見られたとのことで、放っておいて悪化すると胃パーンするらしくて。

 

まだ緊急性は無いけど早いうちに処置しといたほうが良いということなんですが入院期間が1週間くらいあるらしいので、どうせなら出来るだけ業務に穴を開けないように連休中に済ませてしまおうかと思いまして。

ですので一旦帰って、ちゃんと各所に連絡して持ち物準備して後日入院して、という流れに至った次第でございます。

 

ではまず入院が予定されましたので学園に相談ですね。

そんなわけでやって参りました学園長室。この部屋に来るのは去年キタちゃんに会った翌日に、ご迷惑をかけてしまったことを謝罪をしに来た時以来ですね。

ではでは、ノックしてもしもお~~~し。

 

「はい」

 

澄んだ大人の女性の声が返ってきます。というかたづなさんの声ですね。

 

「メルテッド、スノウです。少し、ご相談が」

 

「どうぞ、お入りください」

 

入室を許されましたので失礼しますよっと。

 

「失礼、します」

 

中にいたのは当然、先程の声の主であるたづなさんと、立派な執務机に座って書類と格闘中の秋川理事長の二人。

……誰もツッコみませんけど、理事長幼すぎでは?

下手するとわたくしよりも若そうなんですけど。

 

「謝罪っ! こんな状態で失礼。中々片付かなくてな」

 

「どうされました、メルテッドスノウ先生?」

 

「はい。実は、このたび、入院、することに」

 

なりまして。

そう続けようとした時、ガタンと音を立てて理事長が急に立ち上がります。

 

「緊急っ!?」

 

「どうされたんですかっ!? 大丈夫ですか! どこか痛みますか! 救急車呼びますかっ!?」

 

慌ててわたくしに駆け寄るたづなさん&理事長。

おうけい、落ち着け二人とも。

そんな緊急事態ならこうやって訪問とか出来ないから。

 

「待って、待って」

 

ちゃんと順を追ってご説明させていただきますから。

 

――― メルテッドスノウ説明中 ―――

 

「……なるほど。緊急性は無いけれど手術を受ける必要はある、と。分かりました。わざわざ入院期間を長期連休に合わせて頂いたみたいですし、学園側としては何も問題ありません。しっかり治療してちゃんと復帰してきてくださいね。また前みたいなのは嫌ですから」

 

とりあえずわたくしの説明を聞いて平静を取り戻してくれたお二人。

そして最後に困ったような笑顔を浮かべるたづなさん。

いや、その節は本当に申し訳なかったとです。

ただでさえお忙しいでしょうに、わたくしなんぞに時間を取られてしまってさぞ大変でしたでしょう。今後は倒れても迷惑かけないように上手くやっときますので。

 

「提案っ! 治療費は学園が支払おうっ! 〇〇総合病院だったな? 貴方は何も気兼ねすることなく治療に専念してきてくれたまえっ! 期間中の出費はジュース1本に至るまで全て学園で賄おう!」

 

バッと扇子を広げ、そんなことを言ってくる理事長。

扇子にも『提案』の文字が無駄に達筆で書かれている。

ってかこんな状況にも対応出来る文字書いてあるんですかその扇子。何パターン持ってんですか。

 

「え、いや、就業、中の、怪我でも、ないのに、それは」

 

お気持ちは嬉しいですけど、流石に労災とかじゃ賄えなくない?

というかわたくしこれでもちゃんとお給金頂いてますし、貯えもありますんでちゃんと自分で払えますよ?

 

「代案っ! であるなら私が個人的に支払おう!」

 

「いや待って、なぜ」

 

イチ職員に高待遇しすぎではありませんか?

自分で言うのも何ですけど、学園の一施設を借り受けてコーヒー飲みながらウマ娘ちゃん様達を眺めるくらいしかしてませんよ? つくづく仕事とは思えない優雅さじゃんね。

 

「愚問っ! メルテッドスノウ養護教諭、あなたは自分の功績をまるで理解していない。学園の衛生環境は大きく改善されたし、不調に悩む生徒を見ることも大分少なくなった。数字に表せるものでは無いかも知れないが、それでも『悲しい思いをしている生徒が明らかに減った』と実感出来るものだ。どんな手練手管を用いているのかは分からないが、間違いなくあなたが来てくれてからこの学園はより良い方向に向かっている」

 

いや、学園がより良い方向に向かってるのはわたくしではなくむしろ理事長含む皆さんの尽力のおかげだと思うんですが。それに手練手管って……わたくしがしてる事なんてウマ娘ちゃん様達と一緒に戯れてるくらいですけど。

たまーにヤバそうな因果(もん)貰ったりはしてますけど、たまーにですし、それは仕事ってわけでも無いですし。

 

「我々としては是非今後も養護教諭を勤めて欲しい。他の誰でもない、メルテッドスノウ先生、貴方にだ。であれば多少の出費なぞ問題にならず、貴方が早々に学園に戻って来れるようサポートするのは何もおかしい話ではない。違うか? たづな」

 

「ええ、全く以てその通りです理事長。彼女がこの学園からいなくなることこそが学園の損失です。確かに労災認定は難しいかもしれませんが、理事長が個人的に出費すると言うのであれば話は別です。普段であれば私財を投入するのは考えものですが、今回に限り特例ということで。もしくはむしろ学園内から治療費の寄付を集うのも有りかと」

 

「いやいや、いやいやいや」

 

うん、何はともあれ職を失う心配は無さそうなのはありがたいお話です。

ですがスノウちゃん的には流石にそこまでおおごとにすることは無いと思うんです。

あからさまにやり過ぎですって。

 

「寄付の話は置いておくにしてもだ。学園にとって貴方は無くてはならない存在だ。休暇とでも思ってじっくりと養生してきてくれたまえ」

 

重ね重ねそこまで言って頂けるとは、恐縮ですね。

過分では? と思わなくもないですが、固辞しすぎると『理事長は職員の評価もまともに出来ない愚か者である』と言ってしまうのと同義です。素直に受け取っておきましょう。

……なんか時々こうやってウマ娘ちゃん様達に説教した内容がブーメランしてくるなぁ。

 

「質問っ! 入院はいつからだ?」

 

「え、っと……明後日の、午前から、です」

 

「了解っ! たづなっ!」

 

「はい。メルテッドスノウ先生、休職手続きの書類を後ほど寮までお持ちします。また当日は介護タクシーを手配しておきますし、入院までしばらく私が付き添いますのでご安心ください。他にも不安なことがあればいつでも連絡してください」

 

「うむっ! 頼むぞたづな!」

 

至れり尽くせり過ぎる。

あっれぇ、いつの間にこんなにこの二人の好感度稼いでたんだわたくし?

 

「え、ええ……お手数を、お掛けします」

 

「問題無いっ! では、準備もあるだろう。他に何かあったら遠慮無く申し出てくれたまえ!」

 

「あの……ありがとう、ございます。では、失礼、します」

 

「うむっ!」

 

なんかいればいるほど話が大きくなりそうな気がしましたので、確かに準備もありますしこの場は退室させて頂くことにしました。

……うん、本当ありがとうございます。

 


 

さて次は念の為に生徒達への連絡ですね。ゴールデンウィーク中で学園もお休みですがトレーニングは休まず行うでしょうし、もし何かあっても入院中は対応出来なくなりますのでその周知をば。

生徒への連絡なら、妥当に考えれば生徒会ですかね。

というわけで生徒会室前オブザスノウちゃんでございます。

 

――コンコンコン

 

「はい」

 

落ち着いた感じの女性の声が返ってきます。というかグルーヴちゃんの声ですね。

 

「養護、教諭の、メルテッド、スノウです。生徒会に、ご連絡が」

 

「お入りください」

 

「失礼、します」

 

中にいたのはもちろん先程の声の主であるグルーヴちゃんと、立派な執務机に座って優雅に紅茶を嗜んでいるルドりん。おや、ブライやんもソファで寝転がっておりますね。

 

「メルテッドスノウ先生、生徒会へようこそ。一体どうされましたか?」

 

ルドりんが紅茶を置き、微笑みながら尋ねます。

うーん、これは実にカリスマ溢れた立ち居振舞い。どっかのスカーレットデビルと違ってブレイクする隙すら無い程です。

 

「実は、入院、するこ」

 

――ガタタンッ!

 

勢い良く椅子を倒しつつ立ち上がるルドりん。鬼気迫った表情です。

おや、ブライやんも起き上がって険しい顔でこちらを見ておりますぞ。

 

「メルテッドスノウ先生! 大丈夫なのかっ!? どこか痛みはあるか!? 具合は!? 救急車……いやそれでは遅い、マルゼンスキーに頼んで車を……!」

 

わたわたしながら慌てて駆け寄ってくるルドりん。

おい早速ブレイクしてんじゃんかカリスマよ。

全くもう……落ち着きたまえよ生徒会長様。さっき理事長室でも同じやり取りしましたけど、そんな緊急事態ならそれこそココ来てる場合じゃないですから。

あ、でもマルさんの車はちょっと乗ってみたいかも。

 

「待って、待って」

 

それは兎も角、ちゃんと説明しとかなきゃ。

おいグルーヴちゃん気を利かせてるつもりでどこかに電話してるみたいですけど早まんなぁ!

 

――― メルテッドスノウ説明中 ―――

 

「……なるほど、今すぐどうなるものでは無い、と。承知しました。生徒達への周知は任せておいて下さい。先生は後顧之憂なく、万全の状態で治療に臨んで頂ければ」

 

どうにか平静を取り戻してくれたルドりん。

……いや表面上は、だな。耳は忙しなく動きっぱなしだし、紅茶を傾ける回数も多い。

そんな心配する程のことでも無いですよ? てか今の時点では特に体の不調は感じませんし、こうやって事前告知出来る程度には余裕ですって大丈夫大丈夫(盛大なフラグ)。

 

「ん。いない、間は、迷惑、かけるけど、よろしくね」

 

休み期間とはいえその間は緊急対応出来なくなってしまいますので、その点は申し訳無い。

 

「迷惑などとんでもない。いつもお世話になっているんです、多少いない間くらい先生に頼らずとも何とかやっていきますよ。それより何か入院するにあたって用意しておきたいものとかはありますか? そうだ、治療費とかは大丈夫ですか? シンボリ家から全面負担させてもらっても構いません」

 

なんか今さらりと実家を巻き込んだぞこの8冠ウマ娘。

ていうか理事長といいこの生徒会長といい、わたくしってそんなに貧しそうに見えてます? ちゃんと稼いでますし貯えも十分ですので手術入院費用くらい、なんならおかわりしたって平気ですぜ?(盛大なフラグその2)

 

「会長、それも悪くありませんが全生徒から寄付を募るのはいかがでしょう。メルテッドスノウ先生の人となりを鑑みれば、十分な額が集まる可能性が」

 

「いやいや、いやいやいや」

 

はいストップ。全学園生を巻き込むなそこの副会長。

いつの間にグルーヴちゃんの好感度まで上がってやがった。ルドりんを介しての接点しか無いはずなのに……いや、それがあるからこそか。

ルドりん大好きっ娘なグルーヴちゃん。そのルドりんがこんな状態なんだから自ずとわたくしへの評価も上がるんですかね。恋愛SLGで狙ってるヒロインの親友ポジの娘みたいな感じで。

 

「お前ら少しは落ち着け」

 

わたくしについてルドりんとグルーヴちゃんがあーだこーだと話し始めたところを横からソファにいたブライやんがばっさり切ります。先程のように寝転がるのではなく普通に座った状態で、キリッとした目つきで二人に注意しました。

おぉ、どうやら現時点で一番冷静なのはこの娘のようですね。いいぞ言ってやれ言ってやれ。軽く暴走気味なこの二人を諌めておやりなさいブライやん。

 

「まずは激励の横断幕の用意だろう。そして全生徒で見送りをする必要があるだろうからその通達だ」

 

お前が落ち着けぇぇぇ! なんだその体育会系のノリはよおぉぉぉ!

わたくしは何かの全国大会出場選手ですか!?

てか真面目な顔して一番錯乱したままなのブライやんでしたかい。

 

「やりすぎ、やりすぎ」

 

お願いしますからそんなに大きな話にしないで。出来るだけ影響無いように連休に合わせたんですから。

 

「まぁ寄付の話は後ほど詰めるとして、だ。メルテッドスノウ先生、入院はいつからで?」

 

あ、その話まだ生きてたんですね詰めなくて良いですから。というか話の流れが先程の理事長室でのやりとりと完全に一致してるんですが。

ルドりん、事前に理事長と打ち合わせでもしてました?

 

「ん、明後日の、午前から」

 

「エアグルーヴ」

 

「畏まりました。明後日の会長の予定は全て延期もしくはキャンセルし、お時間を作っておきます。授業の欠席も申請しておきますので、しっかりと先生をお送り下さい」

 

「うむ」

 

……名前呼んだだけですよね? 何ですかその事前察知して行動するスキル。たづなさんは秘書ですからまだ分かるとして、何でグルーヴちゃんまでそのスキル持ってらっしゃるんですか?

それもですけどルドりん、予定があるんなら無理に時間空けようとしなくても。ちょいと入院してくるだけなんですから。

 

「ええ……そんなに、するほど?」

 

「そんなにするほどですよ。前回どうだったか、忘れたとは言わせませんよ先生」

 

アッハイ。前回のアレはマジすいませんでした。

流血はまだしも、気絶して自己解決出来なくなるなんて失態はもうしたくないですね。

その節は大変ご迷惑をお掛けしました。今は気を失っても何とかなるように準備してますのでご心配なく。

 

「う、それを、言われると、弱い」

 

「そういうわけで、今回はしっかりとお世話させて下さい」

 

……んまぁ特に拒む理由もありませんし、本人がそうしたいってんならそこは尊重しましょう。何か皆優しいなあ。

 

「……ありがとう。じゃ、当日は、よろしくね」

 

「ええ」

 

長居してると今から付いてきそうな勢いですし、連絡も完了したので取り敢えず退室しましょう。

重ね重ね、ありがとうね。

 


 

さて、んじゃあ通達も完了しましたし、お部屋戻って軽く荷造りしようかな。けど前回が余りに突発的で何も準備出来ない状態だった所にアヤベさんが一通り買い揃えてくれた入院セット一式がそのまま纏めてありますので、あとは着替えを用意するくらいだしなぁ……いいや、荷造りは夜やることにして今は仕事戻ろっと。

 

「…………ぇぇぇぇ」

 

とか考えながら車椅子で校内を進んでいますと、スノウちゃんイヤーが何かを拾います。

何事です?

 

「……んせえぇぇぇぇぇ」

 

先程よりよく聞こえてきます。足音も聞こえてきましたし、これは駆け寄ってきてますね。

 

「スノウ同志先生ぇぇぇぇぇぇ!!」

 

廊下の向こうからこちらに超ダッシュしてくるウマ娘ちゃん発見。

うん、同志(デジたん)だ。おうどうした、急患か?

 

「ん、どうしたの? 急患?」

 

「何言ってるんですか急患は貴方でしょうスノウ同志先生っ! 大丈夫ですか! 痛みはありませんか! 眩暈は! 熱は! 吐き気は! 出血は! 酸素吸いますか!? AED使いますか!? 救急車呼びますかそれとも担いで走りましょうかぁ!?」

 

わたくしの正面で急停止するデジたん。

両手で車椅子の手すりに掴まり、軽くぜーはー言いながらわたくしの顔を覗き込みます。

うーん、近いな。てか普段のデジたんなら本人の方が耐えられない距離感なんだけど。

 

「待って、待って」

 

というか何でわたくしが急患? 見ての通り特に問題無く通常稼働しておりますよ。

けどこの反応、さっきまで理事長室と生徒会室での冒頭のやり取りと酷似しております。

 

……もしかしてデジたん、わたくしが入院するって話をどこかで聞いたんですかね? 恐ろしく情報早くないですかこの娘。

あーあー、お顔真っ青だし涙目だし鼻水まで。そんなになるほど慌てて駆けつけるなんて……これは完全にわたくしのせいですね。トラウマ気味っちゃってますね。

おーけい、まずは落ち着いてもらいましょうか。

 

かなりお顔が近かったので、そのままギュッとデジたんをハグします。そのまま後頭部をなでりなでり。いーち、にーい、さーん……

 

「ずびっ、せんせ、そんな場合じゃ…………ふひ……」

 

はいココぉ!!

尊死しない程度のところでデジたんをパージしてまずは落ち着いてもろて。

本日3度目になってしまいますが、ちゃんと説明させていただきましょう。

 

――― メルテッドスノウ説明中 ―――

 

「じゃあ、痛くないんですね? 気持ち悪くないんですね? 倒れたりしないんですね!? ……はあああぁぁぁ、良かったあぁぁぁぁ」

 

「ごめんね、心配、させて」

 

通常モードに戻って来れたデジたん、大きく安堵の息を吐きます。いやマジごめん。まさかここまで取り乱すとは。そしてここまで情報早いとは。

ちょっとおデジさんのポテンシャル舐めてましたね。流石ダートと芝の双方を駆けるオールラウンダー、情報収集能力においても隙がありません。

 

「で、いつから入院ですか? お手伝いさせて下さいスノウ同志先生」

 

スッと顔を上げて尋ねてくるデジたん同志。瞳には有無を言わせぬ強い炎が灯っています。鋼の意思が発動しちゃってます。え、そこまでなる程のこと?

というか連休直前日ですから普通に授業ありますよ?

 

「明後日の、午前だけど、授業、あるでしょ?」

 

「休みます」

 

即答ですよこの娘。

 

「いやいや、いやいやいや」

 

気持ちはとてもとても嬉しいですけどね、わざわざ授業を休んでまで……いや既に休む予定組んでた生徒会長もいたな。くっ、強く言えない。

 

「あたしお勧めの作家さんの本も持って行きます」

 

いや、そういう、事じゃなく。

 

「是非来て」

 

……本音と建前が逆転してしまった!

まさかのわたくし即落ちです。

ええい、言ってしまった以上は仕方無い。こうなったら二人でも三人でも付いてきやがれー!

 

というかこの時点で付き添いが3人も確定してしまいました。ちょっとしたハーレム状態ですよこれ。当日は賑やかになりそうですね。いやほんとありがたい事なんですけども。

すみません、当日は皆様にお世話になります。

 

その後保健室に戻ってお仕事してたら、書類を持って寮に行ったらまだ帰って来ていないわたくしを慌てて探してたたづなさんに強者のオーラ撒き散らされながらにこやかにお説教されました。

はい、保健室を片付けたら寮に戻りますすみませんでした。

 

……それはさておき。

多分今回の病気も誰かから貰ったやつなんだろうなぁ。んでも胃パーンする前に見つかって良かった良かった……おや?

ということはですよ、早期発見出来れば発動前に対処が可能ということ……?

ほほう、ほうほう……それはそれは。

 

 

 

いいこと気付いちゃいましたね。




■エアグルーヴの電話相手
『ハァイしもしもー♪ アナタから電話してくるなんて珍しいわね。花金にはまだ早いけどもしかして遊びのお誘い? いいわよー、マハラジャ? ヴェルファーレ? いつもより激しくジュリ扇も振り回しちゃうんだから♪ あれ、エアグルーヴ? 聞こえてるー? しもs(ブツッ』
※マハラジャ/ヴェルファーレ:ジュリアナと並んで有名だったディスコ

■本日の逆MVP
シラオキ様。
シラ「ガチ勢にめっちゃ怒られた……お詫びとして他のが発動する前に病院誘導しよ」
シラ「誘導成功した。これで治ればもう無茶しないでしょ」
スノ「ヤバくなる前に治せるんなら気兼ねなく更に抱え込めるねヤッター」
シラ「」
ガチ「」

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