【完結】走れないTS転生ウマ娘は養護教諭としてほんのり関わりたい 作:藤沢大典
まったり日常回。
日常回ってむずかしいのね
「オグリ! 自分少しペース落としぃや! センセやクリークが食う分のうなってまうやろ!」
「む、すまない。だが、タマの作るたこ焼きは美味しくて、気が付くといつの間にか食べてしまっているんだ」
「ちっ、しゃーないやっちゃな……クリーク! 確かちっこいたこ焼き器もう1枚どっかにあったやろ、探してきてくれ。必殺の鉄板二刀流でペース上げるで! 浪速の根性見せたるわ!」
「はーい、分かりましたタマちゃん」
「ならば私もペースを……」
「オグリは上げんなああああああ!!」
はい、こちら現場のメルテッドスノウちゃんです!
というわけでして、わたくしは現在、栗東寮の共同キッチンにお邪魔して、オグリキャップ、スーパークリークと共に、タマモクロスのたこ焼きパーティー、略してたこパを満喫している真っ最中でございます。
やっべぇわ、本場のふわふわたこ焼きうっめぇわ……とろけるわ……。
さて、何でこんなことになっているかと申しますと、遡ること約2時間ほど前。
いつものように保健室からグラウンド眺めて『はぁ……ウマ娘ちゃん様達の懸命に走る姿、萌えるわぁ……』と思いながら砂糖乳製品不使用の黒い液体、端的に言えばブラックコーヒーを啜っていたところに。
ドバーン!!
とまぁ、豪快に扉を開けて入ってきたジャージ姿のウマ娘。芦毛のロング、菱形を連ねたデザインのヘアバンド。怪物オグリンことオグリキャップです。鬼気迫る表情で、顔色も少し血の気が引いてます。
「すまない、急患だ」
よく見ると背中に誰かを背負ってます。
そのまま速足でこちらに歩み寄って来るオグリン。
うひょおぁ生オグリンが目の前にぃーーー!? と激しく浮かれたい所ですが、さすがにそんなことをやってる場合ではありません。
「分かった。ベッドに寝かせて」
そう短く指示すると、オグリンは言う通りに背中の子を寝かせます。
オグリンより大分背の低い、こちらもジャージ姿の芦毛ロングヘア。赤い耳カバーに青いポンポン。そして赤と青のツートンカラーで彩られたヘアバンド&左右の髪飾り。
これは……この娘は、タマモクロス!
白い稲妻、家族思いの浪速のド根性娘タマモクロス!!
そして、前世のわたくし最推しであるタマモクロスが! 今! 私の! 眼前にいいいぃぃぃ!!!
本来なら総勢108名の脳内スノウちゃんズがド派手な衣装でサンバカーニバル開催待ったなしですが、今は状況が状況です。カーニバルは延期してもらいます。中止にはしません。
タマモっちはベッドの上で短く呼吸をしていますが意識はあるようです。
わたくしはとりあえず手首で脈を取り、手のひらを額に当てて熱を確認します。
……ふむ、脈拍正常、熱も高くは無い。目立った外傷……無い。そして……。
とりあえず確認した限りでは、急を要する事態では無いっぽいかな?
「オグリ……せやから大げさやって……ちぃとばかし眩暈がしただけやんか」
「何を言っている、倒れかけたんだぞ、ランニング中に」
タマモっちの呼吸が徐々に落ち着いてきています。
なるほど、ランニングしてたから呼吸がちょっと荒かったのか。
にしても、バイタルに目立った異常無し、にも関わらず、倒れかける程度の眩暈って何が……
あ、そういやアプリ版のタマモっちって確か。
「確認。あなた、今日のお昼、何食べた?」
そう聞いてみると、タマモっちは『げっ』と言いそうな表情で固まる。
「タマは今日、日替わり定食を食べていた。……半分も食べていなかったが」
タマモっちの代わりにオグリンが答える。これは確定か。
「栄養不足。お昼どころか、ここ最近、あまり食べてない。違う?」
訪ねてみると、タマモっちは無言で先程の表情のままギギギィっとこちらから顔を逸らす。これは少なくとも8割方当たってるとみていいな。
昨日今日でご飯を減らした程度じゃ倒れる程の症状には至らない。数日は続いているとみていいかなーこれは。
「彼女の、トレーナーには、連絡した?」
オグリンにそう尋ねてみたが、彼女は耳をぺたーんとさせて首を振る。
「彼女のトレーナーは、他の担当している子のレースに付き添ってて先週からいないんだ。連絡はしたが、帰ってくるのは3日後らしい」
と悲しそうに答えた。
「理解した。とりあえず、あなたは……えっと、タマさん?」
以前、ネイチャのこといきなりフルネームで呼んじゃって失敗しましたからね、今回はちゃんと初対面の体を保ちますよー。私は学習できるウマ娘なのです。えへん。
「あぁすんません。ウチはタマモクロス言います。こっちはオグリキャップ」
「わたしは、養護教諭の、メルテッドスノウ。肺が弱くて、こんな話し方、だけど、気にしないで」
お互い軽く自己紹介します。まぁ私の方は本当は知ってるんですけど。最推しですけど。
「迷惑かけたな、センセ。ウチはもう平気やからぼちぼち」
そう言って起き上がろうとするタマモっち。はいステイ。わたくしはそれを片手で制します。
「タマモクロス、さん。とりあえず、このまま少し、横になって、休んで」
症状が軽いとはいえ眩暈起こしてるんだから急に起き上がるのは許しません。今回は原因が分かってるので大丈夫とは思いますが、しばらく横になって治らないようであれば他の原因も考えられます。下手すると病院行くレベルの可能性もありますので。
「や、ウチはもう……」
「平気じゃ、ない。寝ながらで、いいから、これ食べてて」
そう言いながら、わたくしは机の引き出しからお気に入りのお店のにんじんクッキーを一袋、タマモっちに渡します。何はともあれ腹に何か入れなさい。
さてと。それじゃタマモっちに餌付けしてる間に。
「オグリキャップ、さん。一応あなたの、脈と、体温も、確認させて」
「私は至って平気だ。今日もお昼ご飯をたくさん食べた」
まぁ自分も何もないだろうと思っている。思っているが。
「本当に、念のため、だから。たまに、怪我人連れて、興奮して、自分の怪我を、忘れる人も、いるから。大丈夫だと、いうことを、確認させて」
いやまぁマジでたまにあるんすよ。
アドレナリン出ちゃってるんでしょうね。血ぃ流してる人を担いで来た元気な人が、実は骨折れてましたーとか、全く無い事例じゃないんです。前世知識ですけど。
なので基本的にここ保健室を訪れる人の簡単なバイタルは全員測っておくことにしました。
もちろん脈と熱なんぞ測ってもそれで怪我が分かる訳はないですが、一呼吸入れて落ち着いてもらうことで体の違和感があった場合に気付きやすくなってもらうことが主目的です。
べっ、別に『こうすれば合法的にウマ娘ちゃん様達のお手々とお顔に触れることが出来るぜぐへへ』なんて全ぜ……す、少しくらいしか考えてないんだからねっ!
「そういうことなら……分かった」
というわけで、私目線まで屈んでもらったオグリンの手首と額に触れる。
うひょおおおおう、オグリンのお手々すーべすべだー。指も長いしかっこよき。堪能堪能。さてさてバイタルの方はーっと。
ふむ……ふむ? ふむ……まぁ、大丈夫か。
「うん、大丈夫。ありがとう」
とりあえずバイタルに異常は無かったのでヨシ!
どれ、タマモっちとオグリンに何か飲み物でも出すかと思った矢先。
「タマちゃんが倒れたって本当ですかっ!?」
先程から開けたまんまだった扉から誰かが大声で訪れる。
艶やかな鹿毛の超ロングヘアを後ろで一房に編み込み、青いリボンをつけたグラマラス美人が血相を変え、息を切らして入ってきた。
そうよね、オグリ、タマモと来たらこの方もいらっしゃいますよね。
ママの中のママ、スーパークリークさん。
ふむ、んーと……とりあえず。
「バイタル、測ろっか」
「え?」
「じゃあ、怪我とかじゃないんですね」
「ああ、すまんかったなクリーク、変な心配させて」
「もう、本当にそうですよ。ちゃんとご飯は食べなきゃメッ、なんですからね」
「そうだぞ、ご飯は大事だぞ、タマ」
「なんやオグリが言うと説得力あるな」
流れでそのままクリークのバイタルも測ったその後。
背中部分のリクライニングを少し起こした状態のベッドの上でポリポリとクッキーをつまむタマモっちを囲むように、わたくし、オグリ、クリークが周りに座ってます。
あーちょっとずつクッキー齧るタマモっち超可愛ええええええやべえええええ何これ何これ何でこんな生き物がいるのこんなの無料で観覧させてもらっていいの養護教諭やってて良かった生きてて良かった三女神様に大感謝ーーー!
ちなみにオグリンがクッキーを物欲しそうに見ていたので、業務用のポテチ1kg袋を与えている。3分と持たなかったが。
「なにはともあれ、タマモクロス、さんは、ご飯を食べなきゃ、いけない。あなたたちは、アスリート。エネルギー消費は、一般ウマ娘の、比じゃない」
脳汁垂れ流すのは程々にしておいて、ちゃんとお仕事しませんとね。オグリンやスペちゃんの胃袋が常軌を逸しているのは置いとくとして、それでも長距離を尋常でないスピードで駆けるウマ娘なんですからエネルギーはしっかりたっぷり補給しないといけません。
「それは分かってんねんけどな、ここ最近何でか食われへんねん。……なんやトレセン学園入りたての頃思い出すなぁ。あん時もよう食えんかった。トレーナーに直されて、もう平気やー思てたんやけど……」
タマモクロスは飢えることで強くなる。食への飢餓すら勝利への渇望に変換して走るウマ娘です。また、実家の弟妹たちを食べさせるために自分の食べる分を減らしていたという描写がアプリ版にはありました。そのため小食どころかやや拒食症気味だった気もします。
ところが、逆にアニメ版では大食い大会に出場したり、オグリンの応援行ったときに大盛り焼きそばを食べたりしてボテ腹を晒すこともありました。
このことから、恐らくタマモっちは表面上は大阪のおばちゃんばりのパワフルさを見せていますが、その内面はおっそろしく神経質でナイーブなんでしょう。故に、ちょっとした環境の変化が食欲減衰に直結してしまう。今回もトレーナーの不在でどこかに不安を覚えてしまったが為に起こってしまったと考えるのが自然な気がします。
すなわち、タマモっちの食欲は精神面を向上させれば回復する。
さて、前世知識に何かヒントは無かったかなー。そう言えば屋台のイカ焼きが好きだったよな、サポカもあったし。けど屋台は今日出店してるかどうかが分からんから賭けだよなぁ……あ、じゃあアレなら。
「トレーナーが、戻れば、ちゃんとした、対策は、取ってくれる、はず。まずは今を、何とかしよう。そこで、1つ案がある」
「え、何とかなる方法があるんか!? ウチは何したらええんや?」
「れっつ、たこパ」
「へ?」
ちゃんと白米も用意しないとね。
てなわけで、タマモっちに飯を食わせるべくたこパを催したという訳です。
まぁ食欲改善が理由の9割で、1割くらいは自分がタマモっちのたこ焼きを食ってみたかった、てのがありますが。
関西のご家庭には一家に一台、必ずたこ焼き器があるらしいです。そちら出身の人に聞くと98%の確率で『そんなわけないじゃん(笑) うちにはあるけど』と返されるらしいです。
鉄板ネタなんですかね、たこ焼き器だけに!(ドヤァ)
……こほん。まぁそんなわけで恐らく家庭の味に近ければ食べやすいんじゃないかと愚考した上でタマモっちにたこ焼き作ってもらってるんですが、いやぁ手つきが鮮やか鮮やか。まるでたこ焼きが自分から勝手に丸くなっていくようにも見えます。
何ですかその鉄板二刀流って技。左右の手が全く別の動きしてるのにそれぞれが鉄板1枚の時とスピード変わんないんだけど。すげ。こわ。
「というか、タマモクロス、さん、焼いてばかりで、食べてない」
うん、そんな感じでまぁすごいんだけど両手塞がってるしひっきりなしに焼き続けてるから食べる暇なんて無いよね。分かってた。
「ん? あぁウチはええねん。気にせんと食うてくれ」
「そういうわけには、いかない。これは、タマモクロス、さんに、食べてもらう、ための催し。それに、みんなで食べる、のが大事」
うん、多分そう答えるだろうなーってのも分かってた。
けどねタマモっち。あんたが食わなきゃ意味が無い。
みんなで食べるご飯はおいしーぞー?
「とは言っても、タマちゃんの手を止めさせるわけにもいきませんね。オグリちゃんまだまだ余裕そうですし……」
「上手に、焼けるのが、タマモクロス、さんしか、いないのが、問題だった。うっかり」
それに関しては全くもってクリークの言う通りでマジで失念してた。ちょっと考えれば分かることだったはずなのに。自分のたこ焼き食べたい願望が先行しすぎたようです。おかげで焼き手を代わってあげることが出来ない。
や、わたくしやクリークも焼くだけなら出来るんですよ。けどタマモっちが作るみたいにふわっふわにならない。なんかずっしりみっちりしちゃうんですよねぇ……おかしいな、使ってる材料は同じなのに。まぁこれが技術の差というやつなのでしょう。
「うん、困ったな」
「原因は自分やって分かってるかオグリ?」
君はもうちょっと遠慮という言葉を覚えてくださいごめんなさいやっぱり覚えなくていいですオグリンはオグリンのままでいて下さいいっぱい食べる君が好きいぃぃ。
タマモっちは焼き手を離れられない。でも食べさせたい。ならば。
「要は、焼きながらも、食べられれば、いい。ならば、こうするまで。はい、あーん」
「!!!」
クリークが『その手があったか!』って顔しております。
そう、食べさせてあげれば良いのです。火傷しないように入念にふーふー冷まして、タマモっちの顔の前に持っていきます。
あ、タマモっち動揺してる。かーわいーい(賢さG)
「っちょ、センセ、それはさすがに」
「あーん」
「いやだから」
「あーん」
「ぁー、その、ぅー……」
もう一押し。食らえ必殺の『小首を傾げての上目遣い』!!!
「わたしから、もらうのは、嫌?」
「……ぁあああぁぁぁもう! ……あー!」
よし落ちた(にやり)。
自分の見た目が良いのは自覚してるので最大限に利用します(ゲスい)。
タマモっちもヤケになったのか、手を止めないまま大きくお口を開けてくれます。
そのままぽいっとたこ焼きを放り込みます。ちょーえきさいてぃんー。
「んぐ……ん、うま。さすがウチや。……おおきにな、センセ」
ちょっと尻尾揺れてます。萌え。
なんやかんやでこの娘っこも素直なんですよね。尊い。
用意した白米がタマモっちのこのセリフだけで食えます。
「せせせ先生、ずるいです! 私もタマちゃんにあーんしたいです!」
ちょっと掛かり気味のクリーク。あれ、ママスイッチ入っちゃった?
まぁ、折角なんでこのままタマモっちのお世話係は任せちゃいましょう。
「ん。してあげて」
「はーい! ささタマちゃん、いっぱい食べましょうね~、あーん♪」
「ちょっ、クリーク、やめぇ……むぐぅ」
小さな子ども扱いされているのを言葉尻から理解し拒絶しようとするタマモっちと、お構いなしに口の中にたこ焼きを運ぶクリーク。
すげぇ、有無を言わせず絶妙なタイミングで食べさせている。
これが、圧倒的ママ力(ぢから)か……つよい(つよい)
「いいな。私もタマにあーんしたい。ほら、あーん」
「むがっ!? おぐい、あがん……」
わたくしやクリークが食べさせているのを見て羨ましくなったのだろう、オグリンもタマモっちへの餌付けにかかる。
すげぇ、有無を言わせず力尽くで強引に、ハイスピードで突っ込んでる。
これが、芦毛の怪物か……つよい(つよい)
「もっとか? いいぞ、食べてくれタマ」
「もがむがっ!」
つよいのは分かったので手加減してあげてほしい。
口からたこ焼きがあふれてしまう。それ以上いけない。色んな意味で。
「オグリキャップ、さん、詰め過ぎ。それじゃ、飲み込めない」
「た、タマちゃん!? お水お水!」
クリークが慌ててコップに水を注いでタマモっちに渡します。
もがもがしながらもそれを受け取り勢いよく口の中に流し込む。
吐いたりするのは彼女の染み付いた貧乏性が許さないのでしょう。ほっぺパンパンにさせて必死にもぐもぐするタマモっちがぷりちーすぎる。
「んぐっ、んぐっ、んぐっ……ぷはあーーーっ……ってころす気かオグリぃーーー!!」
タマモっちのお怒りはごもっともだと思います。
だからオグリン、怒られてる間くらいはその食べる手を止めなさい。
「ウインナー美味しいな。にんじんも美味しい」
「合うものなんですねぇ、ブロッコリーも」
「これは……キムチ? 意外だけど、おいしい」
「もぐ……ぉ、ちくわや。昔たこ買えん時よう入れたなこれ」
途中で具のたこが切れ、それを宣言したときにオグリンがこの世の終わりのような顔をしたが、タマモっちの機転により冷蔵庫からありったけの食材集めて適当にぶち込んでみたら意外や意外、たいがい美味しい。というか最後サラッとタマモっちが悲しいこと言ってら。
「ちぃと邪道やねんけど、たこ以外入れても割と美味いんや。これを『たこ焼き』言うんかは微妙なとこやけどな。よう家でもやっとったわ、はは」
実家暮らしの時のことを思い出しているのでしょう、遠い目をして微笑むタマモっち。うわぁ神スチル頂いてしまった眩しい。SSR確定ですねしっかり脳内スクショに保存しなければ。
色々試してたらさすがにみんなの食べるペースも落ち着いてきたので、最後にチョコを入れたデザートたこ焼きでパーティーを締めました。
「ぷはー、食うた食うた。なんやかんやで結構食うたな」
「良かった。タマが食べてくれて本当に良かった」
「ですね。ありがとうございました、スノウ先生」
軽く食休みした後、職員寮まで戻らなければならないわたくしは3人に栗東寮の入口で見送りを受ける。送って行こうかとも言われたが、学園施設内なので危険も無いだろうと思って丁重にお断りした。
「私は、ご相伴にあずかった、だけ。こちらこそ、ありがとう」
「なんや家で飯食うてる時のこと思い出したわ……おかげで今日はよう食えた気ぃする。ほんまおおきにな、センセ」
結果的にタマモっちはすげー食ってくれた。主に後半戦で。
具材の適当っぷりが実家感強くて良かったのかも知れない。
まぁ、ボテ腹晒しているオグリンには叶わないが。あいつ全体の8割食った上に白米も3升平らげてるんだぜ……怪物め。
「ん。またやる時は、呼んで。タマモクロス、さんの、たこ焼き、ファンになった」
「だっはっはー、たこ焼きだけやのうてウチ自身のファンになってくれてもええねんで? なんてな。ほな、センセ……あ、せや。ウチのことはタマモでええで。同じ釜の飯食うた仲やろ」
生まれる前からファンです!(事実)
そしてタマモっちが愛称呼びを許してくれたので、わたくしは先程まで延期していた脳内サンバカーニバルをスノウちゃんズ増し増しで満を持して開催し、終始上機嫌のまま寮に戻った。パッションが抑えきれず何度か『オーレッ!』とか呟いてしまった。誰ともすれ違わなかったのでセーフだとは思いたい。
ちなみに嬉しすぎて一睡も出来ず、翌日には真っ赤に充血した水色の瞳から『スノウ先生の目怖っ』と呼ばれることになってしまったことを追記しておく。
だってマジ嬉しかったんだもの。
にしても、腹と、喉かー。脚なら何とでも出来るとは思ってたんだけどなーまあ仕方ないなー。うん、仕方ない。
■雑記(2022/12/03)
まさかCase01のネイチャさん独白、
『ターボの問いに答えつつ、とりあえずは目の前の日替わりランチを胃の中に納めてしまうことにした。しっかり食べないと動けなくなっちゃうからね。』
が伏線だったとは誰も思うまい。
ぶっちゃけ私も思わなかった。無意識って怖い。
■寮って学生以外入っていいの?
アプリ版では男女共に関係者以外立入禁止、アニメ版は男子禁制みたいな感じでしたが、それなりに理由があれば許可は下りるものだと思っています。フジキセキ寮長、なんやかんやで優しいから多少は目を瞑っていただけそうだな、と。
■タマのトレーナー出張中
このSSは一応アニメ版をベースに考えてるのですが、そもそも彼女にトレーナーがいるかも分かりませんし、チームを組んでるかも謎です。完全に捏造です。彼女らの描写がだいぶ少な目ですので致し方なく。多分今後もアプリ設定で補完したり捏造したりあります。ご留意ください。
■あれ、イナリは?
ネットで調べたところ、イナリワンだけ美浦寮とのことでしたので今回はご遠慮いただきました。てかこいつら4人揃うと収集着かなくなりそうで。