【完結】走れないTS転生ウマ娘は養護教諭としてほんのり関わりたい 作:藤沢大典
ファル子ってこんなんで良かったっけ……?
「あぁ、ごめんね。その日は先約があるんだ」
スノウ先生はそう言って、私からのお誘いを申し訳無さそうに断りました。
こんにちは! みんなのウマドル、スマートファルコンだよっ☆
ファル子はいま、12月24日にぱかチューブでクリスマス配信をするために学園の色んな人にゲスト出演のお願いをして回っているところなの。
何人かの娘にOKをもらって次は誰を誘おうかとした時に、ふいにメルテッドスノウ先生にも出演してもらえないかな、って思いついたんだよね。
トゥインクル・シリーズに出走しているわけではないスノウ先生は、学園関係者とはいえ一般ウマ娘。本来であれば当然ながらメディアに取り上げられたりもしないはずなんだけど……そんな先生が実はひっそりとネット上で話題の人物になってたりするの。
その理由の一つが去年の秋の感謝祭。
私も後から動画で見たんだけど、あれは反則級の可愛さだと思う。
あまり普段からオシャレしないスノウ先生がメイド服っていう可愛い格好をしてるってだけでもレアなのに、動画なのに全然動かないなとか思ったらたまに小首を傾げたりするんだからファル子でもキュン☆ ってしちゃった。
他にも時々他の娘のウマッターやウマスタに見切れてたり、月刊トゥインクルで『美人過ぎる学園スタッフ』として紹介されたこともあったりして、先生は知る人ぞ知る的な存在になってたんだ。
で、そんな先生にもファル子の配信に参加してもらおうと思って声を掛けたんだけど、先生は悔やむように断りの返事を返したの。
正直断られたのは残念だけど、先約があるなら仕方無いよね。
あれ? けど、クリスマスに先約があるってことは……もしかしてもしかして、彼氏さんとクリスマスデートとかだったり!?
そ、そうだよね。先生も大人の女性なんだし、お付き合いしてる人がいたっておかしくないよねっ!
けど、先生に彼氏かぁ……どんな人なんだろう。やっぱりすごくカッコイイ人だったりするのかなぁ……。
見てみたい。あの先生を射止めた人がどんな素敵な人なのか、気になって夜しか眠れないよっ!
・ ・ ・ ・ ・ ・
……というわけでクリスマスイヴの今日。
こっそりとスノウ先生を尾行するために放課後から職員寮近くの草むらで身を隠して待機しているみんなのウマドル、ファル子だよっ☆
その美貌と振る舞いからかつては『学園の雪妖精』と呼ばれた、学園一の人気ウマ娘と言っても過言じゃないスノウ先生。
もしあの先生が逃げ脚質のレースウマ娘であったなら、きっとファル子は絶対にどんな手を使ってでも逃げ切りシスターズのメンバーに加入してもらってたと思うよ。
そんなスノウ先生に、私からのお誘いより優先したい相手がいるなんて……。
「あの、ファルコンさん。これは一体」
これはスクープもスクープ、大スクープだよっ! 間違い無く学園中を揺るがすほどの一大スクープの予感しかしないよっ!
一体どんな人ならあの先生のお眼鏡に適うんだろう……もしかしたら逆に、先生を脅して無理矢理付き合っていたりするんじゃないんだろうか。
「何故私達は草むらに隠れているんでしょうか?」
もしスノウ先生に酷いことするような相手なら、それこそみんなの力を借りてでもスノウ先生を守らなきゃ。
それがひいては逃げシスのため、即ち私の為になることなんだから、こうやってスノウ先生を見守るのは必然的なことなんだから!
お願い! 全宇宙のファンのみんな、私に力を貸して!
「あの、特に私がいる必要性が無いのであれば18分27秒後に自主トレーニングを行う予定ですので退席したいのですけれど」
「駄目だよっ! フラッシュさんは気にならないのっ!? あのスノウ先生が、あのスノウ先生がクリスマスイヴに会いたい相手の事がっ! これは全てにおいて最優先される調査なんだよっ!!」
草むらに潜んでいたらフラッシュさんに見つかっちゃったから、咄嗟に彼女を引き込んで一緒に隠れてスノウ先生を待つことにしたの。
こうなったらフラッシュさんも道連れだよ。
「それは……いえ、プライベートな事ですのであまり必要以上に干渉するのはどうかと」
もうっ、こんな時まで優等生っぷりを発揮しなくていいのに。
そんな話をしていたら、ちょうど寮からスノウ先生が出て来た。
流石にいつもの白衣は着てないけど、あまり余所行きの格好には見えない。というか普段着っぽい。メイクとかもいつも通りに見える。
これって……飾らないで会えるような気心の知れた相手って事? そんな深い仲になっている相手って事? ありのままを見せられる、一緒にいて心安らげるような相手って事なのぉ!?
「ほら、先生が出て来たよ! 行くよフラッシュさん。せめて相手を一目拝んでおかなきゃ気が済まないんだから!」
「……はぁ。このまま貴女を放っておくのも心配ですし、お付き合いしましょう」
・ ・ ・ ・ ・ ・
「てっきり駅に向かうんだろうと思ってたけど、商店街に来たね先生」
やっほー! フラッシュさんと一緒に建物の影に隠れたりしながらスノウ先生の後をこっそりつけているみんなのウマドル、ファル子だよっ☆
ほんの二か月前まではハロウィンでカボチャ色に染まっていた商店街は、今は赤白緑のクリスマスカラーで賑わっててすっごく素敵☆
イルミネーションでキラキラしてる街を行き交う人達みんなが幸せそうに歩いている。うんうん、やっぱりクリスマスはこうでなくっちゃ!
デート場所に向かう為に電車に乗ったりするのだろうかと思ってたんだけど、先生はそちらには行かないで商店街へ入って行ったの。
「何か買い物をしてから行くということなんでしょう。恐らく、相手へのプレゼントとか」
言われてみれば先生はほぼ手ぶらの軽装。
クリスマスのデート相手にプレゼントを贈らない訳が無いし、ここで用意してから会いに行くんだろうな。
「なるほど、さすがフラッシュさん。あ、ケーキ屋さんに入っていったね」
「事前準備を怠らない先生の事です、恐らく予約していたケーキを受け取りに来た、といった所ではないでしょうか」
ちゃんとクリスマスケーキを用意して行くつもりなんだ。
あれ? ということはどこかのお店でディナーって可能性が薄くなる。外食するんならデザートでケーキまで食べたりしそうだし。
ケーキを自分で買っていくなんて、それって自宅で食べたりするってことだよね。つまり……。
「ってことは、どこかにお出かけするんじゃなくてお、おおおお家デートってこと!? ふ、二人っきりでゆっくり過ごして夜遅くなったらそのままお、お泊りなんかしちゃったりなんかして……はわわわわわわ」
さすがスノウ先生! ファル子にできない事を平然とやってのけるッ。
そこにシビれる! あこがれるゥ!
「少し落ち着いてくださいファルコンさん……あ、出て来ましたよ」
そうよ、落ち着くのよファル子。落ち着いて冷静に先生を観察するの。
そして将来の為に大人の女性の振る舞いをお勉強しておくんだからっ。
「……何かキャリーカートを引いてますね、先生」
フラッシュさんが言う通り、先生はアウトドアで使うような大きなキャリーカートを引き連れてお店を出て来た。
よく見ればカートにはケーキの箱や、クリスマスではお馴染みの赤いブーツに詰められたお菓子とかがたくさん積まれてる。
「あっ、あれたまに見かける先生の私物のカートだね。お店に預けてたのかな。そんなにいっぱいケーキ買ったんだ」
「何故あんな量を。先生はそこまで健啖家では無かったと記憶していますが……お相手がそうなのでしょうか」
先生と彼氏さん二人で食べるにはちょっと、いや少し……いやかなり多い気もするけど。
「あ、今度はお弁当屋さんに入ってったよ」
そのまま先生を追いかけていたら、今度は美味しそうな匂いを漂わせているお弁当屋さんへと、先生はカートを引き連れたまま入っていった。
「ふむ、状況から推測するならばオードブルなどの料理を頼んでいたと考えるのが自然な気がします」
フラッシュさんがそう呟いた。
もしお家デートだとするなら、ケーキ以外のお料理も必要だよね確かに。
「さすがフラッシュさん、きっとそうかも。あ、出てきた」
こちらもあらかじめ注文していたんだろうな、先生はすぐに出て来た。
キャリーカートを2台、連結させた状態で。
「……キャリーカート、増えてますね。後ろに連結してますね」
「ぇぇぇ、カートに満載のケーキに続いて料理まで……どれだけ食べる彼氏さんなの」
荷台からはフラッシュさんが予想していたオードブルの他にも、チキンの丸焼きやらパーティーサイズのオムライスやらが見えている。
「あの量を平らげられる人物……オグリキャップさんやスペシャルウィークさんのような人なんでしょうか」
まぁ、確かにあの二人だったらあのくらいの量なら食べ切れてしまいそうだけど。いくら何でも普通のヒトがそんなに食べられる訳が無いじゃない。
「いやいや、そんなウマ娘みたいなヒトがいるわけが、いる、わけ……」
「どうしました、ファルコンさん?」
……つまり、普通のヒトじゃない?
先生のお相手なんだから当然男性だと思った。男性のウマ娘なんていないから、当然ヒトだと思った。
けどあの料理たちは、どう考えても先生と普通のヒトが食べ切れる量じゃない。それこそさっき話したようなウマ娘でもない限り。
「もしかして、先生のお相手ってウマ娘なんじゃ……?」
「ふむ、ふむふむ、なるほど。仮説としては案外悪くありませんね。可能性としては無くは無いかと」
フラッシュさんが顎に手を当てて考え込む仕草を取ります。
けど、私の心の中はそんな冷静に考え込めるような状態じゃないよっ……!
「じゃ、じゃっじゃじゃじゃ」
「ファルコンさん、ユキノビジンさんの方言みたいになってますよ」
「じゃじゃ、じゃあ、スノウ先生って、ウマ娘同士でのお付き合いを……そんなことって、そんなことって……あわわわわ」
えっ、えっ。
そんな、先生、だって、先生はウマ娘で、相手がウマ娘だとするなら、どっちも、女の子なのに、女の子同士が、女の子同士でぇ……っ!
「特段珍しいことでも無いのでは? 同性間の恋愛など昨今では当たり前にあることかと」
「ひきゅっ! ふぁ、ファル子には、まだその話はちょーっと早過ぎる、かなぁ……?」
何でフラッシュさんはそんな平然としていられるのっ!?
先生っ、大人の女性とは思ったけど私には少しディープ過ぎるよっ!
「この程度の仮説で狼狽しないで欲しいのですが。ほらほらファルコンさん、先生がまた違うお店に入っていきましたよ」
「ひ、ひぅぅぅ……」
あたしだけにちゅうして、ずきゅんどきゅんで、ばきゅんぶきゅんで、こんな○○○は初めてでぇーっ!!
「そろそろ帰って来てくださいファルコンさん。どれだけ恋愛耐性無いんですか全く。さて、今先生が入っていったのは……玩具店?」
「ひゃあああ……ぇ? おもちゃ屋さん?」
お、落ち着いて私。せめて先生のお相手を確認するまでは頑張って私。負けるな私。
ふーっ……ふーっ……よし、お、落ち着いた。と思う。
で、何だっけ? おもちゃ屋さん? え、何で?
「すぐにお店から出てきましたが、またカートが増えていますね。こちらも大量に積んでますね」
「え、どういうこと? あんな大量のおもちゃを一体……?」
先生は先程に引き続き、更に後ろに3台目のカートを連結してお店を出て来た。またしても荷物を満載にして。
スノウ先生を先頭に、ケーキ、料理、おもちゃが満載のカートが連なって列を成している。
あれ、本当にどういうこと?
訳が分からなくなってしまった私は答えを求めるようにフラッシュさんを見る。
彼女は眉間に皺を寄せ、なんとも難しそうな表情だ。
「……これは、いやまさか……もしかしたらファルコンさんには少々刺激が強過ぎる話かも知れませんね」
「え?」
な、何か分かったのフラッシュさん?
真剣な表情のフラッシュさんが私の正面に向き合う。
そして静かな声で彼女は話を続ける。
「いいですかファルコンさん。私の推測ではありますが……先生にお相手がいるとした場合に考えられる可能性は3パターンです」
そう言いながら彼女は右手の人差し指を真っ直ぐ立てる。
「ひとつ、先生がお付き合いしている相手は大量のおもちゃを喜ぶような低年齢である可能性」
「!?」
ふえっ!? 禁断の年の差カップル!?
目を見開き、口も開け放ってしまっている私を無視して、続けて中指を立てるフラッシュさん。
「ふたつ、先生がお付き合いしている相手に低年齢の連れ子がいる可能性。バツイチ子持ちか、最悪、家庭を持っている相手との浮気かも知れません」
「!?!?」
いいっ!? ドロドロの昼ドラ展開!?
全身ガクガクと震え出している私をそのままに、フラッシュさんは言葉を続ける。
そしてゆっくりと薬指を立てながら、
「みっつ、相手もしくは先生が子供を妊娠している可能性。『未来の私達の子供へのプレゼント』という形で」
「!?!?!?~~~~~~!!」
待って待って待ってフラッシュさん、私の処理が追い付かない! てことは先生のお相手は大食いでウマ娘で小さい子でヒトヅマで妊娠してるの!? 頭の中でぐるぐる回ってもう訳が分からないよぉーーーっ!?
「……とまぁ、いずれも確率としては0.003%にも満たないような非常に低いもので、まずあり得ない話なのですが」
私が両手で頭を抑えて思考停止に陥りかけた直前、フラッシュさんは声のトーンをいつもの調子に戻してそう続けた。
……あれ、今あり得ない話って言った?
「……ぇ。……び、びっくりしたぁ……え、もしかして冗談、だったりする?」
「ええ、ほんのジョークです。先生の人となりを鑑みれば99.99%あり得ません」
ふふっと口元を抑えながら微笑むフラッシュさん。
わ、分かりづらい! フラッシュさんの冗談が分かりづらいよ! すごい真に迫った言い方するからほぼほぼ信じちゃったよ!
でも冗談で良かったよホントに。
「そ、そうだよね。あの先生に限ってそんなことがある訳が……ない、よね?」
「無いと断言できます。確かに先生の言動は突拍子も無かったりすることがままありますが、大きく常識を外れたり他人に迷惑を掛けたりするといった選択を取るような先生ではありません。それにこれらの仮説では大量の料理の必要性にも無理が生じます」
「だ、だよね……あ、先生が今度は写真屋さんに入ってった」
私達が建物の影でわーきゃーしている間に、スノウ先生は次のお店へと入っていた。
うん、おもちゃ屋の時点で分からなくなってたけどいよいよもって完全に分からなくなった。
これもしかして、スノウ先生はとっくに私達に気付いてて、私達が先生に弄ばれてる可能性があるんじゃないかな……?
「3つのキャリーカートを引いている姿はまるで列車ですね。もしくは犬ぞりのような……あぁ、何となく先生の目的が分かったような気がします」
合点がいったというように手をポンと叩くフラッシュさん。
すっかり混乱してしまった私と違って、フラッシュさんは今までのピースが全て繋がったらしい。
「え、フラッシュさんは先生のお相手が誰かが分かったの?」
「はい。というかそもそもの大前提が異なっていると考えるのが自然です」
「へ?」
大前提が異なる?
え……っと。大前提なんだから、私達がどうして今こんな事をしてるかって事まで遡って……え、待って。もしかしてだけど……。
何かをひらめきそうになったその時、写真屋さんから誰かが出てくるのが見えた。
「あ、誰か出てきた……太ったサンタのおじさんが出て来たけど……あの人、カートを引いてるから多分スノウ先生、だよね? 見た目がぜんぜん違うけど」
出てきたのは上下に加えて帽子まで赤と白で彩られた厚手の服に身を包んだ人だ。恰幅も良くて、立派な白い顎髭もたくわえている。
まさしく『これがサンタだ!』とでも言わんばかりの見た目だけど、帽子からはウマ耳が、後ろ腰からは尻尾が顔を出している。
どちらもさっきまで追いかけていた先生のそれと同じ色だった。
「ええ、間違い無く先生ご本人の仮装でしょう。そしてここまで来れば、もうファルコンさんにも答えがお分かりでしょう?」
うん、流石にね。
マヤノちゃんじゃなくても分かっちゃった。
「うん、そうだね。これは」
「「恋人とデートなんかじゃない」」
答え合わせをするように、私とフラッシュさんで声を揃えて言葉を発した。
なんかもう、隠れて尾行する意味無さそうだね。
ウィーウィッシュユアめりくりぃーーー!!!
肉襦袢&サンタ衣裳&髭でどこからどうみても完璧にサンタのおじさんなメルテッドスノウです。
さってさってわたくし、もう間もなくとある場所で行われるクリスマスパーティーに向けて準備を行っている最中でございます。
まー、とある場所なんてもったいぶっても仕方ないのでさらっと白状しますが、
あの
当日に食べなきゃいけないような料理を大量に持っていけば、いくら
普段から
……いや、決してわたくしが住んでた当時に
更に言えば本当に料理が無駄になっちゃいけないので、ちゃんと
毎度毎度、盛大にため息は吐かれますがなんやかんやで受け取ってくれております。感謝だぜ、
さて最後に酒屋に行ってシャン◯リーとかのジュース類もいっぱい買っておかねば。スノウトレイン4両目を連結せねば。
今日という日に備えて事前にキャリーカートを各店に置かせてもらっておいて良かった良かった。
写真屋なら貸衣装もあるだろうと思って前もって問い合わせておいて良かった良かった。
ふはははは、さぁ待ってろ施設の
「スノウ先生っ!」
ん、誰ぞ? というか姿形がほとんど原型の無い今のわたくしをわたくしだと認識出来るだなんて……おやまぁ、ファル子ちゃんとフラッシーではないですか。ホントよくわたくしだと分かりましたね。
「先生、お荷物いっぱいだけどどこに行くの?」
ファル子ちゃんがそう尋ねます。
そういや『先約がある』とは言ったけど詳細は教えてなかったっけ。
「昔育った施設へ、ね。料理とプレゼントの差し入れに」
「そっか……そっか。やっぱりスノウ先生は凄いなぁ」
え、何が?
ファル子ちゃんが何かを納得したようにぼそっと呟きました。
「スノウ先生、良ければお手伝い致しましょうか?」
フラッシーがわたくしの後ろの3両の貨車たちを見ながらそう提案してきます。
まぁ量が量なので確かに少々重かったりはしますが、わたくしだって腐ってもウマ娘。そんなに苦ではない程度の重さです。
「ありがたいけど、ファルコンさん達もこれから配信するんじゃなかったっけ? そっちは大丈夫なの?」
ファル子ちゃんのクリスマス配信、出来れば参加したかった。椅子に腰掛けて寛ぎつつワイングラスでシャ◯メリーをくゆらせながら、聖夜に楽しく仲睦まじくキャッキャウフフするウマ娘ちゃん様達を眺めていたいウマ生だった。
「大丈夫だよっ! ずっとは手伝えないけど途中までなら」
「今、他のメンバーに少々遅れる旨の連絡を入れました。せめて荷運びだけでもお手伝いさせて下さい」
まぁ、そこまで言ってくれるんなら無碍には出来ないな。
純粋に助かるし有り難いことこの上ない。
もうっ、二人ともやっさすぃーなぁー!
「ん、それは助かる。んじゃ折角だしこれを進呈」
というわけで、先程おもちゃ屋の店主から貰ったトナカイの角カチューシャが荷台に積んでありましたのでそれを二人に渡しました。
うはは楽しみにしておれ
あ、でもその前に角を付けた二人の姿が似合いすぎて可愛すぎてわたくしが天に召されそう。
「じゃ、二人ともよろしくね。それと」
聖なる夜に尊みを分け与えてくれた心優しき二人のウマ娘に心ばかりの感謝を込めて。
「メリークリスマス」
■あとがき(2023/12/02)
癒やしを求めて先日、ウマ娘コラボをしている大井競馬場のメガイルミを見てきました。
楽曲に合わせて光るツリーや噴水のイルミネーションがとても綺麗で感動したので、いっちょクリスマス話でも書くかぁ、となりまして。
結果、『イヴに予定がある=恋人がいる』という図式が即座に浮かんでしまうスイーツ(笑)なファル子が出来上がってしまった。ごめんよファル子。
あとあだ名がナシ汁とか出しそうになってしまったエイフラもごめん。
■本日の尊死者
〇〇〇〇〇〇〇〇さん。
事前に同志先生の予定を把握しており、世話になった施設へ恩返しをする先生の博愛精神と孝行っぷりに感動して昇天しかけるもギリギリ踏み止まった。
その後、先生を尾行するファルフラを更に後ろから尾行していたが、二人の仲睦まじさに尊み成分過剰摂取となって蒸発しかけた。唇を噛んでどうにか現世に踏ん張り続けることに成功。
しかし最終的に、尾行の最中にフラッシュが口走った冗談の内容を持ち前の妄想力でファル子以上に事細やかに生々しくイメージしてしまいメルトダウンを起こす。限界を超える己が熱量に心身共に内側から焼き尽くされ塵も残さず消滅してしまった。
なお翌日復活した。