そして死神はTとなる。   作:蹴翠 雛兎

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お待たせしました!

難産気味の話でしたね…。てか次の話も少し難産になりそうです。

あと、ウマ娘の映画始まりましたね。私も見に行かねば。

因みに今回、挿絵を描きました。よければぜひ見てください!

では第四話、どうぞ!



第4話 模擬レース

___緊張。それは本来なら私にとって。いや、私達達にとって、プラスになるものである筈だった。

 

しかし、今回はどうやらマイナスになるならしい。

何故なら…。

 

「んじゃ、お手柔らかに頼むよ!『ハリボテ』…『エレジー』?」

「アハハ…コチラコソ!ヨロシクオネガイシマス!……うん、これさ…『笑えねぇ/ないね』」

「…だね」

 

最大級にして最強の敵と、模擬レースとはいえ…同じレースで戦うことになるからである___。

 


race11:二人二脚の時間


 

『…エレジー、これから走るのがめちゃくちゃ憂鬱なんだが。どうすればいいと思う?』

「あはは…まぁ、やるしか…ないよね」

『それはそうなんだけどさぁ』

 

 

【挿絵表示】

 

 

そんなことをパピと呟き合いながら、準備運動をする。

今回、走るメンバーは

・私達、ハリボテエレジー

・親友のアイラブナース

・会長のギンシャリボーイ

・その好敵手(ライバル)を名乗る、チョクセンバンチョー

他の三人全員が、侮れない相手だ。

無敗の会長は言わずもがな。

爆速で直線を駆け上がる番長。

急患運びで鍛えた脚を持つ親友。

 

下手をすれば、私達が最下位になる可能性だってあるだろう。

 

だからこそ、どう戦うのか。それを考える必要があった。

 

「とりあえず逃げは無し…だね」

『というか無理だろ。俺らの足じゃ。ただでさえ、会長、オールラウンダーな脚してんだぞ?逃げた所で息切れした所を狙われて抜かされる。それだったらまだ得意な走り方の方がマシな走り方になる』

「となると…差しか、追い込みだね。けど、差しはまだ形にはできていないから…」

『実質追い込み一択だな』

「となると、後は作戦だけだね。どうする?」

『全員、プレッシャーや焦りかけるのは無理だ。かけた所で後々軽々とした様子で微調整されるのが目に見えてる。それなら私たちが得意としてるスローペースに持ち込めるように、()()()で調子狂わせた方が楽だ」

 

その言葉を聞いた瞬間、私は思わず、顰めっ面をしそうになりかけた。

それもそのはず…形にはなっているものの、荒削りでまだ未完成の技を出そうと言っているのだ。

 

「あー…えっともしかして、お兄ちゃんの奴をレース用に私たちなりに改造した奴を言ってる?」

『あぁ』

「…あれ、練習でも6割いくか行かないかくらいだよね?」

『だな』

「これを受けてたことのあるナースちゃんが出走メンバーにいるんだけど?」

『それがどうした?』

「それでも、なお()()を実践でやれと?」

『他に方法があるとでも?』

「…はぁあああ……ないね……」

 

私は思いっきりため息を溢し、自身もそれ以外の方法については思い付いてないことを告げる。

わかってはいる。いるのだが。

 

『…やっぱ不安か?』

「そりゃ…ね。お兄ちゃんの前でやる、初めての実践レースなんだよ?緊張もするし…不安も、抱くよ」

 

勝ちたい、勝とうとするのは当然ではあるが。

だからといって、勝てるかというとそうではなこと…それは理解していた。

だからこそ、私達は出来る限りのベストを目指して走るのだが。

 

今回、それができるかが怪しかった。

 

未だ成功率半端くらいの技を実践で使うこと。

トレセン学園に入って以来、初めて兄に対して、今の自分の実力を見せること。

最低でも二人、私の、私達の手の内を知る人物がいること。

 

そして、目の前に身近な存在でありながら…かつて見た憧れと同じ、無敗がいること。

 

これでどうして、心を冷静にできるというのだろうか?

できる人に問いたい。

この状況に燃える私には無理だから。

 

『…ったく、気負いすぎんなよ?エレジー』

 

そんな私を見抜いてか、パピが苦笑いするかのように声をかけてくる。

まぁ、双子の姉妹であり、相棒であり、長いこと、同じ身体を共有してきたのだ。

それくらいは普通にわかって当然だろう。

 

なら、それに対する私の返答は決まってる。

 

「…わかってるって。んじゃ…行こう、パピ」

『あぁ…!』

 

全身全霊全力で、ベストを尽くして走るだけだ___!




次回:二人二脚(ツーマンセル)
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