そして死神はTとなる。   作:蹴翠 雛兎

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とりあえず、書けた。
流れは決めてたけど、ちょいと難産だったわ…。

今回、殺せんせーが転生したウマ娘世界のちょっとした説明回ダヨ。
それと、暗殺教室からとあるキャラも来ます。ダレダロナー。

ではどうぞなの。


少年時代
生まれ落ちた者


 

___転生した…というのはこういう感覚なのだろう。

 

そんな漠然としたことを未だに思う魂…いや少年がそこにいた。

少年は転生者だった。

死神と呼ばれた元暗殺者であった。

怪物の姿をした元教育者でもあった。

 

しかし…そんな肩書きや前世など、この世界では関係せず、必要などなかった。

 

経歴の全てが殆ど白紙な少年は、かつて自身を暗殺した生徒たちからもらった名を元にしたかのような名前でこの世界を生き抜く。

 

「___五呂 千世さん」

「はい!」

 

 

race.1 白紙の時間

 

 

(___やはり、数学や理科、外国語関係は殆ど元の世界と違いが無い為、元の知識が通用する場面はかなり多いと言えますが…しかし、歴史に関していえば様々な部分で分岐が生まれ、私が知る歴史とは異なる道を歩んでしまっている為、元の世界の知識が通用しないことが多い。それに伴って影響を受けたのか、国語も幾つか意味合いが違う物もある……。やはり、世界が違うとこうも変わるものなんですねぇ)

 

そんな事を考えながら、五呂千世___殺せんせーは、高校生が使うような歴史書と小難しい辞書の二つを片手に見ながら小学校から家への帰り道を歩いていく。

 

(海外ではアイルランド王国の王族から第一王女が結婚による独立、それに伴う国の領地の譲渡により、アイルランド共和国は存続した。

中国では春秋戦国時代に革命・第四皇女の誕生など様々な要因が重なりあい、秦の第一皇女が自身を王として独立。国名を政とし、滅びるまで秦の隣国兼友好国家として接した。

その一方で日本では。

まず本能寺の変を所謂姫武将と化した濃姫が一人で突撃し、阻止した事により、信長は寿命尽きるまで生存。後に濃姫の一人戦という諺までできている。

また、それにより日本はその後世界で有数の軍事強豪国として名を馳せる事になり、結果元の世界ではあった領地の問題、北方領土問題や尖閣諸島問題がない状況に…と)

 

彼が知る歴史とは、大まかな流れは同じであるものの、しかし大まかな流れが一緒なだけあって、読めば読みこむ程、小さな相違点が浮かび上がり、それらが積もりに積もった結果、大きな分岐点となっていた。

 

そして、それらには共通して一つの存在が関係している。

 

それは。

 

(___やはり、彼女達。元の世界にはおらず、馬やウマ科の生物と入れ替わるかのようにして存在している、彼女達ウマ娘の存在が大きいですね…)

 

ウマ娘。

走る為に生まれてきたと言われている存在。

 

その存在が大昔からいる事で歴史の節々で影響をもたらしていた。

 

(これは全てとはいかなくとも歴史の殆どを学び直さなければならなさそうですねぇ…)

 

そんなことを表面上では嫌そうに思ってはいたが…内心では笑みを浮かべ、ワクワクしていた。

かつての生徒達にも言っていなかったことではあるが元々学習するという行為が好きなのだ。彼は。

それは一重に前世の幼少期で育った過酷なスラム貧困街での環境も影響があったかもしれないが、『学ぶ』ことでその『知識』を使えるようになるという事が楽しかったのだ。

『学ぶ』ことでその『知識』で危険を回避する。

『学ぶ』ことでその『知識』で相手を追い返せる。

『学ぶ』ことでその『知識』でお金を稼ぐことができる。

いつしか知らず知らずの内に、彼にとって学ぶことは『苦』ではなく『楽』しいことになっていた。

 

…もっともそれに気がついたのはあの暗殺教室の教師として教壇に立ってからしばらく後…9月頃のことだったのだが。

 

(とりあえず、各国書の歴史について調べ上げて、自身の記憶と照らし合わせて何が違うのか、何が起こってその差異が起こったのか考えるのも楽しそうですねぇ。となれば___「死神さん、先に帰らないでくださいよ!もう!」

 

そんなことを考えていると後ろから少女の声と共に肩を軽く叩かれる。

最も…自身を死神さんとかつての異名で呼ぶ人物など彼は一人しか知らない為に後ろにいる人物が誰か予想が容易についたのだが。

 

「あぐり。そのかつての呼び名で呼ばないで欲しいんですが…」

「そういう殺せんせーだって、その名前で呼んでいるじゃないですか…。私の馬名…もといバ名、スノーソングっていうしっかりとした名前があるのにそっちの名前では殆ど私のことを呼んでくれないじゃないですか!」

「にゃ!?確かにこちらだとウマ娘の方だとバ名の方が本名のように扱われてますが、だからといってもう一つの名前で読んではいけないという決まりはない筈ですよ!?大体、あぐりだって___」

「あー!?言っちゃダメなことを!!そういう殺せんせーだって___!」

「にゅやっ!あぐりこそ前世では___」

 

と後半に連れ、徐々に痴話喧嘩となっていく会話の内容からもわかる通り、黒鹿毛のウマ娘の少女もまた転生者であった。

 

___雪村 あぐり。

それが彼女のかつての名前であり…なんの因果か、今世ではバ名とは別にもつ、もう一つの名前。

前世では自身の前任の担任教師であり…自身に生きる意味と彼らとの出会いをもたらしてくれた恩人であり今世では絶対に手放すことなど出来ない大切な幼馴染である。

 

最初に彼が、彼女が『彼女』であると知り、更には『前世での記憶も持っている』と言われた時に目が思わず飛び出しそうになったものである。

 

閑話休題(シャイ☆)

 

___そうして、大人顔負けの舌戦(いや中身はお互い既に大人なのだが)が行われること数分。その果てに勝ったのは…。

 

「___それにです!ああなったのはあぐりの責にn「ああああぁぁああ、わかったからもうやめてええええええ!」…なら、今後は人がいるような所では『死神』の名であまり呼ばないようにお願いしますよ?そもそも他の人がそれを聞いたら何事かと思われますし…」

「…はい」

「わかればいいのです」

 

殺せんせーであった。人間がウマ娘に勝てないように、前世一般人であるウマ娘が前世死神と呼ばれた怪物に舌戦で勝てるわけはないのだった。

 

なお、元教員職の二人の勝敗の決め手になったのは今世にてウマ娘になった事で生まれてしまった黒歴史(内容は本人の名誉の為、黙秘。読者の皆様のご想像にお任せする)であったことをここに追記する。

 

「___『今後』という言葉で思い出したのですが…『将来について』、あぐりはもう書きましたか…?」

「一応は。そういう殺せんせーは?」

「私は『教育者になりたい』所までは決めたのですが、そこから先は特にどうなりたいか決めてなかったので書きあぐねていて…」

「…まぁそうですよね」

 

殺せんせーの言葉で『まぁ…貴方の場合はそうだよね』とばかりに複雑そうな顔をするあぐり。

それはそうだ。前世では生まれた時から死ぬ少し前までは、今を…いや、一秒一秒を文字通り『懸命』に生きるので精一杯だったのだ。今までの自身の体験となった事象たる過去や現実味を帯びた近い時を見るならばともかく、遥か遠い先の輝しき未来を見るというのは彼にとって今までなら考えられない状態だった。

 

だからこそ、彼は悩む。

 

今世ではどうなりたいのか?どんな道を選びたいのか?どんな風に生きたいのか?

塾の先生となりたいのか?

大学の教授となりたいのか?

はたまた、また前世と同じように…もう一度中学教師になりたいのか?

それらが明確に思い浮かばないからこそ___悩む。

 

(教育者にもう一度なりたいとは決めたはいいですが……そこから先が決まりませんね。本当にどうしましょうか…?)

 

そうして幼馴染と話しながらも悩む彼のその手には、未来を暗示するかのように…そして彼の人生はまだ始まったばかりであること示すかの様に…白紙の紙が握られていた___。




五呂 千世(殺せんせー)の秘密①
実は転生者らしいが、周囲の環境や雰囲気などに打ち解けるのが早すぎて、全くそんな風には見えない。

独自に考えたウマ娘世界の諺・熟語とかの解説、いる?

  • いる!
  • いらん。
  • 任せる。
  • 書けええええぇぇぇ!!!
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