そして死神はTとなる。   作:蹴翠 雛兎

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なんとか、年内に投稿できたぁ…。

殺せんせー、ターニングポイント①となる回。
次あたりでターニング②を書いて子供時代を終わらせたい。

ではどうぞ!

1/23 少し文を変えました!


先の道

#3

 

「___それで、今日はどうしたんです?」

「……何故、私が悩んでると…?」

「だって、お兄ちゃん。ここに来る時、たいてい、なんかなやんでる時じゃないですか」

 

そう疑問に答え、目の前のウマ娘の少女___ルナは心配そうに見つめてくる。

 

「ルナとさいしょ会ったときだって、学校のことでなやんでますし…」

「…うっ、それは」

「つぎのときも、かぞくのことでなやんでたし…そのつぎは…なやんでなかったけど、そのつぎにかんしてはスノーソングお姉ちゃんのことでなやんでましたし…」

「……スゥ-…返す言葉がありませんね」

 

義妹達に連れられた時から、何度もここに来ているが確かに思い返せば殆ど何かしらで思い悩やんで来てた事が多かったと思い返す。

それは彼女、ルナに会ってからも。

だからこそ、気になって心配してるのだろう。

毎回、悩み事を抱えている彼のことを。

 

(いっそ、彼女に話してみるのもいいかもしれませんねぇ…ここは)

 

弱くなりたいと…かつての死神は触手にそう願ったのだ。別に全世界からの暗殺の標的になるまでの、弱味を見せれば利用されて殺されるという状況下ではない。

この世界ではなおさら、それが謙虚である。

『ウマ娘』という身近に力関係を≒で表せられる上位種族がいるが為に弱味を見せても返り討ち会いやすく、余計に無意味に終わりやすくなっている。

それに…この内心は吐露してしまえば、何か道を見出せるかも知れない。

三日月のような流星と微笑みが似合う彼女を前にして彼はそう思う。

 

故にこう切り出すことにした。

 

「…皆んなに内緒にしてて欲しいんですが、私…実は明確になりたいものが決まらないんですよね」

「それって…おいしゃさんとか、トレーナーとかみたいな…?」

「そうです、そう言った明確になりたいものが今見えないんですよ。私」

「そうなんですか…?てっきり、ルナ、かしこいお兄さんのことだからもう決まってるかと思ってた……」

 

普通に生きてたら、ああなりたいこうなりたい、この職業についてみたいというのは子供の時ならばよくある話だ。

だが、転生と前世の影響でいまいちそこら辺を想像できない死神はその少女の言葉に思わず優しい苦笑いを溢す。

 

「そう、だったら良かったんですがねぇ…」

「?」

「昔のことですが、私に人に教える力を見出してくれた人がいまして。曰く、『あなたは私より教えることに向いてるね』とそう言ってくれたんですよ」

「たしかに、お兄さんおしえるの上手いし、向いてそう…」

「ふふっ、けど…正直、そん時は色々な事があって私自身はそう思わなかったんです」

「えっ?なんで?」

 

懐かしむようにして、遠くを見つめるようにしてあの時の事を彼女に分かりやすくしつつ、真実をぼかして話す死神に対して、驚くルナ。

当然のことか。姉のように慕うあぐり…スノーソングや自身の同級生、果てには年上の先輩にすらも彼は楽しそうに教えてる所を彼女はよく見る。

その為、その言葉が意外でしょうがなかった。

 

「その前に一度、人に教える機会があったんですがその結果、その人は離れてしまったことがありまして…。今ならその時の原因が私はその人のことをよく見てなかったせいだなとわかってますが、当時の私はあまりにも合理的に考えすぎてわかってなかったんですよ。結局、もう一度大きな失敗してしまい、後悔するまで」

 

反省すべき『彼』との過去。

色々な悔いはある。

しかし思えば、あの時の事がなければ彼らとの出会いやあの生活、あんな気持ちを知る事等なかっただろう。

そういう風に考えると、闇夜の世界から星月夜の世界へと彼女___あぐりが連れ出してくれたと言っても過言でもなく、感謝してもしたりなかった。

最も…それを本人に言うには恥ずかしくて言える訳がないとは、彼の本心からの声であるが。

 

「多分こうして明確に決められないのはその時の事がしこりとなっていて、その『誰かに何かを教える』という夢を目指して良いのか?目指すとして何になりたいかが見えないからだと思います…」

 

(あぁ…そうだったのですね。私は___)

 

その時、彼の中で自身が心を整理しながら口に出した言葉がストンと、胸に落ちた。どうしてここまで悩んでしまうのか、それが理解できた。

 

ずっと後悔していた。

 

2代目死神となった彼のこと。

死なせてしまった彼女(あぐり)こと。

守りきれなかった生徒(その妹)のこと。

 

それらのことがあって、自身をこの道に進んで良いのかを迷い、怖くて足踏みしていたんだと。

今気がついた。

 

そりゃ、『(さき)』も見えない。

だって恐れているのだから。失敗を。

考えすぎていたのだから。先の事を。

 

「ふふっ…」

 

その事実に気がつき苦笑してしまう。

今更ながら、あの自分が人並みに『明日』を恐怖するようになったのだと、そう苦笑する。

 

「?」

「いえ、なんてことないことに気がついて笑ってしまっただけですよ。しかし…そのおかげで悩みが晴れたので、少しは先の道が見えそうだ」

「??そうなの?…うーん」

 

周りから見れば唐突に納得して笑い出した自分に対して不思議そうな顔をする彼女にそう話すと更に不思議そうな顔をする。

その様子が面白くて、思わず笑顔で撫でてしまう。

当然、「もう!お兄さんいきなり何するの!やーめーてー!!!」と彼女からは抗議の声は出るが…そんな声と裏腹に撫でる腕を跳ね除けず、笑顔で成されるがままにいる。

 

(したい事はまだ見つかりませんが…どうなりたいかという道は少しばかり見えてきたでしょうか?これからは『今どうしたいか』『どうなりたいか』で考えていきますかね___)

 

行先見えず。されど暗闇は照らされ…。

 

彼の歩みは月夜の道のように少しずつ、しかし確かに新たな道へと進んでいた___。

 

race.3 Lの時間

独自に考えたウマ娘世界の諺・熟語とかの解説、いる?

  • いる!
  • いらん。
  • 任せる。
  • 書けええええぇぇぇ!!!
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