勉強の合間にトキノミノルのレース資料探してたんですが、画像が荒くて分かりづらく…。
結果ここまでとなってしまいました…。
トキノミノルのことを描いてくれてる人がいて助かった…。
このまま書けなかったらどうしようかと…。
では続きをどうぞ!
ps.三期でゴルシがオルフェとジェントルの名前を呼んだと言うことは…もしやジャスタウェイ実装…ワンチャンある……?
もしそうなら、アンケートし直さなきゃ…。
___息が苦しい…重い。
期待、嫉妬、願い、希望、対抗心、羨望、渇望。
それらが織り交ぜとなって私へと一身に振りそそぐ。
これがここまで無敗できた者への重圧なのか?
そう思わせるほどには、周りの意識が私に集中していた。
正直、全てを怪我のせいにして逃げ出したくなる。
怖い。怖くて仕方がない。ここで無敗になってしまったらと。
あぁ、だけど。
それでも、やっぱり。
引くわけにはいかない。
後ろで支えてくれる人が、応援してくれる人が、いる。
あの日、私を変えてくれた上に、約束をした人がいた。
今日、私の為に気を使って湿布をくれた子がいた。
今、私に勝とうと目の光を燃やす
なら、そんなちっぽけで弱虫な悪魔なんていらない。
今は…目の前に勝つんだ。
ここまで来た思いを曲げるな!!!
負けるな!自分に!!
全ては私を信じている人に!!!
『___さぁ、各ウマ娘、スタートラインに揃いました』
仕切りなどないこの芝生の上で見せてやる。
これが夢が叶う、苦労が実るウマ娘…トキノミノルだと___!
race6決意の時間・四時間目
「___東京優駿競走。日本ダービーとも呼ばれるこのレースの距離は2400mの距離があり、一般的には中距離と呼ばれる部類のレースです」
「あにぃどうした急に」
「また、このレースには昔からこのような言葉があります。『最も運のあるウマ娘』が勝つ」
「…その例だと、一番人気の…えっと、トキノミノル…だっけ?…じゃあやっぱ勝てないんじゃないの?」
「それは何故?」
「だって、アニィ、言ってんじゃんか。気がついてないけど怪我してるって…なら、どう考えても不幸じゃん。レース中に大怪我して無理なんじゃ…」
「果たして本当にそうでしょうか?」
「えっ…?」
「これはアメリカであったことなので、こちらではあまりあまり知られてないのですが、ある栗毛のウマ娘がずっと怪我を抱えていたのにも関わらず約2012メートルの間のダートレースに出走した結果、勝利してます」
「…それはあくまでアメリカのダートレースでの話だろ?今回とはまるでほぼ条件違うじゃん」
「そうですね…。ただ、そのウマ娘の方。27戦して16勝。3着までを逃したのは3度のみという成績を残してます。…ダート主戦かどうか、負けてるかどうか等の差はあれど…トキノミノルは、怪我有りでの出走で、その上で強いという類似点があります。また運の方は考え方次第では出走出来なくなるほどの重い怪我だけはしなかったとも見ることができます。さらに今のフォームと顔色を見る限り…痛みはほぼないに等しい状態と考えていいでしよう。なら___」
「勝てると言う保証はないけど、絶対に勝てない保証もない…か」
「えぇ。…まぁ、かなり厳しいレースにはなるでしょうがね」
そう言って、目の前のレースに目を向けると、丁度第一コーナーへと向かうところであった___。
(___不味い。身動きできない状況にいる)
冷静にレースを運んではいた。
足も悪い状態から初めは抑えて走り、比較的楽にいつもより走れている。
しかし…それでもどこかで判断を誤ったのだろう。
中団より後方。その
(___動く隙は後ろにも前にも無さそうですね…)
足に負担がかかることを覚悟で強く踏み出して足音で動揺を誘って見たが、効果無し。
逆に後ろに思いっきり下がるという手も、一人がそれを許さない。したら抜かさせやしないとばかりにしっかりとマークしている為、この脚の状態でその作戦は、リスクがかなり大きい。
となると、隙ができるのを待つまでとなるが…そうなると向こう正面まで待つことになるので、差し切れない。
(___ッ…本当に不味い)
冷静であるが故に焦燥感が溢れ出てくる。
焦燥感が視野の狭窄を呼び寄せる。
視野の狭窄が…敗北を呼び寄せてしまう。
このままでは、ずっとゴールまで後塵を拝してしまい、初の負けとなってしまうだろう。
(___それだけは絶対に嫌…!)
手ぶらで変えるなどあり得ない。
春も夏も秋も冬も超えて、勝利を目指しているのだ。
…勝ちたい。
勝ちたい。
___私は勝ちたい!
___そんな思いが届いたのだろうか?
ライバル達の無敗の私に正面から打ち破り最速の称号を手に入れたいという意志によるものなのか。
それとも、たまたまそうなっただけの偶然によるものなのか。
それはわからない。
けど一つだけ事実として目の前で起こっていることはある。
正面に道ができたのだ。
勝利へと導く、道が。
ならば、私は___。
「…ッ!…スゥ、ハァアアアッ!!」
全力でただひたすらに___。
その道を走るだけ!!
「はああああああああ!!!」
『『行かせるかああああ!!!』』
(___ッ!やっぱり、そう簡単には行かせてはくれないか。けど…私の方が早い!!!)
第三コーナーカーブ。ここで私はレース後の故障を覚悟に、更に一段階ギアを上げることにした。
勝つ為の道のりを進む為に。
「ッ___クッ…まだだッ!」
「そうは行かせないッ」
『最強は私だああああ!!!』
後ろと左右から私を差し替えそうとしてくる娘達が来る。
必死になって、追い抜かさぬ。その影を踏み超えてやる。自分が一位にと発起になる。
だが、それでもと。
雑音など無い、白く見えるこの世界で私は必死に先頭を目指し続け。
最終直線の直前で、ついに私は。
一位となっていた。
「「くっ、行かせるかああああ!!!」」
後ろからライバル達の声が聞こえる。その中でも一つ大きな気配が後ろから迫り来る為、呼吸を忘れ、足を止めてしまいたくなる。
だけど、それでも抜かされたく無い一心で走り続けた。
「___南無妙法蓮華経…ッ。どうか…このまま私にこのレースを勝たせてください…お願いします…!」
最終直線に入ると、そんな祈りを無意識に捧げていた。
仏と三女神、レース中に祈りを捧げる相手を間違えている気もするが、けどそんなことを気にする余裕などなかった。
ただ、今はひたすら勝ちを目指しているが故に。
そうして一瞬にも永遠にも、数秒にも数分にも思える時間が経て…気がつけば、私はゴール板を駆け抜けていた。
___差し切った…筈だ。
押し寄せる不安と高鳴る心臓の音を鎮めるように、そう信じて深呼吸し、掲示板を見た。
結果は______一着。
1バ身の差をつけており、しかもタイムは2:31:1…レコードタイムだった。
「…勝った……?」
実感が湧かない。
しかし、脚の痛みが現実だと告げる。
「勝ったんだ……」
それに伴い、だんだんと喜びが溢れ出る。
「…ッ…しゃああああああああああああ!!」
こうして、私は___。
私は無敗の二冠目を手にすることができたのだった___。
___トキノミノルが勝利の雄叫びをあげた時。
私はそっと妹の様子を見た。
最初、レースが始まるまではつまらなさそうな表情がどうなったのか知りたくてだ。
果たして、その顔はと言うと…一転していた。
煌めきを。
目指す先を。
大切な『何か』を見つけ。
その夢へとかけたくなったような…そんな興奮に包まれた顔へとなっていた。
「___あにぃ」
「なんでしょう」
「オレ、あの人みたいに…あんな風に走りたい。だから。だから、おねがいだ…一生に一度の…おねがいだ。…オレは、トレセン学園に入りたい…!」
即答はしなかった。
いや、敢えてしなかったの方が正しい。
その前に聞かなければならないことがあったから。
「___酷なことを言いますが、レースの世界は勝負の世界。あんな風にはなれないかも知れませんよ?」
飛び込もうとしている世界が厳しい世界であるが故に、問いかける。
この問いはエレジーにもした。
だが、元暗殺者として、元教師として、現兄として、この後放たれる言葉を…彼はすでにわかりきっていた。
「それでもいいよ。あにぃ」
「元々生まれた時から、ひだまりは一つしがないのはわかってる」
「その上うまく走れないと思う」
「ぼろくそにまけると思う」
「だけど…それでも」
「いってみたいんだ」
「だからあにぃ、おれら…「___えぇ、わかりました」」
そこから先、何を言おうとしてたか理解したため、また、エレジーと一言一句同じ答えであった為、全てを言い切る前に応える。いや、そもそも兄として、元教師として、全て言わせるわけにはいけなかった。
覚悟。決心。勇気。
そんなものでは語りきれないもの。
それらを二人の妹達は、元に全て『かけて』いこうとしているのだ。
たとえそれが荊の道であったとしても。
なら、それに応えてあげたい。
生きる為に感情の機微を感じる力をつけた『幼少期』
万に通じる暗殺者として技術を身につた『死神時代』
人の心に触れ、償罪の為、恩人の為、何より生徒の為、それらを正しく教えることに命をかけた『教師時代』
それらの経験と知識が自分にはある。
___それにだ。
かつてのE組のように、妹のような何かしらのアウェイを持つものが、他にもいる筈なのだ。
そして、それをあの日弱くなりたいと願った自分は見過ごすことなんてできない。
ならば、決まりだ。
前世では、誰も殺せない先生として進んてたが。
今世では、誰も殺さない先生として進もう。
もちろん、思わず殺したくなるほどの弱点と親しみやすさを持って。
今一度、『殺せんせー』として生きてみよう。
そうと決まれば。
「___気持ちは確かに受け取りました。だから、私もそれに応えて、約束を一つしましょうか」
「?なにを………ッ!……まさか……〜〜!?」
この察しの良い妹はどうやら、私が約束しようとしてるものにすぐに辿り着いたらしい。
驚きのあまり、目が見開き、口をパクパクさせて声にならぬ言葉を発していた。
「ふふっ。えぇ、そのまさか。貴女が考えてる通りのことですねぇ」
「えっ、でも、だけど、その…いいの!?」
「元々、進む方向は決まっていましたが、どういう夢にしたいか、それを明確にしようにも迷っていたところだったんです。そこへ丁度あなたの夢があって決まっただけですよ」
「で、でも」
「わかってます。私はそれらを踏まえた上で言っているのですよ」
「それでも___」
言葉を発するたびに見えてくる感情。
不安。迷い。心配。恐怖。
嬉々。期待。憧れ。安心。
それらを彼女は抱えた結果、尻込みしてしまっている。約束しようとしてる事が事だけに。
ならば、自分はそれに対して背を押してあげよう。乗っかれるように、場を作ってあげよう。
それが兄としての役目だと…そう思うから。
「___大丈夫です。それとも私では役不足でしょうか?」
「ッ…ッ〜〜!!___!」
その言葉を聞いた瞬間。少女は頭をガシガシさせた後、何か声にならぬ言葉をいくつか、自問自答の呟きをいくつかしたのち、答えを出した。
「…ああもう!ここまであにぃに言われて___言ってくれて、それにのらないなんて、バカみたいだ。…わかった。おにいちゃん、おねがいします。
けど…そのかわりさ、するからにはお兄ちゃんもちゃんと約束、守ってよね?」
「わかってますって」
___そしてここに世界を取る一つの願いとその願いの為に動き出した一人の教師の姿が生まれた。
蛇足にして余談話。
「___そういや、スノーねぇとおきのにぃ…どうしよ」
「あっ…」
「___二人共、どこ行ったんだよ…?」
「お腹すいたぁ〜…」
このあと、二人してめちゃくちゃ怒られた。
なんとも締まらない兄妹達である。
次、幕間を経て、新章です。
パピエマシェの秘密①
マルチタスクが大の得意。