虹夏サイド
伊地知虹夏は悩んでいた。
「バントメンバーが来ないっ…!」
ライブまであと2時間、知り合いを当たったり町中の人に声をかけてもヘルプのギターとキーボードが見つからない。
このままではせっかくのライブのチャンスを逃してしまう。
「やっぱり、そんな直ぐにサポートは見つからないか…」
そうポツリと独り言を発しながら近くの公園に目を向けてみるとブランコに座っているギターケースを持ったピンクジャージの少女とキーボードケースを枕にして寝ている青年が目に入った。
「そこで寝ているお兄さんとギターの子ちょっといいかなー!」
ギターの子はビクッと身体を震わせておずおずとこちらに視線を向ける。
一方、お兄さんは私の声で起きたのかむくりと眠そうにこっちを見てきた。
「今からライブがあるんだけどメンバーが足りなくて、今日だけサポートメンバーとして来てくれないかな!」
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ぼっちside
バントを組むと意気込んで高校入学から早1ヵ月。
後藤ひとりは早くも挫けかけていた。
「今日はいっぱいバンドグッズを身に付けて1日過ごしていたのに誰も話しかけてくれなかった…。」
「私のようなミジンコ以下の存在に気づいてくれる人は高校でもやっぱりいないのかな…」
もう学校行きたくない
そう思いつめながらブランコを軽くこいでいると、1人の青年が目が入った。
(あの人こんな放課後の時間に1人で公園のベンチでぐっすり寝ている。)
(学校で友達がいないからこの公園に来て1人で時間をつぶしているのかな…。)
(私と一緒でここに集う人たちは孤独を抱えているんだ。)
そのようなことを考えていると甲高い声が聞こえてきた。
「そこで寝ているお兄さんとギターの子ちょっといいかなー!」
「ヒィッッ!?」
突然の大声に驚き、変な声を上げてしまった。
「私のような引きこもり予備軍が白昼堂々と遊具を占領してしまい申し訳ございません…orz。」
彼女の脳内では警察に捕まり、裁判にかけられ死刑を宣告されている走馬灯がよぎっていた。
このまま短い人生の幕が閉じると思いながら顔をゆっくり恐る恐る上げるとそこには金髪のサイドテールと首に巻いたリボンが特徴的な女の子がこちらを見ていた。
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オリ主side
「2週間修理に出したキーボードがやっと帰ってくる」
そう意気揚々と小走りになりながら[[rb:蒼山楽人 > あおやまがくと]]は下北沢の楽器店に直行していた。
「すみません。キーボードの修理を依頼した蒼山です。」
店員にそう伝えると愛しの相棒が戻ってきた。
2週間ぶりの相棒に触れて動作に問題がないか確かめる。
「もしよかったら何か一曲弾いてみませんか?」
「いいですよ。何かリクエストはありますか?」
「では、official 髭男dism のUniverseをお願いしてもいいですか?」
「すみません。聞いたことがなかったので一回聴いてからでいいですか?」
「!?まさか耳コピできるんですか」
「一応、だいたいの曲は一回で弾けるようになりますよ」
ローディング中…
「OKです。」
そして弾き始めて数分後、彼の周りには人集りができていた。
人集りはどんどん増えていき、楽人の演奏に観客たちは引き込まれていった。
… … …
「ありがとうございました!」
観客に感謝の言葉を伝えて演奏を終えると多くの拍手が送られた。
楽人は気恥ずかしそうに急いでキーボードを片付け足早に楽器店を去った。
「いやーえらい目あった。」
「ちょっと公園で休もう。」
幸い、公園にはブランコに座っている女の子1人しかいない。
ベンチに腰かけると春の心地よい風が睡魔を誘ってくる。
そして楽人は意識を手放した。
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「そこで寝ているお兄さんとギターの子ちょっといいかなー!」
寝始めて15分ほど経っただろうか。
女の子の甲高い声で目が覚めると膝を着きながら手錠をかけるポーズをとったピンクジャージの子と金髪サイドテールの女の子がこっちを見ながら呼んでいた。
「お兄さんって俺のこと?」
「そうそう!お兄さんが枕にしているのってキーボードケースだよね!」
「お兄さんって結構キーボード弾ける?」
「まぁ人並みには。」
「そっちのギターの子はどう?」
「あっ…そこそこ…」
そう返答すると女の子は困った様子で
「ちょっと今困ってて無理だったら大丈夫なんだけど…大丈夫なんだけど困ってて…」
ひとり•楽人「絶対に大丈夫じゃないやつ!」
「突然ごめんね。私、下北沢高校2年生の伊地知虹夏です。」
「2人の名前は?」
「伊地知さんと同じ下北沢高校2年生の蒼山楽人です。」
「あっ…後藤ひとりです…。」
「蒼山くんは私と同じ高校で同じ学年なんだね。
私はA組だけど蒼山くんは?」
「B組です。」
「じゃあリョウと同じクラスかぁ〜。
覚えてなくてごめんね」
「大丈夫だよ」
「では気を取り直して、ひとりちゃん、蒼山くん。突然で申し訳ないんだけど今日だけライブのサポートギターとキーボードしてくれないかな!」
今日はこの後キーボードを弾くだけだったので時間は大丈夫だ。
「俺は引き受けても大丈夫だよ。」
「ありがとう!さっそくライブハウスへGO!」
ひとり(まだ何も言ってない…)
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伊地知さんが先頭で俺が真ん中、後藤さんが俺の後ろに隠れるように付いてくる。
「あの…後藤さんなぜ俺の背後に付いてくるんですか?隣に来てもいいんですよ。」
「あっ…はい、私は下北沢みたいなオシャレな町は直視できないので身代わりになってください…。」
「あはは!ひとりちゃんそんな怖がらなくても大丈夫だよ。」
「出演するライブハウスも私の家だから緊張しないで!」
「あっ…はい」
「伊地知さんのご家族はライブハウスを経営しているんですね。」
「うん!最近オープンしたスターリーってとこなんだけど。私は普段ドリンクバイトしてて〜…」
楽人•虹夏(全然目が合わない…)
「そういえばひとりちゃんと蒼山くんはバント組んでないの?」
「俺は基本ソロで活動してるかな。ネットにカバー動画出したりライブハウスに行って他バンドのヘルプをしてる。」
「私は普段バントのカバーをネットにあげてます。あっ、バントはずっと組みたいと思ってるんですけどなかなかメンバーが集まらなくて」
「へー何弾くの?」
「俺はjポップやアニソンを中心に弾いてるかな」
「私は結成した時すぐ対応できるようここ数年の売れ線バンドの曲は全部弾けます…」
「執念凄まじいね…」
「おっ!着いた。ここだよ〜。」
着いたライブハウスは地下に繋がっておりアングラな雰囲気が漂ういかにもロックな感じがするライブハウスだ。
後藤さんは顔面蒼白になりながら俺の制服の背中を掴んで隠れている。
???「あっ。やっと帰ってきた。」
扉の前まで階段やわ降りるとゆっくりスターリーのドアが開かれた。
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あとがき
ハーメルン初投稿です。
pixivでも連載してるので興味があったら見にきてね。
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