さまー•ざ•ろっく!   作:Gaku0721

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初ライブ2!

???「やっと帰ってきた。」

扉の前まで階段を降りるとゆっくりスターリーのドアが開かれた。

「リョウ〜!お待たせ!ヘルプのバントメンバー連れてきたよ。」

「ヘルプでキーボードを担当する蒼山です。よろしくお願いします。」

「あっ…ギターの後藤ひとりです…。」

「ジー…へぇ…」

ひとり•楽人(なんか睨まれてる!?)

「あっ!睨んでいるわけじゃないよ。リョウは表情が出にくいの!変人って言うと喜ぶよ。」

「嬉しくないし…」

ひとり•楽人(嬉しそう…)

「まだ時間があるからスタジオ入って練習しよう。あと、勝手に抜け出して店長が怒ってたよ。」

「う…嘘〜早く帰ってくる前に早くスタジオ行こ!ほら2人も遠慮しないで入って入って〜。」

そう伊地知さんに促されスタジオに入った。

「これが今日のセットリストだよ!」

「今回はインストバントとしてカバー曲を数曲やるんですね。」

「どう?…演奏できそう?」

「どれも一度は弾いたことがあったので大丈夫です。

「よかった〜。ひとりちゃんはどうかな?」

「あっ…はい大丈夫です。」

「じゃあ、最初一回合わせてそこからゆったり慣らしていこう!」

伊地知さんの指示を聞きキーボードを用意していると山田さんが興味深々な顔でキーボードを見てくる。

「そのキーボード、ヤマハのMONTAGE7 WHだよね。40万ぐらいする超お高いキーボード…。」

「よく知ってますね。父からのお下がりでキーボードを始める時に譲ってもらいました。後藤さんのギターも60万ぐらいするGibsonって言うギターですよね。」

「…はい…お父さんがギターやってていつも借りて演奏してます…。」

「これは期待できるかも…。」

「そういえばこのバンドのバンド名ってなんですか?」

「あーっうん…えっと結束バンドっていうの…」

「傑作…ぷぷ」

「あーもう!ダジャレとか寒いし絶対変えるから!」

「俺は結構好きですよ。結束バンド」

「もう!3人ともーそろそろ合わせ始めるよー!準備はいい?」

「大丈夫です。」

そうして最初の合わせが始まった。

Aメロが過ぎて3人の様子を見てみるとそれぞれに個性が出てきた。

山田さんは演奏のレベルは高く自分を強く持っている自信のある演奏。

伊地知さんは基本に忠実な演奏だという印象だった。

そして後藤さん、個人の演奏のレベルはこの中で一番うまい、でもそれを掻き消すかのような周りとのタイミングのずれが致命的だった。

「「ド下手だ…!」」

「エーーーー…」

「ぷぷっ」

そうして全く順調とはほど遠い初合わせが終わった。

初合わせが終わった後、後藤さんは完熟マンゴーのダンボールに身を包み、

「どうも…プランクトン後藤です…」

と売れないお笑い芸人みたいなことを言い始めた。

「しょうがないよ!即席バントなんだし。あたしだってそんなに上手くないし。」

伊地知さんが引きこもってしまった後藤さんをなんとか慰めようとしていた。

しかしどんどん段ボールの奥に沈んでいく。

「後藤さんはリードを聞いて合わせられる?」

そう聞くと後藤さんはひょこっと顔を出して少し頷く。

「OK。じゃあヘッドホンをつけてリードだけを聞こう。」

「リードだけ?」

「うん、それ以外の音は一切聞こえないけどそれに合わせれれば演奏のタイミングは問題ない。リードはキーボードの俺が担当してまだ演奏に合わせられる山田さんと伊地知さんもキーボードに合わせる。付け焼き刃だけど。」

「伊地知さんと山田さんのライブなのに申し訳ないけどあと30分で最低限合わせるにはこれしか無いと思う。」

伊地知さんと山田さんに視線をやると覚悟を決めたような顔で頷いてくれた。

「ありがとう。本番ギリギリまで合わせよう」

そしてなんとか付け焼き刃ながら合わせることに成功し、本番でも拍手をもらえるぐらいの演奏ができた。

「急造の即席バンドだったけどなんとかなったねぇ。」

伊地知さんはライブ後嬉しそうに言ってくれた。

「ぼっちもよくやってくれた褒めて遣わす。」

そう言いながら後藤さんの首をわしゃわしゃと撫でている。

「うへへへへへへへへへへ…」

「ちょっとリョウ〜ひとりちゃんにそんなデリケートなあだ名は…」

「ぼっ…ぼぼぼぼぼ…ぼっちです!」

伊地知さんが止めようとするが当の後藤さんは嬉しそうだ。

「なんか涙出てきた…」

「よーし今日はぼっちちゃんと蒼山くんの歓迎会兼反省会するぞー!」

「ごめん眠い。」

「きょっ今日は人と話過ぎたので帰ります…」

「え!?」

「結束力全然ない!!」

断られると思っていなかったのか伊地知さんは少し落ち込んだ顔でこちらを見てきた。

「楽人くんはどうかな?」

まるで捨てられた子犬みたいに少し震えて上目遣いでこっちを見てくる。

この子普段から男子をこうやって勘違いさせてきたのではなかろうか。

などと考えていたら伊地知さんは怪訝な顔で見ている。

「歓迎会はまた別日でやって覚えている内に反省会だけやりましょう。」

「うん!そうしよう!じゃあ反省会やっちゃおう…って居なーい!」

「え!?」

いつの間にか後藤さんと山田さんの姿は跡形もなく消え去っていた。

「うーん。とりあえずお腹すいたからどっか食べに行こ!」

「あっ…はい。」

そうして反省会(4人中2人欠席)が急遽始まった。

 




あとがき
虹夏ママに勘違いして告白して振られたい人生だった…。

虹夏ちゃんとどこまで行きたい?

  • 友達
  • 友達以上恋人未満
  • 恋人
  • 婚約者
  • 奴隷
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