さまー•ざ•ろっく!   作:Gaku0721

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反省会1!

STARRYから出て夜の下北沢を散策することになった。

 

「うーん。とりあえずお腹すいたからどっか食べに行こ!」

 

「伊地知さんは何か食べたいものとかある?」

 

「そういえば最近オープンした洋風カレーが美味しい喫茶店が出来てたからそこ行きたいかも。

あと、”伊地知さん”じゃなくて”虹夏”って名前で呼んで欲しいな。」

 

「どうして?」

 

「お姉ちゃんと呼ぶ時と同じだし、ちょっと距離を感じちゃうからかな。私も”楽人くん”って呼ぶから!」

 

「了解。これからよろしくね、に…虹夏ちゃん。」

 

「かしこまり!楽人くん!たはは…男の子の友達あんまりいないからちょっと照れるね〜。」

 

そんなこと言われるとこっちまで妙に意識してしまう。気を紛らわせるために虹夏ちゃんに問いかけた。

 

「虹夏ちゃんってバンドで達成したい目標とかあるの?」

 

そうすると一瞬、虹夏ちゃんが神妙な顔になった後で笑顔で

 

「私はバンドが人気になって武道館とかでライブ出来るぐらいに成長することかな」

 

と言った。一瞬、間があったと思ったが気のせいだと考えることにした。

 

「バンドマンなら一度は目指す王道な目標だね。」

 

「楽人くんのほうはなんか音楽やってて目標はあるの?」

 

「うーん…そうだな…俺は俺の音楽を聞いた人が笑顔になってくれるのが目標かな。」

 

「へー!いい目標だね!」

 

こんな具体性のない目標でも肯定してくれるのが純粋に嬉しいと感じた。

 

「ありがとう。虹夏ちゃん。」

 

「お店着いたよ!今日の反省会はここでやろう。」

 

「了解。」

 

そうして喫茶店のドアを開き店内に入った。

虹夏ちゃんが誘ってくれた喫茶店はレトロな雰囲気でとても落ち着く店内だった。

 

「とりあえず注文しよっか。」

 

テーブル席に座りメニューを開くと洋風カレーやスパゲッティ、サンドイッチなどの軽食が目に入った。

虹夏ちゃんはトマトクリームパスタとカフェオレ、俺はオススメされた洋風カレーを注文した。

 

「今日は本当にありがとうね」

 

虹夏ちゃんは注文を終えるとそう感謝の言葉を言ってくれた。

 

「いえいえ、俺はただリードのところを弾いただけでしたから」

 

「そんなことないよ。本番直前で私たちが焦っている時に冷静に改善案を出してくれたじゃん。」

 

「そう言ってもらえると嬉しいよ」

 

「楽人くんから見て結束バンドの演奏はどう思う?」

 

「うーん、これは合わせの練習の時に感じたんですけど虹夏ちゃんはサビ前に来るとドラムが走っちゃう癖があるなと感じたかな。」

 

グサッ…

 

「山田さんは一つ一つの技術は高いけど自分だけを見過ぎている癖がある。」

 

グササッ…

 

「後藤さんはバントメンバーに合わせられないって言う根本的な問題があると思う。」

 

チュドーン…

 

「やっぱりそうだよね…私達技術面でもチームワークでもボロボロだよね…」

 

燃え尽きて灰となった虹夏ちゃんがそこには居た。

 

「でも、とっても面白いバンドだと俺は思うよ。それぞれに個性があってお互い化学反応を起こして高め合っている。それを今日のライブで感じたよ。」

 

「ほっ…本当!?」

 

虹夏ちゃんが復活して喰い気味に聞いてくる。

 

「お世辞抜きで本当。このバンドは練習次第でとてもいいバントになるよ。」

 

そう答えると虹夏ちゃんは少しいつもとは違い真剣な顔で

 

「楽人くん、もしよかったら結束バンドに入ってくれない?」

 

そう問いかけられた。

正直、魅力的な話だった。このままひとりで他バンドのヘルプに入ったり、動画をネットに上げるよりも楽しそうだと。

 

「でも、俺は男ですよ。メンバーのバランス的に良くないんじゃないんですか?」

 

そう返答すると虹夏ちゃんは少しほっぺを膨らませて

 

「楽人くんだからいいと思ったの!」

 

と少し怒ったように反論してきた。

 

「分かった。分かった。引き受けるよ。」

 

そう答えると虹夏ちゃんはムフーと満足そうに

 

「ありがとう!これからよろしくね!」

 

と返事をしてくれた。

そんなことを話していると注文した料理が運ばれてきた。

 

「うわー美味しそう〜」

 

虹夏ちゃんは目を輝かせながらイソスタで写真を撮っている。

 

「それじゃあ、いただきます。」

 

「いただきまーす!」

 

洋風カレーは普段食べるカレーとは違いエビと牛骨の出汁が効いててとても美味しかった。

 

そう味わって食べていると虹夏ちゃんが

 

「楽人くん美味しそうに食べるね。私のパスタ一口あげるから楽人くんのカレーも一口ちょうだい!」

 

とねだってきた。

特に困ることではないので了承して新しいスプーンで一口よそって渡すとすごく美味しそうに食べている。

なんか餌付けしてるみたいで少し面白かった。

そんなことを考えてると虹夏ちゃんはフォークで一口分のパスタを巻取りこっちに向けてきた。

 

「ほら、楽人くんも一口。」

 

これはアーンをしろと言うことなのだろうか、しかも虹夏ちゃんが使ったフォークで…。

そんな邪推をしていると虹夏ちゃんは少しからかうような顔をして。

 

「なに〜アーンするの恥ずかしいの?」

 

「そういうわけじゃ…。」

 

「じゃあどうぞ!」

 

「…いただきます。」

 

そう、引くに引けず甘んじてアーンを受け入れた。

 

「どう?美味しい?」

 

「お…美味しいです。」

 

そう答えたがぶっちゃけ味は全く分からなかった。

そんなこんなで料理を食べ終えて食後のコーヒーを飲んでいると

 

「楽人くんってよくコーヒー飲めるよね。私苦いのはダメだ〜。」

 

「そう?慣れたら以外と美味しいよ。まぁ、俺は牛乳を混ぜるよりとそのままで飲みたい派だから。」

 

「えーカフェオレの方が美味しいよ〜。」

 

「分かった。分かった。今度また来たらカフェオレ飲んでみるから。」

 

「うん!また一緒に来よ!」

 

「そういえば後藤さんはメンバーには誘わないの?」

そう唐突な疑問を問いかけると虹夏ちゃんは

 

「あーー忘れてたぁーー!!!」

 

と突然叫び出した。

そんなこんなで会計を済ませて店を出て帰路についた。

 

「とりあえずぼっちちゃんにはバンドメンバーにならないかLINEで聞いてみるね」

 

「危ない危ない。気づかずに終わるとこだった。」

 

「楽人くんって家この辺?」

 

「そうだよ。場所で言うと下北沢高校とSTARRYの中間ぐらいかな。」

 

「結構近いんだね。あ、家ついた。送ってくれてありがとね!また明日学校でね〜。」

 

「お疲れ様。また明日。」

 

虹夏ちゃんをSTARRYまで送り帰路につくと唐突に喫茶店でのことがフラッシュバックしてきた。

 

「うあゝアア、可愛いすぎだろ!!」

 

唐突に夜道で叫んだことにより警察に職質されることになったのだった。

 




生まれてしまうッ…!
承認欲求モンスターッ!
「いいね くれー」

虹夏ちゃんとどこまで行きたい?

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