閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第九十六話

ー グランセル大聖堂 ー

 

ユリア「さて……私の正体はもう知っているみたいだが改めて自己紹介しよう。王国軍王室親衛隊のユリア中尉だ、今は情報部に追われてるがね。久しぶりだねリィン君、ルーアンでのオケアノス討伐戦以来かな?」

 

ユリア中尉は被ってた頭巾、ウィンプルを取り素顔を晒した

 

リィン「えぇ、お久しぶりです。あの時はありがとう御座いました。援護して頂いただけでは無く《アルセイユ》に乗せて貰ってルーアンに送らせてもらいました」

 

ユリア「ハハ、その《アルセイユ》も今は情報部が接収してしまったがね」

 

ユリア中尉は肩を竦めた

 

リィン「しかし、シスターに化けているとは…しかもこんな王城の近くに」

 

ユリア「リベール王家は七耀教会と深い繋がりがあってね、リシャール大佐の陰謀の際はこうして匿って貰ったのだよ」

 

リィン「成る程、それでユリア中尉………クローゼは…?」

 

ユリア「あぁ、その件で君達と接触したのだ。結論から言うとクローゼ…クローディア殿下は……奴等の手に…」

 

リィン「そう、ですか…囚われてる場所は何処ですか?」

 

ユリア「それは…まだ判らない。だが少し待ってくれないか?今信頼出来る遊撃士に王城に入って貰っている。君達も知っている者だ」

 

リィン「エステル達の事ですよね?いつの間に接触したんですか?」

 

ユリア「決勝の前日に、だ…正直どうやって女王陛下とコンタクトを取ろうかと頭を悩ませていたんだが……まさかデュナン公爵があんな事言うとは思わなかった。………こちらとしては助かったがね」

 

ユリア中尉は呆れた様なホッとした様な何とも言えない顔になった

 

ユリア「ところでリィン君、私からも君に一つ訊ねたいのだが構わないかな?」

 

ユリア中尉は真面目な顔になりリィンに訊ねた

 

リィン「…何ですか?」

 

ユリア「君は……殿下と『そういう』仲なのだろう?」

 

リィン「………えぇ、クローゼとは恋仲です。それが何か?」

 

ユリア「…知っての通りリベールは身分制度は廃止したが王族に関しては別なんだ」

 

リィン「………クローゼとは別れろと?」

 

ユリア「そうは言わない、只君に覚悟はあるのかと聞きたいんだ」

 

リィン「覚悟?」

 

ユリア「このまま殿下と付き合うという事は君は将来的にはリベールの王配になるという事だ。実権は殿下が握るだろうがね、それでも君は王配として相応しい振る舞いを求められる。そしてそれは君は自由を制限されるという事でもある。故郷に帰るのも親しい友人に会うのにも、な……」

 

ユリア「それでも君は殿下と愛し合うというのか?」

 

リィン「…王配か、確かにそうでしょうね、自由が制限されるのはキツいでも……俺はクローゼを愛してるし、このリベールも好きだ、この国が危機なら俺は幾らでも力を貸したい…そう思っています。答えにはなりませんが、今はこれしか確実に言えません」

 

リィンは己の胸に手を当て瞳をユリア中尉に真っ直ぐ向けた

 

ユリア「………そう、か…なら君を信用しよう姫様が君を信頼している様にね、済まない…試す様な真似をして」

 

リィン「頭を上げて下さい、何処ぞの馬の骨ともしれない者が王族に近づいて来たんです。警戒、排除しようとするのは寧ろ当然の対応でしょう」

 

ユリア「フフフ、そう言って貰えると助かるよ。さて…君にも頼みたい、リシャール大佐の野望を阻止してこの国を……リベールを救って欲しい、力を貸して…くれないか?」

 

ユリア中尉は再び頭を下げた

 

リィン「勿論です。大佐の思惑はどうであれリベールの為にならないのは明白…先程も言いましたが幾らでも力を貸しましょう」

 

ユリア「有り難う……リィン君」

 

リィンはユリア中尉との対談を終え大聖堂の真ん中で祈りを捧げていたフローラに声をかけた

 

リィン「何に祈ってたんだい?」

 

フローラ「セレストの安寧と…この国の平和を……」

 

リィン「そう、か……ホテルに戻ろう。エステル達が戻れば情報部との戦いが本格的に始まるかも知れない」

 

フローラ「はい……!」

 

そうしてホテルに戻った二人がベットに入り眠りに付き翌日……

 

  ー  コンコン  ー

 

朝食を摂りこれからの予定を話し合おうとしたら誰かがノックをしてきてフローラが拳銃を手にドアに近付き誰何した

 

フローラ「…どなたですか?」

 

エステル「あ、フローラさん?エステルだけど鍵開けてくれない?話しがあるの!」

 

フローラ「エステルさん?えぇ、今開けます」

 

エステルの元気な声が聞こえフローラは苦笑して拳銃をしまい鍵を開けた

 

エステル「お邪魔しま~す!」

 

ヨシュア「やぁ、おはよう」

 

ジン「邪魔するぜ」

 

エステルとヨシュアだけじゃなくジンさんも入って来たてきた

 

 

リィン「やぁ、豪華絢爛な晩餐会どうだった?

 

エステル「あ、うん、楽しかったけど…少しね…」

 

ヨシュア「話しがあって今日訪ねたんだ、時間空いてるかい?」

 

 

二人で顔を見合わせ聞いた

 

リィン「とりあえず座って?」

 

エステル達は王城内であった事を全て話した…女王陛下に会い依頼をされたことを含めて…

 

リィン「……話しは判ったよ、俺に何を求めるのかい?」

 

エステル「えっと…言い難いんだけど…力を貸してくれないかな?」

 

ヨシュア「今僕達はグランセルにいる遊撃士を集めているんだけどね。数が足りないんだ」

 

ジン「かと言って国内の遊撃士全てに招集掛けようにもテロ対策とやらでグランセルに通じる空港、関所全て取り締まりが強化されて呼ぶ事も難しくてな、お前さん達なら実力もあるからこうして声をかけたという訳さ」

 

リィン「良いですよ」

 

エステル「危険だから無理なら…って良いの?」

 

リィン「良いも何も…事情知ってるんだから断る訳無いじゃないか」

 

エステル「えっと…?」

 

ヨシュア「助かるよ、なら悪いんだけどこれからギルドに向かってくれないかな?僕達はこれから他の遊撃士にも声をかけるから」

 

リィン「ん、判った準備整えたら直ぐに向かうよ」

 

ジン「悪いな、アイスフェルト…それじゃあ俺達はお暇させて貰うぜ」

 

そう言ってエステル達は出て行った

 

リィン「フローラ、チェックアウトの手続きを、俺は荷物を纏める」

 

フローラ「承知致しました。直ぐに取りかかります」

 

リシャール大佐との対決の火蓋を切るカウントダウンが始まった…

 

 

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