閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第九十七話

ー 遊撃士ギルド グランセル支部 ー

 

エルナン「………以上が現在進行している情報部のクーデター計画の詳細になります。それを踏まえた上王都支部はで女王陛下の依頼をお受けしたいと思っています」

 

「「「「………」」」」

 

 

リィン達も含めた現在集められる遊撃士全てに対して情報部のクーデター計画を明らかにした

 

クルツ「……まさか、そんなだいそれた陰謀が進行していようとは……ク!、見抜けなかった自分の不甲斐なさに腹ただしい限りだ!…」

 

アネラス「確かにあの特務兵って連中胡散臭そうではあったけど…リシャール大佐の兵って事で信じちゃってみたいね」

 

カルナ「しかも空賊事件やダルモア市長の事件までも裏から操っていたとはねぇ……随分と遊撃士(アタシ)達を舐めてくれるじゃないか……!」

 

グラッツ「こりゃあ、落とし前をつけないとどうにも収まりがつかないな…」

 

当たり前だが遊撃士勢はそれぞれ不愉快な表情をしている

 

エルナン「それでは皆さんも協力して下さるという事で構いませんか?」

 

グラッツ「勿論だぜ!」

 

カルナ「遠慮なくこき使っておくれ…」

 

クルツ「借りは…返えさせて貰う」

 

アネラス「アタシも喜んで!」

 

カルナ達ベテラン遊撃士勢は満場一致で協力する事を了承した

 

エステル「うわぁ~凄い事になったわね」

 

ヨシュア「うん、流石に頼もしい限りだね」

 

エルナン「作戦会議の前にリィン君、本当に宜しいのですか?貴方方は遊撃士では無いので危険な事に首を突っ込む義理は無いのですよ?」

 

エルナンはフローラから受け取ったゼムリアストーン製の籠手の具合を確かめているリィンに訊ねた

 

リィン「エルナンさん、気遣い有り難うございます…ですが俺にも戦う理由はあります」

 

エルナン「理由、ですか?」

 

籠手を腕に装着したリィンはエルナンに言った

 

リィン「えぇ………俺もこの国が好きです。リシャール大佐の謀反が如何なる理由だろうがリベールの為にならないのは明白てすから、だから…俺も戦います」

 

アネラス「リィン君……」

 

グラッツ「言うじゃねぇか…」

 

カルナ「へぇ~」

 

クルツ「ふむ…」

 

エステル「そんなこと言って〜クローゼとのデート台無しにされたくないんじゃないの〜?」

 

リィン「正直それもあるな…ま、エステルはもうちょいヨシュアと積極的にいっても……」

 

エステル「ワー!ストップ、ストップ!勘弁して!!」

 

ヨシュア「???なんの話?」

 

その場にいるヨシュア、エステル除いた全員が笑った

 

アネラス「アハハ〜良いなあ、アタシもそんな出会いしたいなあ」

 

カルナ「フフ、良いじゃないかい…」

 

グラッツ「ハハハ!好きな娘の為か!悪く無いじゃねぇか!」

 

クルツ「ふ、そこまでの覚悟なら文句は無い」

 

ジン「エルナン、大丈夫だぜコイツの腕前は俺が保証する。何よりカシウス殿の弟弟子だからな」

 

エルナン「……判りました、ではリィン君を民間協力者として扱います。宜しくお願いしますねリィン君、それと彼女は…」

 

フローラ「ご心配なく、私も戦えますので」

 

フローラは銃を構えながら答えた

 

エルナン「……では貴女もお願いします。では少し遅くなりましたがこれより具体的な救出作戦を練ることにしましょう」

 

エルナン「人質の生命がかかっている以上余り悠長な作戦には出来ません。多少、力押しになりますが拠点攻略の形を取りたいと思います」

 

グラッツ「侵入ルートを探す時間も無いし確かにそれしか方法はなさそうだな」

 

カルナ「しかし離宮を攻略するとして役割分担をどうするつもりだい?」

 

クルツ「…陽動班と突入班の二つに分けるのが確実だろうな。何らかの騒ぎを起こして離宮にいる戦力を引き付けてからその隙に別働隊が突入する………」

 

ジン「しかし相手は王国軍の中でも精鋭にあたる情報部の特務隊だ。欲を言えば陽動時の要撃班と突入時の撹乱班が欲しいとこだな」

 

エステル「えっと…それってどういう事?」

 

ヨシュア「陽動して追いかけてきた敵を待ち伏せして叩くのが要撃班……敵を混乱させて突入しやすくさせるのが撹乱班だね」

 

エステル「成る程…でも…」

 

リィン「明らかに数が足りないな」

 

エルナン「えぇ、残念ながら…他の支部にも連絡したのですが関所や発着場が封鎖されている為遊撃士が此方に来られない状況です」

 

フローラ「加えて情報部以外、正規軍はモルガン将軍やシード中佐といった高級将校が拘束やら人質を取られ指揮系統は特務隊に組み込まれ宛にならない状態ですしね」

 

エステル「そっか………こういう時にシェラ姉やアガットが居てくれたらな……」

 

エルナン「無いものを嘆いてもどうにもなりません。やはり別の案を検討して…」

 

「いや、足りない戦力は私達に任せてもらおう」

 

突然女性の声がして一階からシスター…ユリア中尉が上がって来た

 

エステル「あ……!」

 

ヨシュア「ユリアさん…!」

 

ジン「おぉ、周遊道で会ったあの時のシスターじゃないか」

 

ユリア中尉は被っていたウィンプルを脱ぐとその場にいた全員に自己紹介した

 

ユリア「初対面の人間が多いから自己紹介しよう、私は王室親衛隊隊長ユリア・シュバルツ中尉だ。貴方方の作戦に親衛隊(我々)も協力させて欲しい」

 

ー 十分後 ー

 

エルナン「成る程…お話しは判りました。貴女を含めた九人の親衛隊隊士が協力してくださるという訳ですね」

 

ユリア「あぁ、皆それぞれの方法で王都に潜伏している最中だ。だが一時間以内に全員集結させる事が出来るだろう」

 

エステル「そ、それは良いんだけどさ……ユリアさんどうしてアタシ達が救出しようとしてるって判ったの?」

 

ヨシュア「僕達はそれを伝え様と大聖堂に行ったんですけど、ユリアさんは会えなかったんですが…」

 

ユリア「そうか、済まなかったね。ただ、君達が陛下から依頼を受けたのは知っていた。それも昨日の夜のうちにね」

 

エステル「昨日の夜!?それって、アタシ達が女王様に会ってたすぐ後って事?」

 

ユリア「フフ……その通りだ。我々は情報部も知らない特殊な連絡手段を持っていてね、君達の手助けするよう陛下からご指示があったのさ」

 

エステル「特殊な連絡手段?」

 

ユリア「ふむ、何とも言ったらいいか……」

 

リィン「それは後でも良いんじゃないかな?今は戦力をどう振り分けるのか決めましょう」

 

エルナン「えぇ、これで作戦の成功率が上がりました。早速役割分担を決めましょう」

 

ユリア「了解した。まずは陽動だが……これは我々親衛隊のうちの五人が担当しよう」

 

グラッツ「確かにな、指名手配中のアンタ達が現れれば敵も引っかかる可能性が高いな」

 

ユリア中尉は頷いた

 

ユリア「あぁ、そういう事だ。具体的には周遊道の外れに停泊している情報部の特務飛行艇を狙うつもりだ」

 

ジン「そういや立ち入りを禁止している区画があったな。まさか飛行艇が置かれてるとは………」

 

ユリア「我々の調査だと数名の特務兵が常に見張りをしている様だ。これを叩き離宮に親衛隊が現れたと報告させて主力をそちらに引き付ける」

 

アネラス「それを叩くのが要撃班の役目ね」

 

クルツ「ならば要撃班は我々が引き受けよう」

 

グラッツ「あぁ!森の中の戦闘は慣れているからな!」

 

カルナ「銃使い(ガンナー)もここにいるし……悪くないねぇ…」

 

遊撃士メンバーは納得して要撃班に入る事を承知した

 

エルナン「正に適材適所ですね。では撹乱班と突入班は……」

 

ユリア「撹乱班は陽動班と同じく親衛隊メンバーか務めよう。その方が特務兵達の注意を引き付けられる筈だ」

 

エステル「という事は……」

 

ヨシュア「僕達が突入班になって人質を解放するんですね」

 

リィン「俺達も突入班か……」

 

ジン「皆のお膳立てがあって初めて成立する大事な役割だ。気合い入れないとな」

 

エステル「う…そう言われるとかなりプレッシャーが…」

 

ユリア「フフ……そう心配する事は無いさ」

 

カルナ「そうさね、アンタ達は武術大会の優勝メンバーなんだ。リィンも実力は確かだしねぇ」

 

アネラス「アハハ、お祖父ちゃんの見込んだ子だから問題無いですよ」

 

エステル「みんな………うん!頑張るぞー!」

 

ヨシュア「ハハ、エステルらしいね」

 

エルナン「これで作戦が決まりましたね…決行は夜、夜陰に紛れて行います。その間に各自用事を済ませたり消耗品の補充をしてください

 

エステル「あ、じゃあ今の内に片付けられる依頼済ましておこっか?」

 

ヨシュア「うん、それが良いね。合間に消耗品も補充しとかないとね」

 

そうして一旦その場は解散となった

 

リィン「さて…俺達も消耗品を買いに行かないか?」

 

フローラ「そうですね、弾薬も補充したいですし…」

 

アネラス「あ、ちょっと待ってリィン君、フローラちゃん」

 

ギルドを出ようとしたらアネラスさんに呼び止められた

 

リィン「?どうしましたアネラスさん、何か用事ですか?」

 

アネラス「あぁ…うん、ちょっとね……少し手合わせお願いしたいんたけど良いかな?」

 

 

そう言われギルドの修練場に案内されリィンとアネラスは向かい合った

 

リィン「こんな時に手合わせとは…どういう意図が?」

 

アネラス「うん、大丈夫作戦に影響ない程度の軽い仕合だけだから、ねぇ…リィン君から見てリシャール大佐はどのぐらい強いと思う?」

 

リィンはそう尋ねられ少し考えながら口を開いた

 

リィン「………カシウス師兄やアリオス師兄よりやや下、俺やエステル達は純粋な一対一では大佐の方が分が上でしょう。シズナ師姉は……どうだろう?」

 

アネラス「うーん、やっぱり私と同じ見立てか〜というかシズナって……黑神一刀流のシズナ・レム・ミスルギ?……君《斑鳩》とも交流あるんだ?」

 

リィン「まぁ…それより大佐の件を出したという事はやっぱり…?」

 

アネラス「うん、大佐と戦う可能性は零じゃないからね。付け焼き刃だけど中伝の君と仕合して少しでも勝算を上げたいんだ。八葉一刀流 ユン・カーファイの孫娘としても醜態晒したくないからね」

 

アネラスさんは自身の太刀を抜いた

 

アネラス「だからこんな時で悪いけど付き合って貰うね……!」

 

リィン「ハハ…そう言う事なら喜んでお相手致しましょう!」

 

リィンも太刀を抜き構えた

 

アネラス「フフ、ありがとう…終わったら何か奢るわね『弟弟子』!」

 

リィン「胸をお借りします。『姉弟子』!フローラ、合図を…」

 

フローラ「はい…それでは両者構え……始め!」

 

 

 

 

 

ー 三十分後 ー

 

アネラス「あう!?」

 

フローラ「そこまで!勝者リィン様です!」

 

アネラス「ハア、ハア……や、やっぱり強いなぁ〜流石お祖父ちゃんやカシウスさんの手ほどき受けただけあるね…」

 

アネラスさんは片膝をついて荒れた息を整えた

 

リィン「いえ……アネラスさんも十分強いですよ。何度危ない場面になった事か」

 

リィンも太刀を収めながら言った

 

 

アネラス「アハハ、私はお祖父ちゃんから一通りの型を教わっただけだから正式な八葉の剣士じゃ無いんだけとね」

 

リィン「だとしても剣士として俺は貴女を尊敬します。別の機会がありましたらまた手合わせ願います」

 

アネラス「うぅ…別の意味で無様晒せないなぁ、こちらこそねリィン君」

 

リィンはアネラスに手を差し伸べアネラスはその手を取り立ち上がるが少しよろけてリィンの胸に寄りかかってしまった

 

アネラス「あ………ッ/////」

 

リィン「ッと、大丈夫ですか?少し互いに仕合に熱が入り過ぎたか……」

 

アネラス「う、ううん!大丈夫大丈夫!ちょっと縺れただけだから、じゃ!今夜お互いに頑張ろうね!!(なにときめいてるのよアネラス!相手は年下の子なんだよ!?私はそんなチョロく無いでしょうがァぁぁぁ!)」

 

そう言ってアネラスさんは物凄いスピードで修練場を去って行った…

 

リィン「?どうしたんだろう、アネラスさん…やはり少しやり過ぎたか…?」

 

フローラ「いえいえ、乙女なだけですわ。時間が経てば元に戻りますから」

 

フローラはにこやかな顔で進言した

 

リィン「?そうか、……まぁ今はクーデターを止めるのが先か…じゃあ遅くなったが消耗品を買いに行くか」

 

そうして買い物も済ませ少し早く集合場所の周遊道の石碑に行き待機しそして……その時が来た

 

 




アネラスさんとの絡みは書きましたがこれでリィン君に好意をを抱くかはまだ未定です。
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