ー 20∶00 ー
エステル「集合場所って此処で良いんだっけ?」
ヨシュア「うん、石碑のある場所と言ってたからね、間違いないよ」
遊撃士グループも到着し準備を整え待っていた(アネラスさんは普段通りだった)
ジン「にしても親衛隊の連中遅いな…道中捕まってなければ良いが」
ユリア「遅れて済まない」
振り向くとユリア中尉以下九名の親衛隊が歩いて来た
エステル「わ、いつの間に…」
ヨシュア「改めて見るとよくその人数が王都に潜伏できてましたね?」
ユリア「我々の協力者は市民の中にも多数いるという事さ、こちらの準備は既に出来ている。何時でも作戦を始めても問題無い」
クルツ「そうか…ならエステル君、君が号令をかけてくれ」
エステル「……へ?わ、私!?こういうのはベテラン遊撃士のジンさんとかユリアさんがかけるべきじゃ?」
クルツ「今回の依頼は元々は君達が請け負った女王陛下直々の案件だ」
グラッツ「だな、お前さんが号令かけるのが筋ってもんだ」
ユリア「我々は部外者だ君達の判断に文句をつける筋合いは無いな」
リィン「エステル、難しく考える必要は無いさ」
ジン「その通りだ。ノリでいけ、ノリで」
エステル「〜〜///〜〜」
エステルは恥ずかしそうにしてたが諦めて全員の前に向いた
エステル「準遊撃士のエステルです……これよりエルベ離宮攻略作戦を開始します。各自己の役割を全うしてください!」
『『『『『『『『応!』』』』』』』
20∶30 ー エルベ離宮 ー
「潜伏していた親衛隊が飛行艇を襲撃したとの報告があった!この機会を逃さず一人残らず捕らえろ!」
『『『『『『『イエス・サー!』』』』』』』
予定通り飛行艇を襲撃した親衛隊に特務隊は主力を飛行艇待機場所に向かわせた…
ジン「良し!要撃班が上手く引き付けた!」
「我々が敵残存勢力を足止めします!その隙に貴方方は離宮内部に突入してください!」
エステル「判ったわ!」
ヨシュア「女神(エイドス)の加護を!」
親衛隊の別働隊はそのまま離宮の前庭に突入に特務隊と戦闘に入った
ジン「よしよし…俺達も内部に突入するぞ!」
「「「「了解!」」」」
ジンさんを先頭に素早く前庭を駆け抜けようとしたが気付いた特務兵二名が進行方向を遮る様に立ち塞がろうとしたが…
リィン「邪魔だ!」
フローラ「退きなさい!」
「「ぎゃッ!?」」
リィン達が素早く特務兵を吹き飛ばして池に落ちた。その勢いのまま扉を開け離宮内部に侵入した
エステル「ここが《エルベ離宮》……お城に負けない位豪華ね…」
ヨシュア「まぁ元々王家の所有の建物だからね」
リィン「囚われた人達は何処にいるんだろう?」
フローラ「幸い大きな建物では無いので虱潰しに部屋を調べましょう!」
ジン「だな、だがグズグズしていると前庭にいる連中が戻ってくる!迅速にいくぞ!アイスフェルト!お前はフローラ殿と右側を調べてくれ!俺はエステル達と左側を調べる!」
リィン「判りました!フローラ!」
フローラ「はい!」
二手に別れリィン達は最初に図書室を調べ誰もいない事を確認し次の部屋を開けると特務兵達と離宮に勤めている職員が拘束された状態で詰めていた
「な、何だ!お前達は!?」
リィン「敵に、決まってるだろうが!」
フローラ「排除します!」
特務兵と戦闘になったがリィン達の相手にならず直ぐに無力化した
「き、君達は……!?」
拘束されていた職員を解放していたら怪訝な顔で尋ねてきた
リィン「遊撃士協会と親衛隊の協力者です。皆さんを助けに来ました!」
「おぉ!遊撃士協会と親衛隊が動いたか!」
「あぁ女神よ感謝致します!」
フローラ「他の方々はどちらに?」
「あ、あぁ…皆それぞれ別の部屋に拘束されている筈だ。そ、そうだ、姫様も奥の《紋章の間》という部屋に閉じこめられているんだ!!頼む!君達の手で姫様達をどうか…!」
リィン「勿論、必ず助けます。皆さんは危険ですのでこの部屋で待機していて下さい」
「わ、判った、君達に女神の加護を!」
リィン達はその部屋を出て廊下を走り次の部屋を覗いた。其処は元々来賓客が寝泊まりする寝室らしいが今は特務兵達の仮眠室となっていて何名か眠っていた
リィン「(起きてこられると面倒だな……フローラ!)」
フローラ「(畏まりました……さぁ、ゆっくり休みなさい)」
フローラは懐から催眠ガス入りボンベを取り出しピンを抜きゆっくり部屋に転がしながら扉をしめた
フローラ「これで中に居る者達は朝まで目覚めないでしょう」
リィン「良し、なら最後に《紋章の間》を目指すぞ」
再び廊下を走り抜けると奥にある《紋章の間》の扉が開いていた
フローラ「これは…?」
リィン「ジンさん達が先に着いて扉を開けたな、だが油断せず進もう」
用心深く進み中に入ると重要な儀式に使われるだけあって豪華絢爛な造りでそこには囚われていた人々の姿が、そして中央の調印台にいた美しいドレス姿の女性にエステル達が話していた…
エステル「あ、リィン!丁度良かった。こっちも敵を制圧し終えたわ、でこっちが……「リィン…!」…へッ…!?」
リィンの姿を見つけたクローディア……クローゼはリィンに駆け寄り抱きついた。
クローゼ「リィン……リィン!!」
リィンは抱きついてきたクローゼの髪を優しく撫でた
リィン「……済まない、遅くなった。怪我とかは無いか?」
クローゼ「ううん、大丈夫…来てくれるって信じてたから……」
リィン「そうか、良かった。しかし…ドレス似合ってるよ。とても綺麗だ」
クローゼ「フフ、そう言えば貴方にドレス姿見せるの初めてね」
エステル「あ、あの〜…?二人は知り合いなの?すっごい仲良いけど…って言うかリィンこれ、浮気じゃ…?」
二人の仲睦まじい姿に周りが呆然としていたがエステルが再起動して尋ねた
クローゼ「もう、エステルさん私ですよ」
エステル「え……………?あァぁぁぁ~!クローゼ!?」
クローゼ「もう、エステルさんったら直ぐに気付いてくれないなんてヒドいですよ」
クローゼはリィンの隣に立ちエステルの方に向いた
エステル「だ、だってクローゼ、ドレス着て髪伸ばしてたんだし……一体全体どうしたの?」
ヨシュア「………ごめんねクローゼ、エステルって人を疑う事を知らないから」
エステル「ちょっと!ソレどういう意味よ!?」
クローゼ「フフ、それがエステルさんの良いところだと思いますから…」
エステル「むぅ……ところで、どうしてクローゼが此処に居るの?それに例のお姫様か何処にも居ないんですけど……?」
ナイアル「あのな……目の前に居るだろうが、今お前さんが話している方が陛下の孫娘のクローディア姫殿下だよ」
一緒に囚われていたリベール通信の記者のナイアルが呆れた顔でエステルに教えていた
エステル「……えッ?………………えぇぇぇぇぇぇッ!?」
クローディア「ごめんなさい黙っていて、本当はエステルさん達と王都で再会した時に打ち明けるつもりだったんですけど……リシャール大佐に捕まってしまって……」
エステル「え、でも、なんで?何でお姫様が正体隠して普通の学校なんかに………!?そ、それにアタシクローゼの事どう呼んだらいいのか…」
クローディア「どうかそのままクローゼと呼んで下さい。クローディア・フォン・アウスレーゼ……本名の最初と最後を合わせた愛称なんです」
エステル「そうだったんだ……えっと、じゃあその髪は……?」
クローディア「あ、これはヘアピースです。流石に同じ髪型だと学園生活に支障がきたしそうだったので……」
ナイアル「全く迂闊でしたよ……そのお姿は写真で拝見していたのに市長邸の事件の時さっぱり気づきませんでしたよ」
クローディア「うふふ、ごめんなさい、デュナン叔父様やダルモア市長も気付かなかったみたいですし意外と効果はあったみたいですね」
エステル「そっか、考えてみればあの公爵も親戚なのよね…というかリィン?何でクローゼがクローディア姫だって事私達に黙ってたのよ?」
エステルはジト目でリィンに視線を向けたがリィンは肩を竦めた
リィン「別に隠して訳じゃ無いが?クローゼの安全を考えれば知っている人間の数が少ない方が良いからな、最もヨシュアはそれとなく気付いていたみたいだけど?」
エステル「へ?」
ヨシュア「うん、僕もなんとなくそうだろうと思ってた。確証は無かったけどね。多分フローラさんも…」
フローラ「勿論存じてました」
エステル「じ、じゃあ気付かなかったの私だけ……?」
エステルはガックリと肩を落とした
ジン「お~い、何か良く分からんがクローディア姫に報告する事あるだろ?」
エステル「あ、そうだった…」
エステルはこれまでの経緯を説明して女王陛下の依頼で救出に来た事を伝えた
クローディア「そうだったんですか………エステルさん、ヨシュアさん、ジンさん…と仰いましたか、そして……フローラさん………リィン、助けに来てくださって本当にありがとうございます」
エステル「アハハ、気にしないでよ。捕まってたのがクローゼだと知ってたら頼まれなくても助けに来てたし」
ヨシュア「確かにその通りだね。それに、僕達より陛下に感謝した方が良いと思う。御自分の身を顧みずに君の救出を依頼したんだから」
ジン「確かに、姫殿下さえ無事なら大佐の要求も拒否する事が出来る………死すら覚悟なされているかもしれませんな」
クローディア「はい………お祖母様はそういう方です。何とか手を打たなければ今度はお祖母様の身が……」
リィン「……クローゼ……」
リィンがクローゼを抱き寄せようとしたその時…
「フフフ、茶番はその位にしてもらおうか…」
突然聞こえた男の声に振り向くと入って来た扉から特務兵の兵士と将校が小さな女の子に銃を突き付けながら入って来た…
「ひ、姫様〜」
クローディア「リアンヌちゃん!?」
全員武器を再び構え特務兵と対峙したが…
エステル「な、何で女の子が!?」
クローディア「モルガン将軍のお孫さんです……!ハーケン門に監禁された将軍を動かす為に連れてこられたらしくて……」
ヨシュア「女王陛下に対する君と同じということか………!」
フローラ「リィン様、あの男は……!」
リィン「あぁ!間違い無い……グランセルに行く途中で俺達を詰問してきた将校だ!」
「ふん、貴様らはあの時のエレボニア人か…やはり無理矢理にでも拘束しとけば良かったか…まぁ良い、動くなよ?只の脅しだと思わない事だ……我々情報部員、理想の為なら鬼にも修羅にもなれる!」
エステル「そ、そんなの威張れる事じゃ無いでしょうが!」
リィン「その通りだ!護るべき同胞……それも幼子を盾にして…恥を知れ!」
クローディア「中隊長、取り引きをしましょう。その子の代わりに私を人質にしてください」
「おっと……その手に乗りませんぞ。流石に我々といえど王族に手にかける勇気は無い。それと比べるとモルガン将軍の孫娘というのは丁度よろしい、人質としての価値はあるし傷つけても問題無さそうだ」
クローディア「貴方方は……!」
エステル「……サイテー……」
ジン「やれやれ、腐った連中だな…」
全員が将校に軽蔑した視線を浴びせた
「ふん、何とでもほざくが良い、そろそろキルシェ通りから巡回部隊が帰還する頃合いだ。親衛隊、遊撃士諸共此処で一網打尽にしてくれるわ!」
「あーそれは無理ってものよ。此処に来る途中にアタシ達が倒しちゃったからね」
「は……?ふぎゃっ!?」
「な、なぁ!?」
突如聞き覚えのある声がしたかと思うと入口から女性が素早く特務兵を吹き飛ばして女の子の前に立った
「ふ、ふぇぇぇぇぇ」
「よしよし、もう怖くないからね」
シェラザード「エステル、ヨシュアも随分久しぶりじゃない。リィンもフローラも奇遇ねぇ」
エステル「シェ、シェラ姉!?」
ヨシュア「来てくれたんですか…」
フローラ「ふぅ、何が奇遇よ。判ってて言ってるんでしょう?」
リィン「あはは、お久しぶりですシェラザードさん」
「き、貴様ら何を悠長に挨拶しておるかああっ!」
「やれやれ、無粋の極みだねぇ…」
またもや聞き覚えのある声がして銃声がしたと思うと将校の持っていた拳銃を弾いた
「なっ!?」
その隙にリィンとシェラザードが将校の懐に入り…
リィン、シェラザード「「寝ていろ!!」」
「ひッ…ぐぎゃ!?」
…二人の拳が将校の顔面に刺さり将校吹き飛び気絶した
エステル「うわ…エゲツな〜って今撃ったのって…」
ヨシュア「オリビエさんですか?」
「ふ、その通り」
オリビエはそう言って入って来た。
オリビエ「いやいや真打ち登場ってところかな?」
エステル「いや、アンタが何故いるの?それにシェラ姉も…?」
シェラザード「はいはい、落ち着きなさい。順番に説明するから、でもその前に……
リィン貴方何でクローディア姫殿下の隣をさも当然の様に陣取ってるの?」