シェラザード「……成る程ね、はぁ〜…まさかリィンがクローディア姫と《そういう仲》だとはねぇ……お姉さん驚いたわ。フローラも寂しいんじゃない?」
クローゼとの関係を詳しく話すとシェラザードはため息をついてその後フローラを茶化した
フローラ「別に?リィン様が幸せなら私も幸せよ。リィン様との関係が変わる訳じゃないし」
シェラザード「アンタも変わらないわねぇ。………所で土産に酒ある?」
フローラ「あるわけ無いでしょ、それに本気で酒控えなさいよ。身体が資本の遊撃士が酒で身体壊したなんて洒落にもならないわよ?」
フローラは久しぶりに会うシェラザードさんに呆れて酒量を控える様に注意しているとジンさんが割って入ってきた
ジン「ハハ、しかし久しぶりだなシェラザード見違えたぞ」
シェラザード「ご無沙汰しています。まさかジンさんがリベールにいるとは思いませんでしたが…まぁジンさんがいればエステル達は心配していませんでしたが」
ジン「ははっ、そりゃ買い被りってもんだぜ。しかしお前さん別嬪になったなぁ、以前会った時よりも美人になってるぜ」
シェラザード「あ、あらありがとう、お世辞でも嬉しいわ」
オリビエ「むむ、そこはかとなくジェラシー、僕のこと散々もて遊んでおいてゴミのように捨てるのねっ」
オリビエが何時もの如くおちゃらけたが……
シェラザード「あぁオリビエ、アイナが会いたがってたわよ。また一緒に呑もうだってさ、フローラもどう?」
フローラ「そうね、偶には良いかもね『自称』愛の吟遊詩人さんと呑むのは」
オリビエ「ごめんなさい、僕が悪うございました」
よほど嫌らしく直ぐに降参した
エステル「もう…シェラ姉も相変わらずなんだから」
ヨシュア「でもシェラさんよく王都に来られましたね?王国軍が関所を封鎖している筈ですが…」
シェラザード「えぇ、だからヴァレリア湖からボートを使って移動したわ。で、王都の波止場に上陸した訳」
ヨシュア「成る程、考えましたね」
エステル「でもどうしてシェラ姉がスチャラカ演奏家と一緒に居るの?」
シェラザード「王都のギルドにばったり出くわしてしまってね。スッポンみたいにしつこいから仕方なく連れてきたのよ」
オリビエ「ハッハッハ。こんな面白そうなこと僕が放っておくわけないだろう」
リィン「面白そうって……相手はプロですよ、魔獣とは訳が違いますが?」
オリビエ「フ、心配無用…僕とて甘くみていないよ。所でそちらのお嬢さんが………」
エステル「あ、紹介するわ。女王陛下の孫娘のクローディア姫殿下よ。アタシとヨシュアの友達でさっきも聞いた通りリィンの恋人よ」
クローディア「もう!エステルさんったら…はじめましてお二人とも。助けに来てくださってありがとうございます」
エステルの紹介を受けてクローゼは一歩前に出て二人に感謝を述べた
シェラザード「お気になさらずに、これも遊撃士としての務めです」
オリビエ「フ、美しき姫君を救うのは紳士として誉れというからねぇ。お会いできて光栄だ、プリンセス……ところでリィン君との出会いを聞いてもよろしいかな?」
ナイアル「お!それは俺も気になりますな!」
シェラザード「こらこら男共、乙女の秘密を暴こうとするな」
オリビエ「と言いつつシェラ君も気になってるのでは無いかい?」
シェラザード「………まぁ否定はしないわよ。リィンはどうやって射止めたのかしら?」
クローディア「フフフそれはノーコメント、ですが……」
クローゼはリィンの脇に寄り添い顔を紅くしながら答えた
クローディア「少なくとも私は彼を愛してると自信を持って言えますわ」
シェラザード「あらあら、愛されてるわねぇリィン…結婚式には呼びなさいよ」
リィン「気が早いですよ。シェラザードさん…そうなれば嬉しいですが」
オリビエ「おやおや…これ以上聞くのは野暮かな、おや?」
ユリア「クローゼ!ご無事でしたか!」
そこにユリア中尉と白ハヤブサのジークが駆けつけてきた
クローディア「ユリアさん!ジーク!」
ジーク「ピューイ!」
ジークは嬉しそうにクローゼの周りを飛んで満足したらしくユリア中尉の腕に停まった
クローディア「ふふ、良かった。また会うことができて……」
ユリア「殿下、よくご無事で……本当に……本当に良かった……」
クローディア「ユリアさんも……元気そうで良かったです」
その後陽動を行っていた親衛隊員や遊撃士も合流し他の人質を休ませてからエステル達は状況確認を行う事にした
ー 21∶00 ー
エステル「じゃあジークって親衛隊の伝令なんだ?」
ジーク「ピュイ?」
ユリア「あぁ、正確には殿下の護衛兼伝令係だ。君達のホテルに手紙を置いたのもジークだ」
エステル「あ…あの時の!」
ヨシュア「やはり…では女王陛下の依頼をユリアさんが知っていたのは…」
ユリアま「あぁ、女王宮の陛下から直接、ジークを介して教えて頂いた」
ユリア「だが、殿下がいたあの広間にはジークが侵入できる窓がなくてね。連絡出来なくて本当に心配したよ」
エステル「全くもう……驚かせてくれるじゃない。こらジーク、手紙だけ置いて姿見せないなんて薄情じゃないの?」
ジーク「ピュ〜イ……」
エステルはジト目でジークに抗議したら申し訳無さそう(?)に鳴いた
クローディア「ふふ、『ごめんなさい』ですって…」
エステル「もう…ところで特務兵達はどうなったの?」
ユリア「あぁ、離宮に詰めていた者達はほぼ拘束出来た」
フローラ「武装解除した上で一か所に閉じ込めたので心配いらないでしょう。ですがグランセル城の動向が気になりますね」
シェラザード「各地の王国軍は未だに情報部の統制下にある。下手したら叛乱軍としてここを鎮圧されかねないわ」
リィン「確かに…どれほど個人の『武』が優れようとも『数』に対抗するには限度がありますからね」
エステル「うわ……そこまで考えてなかったわね」
ヨシュア「そうですね……クローゼだけでも別の場所に避難させた方が良いかもしれません」
クローディア「………」
オリビエ「ならば帝国か共和国の大使館に保護を求めてみてはどうだろうか?大使館内は治外法権だ…簡単に手出し出来ない筈だよ」
ジン「さっきの襲撃で鹵獲した飛行艇で亡命する手もあるな、根本的な解決にはならないが時間稼ぎにはなるだろう」
ユリア「そうだな……どうお逃しすべきか……」
クローディア「………」
リィン「…クローゼ……?」
クローディア「あの……っエステルさん今の状況で私から依頼する事は可能でしょうか?」
エステル「え?どうしたのクローゼ?」
ヨシュア「女王陛下の依頼は完了したから依頼は可能だよ。勿論依頼内容にもよるけどね」
クローディア「でしたら……無理を承知でお願いします。王城の解放と女王陛下の救出を手伝って頂けないでしょうか?」
ユリア「で、殿下……」
エステル「そっか……そうよね、今度は女王様を助けないと!」
ジン「正直、その話になるかと思ってたぜ。だが姫殿下……その依頼はかなり難物だ」
シェラザード「そうね……ここにいる戦力を全員集めても正面から落とすのは不可能だわ」
ヨシュア「あの特務艇を使えば可能性はあると思いますが……ただ余程上手い仕掛けが必要になりますね」
リィン「だが何の策も無く言った訳でも無いんだろうクローゼ、何か勝算のある一手が……」
クローディア「えぇ……まぁけど策と呼べる物では無いわね。これを見てください」
クローディアは古い地図を広げた
エステル「これってどこの地図?かなり古い地図みたいだけど……」
クローディア「王都の地下水路の内部構成を記した古文書です………
これに王城地下に通じる隠し水路の存在が記されています」
ー 22∶00 ー
リィン「……流石王家所有の建物だな…」
クローゼからもたらされた情報を基に作戦を立て翌日の決行に備え各自あてがわれた部屋で休息を取っていたがリィンは寝つ無かったので離宮を見学していたがエステルとヨシュアに出会った
エステル「あ、リィンどうしたのこんな夜中に?」
リィン「やぁ、少し眠れなくてね。せっかくだから離宮の中を見学してみようかと思ってね。そういう二人は?」
ヨシュア「僕等も似たような物だね。結果がどうであれ明日で全てが決まるから眠れなくてね」
リィン「明日………か、エステル達にとっては大変な正遊撃士試験の旅だったね」
エステル「全くよ、父さんが送ってきたあの『ゴスペル』が全てのきっかけだったわ」
ヨシュア「でも、結局『ゴスペル』がなんの為に造られて何故リシャール大佐が欲したのか判らない事ばかりだ」
エステル「ま、それは本人に直接問い質せば良いんじゃない?明日は女王様を助けてね、まぁリィンが一番大変そうだけどね?」
リィン「うん?どういう意味かな?」
エステル「ほら、クローゼとの仲を女王様に認めて貰わなきゃいけないじゃない?未来の王配さん」
エステルはニマニマしてリィンに小突いてきた
リィン「エステルも人の事言えないと思うけど?……まぁ何にせよエステルの言う通り明日全てが決まる。鋭気を養わないとね」
ヨシュア「うん、そうだね。僕等は部屋に戻るけどリィンはどうするの?」
リィン「俺はもう少しぶらつくよ。良い夢を」
リィンはエステル達と別れ再び歩いていくと談話室から人の声がしたので入ってみると……
シェラザード「あ〜ら、リィンどったの〜〜?大人の時間に興味あるのかしら〜〜?」
オリビエ「シェラ君………勘弁して……これ以上呑めな…」
酒を呑んでいたシェラザードとフローラ、何故か倒れているオリビエも居た
リィン「えっと?フローラ、オリビエさんはどうしたんだ?」
フローラ「…シェラザードに捕まって、しこたま呑まされてダウンしました。呑ませた本人はご覧の通りケロッとしてますが……」
シェラザード「ちょっとフローラ〜〜!アンタだって呑ませたじゃない〜人のせいにしないでよ〜!」
フローラ「そうだったかしら?まぁそれはどうでも良いわ、リィン様も何かお飲みになりますか?勿論ジュースになりますが」
リィンはフローラの言葉に甘えてジュースを貰った
シェラザード「いや〜アンタと呑むのは久しぶりね〜これでアイナも揃えば愉しいんだけどね」
フローラ「それはこの事件が解決してからになるわよ。というかそんなに呑んで平気なの?酔っ払って戦力外なんて洒落にならないわよ」
シェラザード「へーき、へーき、明日に支障ない程度で抑えるわよ。でリィンに聞くけどお姫様とはどこまで《シタ》のかしら?」
リィン「………下品ですよシェラさん」
少し会話してシェラザードさん達と別れリィンは一つの部屋の前に立ちノックした
クローゼ『……どなたですか?』
リィン「クローゼ、リィンだけど部屋に入って良いかな?」
クローゼ『リィン?、どうぞ入って』
リィンがクローゼの部屋に入るとクローゼは既にドレス姿ではなく王立学園の制服に着替えていた
リィン「着替えたんだな?」
クローゼ「えぇ、流石にアレは動きにくいしね、丁度紅茶淹れてたのよ。一緒に飲みましょ」
クローゼは手早くテーブルに二人分の紅茶を用意した
リィン「一国の姫君の淹れた紅茶を飲めるなんて幸運だな」
クローゼ「あら、恋人なのだから遠慮なく飲んで良いのよ?」
クローゼは明るく振る舞っているが…
リィン「………やはり怖いか?」
クローゼ「………アハハ、やっぱり隠せないわね…うん、怖いわね。私の我儘でお祖母様を助けたいなんて依頼して、エステルさん達やユリアさんやリィンが傷付いてしまう可能性を考えてしまうと」
リィン「…俺はクローゼの判断が間違って無いと思うよ、仮に亡命したところでリベールが混乱の渦に陥る可能性が高いと思うしね。それに…この反乱はリシャール大佐個人のカリスマ性で成り立ってる。大佐さえ捕縛してしまえば残りの特務兵達は投降するだろう」
クローゼ「うん、そうなると思うわ。けど……」
リィン「大丈夫だよ、クローゼ」
リィンは席を立ちクローゼの側に寄りクローゼの身体を抱きしめた
クローゼ「リィン……」
リィン「エステルもヨシュアもジンさんもユリアさんも…他の遊撃士の人や親衛隊の方々だって君の力になる。勿論俺もフローラもね、皆この国が好きだから…だから……」
クローゼ「…有り難うリィン、お蔭で少し気が楽になったわ。そうね、王城を解放してお祖母様も助けてリィンの事紹介して認めてもらわなきゃ」
リィン「それは…難関だな」
その後リィンとクローゼは暫く話し込んでいた……