閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第百話

翌日

 

ー 10∶00 ー  《エルベ離宮》

 

ユリア「これよりグランセル城解放と女王陛下救出作戦を説明する」

 

紋章の間にてユリア中尉は作戦の概要を説明した

 

ユリア「まずは、ヨシュア殿、ジン殿、オリビエ殿、フローラ殿のチームが地下水路よりグランセル城地下へと侵入、親衛隊の詰め所へと急行し城門の開閉装置を奪取、起動する」

 

ヨシュア「了解です」

 

ジン「ま、でかい花火の点火役ってところだな」

 

オリビエ「フフ………いずれにせよ最終幕の幕開けには違い無い」

 

フローラ「承知致しました」

 

ユリア「城門か開くと同時に親衛隊全員と、遊撃士四名が市街から城内に突入。なるべく派手に戦闘を行い敵の動きを城内に集中させる」

 

クルツ「あぁ、任せてもらおう」

 

グラッツ「よっしゃ、腕が鳴るぜえ!」

 

ユリア「そして最後に……殿下、やはり考え直して頂けませんか?」

 

ユリアは納得しがたいと言った顔でクローゼの方に向いた

 

クローディア「ごめんなさい……お祖母様は私が助けたいんです。それに、私は一応飛行艇の操縦出来ますから………どうか作戦の役に立ててください」

 

リィン「というかクローゼ飛行艇操縦出来るのか……?」

 

クローディア「えぇ、ユリアさんにいざという時の為に基礎的な事は一通り教わったの」

 

ユリア「くっ……こんな事になるなら飛行艇の操縦などお教えするべきでは無かった……」

 

エステル「まあまあユリアさん。クローゼの事はアタシ達に任せておいて」

 

シェラザード「《銀閃》の名に賭けて必ずお守りする事を誓うわ」

 

リィン「無論、俺もクローゼを守ります」

 

ユリア「……判った、どうかお願いする。城内に敵戦力が集中した直後エステル殿、シェラザード殿、クローディア殿下、リィン殿の四名のチームが特務飛行艇で空中庭園に強行着陸。然る後女王宮に突入して女王陛下をお助けする」

 

エステル「了解ッ!」

 

ユリア「作戦決行は正午の鐘と同時ーそれまでに待機位置についてくれ。それでは各員、行動を開始せよ!」

 

『『『『『『イエス・マム!』』』』』』

 

エステル「………それじゃあヨシュア、気をつけてよね。くれぐれも無理しちゃ駄目なんだからね」

 

そうして互いに行動を始めヨシュア達もグランセルに一足先に戻るのをリィン達が見送りにきた

 

ヨシュア「うん、気をつけるよ。だから、君の方もくれぐれも先走らないように。自分の力を過信しないでシェラさん達と協力する事」

 

エステル「うん、判ってる。なんと言っても例の約束だってあるもんね!お互い、元気な姿でグランセル城で会いましょ!」

 

ヨシュア「うん……必ず………!」

 

リィン「………約束…?」

 

エステル「あ、それはまだ内緒ね。全てが終わったら話すわ」

 

リィン「まぁ…いいけど」

 

クローディア「ヨシュアさん、隠された水路にはどんな魔獣がいるか判りません。どうか気をつけてくださいね」

 

ヨシュア「判った。気をつけるよ」

 

リィン「フローラ、ヨシュア達のサポート頼んだぞ」

 

フローラ「はい、お任せください。リィン様も御用心を、女王宮に手練れが居ないとは限りませんので」

 

シェラザード「エステルの事は心配しなさんな。アンタと旅をして色々成長したみたいだからね。遊撃士としてだけじゃなくて女としても、みたいだけどね」

 

エステル「シェ、シェラ姉……」

 

ヨシュア「???……どういう事ですか?」

 

エステルは顔を紅くしてシェラザードに抗議しているがヨシュアの方はなんの事か判っていない

 

エステル「ま、まだ判らなくてもいいの!」

 

ナイアル「やれやれ、この非常事態に何とも頼もしいガキどもだぜ」

 

ジン「ははっ、全くだな。さて……そろそろ俺達は先に行くぞ」

 

ヨシュア「えぇ……では皆にも女神の加護を!」

 

そうしてヨシュア達はグランセルに向かった…

 

エステル「……ヨシュア……」

 

シェラザード「…………(ねぇねぇ、お姫様、リィン、やっぱりあの子達旅先で何かあったのかしら?)」

 

エステルの雰囲気の変化を感じ取ったシェラザードはクローディアとリィンに耳打ちして聞いた

 

クローディア「(ふふ………確かにそうかもしれませんね。二人共とても良い顔をしていらっしゃいましたから……)」

 

リィン「(俺が知る限りでも互いに意識してますからね。くっつくのは時間の問題かと…)」

 

エステル「ねぇ……三人ともなにをヒソヒソ話してるの?」

 

シェラザード「何でもないわよ、ねぇ?」

 

クローディア「えぇ、何でも無いですよ。エステルさん」

 

リィン「うん、気にしなくていいよ」

 

エステル「余計に気にするんだけど……」

 

ナイアル「やれやれ……それじゃあ俺もグランセルに戻るぜ」

 

エステル「あ、そうなんだ。でも大丈夫なの?一応アンタも囚われてたんだし顔知られてるんじゃ…」

 

ナイアル「なに、たかが一介の記者の顔を一々覚えていないだろうよ。それに…向こうさんもそれどころじゃないだろうからな。こんなスクープ逃して堪るかってんだ」

 

エステル「あッそ……凄い執念ねぇ」

 

エステルは呆れた顔で言ったがナイアルは事も無げに言った

 

ナイアル「それが記者の仕事だからな……という訳だから全てが終わったらお前さん達の独占インタビューも申込ませて貰うぜ」

 

エステル「えぇ~……それってやらなきゃ駄目?」

 

ナイアル「ま、それは後でも良いとしても本当ならクローディア殿下とリィン・アイスフェルトという少年の恋物語もインタビューしたいがな……」

 

ナイアルは寄り添ってるリィンとクローゼを見た

 

ナイアル「……馬に蹴られたくないからな『今』はやめとくぜ。それじゃあな」

 

そう言ってナイアルもグランセルに戻っていった

 

エステル「……はぁ、とりあえず私達も特務飛行艇のところに行こっか?」

 

ー 11∶00  ー 《特務飛行艇 停泊地》

 

エステル「情報部の特務飛行艇……まさかこんな形で乗るとは思わなかったわ…」

 

鹵獲した飛行艇を見たエステルは複雑そうな顔をした

 

シェラザード「なんというか……やたら趣味の悪い飛行艇ね。あの空賊艇といい勝負だわ」

 

リィン「リベール通信に写真付きで掲載されてた飛行艇ですか……あれ、あんな見た目でもRF社製の船ですよ。速度、機動性に関してはリベール製の船に引けを取らない性能ですよ」

 

シェラザード「あら、そうなの?意外ねぇ」

 

クローゼ「でもこちらの機体性能(スペック)もかなりの物である事は間違いありません。こんな船を、情報部はどうやって調達したのか……」

 

リィン「情報部の予算は王国政府が把握していた筈だろう?」

 

クローゼ「えぇ、その筈なんだけど……情報部に割り宛てた予算のミラでこのクラスの船一隻購入されたならすぐ気付く筈だけど、その痕跡が無いのよ」

 

エステル「うーん、そういえば、あの《ゴスペル》といい色々と謎が多いわね……」

 

「殿下、お待ちしてましたよ」

 

特務飛行艇からツナギ姿の青年が出て来た

 

クローゼ「ペイトンさん、お久しぶりです」

 

エステル「えっと……この人は?」

 

クローゼ「ペイトンさんと言ってアルセイユの整備をされている方です」

 

ペイトン「と言っても中央工房から出向してる技術要員ですけどね。《アルセイユ》が接収されて途方に暮れてたのをユリア中尉に拾われたんです」 

 

エステル「成る程……」

 

シェラザード「ふふ……よろしくお願いするわ」

 

ペイトン「ま、任せてください!一応、ロックは外して操縦出来る様にしました。かなりの高機動な船なので操縦する時はお気をつけて」

 

クローゼ「判りました」

 

エステル「それじゃ、早速乗り込みましょ!」

 

そう言って全員、特務飛行艇に乗り込み三つある座席の内の真ん中の操縦席にクローゼが座りシステムをチェックした

 

リィン「大丈夫か?」

 

クローゼ「えぇ、ペイトンさんの言う通りかなり扱いが難しいわ。でも普通に飛ばすだけなら何とか……」

 

エステル「よ〜し、いよいよね!腕が鳴るわ!」

 

シェラザード「はいはい、落ち着きなさい。リィン、作戦決行まで後何分?」

 

リィンは懐中時計を取り出し時間を確認した

 

リィン「……作戦決行まで後、五分です」

 

クローゼ「……なら離水するわね。導力(オーバル)エンジン始動!」

 

クローゼがそう言ってエンジンを始動し湖面を離水してある程度の高さまで上がったら空中に留まった

 

クローゼ「作戦開始と同時に一気に加速してグランセル城に急行して空中庭園に強行着陸します!リィン!カウントダウンを!!」

 

リィン「了解!作戦開始まであと三十秒………二十秒………十秒……九(ノイン)、八(アハト)、七(ズィーべン)、六(ゼックス)、五(フュンフ)、四(フィーア)、三(ドライ)、二(ツヴァイ)、一(アインス)、〇(ヌル)!!」

 

クローゼ「発進!!」

 

クローゼはスロットルを上げると特務飛行艇は加速し、グランセル城に急行した

 

エステル「見えた!グランセルよ!城門が開いてる、ヨシュア達が上手くやったんだ!」

 

シェラザード「親衛隊や遊撃士グループも突入して城内に入ったわ!今のところ上手くいってるわね」

 

クローゼ「このまま空中庭園に入り強行着陸します!」

 

飛行艇がグランセル城の空中庭園に入ると予想通り特務兵の数が少なく城内に侵入した親衛隊達の迎撃を優先した様だ。そして着陸してエステル達突入班がグランセル城に降り立った

 

カノーネ大尉「エ、エステル・ブライト!?それに…クローディア殿下!?ってリィン・アイスフェルト!?何故貴様がここに!?」

 

エステル「またお邪魔するわよ!カノーネ大尉」

 

クローゼ「お祖母様を解放して頂きます!」

 

カノーネ「な、舐めるな!小娘が……「悪いが時間が惜しいのでな、寝ていろ!」…な!?」

 

カノーネ大尉が言い終わる前に取り巻きの兵諸共リィンが素早く叩きのめし気絶させた

 

シェラザード「鬼気迫るというか……妙におっかない女だったわね。何者なの?」

 

エステル「リシャール大佐の副官よ。典型的な女狐って感じ」

 

シェラザード「成る程そんな感じね。リィンも面識あるような口ぶりだったけど…?」

 

リィン「何度か顔を見ましたけど、話したのは一回だけですよ。それより…」

 

シェラザード「そうね、目指すは女王宮ね!」

 

クローゼ「はい、急ぎましょう!」

 

女王宮に入るとデュナン公爵と特務兵達がいたが公爵が女性陣、特にエステル、シェラザードを怒らせる発言してしまいボコられた後公爵の執事フィリップの懇願により気絶した公爵達はフィリップに任せて女王のいる部屋まで走り抜けエントランスにいる女王と対面した

 

クローゼ「お祖母様、大丈夫ですか!?」

 

エステル「女王様、助けに来ました!」

 

気付いた女王が振り向きクローゼ達の顔を見た

 

アリシア女王「クローディア……それにエステルさんも…それと……」

 

アリシア女王はリィンの方を向いた

 

クローゼ「お祖母様…?」

 

「やれやれ、待ちくたびれたぞ」

 

男の声が聞こえアリシア女王の脇に立っていたのはロランス少尉だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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