閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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何時も読んで下さりありがとう御座います。終幕までもう少しお付き合いください


第百三話

ー グランセル城宝物庫前 ー

 

ヨシュアは宝物庫の扉の前に立ち痕跡を調べていた

 

ヨシュア「……間違いありません。つい最近まで出入りしていた様な痕跡があります」

 

シェラザード「……それだけじゃ無いわ。かなり重量のある物も運び込まれた様な跡もある」

 

アリシア女王「恐らく予備の鍵を使って中で『何か』をしていたのでしょう。調べて見る必要がありますね」

 

アリシア女王は自ら持っていた鍵を宝物庫の鍵穴に挿し込んだそして中に入ると………

 

ユリア「こ、こんな場所にエレベーターが……こんな物無かった筈なのに!!」

 

宝物庫の床に穴が空いてそこにエレベーターが設置されていた

 

ジン「わざわざ大佐が建造させたという事か……とすると、このエレベーターで《輝く環》が封じられた場所に降りる事が出来るわけですな」

 

アリシア女王「えぇ……恐らくこれこそが今回のクーデターを起こした真の目的だったのかも知れません。王城を占拠でもしない限りこんな物を造るのは不可能ですから」

 

エステル「ま、まさかそんな……」

 

オリビエ「ふむ、あり得るかも知れない。何処の国でもそうだか王権が護る聖域とは不可侵なものだ。それを破るとなれば、余程思い切った強硬手段に出る必要があるだろう」

 

リィン「だとしても随分大胆な事を……これだけの機材を王城に運び込むとは……」

 

フローラ「デュナン公爵の『お墨付き』と言えば大抵の物を運び込めたのもあるでしょう。それに、あの大佐のカリスマ性なら誰も何の疑問も抱かなかったのも大きいかと……」

 

ヨシュア「いずれにせよ。これを使って地下に降りる必要がありますね。まずは動かしてみましょう」

 

ヨシュアはエレベーターに設置されているコントロールパネルを調べた。

 

ヨシュア「……これは!!」

 

エステル「どうしたの、ヨシュア?」

 

ヨシュア「これは……導力的な方法でロックされている。特殊な結晶回路(クォーツ)を組み込んだ鍵を使わないと動かせ無いみたいだ」

 

エステル「あ、あんですって〜!?」

 

クローゼ「そんな、ここまで来て……」

 

ユリア「拘束している特務兵を締め上げて聞き出してやります!何処かに鍵があるかも知れません!」

 

アリシア女王「えぇ……そうした方が良さそうですね」

 

リィン「いや、その必要はなさそうです」

 

ユリア「なに……?」

 

「儂の出番のようじゃな」

 

全員が振り向くと入口から老人がこちらに歩いてきた。

 

エステル「え……!」

 

ヨシュア「まさか……!」

 

アリシア女王「まぁ……ラッセル博士!?」

 

ラッセル「アリシア陛下、ご無沙汰しておりましたな。エステルもヨシュアも元気そうで何よりじゃ」

 

エステル「あ、うん博士も元気そうで良かった……って!何で博士が此処に居るのよ!?ツァイスで情報部に追われていたんじゃ………」

 

ヨシュア「それに、博士が此処に来ているという事は……」

 

ヨシュアがそう言うのと同時にまた人が入って来た

 

「お、おじいちゃ〜ん。何処に行っちゃったの〜!?」

 

「こら、うろちょろ動き回るんじゃねぇよ。爺さんもそうだか落ち着きのない一家だな」

 

「だ、だってアガットさん……あ………!」

 

エステル「ティータ!?」

 

ヨシュア「やっぱり…」

 

ティータ「エステルお姉ちゃん!それにヨシュアお兄ちゃん!」

 

ティータはそのまま駆け寄ってエステルに抱きついた

 

エステル「わわ、ティータ……」

 

ティータ「よ、良かったぁ。また会う事が出来て〜ギルドで話を聞いたらお城でお姉ちゃん達が戦っているって聞いて……うぅ、無事で良かったよぅ〜!」

 

エステル「ティータ……」

 

ヨシュア「ありがとう、心配かけたみいだね。アガットさんも……良くご無事でしたね。どうして王都にいるんですか?」

 

アガット「いや、ひょんな事から王都行の貨物船を見つけてな。灯台下暗しを狙って来てみたら騒ぎがおこってるじゃねぇか。で、エルナンに事情を聞いてわざわざ来てみたわけだ。しかし、こんな処で雁首揃ってどうしたんだよ?てっきり残りの特務兵をブチのめせると思って来たんだが」

 

そこでアガットは他のメンバーに気付いた

 

アガット「ん?、あんたらは……」

 

クローゼ「お久しぶりです。アガットさん。灯台ではありがとう御座いました」

 

アガット「確か……クローゼとか言ったな。どうしてあんたみたいな学生がこんな処にいるんだ?それに……アイスフェルトにお付きのメイドまで一緒とは……なにがあったんだ?」

 

フローラ「ご無沙汰しております。アガット殿」

 

リィン「まぁ…一言では言い表せないんですよ。こっちも……」

 

アリシア女王「どうやら孫娘がお世話になった様ですね。私からもお礼を言わせて下さい」

 

アガット「あぁ気にすんなって、単なる仕事のついでだからな。ところで婆さんはこの城の関係者か何かかい?」

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

まさか女王の顔を知らないと思わなかったのでアガットやティータを除いた全員が呆然としていたが……

 

ユリア「ぶ、無礼者!!この方をどなたと心得る!リベールの国主たるアリシア女王陛下であるぞ!」

 

ユリア中尉がブチ切れてアガットに女王である事を告げた

 

アガット「へっ……そ、そう言えばどっかで見た様な気が……」

 

アガットは思い切っり狼狽えていた

 

リィン「なんで自国の女王の顔を覚えて無いんですか、エレボニアの人間の俺ですら判るのに……」

 

リィンは頭を抱えてアガットに聞いた

 

アガット「し、仕方ねぇだろ……女王の顔なんて滅多に見ねぇんだからよ」

 

ラッセル「やれやれ、相変わらず未熟者じゃのう」

 

アガット「んだとぅ!」

 

ティータ「じょ、女王様!?そ、それじゃあ……こっちのお姉さんは……」

 

ヨシュア「女王陛下の孫娘のクローディア姫殿下だよ。僕達はクローゼって呼んでるけどね」

 

エステル「クローゼ。この娘が博士の孫のティータよ。アタシ達の妹同然の娘なの」

 

クローゼ「そうなんですか……初めまして、ティータちゃん。私の事はクローゼと呼んでくれると嬉しいです」

 

ティータ「は、はいぃぃ……ク、クローゼさん……」

 

シェラザード「あらやだ。この娘、何か可愛いわねぇ。アタシはシェラザード、エステルとヨシュアの先輩よ。シェラって呼んで頂戴」

 

ティータ「は、はい。シェラさん……」

 

オリビエ「それじゃあ僕は『オリビエお兄ちゃん』って……」

 

オリビエが図々しく要求してきたが……

 

エステル「あんたはやめい、あんたは」

 

オリビエ「ケチ……」

 

エステルのジト目のツッコミで敢え無く撃沈した

 

リィン「俺達は自己紹介は必要ないかな?」

 

フローラ「ですね」

 

ティータ「あ、リィンさんとフローラさんもお久しぶりです。その節はお世話になりました」

 

ラッセル「なんじゃティータ、もしかしてその二人は前に話してた片割れかの?」

 

ティータ「あ、うん。こちらはリィンさんとフローラさん。エステルお姉ちゃん達と同じ時期にお世話になったんだ」

 

ラッセル「ほう、そうかそうか……儂がツァイス工房のアルバート・ラッセルじゃ、孫娘が世話になったようじゃな。遅まきながら礼を言わせて貰おうかの」

 

リィン「初めまして、リィン・アイスフェルトです、こっちのメイドはフローラ・クリストと申します。三高弟にお会い出来て光栄です」

 

ラッセル「ふん、『三高弟』か……儂はただエプタイン博士の元で学んだ知見を実践したに過ぎん。シュミットやハミルトンもな……それを周りが騒ぎよってからに……」

 

リィン「『飛行船』、『鉄道』、『自動車』……そのどれもが世界の流れを変えた革命と呼ぶに相応しい発明である以上讃えられるのは仕方ないのでは?」

 

ラッセル「造った物に関しては否定出来んがの……それはともかく……そのエレベーターが動かなくて困っておるようじゃな。一体どういう事情なのかね?」

 

ヨシュア「実は……」

 

ヨシュアはリシャール大佐の目的と《輝く環》(オーリオール)について説明した。

 

アガット「おいおい、マジかよ……シャレになってねぇぞ」

 

ティータ「そんなものがこの下に埋まってるなんて……」

 

ラッセル「ふむ……やはり儂が恐ていた通りじゃったか、このエレベーターを使えばその場所に降りられるようじゃな?」

 

ヨシュア「えぇ、ですが特殊な鍵でロックされてしまっています。クォーツを使ったものらしくて……」

 

ラッセル「ほうほう、アレか。ちょっと見せてみるがえぇ」

 

ラッセル博士はエレベーターのコントロールパネルを調べた

 

ラッセル「これは儂が開発したカードキーを応用したものじゃな。同一の結晶回路を持つカードを差し込まないとロックは解除されん。じゃが……」

 

ラッセル博士は小型の装置を取り出してケーブルをカードスロットルに挿し込んだ

 

ラッセル博「この手の初期型にはプロテクトは搭載されておらん。こうして、導力圧を調整して回路に特定の負荷を流し込めば……」

 

ラッセル博士がそう言って調整した導力圧を流したらエレベーターのロックが外れた

 

エステル「やった、流石博士!」

 

ヨシュア「……お見それしました」

 

アリシア女王「ふふ……流石ですね。それでは早速地下に降りてみるとしましょうか」

 

「た、大変です!」

 

アリシア女王がエレベーターに乗り込もうとした時に一人の親衛隊隊員が慌てた様子で飛び込んできた

 

ユリア「なんだ、どうした!?」

 

「王都の大門に正規軍の一個師団が到着!情報部の士官によって率いられている模様です!」

 

ユリア「なに、もう来たのか!?」

 

「更に湖上から三隻の軍用警備艇が接近中!い、いかが致しましょうか!?」

 

ユリア「ええい、この大変な時に!」

 

アリシア女王「……どうやら私が説得に出た方が良さそうですね」

 

クローゼ「お、お祖母様!?」

 

アリシア女王「屋上のテラスに出て到着した部隊に呼びかけます。ユリア中尉、準備してください」

 

アリシア女王は来た道を戻ろうと踵を返したらユリア中尉が諌めた

 

ユリア「で、ですが……万が一攻撃されてしまったら!」

 

アリシア女王「私は彼等を信じます。誤解があったとはいえ彼等またリベールの民……私の姿を見て、声を聞いて何故攻撃する事がありましょう」

 

ユリア「……陛下……」

 

リィン「……なら、俺も手伝いましょう」

 

リィンはエレベーターを降りて女王の前に立った

 

エステル「リィン!?」

 

リィン「正規軍は兎も角、特務兵は大佐に心底心酔しています。陛下の御言葉とはいえ暴走する可能性が大きい、大門の士官を抑えれば正規軍は動かないでしょう。後は陛下が呼びかけて頂けば……」

 

アリシア女王「それは……助かりますが宜しいのですか……?」

 

リィン「えぇ……俺もやれる事をやるだけですので……フローラ、エステル達のサポートを頼んだ」

 

フローラ「承知致しました。リィン様」

 

クローゼ「リィン……」

 

リィン「クローゼはどうする?このままアリシア女王と一緒に正規軍を説得するのもアリだけど……」

 

リィンはそう言うがクローゼは首を振った

 

クローゼ「ううん、それはお祖母様の役目だわ。私は、クーデターの首魁であるリシャール大佐を捕らえる方に専念するわ。これは王族としてこの騒乱を鎮めなければいけないもの」

 

リィン「そっか……なら一旦お別れだな。エステル、ヨシュア……そっちは頼んだ。まぁシェラザードさん達正遊撃士もいるしな、ラッセル博士達は……」

 

ラッセル「当然行かせて貰うぞい、古代ゼムリア文明の遺跡、しかも『生きて』いるなら是非見たいからのう」

 

ティータ「あのあの……私も興味あります!お邪魔しないのでお姉ちゃん達に同行させて下さい!」

 

リィン「……とのことですが……アガットさんはどう判断します?」

 

アガット「……ちっ、護衛対象をそんな訳わからん場所に連れていくのは気が進まないが……仕方ねぇ、あの黒尽くめ共を捕らえるチャンスだしな」

 

ヨシュア「決まりだね。ならエレベーターに乗ってください」

 

そうしてアガットさん達も含めたメンバーがエレベーターに乗った

 

アリシア「エステルさん、ヨシュアさん、こんな事を頼むのは非常に心苦しいのですが……」

 

エステル「女王様……それ以上は仰らないでください。リシャール大佐の野望はアタシ達が食い止めます!」

 

ヨシュア「どうかお任せください」

 

クローゼ「リィン……気をつけて」

 

リィン「クローゼも……女神の加護を、フローラ……」

 

フローラ「はい………」

 

リィン「気負うなよ」

 

フローラ「はい…!」

 

クローゼ「……?」

 

ヨシュア「では出発します」

 

ヨシュアがパネルを操作してエレベーターが降下していくのをアリシア女王と共に見送った

 

アリシア女王「それでは私達も動きましょう。リベールの騒乱を終わらせる為に」

 

 

エステルSide

 

アガット「なぁ、良かったのか?」

 

まだエレベーターの終点が見えない中アガットがエステルに聞いてきた

 

エステル「ん、なにが?」

 

アガット「なにが、じゃねぇだろ……アイスフェルトの事だよ。いくら何でも……!」

 

シェラザード「まぁ言いたい事は判るわよ。けど地上にはグラッツ達も居るし、何より……リィン強いわよ?多分私よりもね」

 

アガット「はぁっ!?どういう事だよ!?」

 

エステル「あ、そうかアガットはルーアンの時のリィンまでしか知らないんだっけ?」

 

ヨシュア「それは後にしとこうよ、そろそろ到着する」

 

ヨシュアがそう言うのと同時にエレベーターは目的地に停まった。

 

ジン「少し薄暗いな」

 

オリビエ「ふむ、あそこに光がみえる。いってみるとしよう」

 

そうして光が差し込んでるところに出ると……

 

エステル「なっ……!?」

 

ヨシュア「こ、これは……!!」

 

ジン「おいおいマジかよ……」

 

シェラザード「なによ……これ……」

 

フローラ「………」

 

 

 

 

 

 

エステル達の目の前には古代ゼムリア文明の粋を集めた『生きた』遺跡が広がっていた………!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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