閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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一応これでFC編は終了です。読んでくださった皆様に感謝申し上げます。

続編は書く予定ですが、まだ固まってないので少しお待ち下さい。良いお年を!


第百七話

エステル達の攻撃にトロイメライは遂に倒れ小さな爆発を引き起こしながら動かなくなった……

 

エステル「か、勝った〜〜」

 

カシウス「……皆、御苦労だったな」

 

カシウスとリィンがエステル達に近づいた

 

カシウス「ただいま。エステル、ヨシュア随分久しぶりだな」

 

エステル「と、と、と……父さん!?」

 

カシウス「まだまだ詰めが甘いが一応、修行の成果は出たようだな。今回は合格点をやろう」

 

エステル「ご、合格点じゃ無いわよ!父さんなんでここにいるのよ!?」

 

カシウス「なんでって言われてもな……まぁ成り行きってやつ?」

 

エステルの問にカシウスは少し考えて飄々と答えた

 

エステル「答えになって無いわよ!!」

 

ヨシュア「はは、父さんも相変わらず元気そうだね」

 

カシウス「まぁな、ヨシュアも背が伸びたか?どうだ。エステルのお守り大変だっただろう?」

 

エステル「ちょっと!それどういう意味よ!?」

 

ヨシュア「まぁ少しね、でもそれと同じ位僕はエステルに助けられたよ。だから……お相子かな?」

 

カシウス「そうか……良い旅をしてきたみたいだな」

 

クローゼ「カシウスさん。どうも、お久しぶりです」

 

カシウス「これは姫殿下。半年ぶりくらいですかな。囚われていたと伺ったがお元気そうで何よりです」

 

カシウスはクローゼに臣下の礼を採った

 

クローゼ「ふふ、エステルさん達やリィンが助けてくださいましたから。そういえば、今年の学園祭はエステルさん達と劇をやったんですよ。カシウスさんにも見せてあげたかったです」

 

カシウス「ほう………そりゃあ惜しい事をした」

 

エステル「な、和やかに話してる場合じゃないってば!全く、帰ってくるなり美味しいとこ掻っ攫って……」

 

ラッセル「やれやれ、どうやら片付いたようじゃな」

 

待機していたラッセル博士達が入ってきた

 

カシウス「おや、博士随分遅い到着ですな?」

 

ラッセル「お前さん達が先行した後人形兵器の群れに囲まれてな。何とか撃退してから漸く辿り着いたが……どうやら……全て片付いたみたいじゃな?」

 

カシウス「えぇ……色々と課題は残ったがとりあえずは一件落着でしょう」

 

エステル「で、でも情報部に操られた大部隊がお城に迫って来てるんでしょう?」

 

ヨシュア「確かに……警備艇も来てたみたいだし。父さんが来た時地上の様子はどうだった?」

 

カシウス「あぁ、それなら……」

 

リィン「そっちも片付いたよ」

 

エステル達が振り向くとフローラに肩を貸したリィンが歩いて来た

 

エステル「リィン、さっきはありがとね。それで……フローラさんは?」

 

リィン「大丈夫、軽く足を痛めただけで怪我は浅いよ」

 

クローゼ「良かった……それで片付いたって……?」

 

リィン「ん、大したことじゃ無いけどね。情報部の将校が乗っていた装甲車、真っ二つにして特務兵共を拘束した」

 

エステル「………………はっ?ごめん、リィン私耳可笑しくなったのかな?何をどうしたって?」

 

リィン「真っ二つしたって言った」

 

エステル「何を?」

 

リィン「装甲車を」

 

エステル「……はあぁぁぁ!?いやいや!普通無理でしょ!装甲車斬るなんて!」

 

リィンは不思議そうに首を傾げた

 

リィン「そうか?『斬鉄』は剣士の基本だよ。カシウス師兄なら出来ますよね?」

 

リィンはカシウスの方を向いた

 

カシウス「おいおい、あんまり過度な期待をするなよ……まぁやれるがな」

 

エステル「………」

 

ヨシュア「流石としか言いようが無いね。それで?」

 

リィン「あぁ、丁度その時にカシウス師兄とモルガン将軍とシード中佐が来て事態の収拾に当たったんだ」

 

カシウス「で、ある程度見通しが立ったからリィンからこの地下空間の話を聞いて一緒に降りてきた訳だ」

 

エステル「あ、あんですって〜!?」

 

リシャール「ふ、ふふ……成る程な……ここに来るまでに仕込んでいたという訳ですか……」

 

カシウス「目を覚ましたか……」

 

リシャール「モルガン将軍には人質と厳重な監視をつけていた……シードにも家族を人質にして逆らえないようにしていた……どちらも、貴方によって自由になった訳ですか……」

 

カシウス「まぁ、そんなところだ。だかなリシャール……。俺がしたのはその程度の事だ。別に俺が居なくとも彼等なら自分で何とかしていたはずだ」

 

リシャール「いや、違う……やはり貴方は英雄ですよ……貴方が軍を去ってから私は……不安で仕方なかった……今度、侵略を受けてしまったら勝てるとは思え無かったから……だから……頼れる存在を他に探した。貴方さえ軍に残ってくれてくれてたら私もこんな事をしなかった物を……」

 

カシウス「………………」

 

カシウスは無言にリシャールに近づいて……リシャールを殴り飛ばした!

 

リシャール「ぐっ………!」

 

カシウス「甘ったれるな、リシャール!貴様の間違いは俺という幻想を何時までも引き摺っている事だ!それほどの才覚がありながら何故自らの足で立たなかった!?俺はお前が軍にいるからこそ安心して軍を辞める事が出来たのだぞ!?」

 

リシャール「た、大佐………」

 

カシウス「俺は……大層な男ではない。十年前もお前やモルガン将軍が助けてくれたからこそ勝つ事が出来た。そして、大切なものを守れずに現実を逃げた男に過ぎん」

 

リシャール「………………」

 

エステル「……父さん……」

 

カシウス「だがな……もう二度と逃げるつもりは無い。だからなリシャール、お前もこれ以上逃げるのはよせ。罪を償いながら自分に何が足りなかったのかをよく考えろ」

 

リシャール「カシウス……大佐、自分は……」

 

リィン「リシャール大佐」

 

リィンはリシャールに近づきカシウスの隣に立った

 

リシャール「リィン君……か数日前に会った筈なのに何年も会ってない様な気分だ」

 

リィン「……フローラから聞きました。《輝く環》を手に入れる目的は、リベールの為だと……」

 

リシャール「……そうだ。小国が対抗する手段がそれしか無かった」

 

リィン「リベールは他国に勝ってるのは技術力だけじゃ無いですよ。」

 

リシャール「……何を言っている?人口も兵力も少ない我が国が勝っているものなど」

 

リィン「人は石垣、人は城、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」

 

リシャール「なに………?」

 

リィン「この言葉の意味、判りますか?」

 

リシャール「………」

 

リィン「人材こそ守りになり、情けは人の心をつなぐことが出来る。しかし仇が多ければ結局は身を滅ぼす事になる。俺はこう解釈してます」

 

リシャール「っ!!」

 

リィン「リベールは素晴らしい人が多いです。アリシア女王陛下を初めとしてカシウス師兄、モルガン将軍、シード中佐そしてリシャール大佐…貴方もです。カシウス師兄の言うように罪を償ってください。そしてもう一度リベールの為に何が出来るか一緒に考えましょう?今度は古代ゼムリアの遺産に頼るんじゃなく、仲間を頼りましょう」

 

リシャール「………君も大佐も厳しいな……」

 

リシャールはポツリと呟いた

 

リィン「そう、でしょうか?」

 

リシャール「そうだとも、王家に弓引くという大罪を犯した逆賊を生きて償い王国の為に生きろと言うのだからな……」

 

リシャール大佐の目から一筋の涙が流れた……

 

その後リシャール大佐はクローゼに臣下の礼をとり今までの非礼と国を乱した全責任は全て自分の責であるとして自身の部下達には寛大な処遇を願い申し入れた。クローゼも一存で決められないとしながらもできる限りの事はすると確約、リシャール大佐は正式に投降、拘束された。

 

モルガン将軍やシード中佐の指揮の元、各地の残存する情報部も次第に投降、或いは拘束され一週間後には事態は完全に収束した。後の歴史書に『リベールのクーデター未遂事件』として載る事になる。そしてクーデター未遂事件の仔細が国民に、遊撃士の活躍により防がれたと公表と同時に女王生誕祭の開催を宣言した。そして……

 

ー グランセル城前 ー

 

リィン「……」

 

クローゼ「お待たせ!」

 

グランセル城から少し離れた街路樹に寄りかかっていたリィンはクローゼに肩を叩かれた

 

リィン「いや、待ってはいないさ……クローゼこそ公務は大丈夫なのか?」

 

クローゼ「えぇ、まだそこまで割り振られる公務はまだ無いわ。何れは忙しくなるとは思うけど……それよりどう?この服変じゃない?」

 

クローゼが着ているのは一般的なワンピースだが彼女の魅力を充分に引き出している。くるっと一回りするとスカートがふわりと舞う

 

リィン「あぁ、よく似合っているよ」

 

クローゼ「フフ、ありがとう。じゃあ、行こう?」

 

クローゼは誉められたのが嬉しくリィンの腕に手を回しデートを開始した

 

リィン「リシャール大佐の件が大分大きく書かれてるな……」

 

リィンは歩きながらリベール通信の臨時特集号を見ていた見出しは『リシャール大佐、クーデター未遂!!』

 

クローゼ「大佐は兵や市民からも人望があったから……未だに信じられないっていう人は多いわね」

 

クローゼもリィンの隣で特集号を覗き込みながら言った

 

リィン「大佐は取り調べに応じてるんだっけ?」

 

クローゼ「うん、報告では穏やかな表情で取調官の質問に答えてるみたい……ただ、何故城の地下の遺跡の存在を知ったのかは覚えていないみたい。そしてあの『ゴスペル』はあのロランス少尉からもたらされたみたい……」

 

クローゼはロランス少尉の素顔を思い出しながら言った

 

クローゼ「カノーネ大尉もあの地下遺跡から姿を消したし、まだ捕縛されていない特務兵も居るから……どうしても解決した様には思えなくて……」

 

クローゼは考え込んでいたが……

 

クローゼ「って、ごめんなさい。折角のデートなのにこんな話題しちゃって……」

 

リィン「いや、クローゼの立場からすれば当然だから気にする必要無いさ」

 

クローゼ「そう言って貰えると助かるわ、そういえばエステルさん達今日正式に正遊撃士に昇格するらしいわね?」

 

リィン「あぁ、グランセル支部でカシウス師兄が直々に昇格を言い渡すみたいだな。そのカシウス師兄も軍に復帰するみたいだな?」

 

クローゼ「うん、モルガン将軍達の強い要請に応える形で復帰するって」

 

リィン「無理も無い、軍も再編しなければならないしね。遊撃士協会は嘆くだろうけど……」

 

クローゼ「全くね。そういえばリィン、貴方は良いの?」

 

リィン「良いって……何が?」

 

クローゼ「今回の事件解決の立役者は遊撃士とオリビエさんになってるけど貴方も本来なら……」

 

リィン「良いさ、別に栄誉の為に戦った訳じゃないし。それに公表して目立つのは好きじゃないからな」

 

クローゼ「でも……」

 

リィン「それよりここ、覚えてる?俺達が初めて出会った……」

 

リィンが指差した場所はエーデル百貨店向かいのベンチ……クローゼと初めて会った記憶深い場所……

 

クローゼ「え?……あぁ!確かに此処ね、懐かしいわね……あの時は私が小さな子をならず者から守って……殴られそうになってそこにリィンが助けてくれたのよね……」

 

リィン「で、その後クローゼがグランセルの町中を案内してあげると言ったんだよな……」

 

クローゼ「そうそう!まぁ、今だから言うけど同年代の男の子を誘うのは初めてだったから正直ドキドキしてたの」

 

リィン「そうなのか?まぁ俺も人のこと言えないが……」

 

クローゼ「フフ……ねぇ、リィン?」

 

リィン「ん?」

 

クローゼはリィンに抱きついた

 

クローゼ「このまま平和な時が続いて欲しいわ」

 

リィン「そう、だな……そうであればどんなに良い事か……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー ??? ー

 

「かくして王国の危機は去り、平和が戻りました。めでたしめでたし……とは行かないんだよねぇ♡」

 

 

「絵物語は都合の良い事しか書かないからな、現実は悲劇に溢れるのか常だ」

 

「アハハ!君が言うと説得力あるねぇ……《計画》の下準備は上手くいったみたいだね?」

 

「あぁ……大佐に渡した《ゴスペル》は封印を解いた。邪魔者も居るが『剣聖』以外で厄介なのはアイスフェルトだけで脅威にもならん」

 

「フフ、随分高く評価してるねぇ…?いや、彼に転ばされたのを根に持ってるのかな?」

 

「フ……それは勝負のやりとりでは普通の事、根に持つなどしない。だが……盟主はあの男を気にかけてるが何かあるのか?」

 

「あ〜、それは秘密♡」

 

「フン…まぁ良い、それでは頼むぞ『カンパネルラ』」

 

「アハハ、任せてよ『レーヴェ』」

 

 

 

 

 

 

 

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