閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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寝落ちしてた……


第4話

フローラ「町長の土産どうしますか?」

 

リィン「お酒で良いんじゃないか?奥さんにはお菓子の詰め合わせで」

 

リィンとフローラはヴァンクール大通りの大型商店で土産物を物色していた

 

フローラ「……これで良いですね。帝都からリーヴスは隣ですから列車か徒歩どちらでも直ぐに到着しますがどっちにしますか?」

 

リィン「列車で良いさ、近いと言っても快適に移動出来る手段があるなら使わない理由も無いし」

 

フローラ「判りました。……しかし、帝国の鉄道網の充実ぶりは流石としか言い様がありませんね」

 

リィンは頷いて言葉を続けた

 

リィン「ギリアス・オズボーン宰相の政策の代表的な例だからな……最もそれが貴族の反感を買う一例にもなってるんだが……」

 

フローラ「貴族の領地に鉄道を敷設したのですからね。面白く無いのでしょう」

 

リィン「しかも鉄道が出来た事でTMP(鉄道憲兵隊)が鉄道の治安維持を担っているがTMP自体がオズボーン宰相の息の掛かった組織だからな、貴族からしてみれば監視されてる様な物だろうさ」

 

フローラ「敷設の為の用地買収された為に家を手放さざるを得なかった人もいるとの話もあります。ここまで反感を買っても全く怯まないオズボーン宰相という人物に恐ろしさを感じます」

 

フローラはギリアス・オズボーンという人間に恐れを抱いていた

 

リィン「だが近代化という物は結局『恨まれる』事が避けて通れないのかも知れない。二十年前迄は帝都でも馬車が普通だった……それを考えれば必ずしもオズボーン宰相のやり方が間違っているとは言えないな」

 

リィンは商品棚にあるクッキーを買い物カゴに入れながら自身の考えを呟いた

 

フローラ「それはまぁ……私自身もある意味《輝く環》や『リベル=アーク』を造ったのも広い意味でインフラ整備みたいな部分があったので理解しますが……」

 

フローラも気を取り直し林檎を手にとってカゴに入れた

 

リィン「ま、そんな話は何時でも出来る。買うもの買ったらヘイルダム駅に向かおう」

 

リィン達は会計を済ませ商店を出て折角だからとトラムには乗らず大通りを歩きながら雑談したり店のショーウィンドウを見ながら駅を目指したが……

 

 

「………!」

 

「………!!」

 

すぐ脇の路地から誰かが言い争う声が聞こえてきた。ヘイムダルは十六の街区もあるのでこうした目立たない小さな路地は珍しくも無いしこの手のトラブルに関わる必要も無いのだが……

 

リィン「……はぁ、済まないフローラ……」

 

フローラ「お気になさらずに、しかしリィン様もトラブルに縁がありますね」

 

リィン「そんな縁は要らないけどな……」

 

二人はその路地に入った。ゴミが散乱している路地を歩いてると如何にも貴族という出で立ちの若者が平民の男子二人に傲岸不遜に話していた。平民の方は一人は眼鏡かけた真面目そうな少年、もう一人は紅毛の少年だった。リィンはその姿に覚えがあったがひとまず誰何する事にした

 

リィン「お前ら、そこで何をやっている!?」

 

リィンがそう言うとその場にいた全員が驚いてリィン達の方を向いたが貴族の若者はリィンの姿を見て平民と判断して強気に言った

 

「ふん、別にこの平民達が我々貴族に対する礼儀がなって無いから教えてやっているだけだ」

 

「巫山戯るな!これだから貴族というのは度し難い……!貴様らが無理難題を言うからだろう!」

 

眼鏡の少年は貴族に敵意剥き出しで言った

 

「ふん、知らんな。お前達が持っている物さえ渡せば済む事だ」

 

「で、でもこれは……」

 

紅毛の少年はおどおどしながら反論しようとした

 

リィン「……『物』とやらがなんなのかは知らないが、君達が持っているのは彼等の物なのかい?」

 

リィンは平民側の男子に尋ねた

 

「い、いいえ!これは……」

 

「……元々僕等が自分のミラで買った物だ!それをコイツは……!!」

 

リィン「……彼等はこう言ってるが?それが本当ならお前は脅迫して奪おうとしてた事になるが?」

 

リィンがそう指摘しても彼等は悪びれずに言った

 

「そんなもの、我が一族の権力で幾らでも揉み消しせるわ……だがそうだな、貴様が条件を呑むのならこの平民達は見逃しても良いぞ?」

 

リィン「………条件?」

 

「何、簡単な事だ。そこのメイドを寄越せ」

 

リィン「………………は?」

 

言った言葉が理解出来無くてリィンは間抜けな声を出した

 

「見たところ平民の女のメイドにしては中々の美貌、平民の貴様よりも貴族たる私の方に仕えるのが相応しい!」

 

貴族の馬鹿息子はそんな事を抜かして胸を張った

 

リィン「………」

 

「悪くない取り引きだろう?貴族に仕える栄誉を手にする事は帝国人ならどれだけ幸運な事か……」

 

リィン「黙れ……」

 

「は……?ぶへッ!?」

 

リィンの頬が引きつっているのを理解してないのか好き勝手に貴族の馬鹿息子は喋ってるが無表情になったリィンが戯言を物理的に黙らせ馬鹿息子はゴミ箱行になった

 

リィン「家の家族に手を出すんじゃねぇよ、馬鹿が……」

 

「あ、あの〜……?」

 

害虫を駆除したリィンは彼等の事を思い出した

 

リィン「ん?あぁ、済まない。大丈夫だったか?」

 

「い、いや……それは大丈夫なんだけど……君こそ平気なの?貴族に手を出して……」

 

「フン!!あんなの自業自得だ……!それより君達は……?」

 

リィン「その話をする前にここから離れよう。馬鹿が起きる前に」

 

「そ、そうだね……早く離れないと……」

 

「ち、こっちは悪くないのに……だが碌な事にならないのは確かだな」

 

二人はリィンの提案に同意して路地を駆け足で去っていった

 

フローラ「私はこの愚か者の記憶を改竄してから行きますのでリィン様は先に……」

 

リィン「……やり過ぎるなよ?」

 

フローラ「それはこの愚か者次第ですね」

 

フローラにその場を任せてあの二人の後を追って路地を出たら近くで待っていた

 

「あ……さっきはありがとう。助かったよ……自己紹介まだだったね。僕はエリオット、エリオット・クレイグだよ。でこっちは……」

 

「………マキアス、マキアス・レーグニッツだ……」

 

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