閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第8話

クレア「鉄道憲兵隊のクレア・リーヴェルト少尉です。手荷物検査にご協力願います」

 

目の前の美人士官……クレア少尉はそう言って微笑んだ

 

リィン「手荷物検査……ですか?」

 

クレア「はい、不審物を持って無いかTMPの方で実施していまして……勿論、乗客のプライバシーは最大限配慮しますし、そちらの女性の手荷物検査も同性の部下が行いますので安心してください」

 

クレア少尉の後ろに控えている女性隊員が軽く会釈した

 

リィンとフローラは顔を見合わせ頷いた

 

リィン「えぇ、構いませんよ。断る理由も無いですし」

 

クレア「ご協力感謝します。では早速……」

 

クレアは部下の女性隊員に目配せしてそれを察した隊員はフローラを連れて別の車両に移った

 

クレア「では、貴方は私が担当しますね」

 

そう言ってクレア少尉はリィン立ち合いの元手荷物を調べ始めた

 

クレア「リィン・アイスフェルトさん……リーヴスにお住まいですか、オルディスにはどういう目的で?」

 

クレア少尉はカバンを調べながらはリィンの名と旅の目的を尋ねた

 

リィン「観光です。オルディスは海都なだけあって見何処が沢山ありますから」

 

クレア「成る程……直刀がありますね?一応念の為武器携帯許可証を見せて貰っても?」

 

リィン「どうぞ」

 

原作ではどうなっているのかは知らないがこの世界での武器の携帯は非常に緩い、これは魔獣の存在が大きいと思われ一般人でも護身目的に猟銃は置いている。唯それでも某ライフル協会の様な子供すら持つ権利とは絶対言わず(当たり前の話だが……)ヨシュアやエステル、リィン位の歳…即ち十四〜五歳から殺傷能力のある武器が持てる様になる。許可証は各国共通である

 

クレア「……問題ありませんね、お手数おかけしました。これで検査は終わりました。良い旅を」

 

クレア少尉はリィンに敬礼して次の乗客に向かった

 

フローラ「終わりましたか?」

 

別車両で検査を受けていたフローラも戻って来た

 

リィン「あぁ、特に問題なかったよ。フローラは?」

 

フローラ「私の方も特には……しかし何かあったのでしょうか……?」

 

フローラは椅子に座りながら首を傾げていた

 

リィン「さて……ね、オルディス行きの列車に鉄道憲兵隊……どうしてもあまり良い想像が出来ないな」

 

リィンは車窓の風景を眺めながらそう言った

 

オルディスまで列車は一昼夜奔り続けて翌朝には海が見えてきた

 

リィン「海か……オルディスまでもうすぐか、うん?」

 

車窓から海上に建つ堅牢な建造物が見えてきた

 

フローラ「ジュノー海上要塞ですね。領邦軍……主にルグィン伯の兵が駐留している筈です」

 

リィン「オーレリア伯爵閣下の兵か……下手な貴族の私兵より練度が高そうだな」

 

リィンはグランセルで会ったオーレリアの顔を思い浮かべ苦笑した

 

リィン「そういえば伯爵は帰国していたっけ……まさか会うとは思えないが……」

 

フローラ「会ったら確実に仕合を申し込まれますね。あの方、リィン様に興味津々でしたから」

 

フローラも大使館でのやりとりを思い出して苦笑した

 

リィン「それは……喜んでいいのか悩むなぁ……」

 

そんな事を言ってるうちに列車はオルディスに近づいて行った……そして遂にオルディスの駅に入った

 

列車が停車すると乗客がぞろぞろと降りてホームに向かって行った。リィン達もそれに倣い荷物を持って移動した

 

リィン「ここがオルディスか……」

 

フローラ「人も多いですね。帝都の次に人口が多いのもあるでしょうが……」

 

リィン「ん……?見ろ、鉄道憲兵隊も降りてきたぞ」

 

TMPも乗客が全員降りたのを確認してオルディス駅に降り立った

 

フローラ「反オズボーンの筆頭であるカイエン公の領都にオズボーン宰相の息の掛かった鉄道憲兵隊が堂々と乗り込むとは……」

 

リィン「領邦軍の兵士達が出迎えたな……露骨に嫌そうな顔をして敬礼してるが……」

 

フローラ「彼女……クレア少尉でしたか?彼女が答礼を返してますね。向こうも微妙な顔してますが……」

 

中々に奇妙な光景ではある……

 

フローラ「ですが、何かあったのでしょうか?表向き対立していないとはいえ潜在的敵対勢力同士が何か話し合ってますね」

 

確かにフローラの言う通り領邦軍と鉄道憲兵隊は何か話し合っていてその後共に外に出て行った

 

リィン「……気になると言えば気になるが俺達には関係無いな」

 

フローラ「ですね……私達も駅舎から出ましょう」

 

そうしてリィン達も駅舎から出ると広場になっており中央には像……中世に信仰されていた海の精霊《碧のオンディーヌ》像が立っていて像を中心とした周囲は貴族向け商業施設や高級ホテルが軒を連ねている……

 

リィン「海の匂いだ……ルーアンを思い出すな」

 

フローラ「どちらも港湾都市ですからね。海洋貿易で栄えてますし、リベールとの貿易も行ってますよ」

 

リィン「そうか……風景は違えどどうしても磯の香りを嗅ぐと『オケアノス』を思い出すな」

 

フローラ「そういえばあの死骸の一部彼女……ラクシャさんが持って帰りましたよね。その後どうしたのかしら?」

 

「それなら博物館に展示されてますよ」

 

フローラがそう呟く後ろから懐かしい声が聞こえた

 

 

リィン「貴女は……!ラクシャさん!!」

 

ラクシャ「お久しぶりです。リィンさん、フローラさん……ルーアン以来ですね」

 

《古代種》の専門家にして帝国貴族のラクシャ・フォン・ロズウェルが立っていた

 

フローラ「本当に久しぶりですね。どうしてオルディスに?」

 

ラクシャ「一応私も帝国貴族ですからカイエン公の派閥に属してまして……派閥のパーティーに参加していたのですよ。最も子爵程度の女に誰も興味無かったですし、私もそんなものよりも『古代種』の発掘に労力かけたかったんですが…」

 

リィン「相変わらずですね。それはそうとさっき博物館っと言ってましたが『古代種』の博物館を開いたんですか?」

 

ラクシャ「えぇ……最もカイエン公の政治的思惑が絡んでますが……まぁ、我々の成果が日の目を見るならどうでも良いですが、良かったら案内しますよ?」

 

リィン「……それなら是非」

 

リィンはその申し出を受け彼女が先導する形で博物館に向かう事になった

 

ラクシャ「それにしてもお二人が此処に来るとは思いませんでした。てっきりまだリベールに滞在していると思ってましたが……」

 

ラクシャは歩きながらリィン達に尋ねた

 

リィン「いや、実は人を探してまして……覚えてますか?ルーアンで会った俺と同い年の黒髪の男の子」

 

ラクシャ「……あぁ!居ましたね!確かもう一人の女の子のパートナーの……彼の行方が判らないのですか?」

 

フローラ「えぇ、ラクシャさんは何かご存知ないですか?」

 

ラクシャ「……いいえ、お力になれずに申し訳ないです」

 

ラクシャは暫く思案していたが頭を振った

 

リィン「いえ、居ない事が判れば充分ですよ。ところで街中に領邦軍の兵士や鉄道憲兵隊の姿が見えますが何かあったのですか?」

 

実際街中に武装した兵士を良く見かけるのだ……

 

ラクシャ「実は……カイエン公に対して暗殺予告がありまして……しかもその予告をだしたのが東方の暗殺者の《銀》なんですよ……」

 

 

 

 

 

 

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