閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第9話

リーシャ『冗談じゃありませんよ!!誰がそんな割に合わない仕事を受けるものですか!!』

 

ラクシャに断りを入れてリィンはトイレに行くふりをしてクロスベルに居るリーシャに連絡を取った。最初は久しぶりにリィンの声を聞いたリーシャは上機嫌で話してたがラクシャに聞いた件を聞くと自分はそんなのは知らないとはっきりと答えた

 

リィン「ならリーシャは全く覚えが無いんだね?というかカイエン公の暗殺が割に合わないって……」

 

リーシャ『当然です!私は今クロスベルで黒月との契約結んでますし、『アルカンシェル』の稽古で忙しいんです!四大名門の一角を片手間で手を出す程愚か者じゃない積もりです。何処の誰ですか、私の名を騙って暗殺しようなどと……』

 

リーシャの怒りはまだ収まらない……名を騙られて面白く無いのは判るが……

 

リィン「そう言う事なら俺達が捕まえておくからリーシャは心配しなくても良いさ、仕事頑張れば……」

 

リーシャ『………いえ、これからそちらに行きます』

 

リィン「リーシャ?」

 

リーシャ『黒月の方は大規模な抗争が無い限り私の出番はないですし、アルカンシェルも丁度一週間休み貰えたので……フフフ、私の騙った奴を捕まえたらどうしてくれようか……』

 

これはかなりキレているな、とリィンは悟り止めるのは逆効果だと思い別の提案をした

 

リィン「なら、俺が迎えに行くさ」

 

リーシャ『迎えですか?オルディスまで着く時間判らないですしリィンさん達に悪いですよ」

 

リィン「何言ってんの?こっちには転移装置かあるのを忘れた?クロスベルまで一瞬で迎えに行けるよ』

 

リーシャ『……そういえばそうでしたね、すっかり忘れてました。でも、それこそ悪いですよ』

 

リィン「遠慮することは無いさ、リーシャの問題は俺達の問題でもある。寧ろ頼ってくれると嬉しい」

 

リーシャ『……それならお言葉に甘えてお願いします。ですが私の位置判らないのでは?』

 

リィン「フローラ曰くリーシャに渡した『ゴスペル』に現在地を知らせるビーコンが搭載されてるそうだ。それを元にリーシャを迎えに行く」

 

リーシャ『これ……改めてとんでもない物ですね、教会に知られたらとんでもない事になりそう……』

 

リーシャは呆れた声を出していた

 

リーシャ『判りました。私は自宅に居ますので誰かに見られる心配は無い筈です』

 

リィン「了解、こっちも準備出来たら迎えに行くよ。あぁそうだリーシャ」

 

リーシャ『?ハイ、なんですか?』

 

リィン「おめでとう、『アルカンシェル』の新作舞台の出演決まったらしいね」

 

リーシャ『あ………フフフ、ありがうとございます。イリアさんにはまだまだ及ばないですが、新作が一般公開されたら是非見に来てください。身内割引でS席用意しておきますから』

 

リィン「あぁ楽しみにしているよ。ではまた後でな」

 

リィンは通話を切りフローラ達の元に戻った

 

ラクシャ「あ、来ましたね」  

 

リィン「すみません、遅くなりました」

 

ラクシャ「大丈夫ですよ。じゃ、行きましょう」

 

ラクシャはそう言ってまた歩き出した後ろでフローラはリィンに小声で尋ねた

 

フローラ「どうでしたか?」

 

リィン「本人も受けた覚えが無いって……それでクロスベルまで転移してリーシャさんを迎えに行くから」

 

フローラ「承知しました」

 

そうしてラクシャさんに案内されて目的の博物館に到着した

 

リィン「此処が『古代種』の展示されている博物館……」

 

フローラ「施設は立派ですが鑑賞に来る客が富裕層……というか貴族みたいな感じが殆どですね。平民は数える程しか居ないですが……」

 

ラクシャ「教養の高い人は兎も角、大部分の平民は古代種を『唯の骨』としか見て無いのですよ。仕方無いと言えば仕方無いのでしょうが……」

 

ラクシャは肩をすくめて寂しそうに笑った

 

ラクシャ「さて……私は用事があるので此処でお別れしますね」

 

リィン「すいません、お忙しい中案内して貰って……」

 

ラクシャ「いえいえ、私もリィンさん達もヨシュア君無事に見つかる事を女神に祈ってますよ」

 

そう言ってラクシャさんは立ち去った……

 

リィン「さて……俺もリーシャさんを迎えにクロスベルまで転移するけど、フローラはどうする?」

 

フローラ「私はこの博物館で待ってます。今回の件気になりますので調べてみます」

 

リィン「判った。では行ってくる」

 

リィンは『ゴスペル』を取り出して操作し、リーシャの『ゴスペル』が発するビーコンを辿る形で転移した。

 

リィンが目を開けるとそこは古いアパートの一室であった

 

リーシャ「あら、早いですね?」

 

リィンが視線を向けるとリーシャが机に座って本を読んでいた

 

リィン「邪魔したかな?」

 

リーシャ「いいえ、丁度読み終わりましたから」

 

リーシャは本を閉じ立ち上がりリィンを抱きしめた

 

リィン「リーシャさん……?」

 

リーシャ「……本当にありがとうございます。本来なら《銀》の仕事は廃業せざるを得なかったのに……」

 

リィン「治療の件ならフローラに……古代ゼムリア文明の技術があってこそ可能だったのだから……」

 

リーシャ「だとしても、です。貴方が彼女を従えてなかったら今こうして《銀》として活動出来なかったでしょうし、イリアさんにも出会えなかった……だから、ありがとう」

 

リィン「……どういたしまして」

 

これ以上の言葉は無粋と思いリィンは感謝の言葉を受け入れた

 

リーシャ「コホン……大変お見苦しい姿を……」

 

あの後自分が大胆な事をしているのに気づいたリーシャは慌てて離れ咳払いをして取り繕った……顔は紅くなっていたが

 

リィン「ハハ……此処がリーシャの部屋なんだね。古いアパートみたいだけど……」

 

リーシャ「えぇ、此処はクロスベル市の旧市街です。安い物件でしたので此処に決めたんです」

 

リィンは窓を覗くと旧市街と新市街の差がはっきりと見えた

 

リィン「……これが交易都市クロスベルの現実か……」

 

リーシャは頷いた

 

リーシャ「新市街は正に交易都市クロスベルの名に恥じない煌びやかな世界です。が、旧市街は色々な理由で新市街から置いていかれた者たちが住んでいます。旧市街の住人は良い人達が多いんですけど」

 

リィン「二大国に挟まれた自治州……そして大国の顔色を伺う議員達、か」

 

リィンは窓から離れリーシャの机に立て掛けられている写真立てを見た。そこにはリーシャの胸を揉もうとしている女性とそれを呆れた顔で見ている人達が写っていた

 

リーシャ「これはイリアさん達『アルカンシェル』の皆と撮った記念写真ですね」

 

リィン「リーシャに絡んでいるのがあのイリア・プラティエか……なんでリーシャの胸を狙ってるの彼女?」

 

リーシャ「イリアさんだからとしか言えないですね」

 

リーシャは苦笑して写真を見ている

 

リィン「大事な場所見つけたみたいで良かった」

 

リーシャ「えぇ……でも、私は同じ位にリィンさん達も大切な人達だと思っていますよ」

 

リィン「ハハ……っと、何時までも話してる場合じゃないな、早速だけどオルディスまで転移するけど準備は大丈夫?」

 

リーシャ「えぇ、もう準備出来てますよ。フフフ……待ってなさい、何処の誰か知らないけど後悔させてやる」

 

リーシャの呪詛は聞かなかったフリをして催促した

 

リィン「じゃあ俺の脇に寄って……良し、じゃあ転移開始っと」

 

リィンはリーシャを連れてオルディスに戻った

 

リーシャ「……本当にオルディスなんですね」

 

リーシャは呆然とオルディスの街並みを見ていた

 

リィン「信じられなかった?」

 

リーシャ「少し……こんな一瞬でクロスベルからオルディスに移動出来るとは……」

 

リィン「さて、フローラに合流しないと……」

 

リィンはそう言って歩き出し少ししてフローラを見つけた

 

フローラ「お帰りなさい。リィン様、リーシャさんもお久しぶりです」

 

リーシャ「お久しぶりです。フローラさん、お陰様で後遺症も無く過ごせてます」

 

フローラ「それは何よりです。それとリィン様報告が……」

 

リィン「何か判ったのか?」

 

フローラ「えぇ……少々タチが悪いのが関わってます」

 

そう言ってフローラは懐からメモを取り出した

 

 

 

 

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