閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第10話

三人は近くのカフェに座ってからフローラは報告した

 

フローラ「調べて判ったのはこの噂が広まったのは3ヶ月前……最初は港に勤めている人達からこういう噂が出回ったそうです……《カイエン公を暗殺しようとする輩がいる》」

 

リィン「最初から《銀》が関わっているとは言われて無かったのか?」

 

リィンの問いかけにフローラは頷いた

 

フローラ「そうです。だから最初は与太話……ガゼネタと誰もがそう思って聞き流したそうです」

 

フローラ「ですが……その噂は消えるどころか益々広がっていったのです」

 

フローラはそう言って注文したコーヒーに口をつけた

 

リーシャ「……それが最終的には『《銀》がカイエン公を暗殺しようとしている』に変化した……と?」

 

黙って聞いていたリーシャはそう言うとフローラは静かに頷いた

 

フローラ「それだけなら噂話が尾ひれがついたで片付きますが、実際にカイエン公に《銀》の名で脅迫状を送ったらしいです」

 

リィン「それでカイエン公側も与太話と片付ける訳には行かなくなったか……鉄道憲兵隊はその件に関係してるのか?」

 

フローラ「関係というか、最初カイエン公側はこれを革新派……オズボーン宰相の差し金だと疑ってたみたいです。無論革新派はこれを否定してますが」

 

リィン「ま、確かに疑われるのも判るが革新派……というかオズボーン宰相がやるかと言われると、やらないだろうな……もしカイエン公を排除したいならオズボーン宰相なら暗殺なんてしなくても幾らでも方法あるからな」

 

フローラ「そのオズボーン宰相も流石に疑われるのは得策ではないと判断して鉄道憲兵隊を派遣して領邦軍と共同でカイエン公の警護に当たるそうです」

 

リィン「列車の時の手荷物検査はその為か、だとしても良くカイエン公は受け入れたな?」

 

フローラ「それだけ《銀》が恐れてるのかもしれません。曲がりなりにも四大名門の一角、《銀》の正確な情報を持っていてもおかしくありません」

 

リーシャ「……大体の経緯は判りました。それで《銀》を騙った愚か者の素性は判明したのですか?」

 

フローラ「素性……とは言い難いですが噂を流す様頼まれた人物と接触出来ました」

 

リーシャ「では依頼人が判ったのですか!?」

 

リーシャは身を乗り出したがフローラは頭を振った

 

フローラ「その者が言うには指定された場所に行ったら流す噂の内容を書いたメモと報酬が入った封筒があっただけで依頼人とは顔も見ていないそうです」

 

リーシャ「そう……ですか、クッ!!一体誰なのよ!人の名で仕事しようなんて姑息な真似を……!」

 

リーシャは怒りで頭に来ていた

 

リィン「……」

 

フローラ「リィン様?何か気になる事でも?」

 

リィン「うん?あぁ……どうしてソイツは『噂を流した』んだろうなと思ってな?」

 

リィンのその言葉を聞いた二人はその意味に気付いて考えた

 

フローラ「確かに……カイエン公を暗殺するのにわざわざ噂を流す必要性は無い筈…」

 

リーシャ「私なら噂を流さずリスクを最小限に、そして誰にも悟られずに対象を討つ……噂を流す真似なんて一流の暗殺者なら絶対そんな事しない、なのに噂が流れた………もしかしてカイエン公の暗殺はフェイク!?」

 

リィンは頷いた

 

リィン「《銀》の名を出す事でインパクトを与え注目をカイエン公に集中させてソイツは本当の目的を達成させるとしたら……辻褄が合うかもしれない」

 

フローラ「しかし、もしそうだとしてもその者の本当の狙いが判りませんね。それが判らなければ……」

 

「お困りのようね?」

 

三人で頭を悩ませているとリーシャの後ろから見覚えのあるゴシック服を着た女性が立っていた

 

リーシャ「……ッ!?(全く気配を感じなかった!?)あの……どちら様ですか?」

 

リィン「あ〜、リーシャこの人確かに怪しいけど怪しく無いから……久しぶりですね。ベリルさん」

 

ベリル「フフフ……酷い言い草ね。初めて会う人もいるみたいだから改めて自己紹介するわ……占い師のベリルよ。旅を続けながら、ね」

 

リーシャ「は、はぁ……リーシャ・マオです。……占い師の格好にはみえませんが?」

 

リーシャはまじまじとベリルの格好を見て評した

 

ベリル「占い師が占い師らしい格好するとは限らないでしょう?………貴女とて同じではなくて?」

 

リーシャ「………なんの事でしょうか?」

 

リーシャはベリルを睨んだ

 

ベリル「フフフ……怖い顔、でもそんな貴女は『彼』に好意を抱いて……」

 

リーシャ「わーっ!ストップ、ストップ!!そ、それより何かご用件があったのでは!?」

 

リーシャは慌てて遮り話題を逸らした

 

ベリル「フフ、困りごとなら占いの出番かと思って声をかけたのよ。どう?前と同じくお代は要らないわ」

 

ベリルはそう言って水晶玉を取り出した

 

リーシャ「えぇ……どうしますか、リィンさん。というか胡散臭いですが」

 

リィン「まぁまぁ、腕は確かだから……」

 

フローラ「それに……手がかりが無い以上占いだろうがなんだろうが頼るのも一つの手かと、リーシャさんも時間かけたく無いでしょう?」

 

リーシャ「それは……そうですけど……」

 

ベリル「決まりね。ならこの水晶玉に触れて知りたい事を念じなさい。それで全て判るわ」

 

リーシャ「………」

 

リーシャは言われた通りに水晶玉に触れると水晶玉が光りだしベリルはその状態の水晶玉に自身の手を触れ内容を読み取った

 

ベリル「これは……船の中かしら?男達が見える……武器も持っているわね……」

 

三人は顔を見合わせた

 

リィン「船……?オルディス港にいるのか?」

 

フローラ「武器を持っているのは怪しいですね。他には何か判りますか?」

 

ベリル「そうね……彼等の口癖は……『革命』って言ってるわね、そして最大の特徴は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

船の中に毒ガス搭載してるみたい、それもオルディスの市民を全て死に至らしめる量の………」

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