閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第11話

ー オルディスより沖合12セルジュ(1200メートル) ー

 

 

海都オルディスから離れた小島にカルバート船籍の貨物船が停泊している、そのブリッジの作戦室で男達の会話をしていた

 

「計画は順調の様だな」

 

「はい、予定通りオルディスの領邦軍と帝都より派遣された鉄道憲兵隊がカイエン公を護衛しています」

 

「それは結構。しかし奴等も馬鹿だなぁ、存在するかも怪しい暗殺者の名を出しただけで慌ただしく警護するとはな」

 

リーダー格の男は帝国側の対応を嘲笑いながら言った

 

「所詮古臭い封建制度の中で生きているからでしょうな。頭が中世で止まっているのでしょう」

 

部下が追従する様に言ったのをリーダーは頷いた

 

「そんな体制の元で搾取されている人民が憐れだよ。やはり我々『共和の旗』が彼等を解放しなければならんな」

 

「オルディス攻略はその一環ですな?」

 

「うむ、第一段階でカイエン公の暗殺の噂を流し奴等の注意をカイエン公一人に集中させる」

 

「まさか東方の最強の凶手の《銀》が自分の命を狙うとは……カイエン公もさぞ肝を冷やしているでしょう。最もそんな事実は無いですが……」

 

リーダーは肩を竦めた

 

「ま、あながち間違いではないがな。但し、暗殺では無く毒ガスで…な」

 

「第二段階でこの船がオルディス港に入港して貨物室に入っている毒ガスをオルディスに噴射する……でしたか、都合の良い事にオルディスの風向きは普段から海側からの風ですから街中の大半は毒ガスの煙で沈むでしょう」

 

「我々はガスマスクをすれば平気だが街の住民はそんなものは無いからな……兵士はもとより女子供も犠牲になる……」

 

リーダーは悲痛な顔をしたがそれも一瞬で狂気の笑顔になった

 

「しかし!これは『革命』に必要な犠牲なのだ!!この国の革命が成った暁には彼等の尊い犠牲に記念碑を建てるのだ!!」

 

リーダーがそう宣言すると周りの部下達が歓声を挙げた……

 

『ふん、黙って聞いて見れば随分巫山戯た話だ……』

 

その時テロリスト達は聞き覚えの無い声に驚いた

 

「だ、誰だ!?か、隠れてないで出てこい!!」

 

リーダーはそう怒鳴りつけた

 

『言われずとも出てやる、最も見たら貴様らは終わるがな』

 

「な、何ぃ!?そんな脅し………ッ!?」

 

リーダーの言葉が言い終わる前に声の主が扉を開けても無いのに突然現れた

 

「な、何者だ!貴様!何処から入った!?」

 

リーダーは突如侵入してきた黒尽くめの仮面を被った男を質した

 

『ほう、私の名を騙っておきながら私を知らないとは……滑稽だな』

 

銀はテロリスト達を嘲笑した

 

「名前……?ッ!ま、まさか貴様は《銀》!?」

 

『フン、漸く気づいたか…さて……用件は判っているだろう?』

 

「な、なんの事だ?私にはさっぱりだ!?」

 

銀『惚けるな、貴様らが私の名を騙っていたのはとっくに判っている。その対価は払って貰う』

 

銀は大剣を抜き構えた

 

「ま、待て!!貴様が伝説の凶手なら何故帝国に与する!?貴様も共和国人だろう!?」

 

銀『その耳は飾りか?さっきも言った通り私の名を騙った対価を払って貰うと……序でに言うが私は依頼主が裏切らない限り仕事は完遂する。そこに帝国人も共和国人も関係無い……それに貴様等外道共と一緒にしないで貰おう』

 

「外道!?我々を外道と抜かすか貴様!!」

 

『外道以外に貴様等を言い表す言葉が見つからないが?嗚呼、犬畜生も相応しいか?いや、それは犬畜生に失礼か……』

 

「き、貴様〜!黙って聞いていれば好き勝手言いおって〜!!こっちには十名も居るのだ!如何に『凶手』とはいえ数の暴力には勝て………な゙い゙!?」

 

テロリストの一人が言い終わる前に《銀》が放った符が顔に貼り付いたと思ったら符が爆発し男は吹っ飛んだ

 

銀『何か言ったか?』

 

テロリスト達はその凶行に身体を震わせ倒れた男をゆっくりと見ると指が動いているので生きてはいるのだろう……

 

銀『たかが十数名程度でこの《銀》を討ち取れると思うなよ……伝説と言われる所以、その身体に刻み込んでやるから覚悟しろ!』

 

銀は狼狽えているテロリスト達に突っ込んだ

 

 

 

 

リィン「リーシャ………いや、《銀》は張り切っているな」

 

貨物船から更に5セルジュ(500メートル)離れたヨットの上でリィンは『ゴスペル』から流れるテロリストの阿鼻叫喚の声を聞いて苦笑いしていた

 

フローラ「勝手に名前を使われて、やってもない悪行を擦り付けられかけたら怒るのは当然かと……」

 

リィンの後ろに控えていたフローラも《銀》の怒りを肯定していた

 

リィン「それはそうだ……で?《銀》一人だけであの船を制圧出来ると思うか?」

 

フローラ「《銀》殿なら雑魚が何人集まっても物の数ではないでしょうが……あの船には百人は居るみたいですから少し時間かかりそうですね」

 

リィン「やっぱりか……確かオーレリア閣下と鉄道憲兵隊に匿名で通報したんだよな?」

 

フローラ「はい、後二時間位で此処に到達します」

 

リィン「そうか……《銀》は手出し無用とは言っていたが、領邦軍と鉄道憲兵隊が来ると更にややこしくなるな………仕方無い、フローラ!」

 

フローラ「はい、既に準備出来てます。何時でも御命令を」

 

リィン「良し……これよりテロリスト捕縛の為《銀》を援護する!オルディス数十万の民を害そうとする外道共に思い知らせてやれ!!」

 

 

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