ー 翌日 ー
リーシャ「それでは私はこれでクロスベルに帰りますね」
リーシャは《アンファング》にてリィン達にクロスベルに帰る事を告げた……
リィン「えぇ、リーシャさんもお元気……「リーシャ」え?」
リーシャ「呼び捨てにしてください、と言いましたよね?後丁寧語もいりませんから」
リィン「いや、でも……「リ・イ・ンさん?」……判ったよ、リーシャ……これで良いか?」
リーシャ「フフフ、はい」
リーシャは満足気な顔で頷いた
リィン「全く、こんな他の女性にうつつを抜かす男の何処が良いと思ったんだが……リーシャ程の器量の持ち主ならもっと良い男が居るだろうに」
具体的には型破りな熱血警官とか……
リーシャ「良いじゃないですか、好きになったんですから……それに、もう貴方以外の男なんてもう眼にも入らないですよ」
リーシャはクスクスと笑って言った
リーシャ「私の心はもう貴方の物……貴方の隣で共に笑い、共に泣き、共に悩み、共に生きていきたい……そう、願ったんですから」
リーシャは自分の胸に手を添えてリィンの顔を真っ直ぐに見た
リィン「リーシャ………」
リーシャ「ですので……『また』、逢いましょう」
リィン「あぁ、必ず」
リーシャ「ん………」
リーシャは己の唇をリィンに近づけリィンもそれに応え唇が重なり合った……
フローラ「行かれましたか?」
リーシャを見送ったリィンは所用で外していたフローラに合流した
リィン「あぁ、フローラは良かったのか?」
フローラ「私は先に済ましておきましたので……これでクローディア殿下とシズナ殿にリーシャさんの三人から好意を寄せられる事になりましたね」
リィン「そうなるか………ハァぁぁぁ、クローゼに顔向け出来ない……」
フローラ「別に気にしないと思われますが?寧ろリィン様の立場を考えれば複数人娶っても良いと思いますよ」
リィン「立場?俺はそんな大層な人物じゃないだろう?」
フローラ「クローディア殿下と結ばれれば王配となります。それだけでも重要人物になりますし、この《アンファング》もリィン様が保有している事が知られれば更に重要性が増すかと………」
リィン「普通複数人付き合うのは不誠実だと俺は思うのだが……まぁ良い、ヨシュアの情報も無いしもうオルディスに留まる理由も無いし他の地方行くか」
フローラ「承知しました。では列車のチケットを手配します」
リィン「いや、幸いここは定期飛行船の空港がある。取るなら飛行船のチケットにしてくれ」
フローラ「判りました。では早速……」
フローラはそう言ってリィンに一礼をして姿を消した
リィン「………これ以上増えないよな?」
リィンはこれがフラグだとは知る由もなかった………
ー オルディス空港 ー
フローラ「ノルティア州の州都ルーレ行でよろしかったのですか?」
空港の待合室でフローラは尋ねた
リィン「あぁ、個人的にも行きたくてな」
フローラ「個人的に……ですか?」
リィン「うん……ちょっとな」
リィンは口を濁していると……
「なんだ、アイスフェルト達ではないか?」
そんな声が聞こえ振り向くと領邦軍の軍服を着た士官……オーレリア・ルグィン伯が僅かな共を連れて待合室に入って着た
リィン「オーレリア閣下……!」
オーレリア「久しいな……と言ってもリベールの武術大会からそんなに時間は経ってないがな」
オーレリアはリィンの向かいの席に足を組んで座った
リィン「えぇ……そんなに時間経っていないのに長い事会っていない気分ですよ。閣下は何時帰国なされたので?」
オーレリア「大会が終わった翌日にな、中々に見応えがあったがやはりそなたとの仕合が出来なかったのが心残りであったな」
リィン「はは、閣下にそう言って頂けるのは光栄です」
オーレリア「ふむ……しかしそなた、あのリベールのクーデター未遂に関わっていたのであろう?王家側として」
リィン「………はて?なんの事でしょう。確かに俺達もあのクーデターに遭遇しましたが情けなく部屋で震えましたよ?」
オーレリア「ほう?それは可笑しいな?現場にいた大使館職員の目撃証言によると畏れ多くも王都に乗り込もうとした賊徒共の乗った装甲車を一瞬で真っ二つにして賊徒共を蹂躙した剣士が居たというではないか、しかもその剣士は歳や背格好は丁度そなたと同じ位だったとな」
リィン「それはそれは、リベールは人材に恵まれていますからな、そんな人もいますよ」
オーレリア「人材か……フフフ、確かにリベールはカシウス殿を初めとした優秀な人物が多いな、だが件の剣士はリベールは沈黙を守っている。何故だと思う?」
リィン「さて……リベールの思慮望遠は一介の平民には判らないですね。それよりも閣下は何故空港に?」
オーレリア「うむ、実はある御方がオルディスに戻って来られるからな、御迎えにあがった次第だ。紹介しようか?」
リィン「遠慮しときます。俺達もこれからラマール州を離れます故」
『まもなくラマール発ノルティア行の乗船を開始します………進入ゲートは……』
そのアナウンスが流れリィン達は立ち上がった
オーレリア「ふむ……ノルティア州に向かうのか……惜しいな、そなたが居るのを知っていれば仕合していたものを……最も、その剣ではそなたの力に耐えられないだろうが」
オーレリアはちらりとリィンの剣を一瞥した
リィン「それは同感です。この剣で閣下に挑むのは無謀というものなので、それと………」
リィンは待合室の隣にあるVIP専用の高級待合室の扉に目を向けた
リィン「『盗み聞き』は淑女として、はしたないですよ。聞きたいなら堂々と聞きに来れば宜しかろう。では自分はこれで……」
リィン達はオーレリアに一礼して去って行った。
「あらあら、殿方にはしたないと言われてしまいました」
オーレリアは涼しい顔を崩さなかったがオーレリアの付き人は露骨に動揺していた。そして高級待合室の扉が開くとアストライア女学院の制服を着たミント髪の少女が現れた
オーレリア「如何でしたか、御自分の眼で見られた感想は?」
「えぇ、とても興味深いですわ。流石はあのリベールの名将カシウス・ブライトの弟弟子と言うべきですね」
ミント髪の少女はにこやかに笑いながら答えた
オーレリア「ノルティア州に向かう様ですが如何しますか?」
少女は少し考えたのち頭を振った
「……辞めときましょう。もとより戻った目的はテロリストの処遇に関してですから」
オーレリア「承知しました。ではすぐに迎えの車を回します」
「お願いします。あぁ、そういえばあの殿方のお名前はなんと言ったのでしたっけ?」
オーレリア「リィン・アイスフェルトでございます。ミルディーヌ様」
ミルディーヌ「そう、リィン・アイスフェルト……次に会う時が楽しみですわ」
ー 思いつきIFストーリー、もしもロイドがリーシャと対峙してあの台詞を言ったら ー
ロイド「この勝負で俺が勝ったら……君は俺が貰う!」
リーシャ「えっと……?普通に嫌ですけど?」
ロイド「………え?……」
エリィ「う、嘘……?ロイドの無自覚たらしが効かないなんて……」
ティオ「無意識にくさい台詞を吐いて数々の女性を困らせたロイドさんの誘惑を跳ね除けた……?」
ランディ「弟ブルジョワジーが敗北した……だと?」
ノエル「あ、あははは……」
ワジ「へぇ………ロイドの誘いを断るなんて《銀》……強敵だね」