閃の軌跡〜変わる物語〜   作:名無し名人

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第18話

オーレリアと別れたリィン達は指定された乗船ゲートに向かいノルティア州行きの飛行船に乗船した

 

リィン「ノルティア州までは何時間かかるんだっけ?」

 

リィンは座席に座りながらフローラに尋ねた

 

フローラ「おおよそ四、五時間といったところですね。少し早いですが昼食になさいますか?」

 

フローラはそう言ってバスケットからサンドイッチや水筒を取り出した

 

リィン「そうだな……なら「お客様……」うん?」

 

見ると飛行船のスタッフが申し訳無さげな顔でこちらを見ていた

 

「お休みの処、申し訳ございません。こちらのお客様との相席をして貰えないでしょうか?こちらのミスでこのお客様の座席が取れなかったもので……」

 

見ると神父の格好をした偉丈夫そうな男性が立っていた

 

「私は立ったままでも平気だ。故に気遣いは有り難いが……」

 

「ですが、こちらのミスでお客様に立ちっぱなしにする訳には……!」

 

リィンとフローラは互いに頷いた

 

リィン「俺達は構いませんよ」

 

フローラ「どうぞこちらへ」

 

フローラは自分の席を譲り自分はリィンの隣に座った

 

「ぬう、しかし……」

 

リィン「旅にはトラブルはつきものですし、これも女神の与えた縁だと思いますから気にしないでください」

 

「……それではお言葉に甘えようか」

 

そう言って神父は座った

 

「ありがとうございます。お詫びに定期飛行船の無料乗船券一回分をお送りしますのでルーレに着いたら担当部署に寄らしてください。では自分はこれで……良い空の旅を」

 

そう言ってスタッフは持ち場に戻って行った

 

「さて……折角だからお互いに名乗ろうか、儂は巡回神父のグンター・バルクホルンだ。お主らの名を聞いても構わぬか?」

 

リィン「えぇ、俺はリィン・アイスフェルトです。でこっちが……」

 

フローラ「リィン様にお仕えしておりますフローラ・クリストと申します」

 

バルクホルン「リィンにフローラか……良き名だ。二人は主従の関係でありつつも確かな信頼と情愛を感じる」

 

リィン「ハハ、流石神父様ですね。人を良く観察しておられる」

 

バルクホルン「何、儂もこれまで色々な人に会って別れて来た身、それだけの話でな……まぁ、年の功という奴だ」

 

フローラ「大分お年を召されてますが、何年位教会に?」

 

バルクホルン「そうさな………十三の頃に見習いとして小さな教会から初めたから……もう五十年も前になるか……懐かしい」

 

バルクホルンはそう自分の過去を懐かしみ自分の顎髭を撫でた

 

リィン「それは長いですね、引退とかは考えた事は無いんですか?」

 

バルクホルン「引退か……それは儂の後進や弟子が育ったらの話だな」

 

フローラ「お弟子さんがいるんですか?」

 

バルクホルン「うむ、三人程な……兄姉弟子二人は立派に育ったが下の弟弟子がどうも……な、基礎は出来るのだがそれ以上は本人の才能が無いらしくてな」

 

バルクホルンは微妙な顔になった

 

フローラ「その弟弟子さんはどうしたんですか?」

 

バルクホルン「アヤツの事だからイーディスに出てグレーな範囲の仕事を請け負う便利屋みたいな物を開業する為に今頃駆け回っているのではないかな?」

 

リィン「………師としてそれはどうなんでしょう?」

 

バルクホルン「何、アヤツとて善悪のわからぬ童ではない。道理の通らない仕事は受けないだろう。それよりお主達はどうなのだ?」

 

リィン「どう……とは?」

 

リィンはバルクホルンの言っている意味が分からず首を傾げた

 

バルクホルン「何か心配事があるのだろう?それもお主達にとって大切な何かを探してると見た、違うかな?」

 

リィン「………」

 

バルクホルン「悩みがあるなら巡回神父たる儂に話してみるといい、話すだけでも気が楽になるぞ?」

 

リィンとフローラは顔を見合わせた

 

リィン「………どうする?」

 

フローラ「……お言葉に甘えてはどうでしょう?話すだけならタダですし」

 

リィンは数秒考え決意した

 

リィン「実は……」

 

リィンは失踪したヨシュアの事をバルクホルンに話した……

 

バルクホルン「そうか………友人が失踪か、それは確かに悩むのは無理も無い」

 

リィン「仲間がリベールを探していまして、俺達は隣国のエレボニアで手がかりを探してたんです」

 

バルクホルン「…………ふむ……」

 

バルクホルンは腕を組んで考え込んでいた

 

リィン「………あの?」

 

バルクホルン「ん?あぁいや済まない……何かその青年の特徴が分かる物を持っていないか?何処かですれ違っていたかもしれん」

 

フローラ「それなら……これを」

 

フローラはヨシュアの写真を取り出しバルクホルンに渡した

 

バルクホルン「この青年か……」

 

バルクホルンは渡された写真を凝視した

 

バルクホルン「………いや済まない、見た事は無いな」

 

リィン「そうですか……」

 

バルクホルン「だが……何処かで見かけたらその時話して帰りを待っている者の下に帰るよう諭してみよう」

 

リィン「………宜しくお願いします」

 

リィンはそう言って頭を下げた

 

『まもなくルーレに到着します。お忘れ物無い様ご確認お願い致します。繰り返します……』

 

すると船内アナウンスが流れルーレにもうすぐ到着すると知らされた

 

バルクホルン「ふむ……長いこと話し込んでいたようだな、お主らはこの後どうするのだ?」

 

リィン「暫くルーレ付近に留まる予定です。バルクホルン神父はどうなさるので?」

 

バルクホルン「儂はルーレ大聖堂に顔を出してその後は列車に乗って更に先を行く予定だ」

 

リィン「なら、ルーレに着いたらお別れですね」

 

そうこう言っている内に飛行船はルーレ空港に着陸し、乗客や貨物を降ろし始めた。リィン達も荷物を持ってルーレに降り立った……

 

バルクホルン「世話になったな」

 

バルクホルンはリィンと握手してそう言った

 

リィン「いえ、俺も話聞いてくれて感謝しています。道中お気をつけて」

 

リィンも握り返した

 

バルクホルン「無事にお主の友人が見つかる様儂も女神に祈ろう。では、さらばだ」

 

バルクホルンはそう告げてリィン達と別れた

 

リィン「さて……俺達もでようか?」

 

フローラ「はい」

 

リィン達も空港を出ると其処は帝国最大の工業都市ルーレの街がリィン達の目に飛び込んだ。市内にあるラインフォルト社の工場に導力を供給する為のジェネレーターが多数設置、ツァイスにもあったエスカレーターが設置され他の帝国の都市とは一線を画した正に帝国科学の最先端を行く都市であった。

 

リィン「凄いな……これがルーレか」

 

フローラ「ツァイスが一品を極める工房ならルーレは大量生産を意識した工場ですね。ルーレの市民の大部分はラインフォルト・グループの社員だとか」

 

リィン「文字通りルーレの屋台骨という訳か……さて、フローラ早速で悪いが俺の個人的な用事を先にして良いか?」

 

フローラ「それは構いませんが……何をなさるのですか?」

 

リィンは歩き出した足を止め振り返った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リィン「温泉郷ユミル………そこに行ってみたいんだ」

 

 

 

 

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